マルチギガビット・イーサネット

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マルチギガビット・イーサネット2.5ギガビット/秒ないし5ギガビット/秒の仕様のイーサネットの規格。[1]

カテゴリ5eまたはカテゴリ6ツイストペアケーブル上で2.5Gbit/sまたは5Gbit/sの速度を実現し、既存のギガビット・イーサネットと、10ギガビット・イーサネットとの間で中間的な通信速度を提供する。 2.5GBASE-Tおよび5GBASE-Tとして標準化作業が進められている。[2][3]

ベンダーによってはNBASE-TMGBASE-Tとする場合もある。

概要[編集]

IEEE802.3の"2.5G/5GBASE-T Task Force"は2015年3月に2.5GBASE-Tおよび5GBASE-Tとして標準化作業が始まり、[4]2016年9月23日、"IEEE Std 802.3bz-2016"規格として承認された[5]

IEEE802.3bzの仕様としては[6]

  • 100m以上のCat5eケーブル上で最大2.5Gbit/s
  • 100m以上のCat6ケーブル上で最大5Gbit/s
  • 一定の使用法と導入法の下で、100mまでのCat5eケーブル上で最大5Gbit/s

技術[編集]

IEEE802.3bzの物理層(PHY)伝送技術は、10GBASE-Tをベースとして、より低い信号の周波数レートを用いる。10GBASE-T14 または 12の周波数レートであるため転送レートはそれぞれ2.5または5 Gbit/sとなる[7] 。要求されるケーブルへのスペクトル帯域が狭くなるので、 ケーブル長100 mのアンシールド Cat5eCat6ツイストペアケーブル上での展開を可能としている[8]

Power over Ethernet[編集]

10GBASE-Tまでの規格とは異なり、機器製造メーカーはこの規格の原型であるNBASE-T準拠のスイッチの一部において、Power over Ethernet (PoE / IEEE802.3at)の導入にこだわった。広帯域のWi-Fiアクセスポイント(IEEE802.11ac / 802.11ax)の転送レートが既存の1000BASE-T PoE接続の転送レートを上回りつつあるためである[9]

ツイストペアケーブルによるイーサネット技術の比較[編集]

軸は、図の左から、1対辺りch数、ビット/Hz、信号帯域幅(MHz)。
規格 転送レート[注釈 1] 1対辺りch数[注釈 2] ビット/Hz[注釈 3] 信号帯域幅[注釈 4] 対応ケーブル(100 m) ケーブル対応周波数(100 m)
10BASE-T 10 Mbit/s 1 1 10 MHz Cat 3 16 MHz
100BASE-TX 100 Mbit/s 1 3.2 31.25 MHz Cat 5 100 MHz
1000BASE-T 1000 Mbit/s 4 4 62.5 MHz Cat 5 [注釈 5] 100 MHz
2.5GBASE-T 2500 Mbit/s 4 6.25 100 MHz Cat 5e 100 MHz
5GBASE-T 5000 Mbit/s 4 6.25 200 MHz Cat 6 250 MHz
10GBASE-T 10000 Mbit/s 4 6.25 400 MHz Cat 6A[注釈 6] 500 MHz
25GBASE-T 25000 Mbit/s 4 6.25 1000 MHz Cat 8 (30 m) 1600/2000 MHz
40GBASE-T 40000 Mbit/s 4 6.25 1600 MHz Cat 8 (30 m) 1600/2000 MHz
  1. ^ 転送レート = ch数 × ビット/Hz × 周波数帯域
  2. ^ 10BASE-Tと100BASE-TXではケーブルはツイストペアのうち1対が送信専用、もう1対が受信専用に使用され、残りの2対は未使用である。これより高速になると、1対を送信(TX)と受信(RX)の両方の使用する。
  3. ^ 符号化オーバーヘッドによるロスを差し引いた実効レートである。
  4. ^ 信号帯域幅は、信号が1周波となる最大のレートであり、シンボルレートの半分となる。それは1周波の正ピークと負ピークの両方で1シンボルを送信できるからである。ただし、10BASE-Tはマンチェスター符号化を採用しているため、信号帯域幅とシンボルレートは等しい。100BASE-TXでは、MLT-3(4B/5B)を採用しており、シンボルレートの1/4となる。
  5. ^ Cat 5e以上推奨
  6. ^ 55m以下のCat 6でも動作保証されている。

歴史[編集]

適応[編集]

前述のとおり広帯域のWi-Fiアクセスポイント(IEEE802.11ac Wave2 / 802.11ax)の転送レートが既存の1000BASE-T接続の転送レートを上回りつつあり、1000BASE-Tのままでは有線部分がボトルネックとなる。10GBASE-Tに置き換えるにしても機器が高価であるほか、ケーブルもカテゴリー6A/カテゴリー6への張り替えを要求されるなどコストが掛かる。(信号スペクトラム帯域幅は100BASE-TX→1000BASE-Tに際して2倍だったの対し、1000BASE-T→10GBASE-TXでは6.4倍に上り、これは機器コストアップに直結する)[10]

下位互換性も考慮され、先行発表されたNBASE-T製品では100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-T機器とのオートネゴシエーションにも対応したものがある。NBASE-T対応製品間では、ケーブル品質に応じて10Gbps、5Gbps、2.5Gbpsの順に自動的にネゴシエーションする。なお、マルチギガビット非対応の機器とは10Gbps、1Gbps、100Mbpsの順にネゴシエーションすることとなる。[11][12]

現行機器(先行発表されたNBASE-T製品、2015年8月)において従来機器との互換性で問題になる可能性があるのは:[11]

NBASE-T[編集]

「NBASE-Tアライアンス」はAquantia株式会社、シスコシステムFreescale Semiconductorザイリンクスの各社により2014年に設立された[13]。現在は45社以上が参加し、NBASE-Tの仕様をIEEE802.3bzに準拠させようとしている。[14]

参考文献[編集]

  1. ^ http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031500059/031500001/?rt=nocnt
  2. ^ New IEEE P802.3bz™ Project Achieves Significant Milestone Towards Enabling Higher Speeds Over Installed Base of Twisted Pair Cabling”. IEEE Standards Association. 2015年6月3日閲覧。
  3. ^ IEEE’s 802.3BZ Task Force Mediates MGBASE-T and NBASE-T Alliances”. Planetech USA. 2015年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月3日閲覧。
  4. ^ IEEE 802.3bz Project PAR”. IEEE 802.3bz Task Force. 2015年9月22日閲覧。
  5. ^ [802.3_NGBASET FW: Approval of IEEE Std 802.3bz 2.5GBASE-T and 5GBASE-T]”. IEEE P802.3bz Task Force. 2016年9月24日閲覧。
  6. ^ Next Generation Enterprise Access BASE-T PHY Objectives”. IEEE P802.3bz 2.5G/5GBASE-T Task Force. 2015年6月3日閲覧。
  7. ^ Cisco Live BRKCRS-3900, slide 41, time 57:40”. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月3日閲覧。
  8. ^ Technology”. NBASE-T. NBASE-T Alliance (2015年). 2015年10月18日閲覧。
  9. ^ Cisco NBaseT switches”. 2015年6月3日閲覧。
  10. ^ http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031500059/031500001/?P=2
  11. ^ a b http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031500059/031500003/?itp_leaf_index
  12. ^ http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/031500059/031500003/?ST=spleaf
  13. ^ The NBASE-T Alliance℠”. NBASE-T Alliance, Inc. 2015年12月30日閲覧。
  14. ^ Oh What a Year!”. NBASE-T Alliance, Inc. 2015年6月3日閲覧。