ホンダ・ロゴ
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ホンダ・ロゴ GA3/5型 | |
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初期型(1996年10・11月 - 1998年11月) 中期型(1998年11月 - 2000年4月) 後期型(2000年4月 - 2001年6月) | |
製造国 |
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販売期間 | 1996年10月 – 2001年6月 |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 3ドア/5ドア ハッチバック |
エンジン |
D13B型:1.3L 直4 SOHC ベルト駆動 8バルブ D13B型:1.3L 直4 SOHC 16バルブ |
駆動方式 | FF/4WD |
最高出力 |
D13B型(8バルブ):66PS/5,000rpm D13B型(16バルブ):91PS/6,300rpm |
最大トルク |
D13B型(8バルブ):11.3kgf·m/2,500rpm D13B型(16バルブ):11.6kgf·m/4,800rpm |
変速機 | 3速AT / 5速MT / CVT |
サスペンション |
前:マクファーソンストラット 後(FF):車軸式 後(4WD):ド・ディオンアクスル |
全長 |
前期型:3,750mm 中期型:3,780mm 後期型:3,785mm |
全幅 | 1,645mm |
全高 |
標準(FF):1,490mm 標準(4WD):1,510mm Sキット:1,525mm |
ホイールベース | 2,360mm |
車両重量 | 790 – 890kg |
燃費 |
標準(FF):19.8km/L 標準(4WD):15.4km/L TS:16.2km/L 全て10・15モード |
新車登録台数の累計 | 20万2601台[1] |
先代 | ホンダ・シティ(日本国内向け) |
後継 | ホンダ・フィット |
-自動車のスペック表- |
ロゴ(Logo)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたハッチバック型の小型乗用車である。
概要[編集]
シティ(日本国内向け)の後継車種として登場した。シティがスタイル重視の方針によって、コンパクトカーに本来求められる実用性を損なってしまった反省から、ボディデザイン・ドライブトレーンとも徹底して実用優先で設計された。しかし、余りに実用に徹しすぎたため、外観は商品性に乏しい凡庸なものであった。
CVTの導入や、低中回転域での扱いやすさを重視した高トルク型エンジンなどにより、実用域の動力性能は卓越するものがあった。しかし、タウンユースでの乗り心地を重視したため、サスペンションセッティングは低速からロールが大きめで、安定性および高速域の運動性能に対してはクレームや不満の声を聞くこともあった。前輪駆動モデルではスタビライザーが装着されていなかった。事実、徳大寺有恒は、『間違いだらけのクルマ選び』で、時速80km以上で高速走行を行った際での危険性を指摘していた。
プラットフォームやコンポーネンツを利用した二つの派生モデル(キャパ、HR-V)も開発され、それらは一定の実績を収めた(重量増加に伴い上記サスペンションセッティングが見直された)。それに対してベースのロゴ自体は、主力グレードでも安価な価格設定にもかかわらず、売れ行きや評価は芳しくないままに終わった。この反省からホンダは後継車のフィットで基本コンセプトを一新し、コンパクトカー市場での大成功を収めることになる。
ドライブトレイン[編集]
ロゴの最大の特徴であり、美点でもあったエンジンは、4代目シビックに搭載されていたD13B型(キャブレター仕様)をベースに、吸排気バルブの数を減らしPGM-FI仕様に変更したものである。
低回転域を重視したセッティングのため、吸排気バルブをベースの16バルブから8バルブに変更[2]している。性能は66PS、11.3kgf·mで、16バルブ仕様に比べて出力とトルクを抑えているが、これは日常よく使う1,300rpmでエンジントルクの90%を、そして2,500rpmでピークトルクを発生させるよう設定したためであり、「ハーフスロットル高性能」[3]と称していた。実際ロゴは、このトルク特性と軽量なボディとによって、街中の発進や登坂路であっても、アクセルペダルを大きく踏み込まずに軽々と走ることができた(ただし、前述のサスペンションセッティングの問題があった)。
この発想は、北米で販売されていた超低燃費仕様「CIVIC CRX HF」が実用域での使いやすさが際立っていたことに影響されたもので、その後のL型エンジンのi-DSIへと進化して行った。なお、後のマイナーチェンジにおいて、スポーティーグレードの「TS」に(本来の)16バルブ仕様のD13B型が搭載されている。
組み合わされた変速機は、5速MT、3速ATのほか、ホンダ独自のCVTシステムである「ホンダマルチマチック」がシビックに次いで採用された。先に実用化された富士重工業(スバル)のECVTと同じスチールベルト式CVTであるが、発進クラッチに湿式多板クラッチを使用したのが特徴である。
その他[編集]
初期型のE-GA3/5ではグリルレスのデザインだったが、その後のマイナーチェンジでフードのオープニングラインを変更し、スリットが追加され、最終型では一般的なグリルに変わった。
初期型から後期型へのマイナーチェンジで、衝突安全性向上等のために重量が100kg近く増えている。
搭載エンジン[編集]
- エンジン種類:水冷直列4気筒横置き
- 弁機構:SOHCベルト駆動 吸気1 排気1 、SOHCベルト駆動 吸気2 排気2
- 最高出力:49kW(66PS)/5,000rpm(2バルブ)、67kW(91PS)/6,300rpm(4バルブ)
- 最大トルク:111N·m(11.3kgf·m)/2,500rpm(2バルブ)、114N·m(11.6kgf·m)/4,800rpm(4バルブ)
- 総排気量:1,343cc
- 内径×行程:75.0mm×76.0mm
- 圧縮比:9.2(2バルブ)、9.1(4バルブ)
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:40L
初代 GA3/5型(1996-2001年)[編集]
車名の由来[編集]
- ラテン語のLogosが元になっていて、「意味」「言葉」「理性」といった意味を持つ。
取扱販売店[編集]
それまでホンダは販売チャネルごとに車名を替えていたが、本車で初めて3チャネルとも同一車名で販売している。
脚注[編集]
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第77号11ページより。
- ^ 対角線上の吸排気バルブを1つずつ塞いである
- ^ LOGO発表時のFact Bookより
- ^ “ロゴ(ホンダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月24日). 2020年1月24日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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