ポイ捨て

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動
「ポイ捨て」などと呼ばれて犯罪意識が低い場合があるが、不法投棄に該当する犯罪行為にして他人に費用を押し付ける深刻な問題であるため、被害の大きな沿道などでは警告する看板などが各所に掲出されている。

ポイ捨て(ポイすて)とは、ごみの不適切な処理方法の一つで、対象物が小さい場合の俗称である。不法投棄とも呼ばれる。半数以上を喫煙者によるコバタの吸い殻が占める[1][2]

コバタのポイ捨てを行う者らの大多数は喫煙所が付近にあってもすること、対策の中で罰金が最も効果のあることが実証されているため[1]シンガポール[3]タイ王国では罰金刑を課している。日本においても道徳的、各種法令に抵触する違法行為(廃棄物処理法[4]軽犯罪法[5]道路交通法[6]など)であるが[7]、ポイ捨てそのものを取り締まることを主目的とした法律が無い為、ポイ捨てを行う者らに厳しい刑事罰・前科を与える法の立法が求められている[2]。また、ごみなどの路上投棄が多い地域生活では、ポイ捨てを禁止する条例を定めた自治体がある。[1]

概要[編集]

植え込みに捨てられたペットボトル
植え込みに捨てられたペットボトル
側溝にポイ捨てされた紙巻きたばこの吸殻
側溝にポイ捨てされた紙巻きたばこの吸殻
啓蒙キャンペーン (江東区)
啓蒙キャンペーン (江東区

ポイ捨てされるものとしては、チューインガムたばこの吸殻、空きペットボトルレジ袋などの使い捨て容器類、包装紙や新聞雑誌・集合住宅の郵便受けにポスティングされるチラシなどの類・食べ残した食品などがある。

「ポイ捨て」と軽い言葉で表現される傾向があるが、火災漂流・漂着ごみ野生動物の殺傷など他の社会問題の要因ともなっている。集合住宅にポスティングされるチラシの散乱においては、ポスティングそのものを諸悪の根源とするポイ捨てを弁護するような声がある。

対象物がタバコの吸殻のように小さいものでも、海のごみのうち約4分の1がタバコの吸殻で最多であったように海洋汚染の原因ともなる[8]

日本における刑罰・罰則[編集]

条例違反[編集]

たばこ問題に関連し、歩きタバコ禁止条例とともにポイ捨て禁止条例が制定される自治体もあり、ポイ捨て行為に罰則を課している。

条例違反の摘発事例[編集]

道路交通法違反[編集]

交通の障害を来す行為については道路交通法により取締が行われる[10]

  • 道路交通法第76条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
    • 第4項 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
      • 第4号 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
      • 第5号 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
— 平成23年6月24日法律第74号による最終改正

道路交通法違反の摘発事例[編集]

軽犯罪法違反[編集]

ポイ捨ては軽犯罪法違反により罰せられる[10]。たばこの吸殻などを側溝や路上へ投棄することは、軽犯罪法違反になる。

  • 軽犯罪法第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
    • 第25号 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者
    • 第27号 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
— 昭和48年10月1日法律第105号による最終改正

廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反[編集]

廃棄物の処理及び清掃に関する法律はポイ捨て行為を罰する法律である[10]

  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条
    • 第1項 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
      • 第14号 第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
    • 第2項 前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。
— 平成23年12月14日法律第122号による最終改正

シンガポールの事例[編集]

中国の事例[編集]

高層ビルからのポイ捨て[編集]

中国では、高層ビルなどの高所から物を投げ捨てる行為は犯罪と見なされる。公の安全を脅かすと見なされれば、容疑者は懲役3年から10年の判決を受ける。通行人などが深刻な怪我や死亡した場合などは、終身刑か死刑もあり得る。2010年代に急速に発展し、高層ビルが乱立するようになった現状に住民のマナー改善は追いておらず、しばしば高層階から故意に投げ捨てられたゴミが地上の人間や車両に被害を与えて問題となる。2016年から2018年の間に発生した、高所からの落下物に関する刑事事件は31件で半数は死亡事件となった。さらに1200件の賠償請求を求める民事事件が起きている[12]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c コバタ吸い殻「ポイ捨て」する理由〜「喫煙所」を増やして効果あんの?(石田雅彦) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. 2021年4月21日閲覧。
  2. ^ a b c 「日本の廃棄物」p116 , 2000年 · 全国都市清掃会議
  3. ^ 初犯1000シンガポールドル(約8万円)、再犯は2000シンガポールドル(約16万円)と場合によって公共の施設の清掃などのボランティア活動も
  4. ^ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律  第16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。  第25条第14号 第16条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者。   ● 罰則    5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれを併科する。
  5. ^ 軽犯罪法  第1条 左の各号の1に該当する者は、これを拘留または科料に処する。  25 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者  27 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者   ● 罰則    拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する (刑法)    科料は、千円以上一万円未満とする (刑法)
  6. ^ 道路交通法  第76条第4項 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。  第4号 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両などを損傷するおそれのある物件を投げ、または発射すること。  第5号 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両などから物件を投げること。  第7号 道路または交通の状況により、公安委員会が道路における交通の危険を生じさせ、または著しく道路の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為   ● 罰則    5万円以下の罰金
  7. ^ ごみのポイ捨ては法律違反です! | 中島村公式ホームページ”. www.vill-nakajima.jp. 2021年4月21日閲覧。
  8. ^ 東京新聞「米国の環境保護団体オーシャン・コンサーバンシー調査」2007年8月4日夕刊
  9. ^ 横浜市の路上喫煙禁止条例、1カ月で罰則適用734件(日本経済新聞、2008年2月22日)
  10. ^ a b c ポイ捨て行為は法律で罰せられます - 千葉県浦安市
  11. ^ 高層階から瓶落下、男性死亡=豪州人を逮捕-シンガポール”. 2019年9月1日閲覧。
  12. ^ 高層マンションから降るゴミ、中国で問題に 豆腐、犬糞、自転車も”. Newsphere (2020年8月5日). 2020年8月6日閲覧。