ポルノの帝王 失神トルコ風呂

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ポルノの帝王 失神トルコ風呂
監督 内藤誠
脚本 小野竜之助
出演者 梅宮辰夫
山城新伍
花園ひろみ
久里千春
有吉ひとみ
音楽 小杉太一郎
主題歌 梅宮辰夫「シンボルロック」
編集 長沢嘉樹
製作会社 東映東京撮影所
配給 日本の旗 東映
公開 日本の旗 1972年6月9日
上映時間 87分
製作国 日本の旗 日本
前作 ポルノの帝王
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ポルノの帝王 失神トルコ風呂』(ぽるののていおう しっしんとるこぶろ)は、1972年公開の日本映画。製作:東映東京撮影所、配給:東映

概要[編集]

梅宮辰夫主演による“帝王シリーズ”第五作(最終作)[1][2][3]九州から上京した主人公が"巨大なシンボルを武器に、成り上がっていく艶笑喜劇[3]

タイトル命名は岡田茂東映社長[3][4]。タイトルの一部に使用された「トルコ風呂」は1980年代からは「ソープランド」と表記され、今日使用されない[5]

梅宮は1972年3月にクラウディア・ヴィクトリアと再婚するまで、毎晩のように銀座ネオン街に繰り出し「夜の帝王」を自認していたが[6][7][8]、トルコ風呂にも通っていたと話している[9]。山城新伍は1975年の『独占!男の時間』(東京12チャンネル)のMC以前に「ポルノ映画(東映ポルノ)に二枚目半の役で出たのがきっかけで、トルコの突撃ルポなどの仕事が来るようになった。本当はときどき、遊びに行く程度だったんだけど、いつの間にか"トルコの帝王"にされた」と述べている[10]。山城の『独占!男の時間』抜擢は、そこで見せた山城の話術が東京12チャンネルのプロデューサーに注目されてオファーされたもので[10]、以降、山城は売れっ子テレビタレントになった[10]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督:内藤誠
  • 脚本:小野竜之助
  • 企画:矢部恒
  • 撮影:中島芳男
  • 音楽:小杉太一郎
  • 主題歌:「シンボルロック」シングル版とはアレンジが異なり、歌詞も細部が違う。
  • 美術:藤田博
  • 編集:長沢嘉樹
  • 録音:長井修堂
  • スチル:藤井善男
  • 照明:桑名史郎
  • 助監督:澤井信一郎1th)、佐伯俊道4th[11]

製作[編集]

企画[編集]

札付きのプレイボーイ梅宮辰夫金髪(?)女性のクラウディアと正式に結婚したことを受け[12]、調査をしたところ、外国人女性が働くトルコ(ソープ)がまだないと判明し、金髪女ばかり集めたトルコを梅宮が経営して一儲け、という先取り精神に基づく企画を思いついた[12]。何でもある日本にも外国人女性が働くトルコはまだ無かった(今日は不明)[12]。当時は日活ロマンポルノ警視庁からイジメ抜かれていた頃で[12]、ポルノ業界は大混乱[13]日活は「どうして東映さんのポルノはあげられないのか」と怒りとひがみを露わにした[12]岡田茂東映社長は「うちのセックス・シーンにはドラマとしての必然性があるからや」などと笑わせた[12]

撮影[編集]

本作撮影当時は東映東京撮影所(以下、東映東京)に機動隊が導入されるなど、同撮影所の組合闘争(東制労闘争)が激化した頃[11][14][15][16]。会社は契約者労組を認めざるを得なくなり、この時点では闘争は組合側の一定の勝利を収めた[14][17]。この東映東京の混乱で学習院大学時代に機動隊に蹴りを入れて逮捕された佐伯俊道は、梶間俊一に「助監督に空きが出たから面接に来ないか」と誘われ、東映へ入社した[11]。面接当日に遅刻して不採用だったのが荒井晴彦[11][18]。助監督幹事の三堀篤から「しばらくサード助監督の下のフォースをやってもらう。撮影中の作品が二本、これから撮影に入るやくざものが一本。仕事を早く覚えるには、準備段階から入れるやくざものに就くのがいいと思うけど、どの作品を選ぶかは君の自由だ。いま撮影中の作品は齋藤武市監督の千葉(真一)ちゃんの空手もの、もう一本は...あまりお勧めじゃないけど、内藤誠監督のイロものだ」と言われ、「イロもの?」「ああ。『ポルノの帝王 失神トルコ風呂』というんだけどね」「それ!その作品に就かせて下さい」と即断した[19]。佐伯は石井輝男の異常性愛路線と「夜の青春シリーズ」が大好きだった[3]。佐伯がスタジオに入ると助監督の澤井信一郎から「まさか、この組に就くんじゃないだろうね。変わったヤツだなあ。今からでも遅くない。やめとけ。伊藤(俊也)ちゃんが頑張って『さそり』を撮ってるんだ。あっちの方が勉強になるぞォ。それにこっちはあと三日で撮影が終わるし」と言われたが、佐伯は「僕、添え物B級映画が大好き人間なんです」と訴え、本作のフォース助監督に就いた[3]。これ以降、佐伯は会社や助監督の先輩諸氏から「何て変わった奴なんだ」と見られ、佐伯=変態論が広まった[19]。しかし、添え物映画を撮っていた内藤や、野田幸男石井輝男山口和彦らから面白がられ「ホン直しを手伝え」と言われ、多くの作品のホン直しに加わり、「シナリオをどのように書けば映像に出来うるのかを見極める実地訓練に役立ち、非常に勉強になった」などと話している[19]

東映東京の第13ステージに吉原の高級トルコ風呂店の豪華なセットが組まれた[11]。外国人女優(?)をたくさん集めたセットは賑やか[12]。彼女たちのスペシャルテクニックキャッチフレーズはゴールド・フィンガー[12]。デカチン梅宮が、三原葉子片山由美子、集三枝子、金髪美女A・B・Cと次々に女を抱き倒すシーンが撮影された[3]

同時上映[編集]

遊侠列伝』(再映)

脚注[編集]

  1. ^ 帝王シリーズ”. 日本映画製作者連盟. 2019年1月26日閲覧。
  2. ^ 「タウン『女たらしの帝王」『週刊新潮』1970年9月19日号、新潮社、 14頁。
  3. ^ a b c d e f 佐伯俊道「終生娯楽派の戯言 第十二回 添え物人生走馬燈」『シナリオ』2013年5月号、日本シナリオ作家協会、 122-125頁。
  4. ^ 杉作J太郎・植地毅「内藤誠インタビュー」『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』徳間書店、1999年、107頁。ISBN 4-19-861016-9。
  5. ^ 【裏昭和史探検】「トルコ」→「ソープランド」 改名時のドタバタとは?
  6. ^ 杉作J太郎植地毅「俳優・梅宮辰夫の軌跡 ~少年ヒーロー、番長、ヤクザ、板前、そしてオネエの警視正まで 文・植地毅」『不良番長浪漫アルバム』徳間書店、1999年、52-55頁。ISBN 978-4-19-864354-6。
  7. ^ “うちのルール 俳優 梅宮辰夫(47)宅 『夜の帝王』変じて『台所の帝王』”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 19. (1986年3月4日) 
  8. ^ 「梅宮辰夫にプレイボーイを廃業させた151番目の金髪娘」『週刊現代』1972年3月16日号、講談社、 148-151頁。男たるもの"肉"を喰らえ! あの"不良番長"が返ってきた!! 本人直撃!あの伝説の検証 梅宮辰夫"最強"伝説!」『EX大衆』2012年3月号、双葉社、 91-93頁。俳優・梅宮辰夫が“番長”続行宣言! チケットぴあ
  9. ^ 「梅宮辰夫の"女の泣きどころ"研究20年 プレイボーイ俳優No.1が1度も明かさなかったタイプ別女泣かせのテクニック トルコ風呂で、"自己点検"」『週刊現代』1971年12月23日号、講談社、 62-65頁。
  10. ^ a b c 「連載にんげんファイル'84 山城新伍 『京都の映画館を遊び場にした町医者の伜は年収九千万円、白馬童子から自称・軽薄中年へ。趣味はラグビー観戦、トルコ風呂はもう飽きた』」『週刊現代』1984年1月7/14日号、講談社、 88–92。
  11. ^ a b c d e 佐伯俊道「終生娯楽派の戯言 第十一回 その名も東映番外地」『シナリオ』2013年4月号、日本シナリオ作家協会、 70-73頁。
  12. ^ a b c d e f g h 「NEWS OF NEWS 金髪トルコ嬢はいかが? 東映が思いつきから新作ポルノ」『週刊読売』1972年6月10日号、読売新聞社、 32頁。
  13. ^ 「NEWS OF NEWS ポルノ・ファンに冬の時代到来」『週刊読売』1972年6月10日号、読売新聞社、 32頁。
  14. ^ a b 「『ロストクライム -閃光-』インタビュー伊藤俊也 『三億円事件の真相と権力との闘い昭和という時代への想い』」『キネマ旬報』2010年7月上旬号、キネマ旬報社、 76頁。
  15. ^ 佐伯俊道「連載リレーエッセイ SCENARIO PEOPLE(2) わが師、わが友 どこまで行っても裏通り」『シナリオ』1986年10月号、日本シナリオ作家協会、 98-100頁。
  16. ^ 杉作J太郎・植地毅「伊藤俊也インタビュー」『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』徳間書店、1999年、138-142頁。ISBN 4-19-861016-9。布村建「極私的東映および教育映画部回想」『映画論叢』2008年2月号、国書刊行会、 122-125頁。「弾はまだ残っとるがよ、一発残っとるがよ」 追悼・菅原文太DVD「暴力団再武装」。71年東映。
  17. ^ 「クローズアップ・トーク 〈ゲスト〉佐伯俊道 『猫の好きなシナリオライターの書斎にて』 インタビュー・桂千穂」『シナリオ』1990年8月号、日本シナリオ作家協会、 88頁。川崎宏『狂おしい夢 不良性感度の日本映画 東映三角マークになぜ惚れた!? 青心社、2003年、218-219頁。ISBN 978-4-87892-266-4。
  18. ^ 佐伯俊道「終生娯楽派の戯言 第十回 どうすりゃいいのさ思案橋」『シナリオ』2013年3月号、日本シナリオ作家協会、 66-69頁。
  19. ^ a b c 佐伯俊道「特集―特別講義 シナリオライターをめざすなら シナリオ講座での特別講義より採録 『ライターってマゾなんです』」『シナリオ』1987年6月号、日本シナリオ作家協会、 113-114頁。