マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー

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マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
ビートルズ楽曲
収録アルバム アビイ・ロード
リリース 1969年9月26日
録音 アビー・ロード・スタジオ
1969年7月9日 - 8月6日
ジャンル ポップ[1]
ポップ・ロック[2]
ミュージックホール[3]
時間 3分27秒
レーベル アップル・レコード
作詞者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン

アビイ・ロード 収録曲
A面
  1. カム・トゥゲザー
  2. サムシング
  3. マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
  4. オー!ダーリン
  5. オクトパスズ・ガーデン
  6. アイ・ウォント・ユー
B面
  1. ヒア・カムズ・ザ・サン
  2. ビコーズ
  3. ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
  4. サン・キング
  5. ミーン・ミスター・マスタード
  6. ポリシーン・パン
  7. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
  8. ゴールデン・スランバーズ
  9. キャリー・ザット・ウェイト
  10. ジ・エンド
  11. ハー・マジェスティー

マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」(Maxwell's Silver Hammer)は、1969年に発表されたビートルズのアルバム『アビイ・ロード』に収録された曲。

解説[編集]

名義はレノン=マッカートニーだが、実質的にはポール・マッカートニーの作品[4]。リード・ボーカルもポールが担当。

ポールの演奏によるモーグ・シンセサイザーの軽快な音と金槌の音が特徴だが、歌詞の内容はその軽快な曲調に反して、マックスウェル・エディスン[注釈 1]という医学生がジョウンという変わった女の子[注釈 2]を映画を見に行こうと誘っておいて銀の金槌で撲殺するという所からはじまり、自分が授業を妨害したことを咎めた女性教授と、自分の事件の裁判長も撲殺するという、ビートルズとしては非常に珍しい物騒なもの[5]。ただ、歌詞はを踏んでおり、「マザー・グース」のような言葉遊びの歌にもなっている。歌詞についてポールは、「突然の状況悪化という当時置かれていた状況をモチーフにした。」と語っている[6][7]

ドキュメンタリー映画「レット・イット・ビー」内に出てきた途中の歌詞には「Maxwell's silver hammer made sure that Maxwell was dead(マックスウェルの銀のハンマーで彼は自殺した)」というくだりがあった。

また、ポールはこの楽曲をシングル化したかったらしく、幾度となくレコーディングを重ねている。このような経緯もあってか、ビートルズの他3人はこの楽曲について良く思っておらず、ジョン・レノンは「ポールのおばあちゃんソング」と酷評し[8]リンゴ・スターは「最悪のセッションだった。」と後に語っている[9]

レコーディング[編集]

曲自体は1968年初頭にインドリシケーシュ滞在時に書かれたものだが[10]、アルバム『ザ・ビートルズ』のセッション時は時間の制約により取り扱われ翌年のゲット・バック・セッションで最初に取り上げられた[注釈 3]

その6ヶ月後である7月9日アビー・ロード・スタジオで正式なレコーディングが開始された。自動車事故により8日にわたってレコーディング・セッションを欠席していたジョンは、この日より復帰[11]。レコーディングには、ジョンの妻であるオノ・ヨーコも同行していたが、ジョンよりも酷く怪我をしていたヨーコはスタジオに用意された大きなダブルベッドの上に横たわっていた[12][13]

リズムトラックが16テイク録音された後、一連のギターパートがオーバー・ダビングされた[13]。この時に未使用となった第5テイクは1996年発売の『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に収録された[13]。4日後にボーカルピアノハモンドオルガン鉄床を叩く金槌の音、そして追加のギターがオーバー・ダビングされた。8月6日にポールによってモーグ・シンセサイザーのソロが録音されて完成となった[13]

演奏[編集]

収録アルバム[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ジェームズ・クラーク・マクスウェルトーマス・エジソンを合成した名前。「majoring in medicine」に押韻している。
  2. ^ 歌詞には化学実験が趣味と書かれている。
  3. ^ 映画『レット・イット・ビー』にそのリハーサル風景が収録されている。
  4. ^ ゲット・バック・セッション時のリハーサルでは、マル・エヴァンズが金槌で鉄床を叩いていた(映画『レット・イット・ビー』で確認できる)。

出典[編集]

  1. ^ Mulligan, Kate Siobhan (2010-07-01). The Beatles: A Musical Biography. ABC-CLIO. p. 127. ISBN 0-313-37686-7. 
  2. ^ Unterberger, Richie. “Maxwell's Silver Hammer - The Beatles | Song Info” (英語). AllMusic. 2018年12月31日閲覧。
  3. ^ Gould, Jonathan (2008). Can't Buy Me Love: The Beatles, Britain, and America. Random House. p. 578. ISBN 0-307-35338-9. "... the song is a preternaturally catchy music-hall number ..." 
  4. ^ Sheff, David (2000). All We Are Saying. New York: St. Martin's Griffin. p. 202. ISBN 0-312-25464-4. 
  5. ^ Mulligan, Kate Siobhan (2010-06-01). The Beatles: A Musical Biography. ABC-CLIO. p. 127. ISBN 0-313-37686-7. 
  6. ^ a b アルバム『アビイ・ロード』日本盤ライナー・ノーツ
  7. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years from Now. Secker and Warburg. p. 554. ISBN 978-0-7493-8658-0. 
  8. ^ Emerick, Geoff; Massey, Howard (2006). Here, There and Everywhere: My Life Recording the Music of The Beatles. New York: Gotham. p. 281. ISBN 978-1-59240-179-6. 
  9. ^ Mendelsohn, John (1969年11月15日). “The Beatles Abbey Road”. Rolling Stone. 2018年11月1日閲覧。
  10. ^ Howlett, Kevin (2018). The Beatles (White Album) Super Deluxe Edition. p. 21. 
  11. ^ John Lennon crashes his car in Scotland”. Beatles Bible. 2019年4月13日閲覧。
  12. ^ Miles, Barry; Badman, Keith (2001). The Beatles Diary: The Beatles Years. Omnibus Press. ISBN 978-0-7119-8308-3. https://books.google.com/books?id=_TBkf1ttNBYC&lpg=PP1&dq=The%20Beatles%20Diary%3A%20The%20Beatles%20Years&pg=PP1#v=onepage&q&f=true. 
  13. ^ a b c d Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1.