ミニオンズ (キャラクター)
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ミニオンズ (英語: Minions)は怪盗グルーシリーズのフランチャイズに多数登場する生物である。2010年の映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』ではじめて登場し、2013年の『怪盗グルーのミニオン危機一発』、2015年の『ミニオンズ』(ミニオンズが主役をつとめるスピンオフ作品)、2017年の『怪盗グルーのミニオン大脱走』の四本の長編映画に登場する。一風変わった言語と、子どもっぽい振る舞いが特徴である。ミニオンズはユニバーサル・スタジオの子会社であるイルミネーション・エンターテインメントの公式マスコットでもある。コムキャストによるNBCユニバーサルの買収ののち、ウォルト・ディズニー・カンパニーのミッキーマウスと同じように、親会社となったコムキャストとユニバーサル両方の企業のアイコンとされるようになっている[1]。イルミネーション・エンターテインメントのプロデューサーであるクリス・メレダンドリは、「私たちのアニメチームは、他のどのキャラクターよりもミニオンたちを描くのが楽しくてしょうがない」とコメントしている[2]。
特徴[編集]
ミニオンズはオーバーオールを着てゴーグルをし、一つか二つの目を持つ小さくて黄色い子分たちである。歌やダンスも得意で、集団の団結力は強い。ミニオンズは大体、意味不明でわけのわからない言語で話している。その言語はインドネシア語、フランス語、英語、イタリア語、スペイン語、ヒンディー語を含むほかの言語から一部を借用している[3][4][5]。一見無意味なことを言っているように聞こえるが、なんとか理解できるようにするためごく一部の単語や会話は全ての国向けに吹き替えを行っている[6]。ミニオンズは一般的に欧米の男性に用いられる名前をつけられており、『ミニオンズ』の主役の3人組はケビン、スチュアート、ボブ、『怪盗グルーのミニオン大脱走』に出てくるミニオンズのリーダーはメルである[7]。
2015年の映画『ミニオンズ』にて、ミニオンズは地球上で生命が誕生した頃に生まれ、何よりも最も邪悪な悪党に仕えたがっていることが描かれた[8]。短編映画「バナナ」では、ミニオンズは果物、特にバナナに対する制御不可能な欲望を持っていることが描かれている。
ミニオンズはよく歌を歌う。ミニオン危機一髪では、『Another Irish Drinking song』、『I Swear』、『Y.M.C.A.』、『Ba Do Bleep』を歌い、ミニオンズでは、『Universal Fanfare』、『Revolution』、『Make'Em Laugh』、『Hair』、『Theme from the Mankees』を歌い、ミニオン大脱走では、『Papa Mama Loca Pipa』、『Tiki Tiki Babeloo』、『Malatikalano Polatina』を歌った。
登場するミニオンズのメンバー[編集]
怪盗グルーシリーズの映画やその他のメディアに登場するミニオンズとしては、次の全7種類のタイプが存在する。
- 背は標準で目が二つ、真ん中分けのヘアスタイルのミニオン
- ・デイブ:1作目から登場する。かなりのお調子者。ロケットランチャーを発射させるなど、いたずら好き。車を運転できるが、とても下手。グルーの妻のルーシーのことが好き。
- ・マーク:1作目でアグネスのために、おもちゃを買ってきたミニオン。お母さんのコスチュームで登場した。カラオケが大好き。
- ・マイク:短編に登場。郵便係をしている。
- ・トニー:ボブと仲が良い。
- ・ヘンリー:ミニオンズで、仲間と移動中、体が凍った状態で助け出された。
- ・ドニー:2作目では、ジャム作りでグルーに「真面目に働けよ。」と、声をかけられる。
- ・ケン:ミニオンズパラダイスに登場。大きなバナナケーキを作った。
- など
- 背は標準で目が二つ、スパイク型ヘアスタイルのミニオン
- ・トム[9]:ドジであわてん坊。1作目と2作目でグルーやスチュアートと格闘ポーズを決めていたミニオン。2作目では途中からメイドの格好で登場し、最初にイーブルミニオンにされた。ケビンと仲が良い。
- ・フィル[10]:2作目で最初に連れ去られたミニオン。お茶目でかわいい物好き。トム同様、メイドの格好をしていた。
- ・ラリー:1作目で、多く登場した。2作目ではジャムの味見をして、不味さのあまり、ジャムの瓶を床に叩きつけた。
- ・ブライアン:アメリカのCMに登場。自宅で映画を見ようとしたところ、散々な目にあい、包帯姿で映画館に映画を見に行く結果となった。
- ・ジェリー(1・3作目):ケビン(1作目)やスチュアート、デイブと仲が良い。
- ・デイブ:短編に登場する新人のミニオン。
- など
- 太めの体で目が二つ、ツンツンしたスパイク型ヘアスタイルのミニオン
- ・ジェリー:怖がりで仲間にからかわれることも。優しくて子守り上手なためか、2作目でグルーに子供たちを寝かせる仕事を任されたことがある。その後、ケビンと共に連れ去られた。
- ・ホルヘ(ジョージ)[11]:1作目で自分のお尻をコピー機で何枚か印刷して、仲間と笑っていた。2作目では消防士の格好で登場し、ホースで火を消そうとして、騒動を起こす。イーブルミニオンにされなかったミニオンの1人。
- ・ジョシュ:1作目でグルーにおやすみのキスをもらう時、もう一回キスしてもらおうとしていたミニオンの頭を後ろからたたいた。
- ・エリック:ミニオンズでケビンの持っていた、仲間のミニオンの顔写真に載っていた。
- ・チャーリー:ミニオンズパラダイスのcmに登場。バルーンアートが得意。
- など
- 背が高く目が二つ、頭頂から飛び出た逆毛が特徴のミニオン
- ・ケビン:ミニオンのリーダーで、兄貴的存在。ミニオンズでは、スチュアートとボブを助っ人に、ボス探しの旅に出る。スカーレットの夫、ハーブの発明品で巨大化したことがある。2作目では、ジェリーとゴルフをしていた時に、連れ去られる。ジェリーや、スチュアートなど、他のミニオンをからかうこともしばしばある。
- ・ティム[10]:負けず嫌いだがおっちょこちょいなところもある。1作目では、お父さんのコスチュームで登場した。
- ・ポール:1作目と2作目に登場。喧嘩好きのミニオン。短編でラリーやダーウィンとバナナを取り合っていた。
- ・ケン:短編に登場。ゲーム好きで、サボり魔。マイクと郵便係をしている。
- など
- 背は標準で目は一つ、真ん中分けのヘアスタイルのミニオン
- ・スチュアート:ミニオンで一番のバナナ好き。人前で歌うことが好きで、ロックスターになることを夢見ている。2作目では、デイブと行動を共にすることが多かった。昔は、ウクレレを持ち歩いていた。
- ・ジョン:1作目のエンドロールで、レフリーの格好をしていた。反則をしたら怒る。
- ・スティーブ:2作目でアイスが舌にくっ付いてしまったミニオン。
- ・ダーウィン:短編でラリーやポールと、バナナの取り合いをしたミニオン。
- ・バリー:ミニオンズパラダイスのcmでブリトーを仲間にご馳走していた。
- ・フィル(1作目):赤ちゃんの変装で登場した。アグネスに、キスをされたことがある。
- ・ケビン(1作目):序盤では、スパイク型のヘアスタイルのミニオンだったが、途中からこのヘアスタイルに変わった。縮ませ光線銃によって、小さくなってしまったが、終盤で元に戻る。
- など
- 背は標準で目は一つ、スパイク型のヘアスタイルのミニオン
- ・カール:DJからスケボーまで、何でもこなすパリピミニオン。おしゃべりで口うるさく、2作目でグルーが火事を起こした時、メガホンを持って、「ビードー ビードー」と、サイレン音を真似た。イーブルミニオンにされなかったミニオンの1人。
- ・ランス:2作目に登場する。きれい好きで掃除の時は、頭にタオルを巻いている。イーブルミニオンにされなかったミニオンの1人。
- ・ドニー:2作目に登場。足を滑らしたことにより、頭がジャムのビンにはまってしまった。ポールと仲が良く、誘拐される時も彼と一緒にいた。
- ・クリス:ボブと仲が良い。
- ・ボブ(1作目):重力に逆らう薬を飲んで、宇宙まで浮いていってしまったミニオン。
- など
- その他のミニオン
- ・ボブ:ミニオンズに登場。背は小さく目は二つのオッドアイ、ハゲ頭が特徴。幼い性格で、テディベアのティムをいつも持ち歩いている。
- ・メル:3作目に登場。背は標準で目は一つ、頭の回りから下へ毛の垂れたヘアスタイルが特徴。ミニオンのリーダー的存在として、登場する。
- ・ノーバート:ミニオンズに登場。背は標準で目は一つ、頭頂から飛び出た逆毛が特徴。ちょっと間抜けなミニオン。
- ・オットー:ミニオンズ フィーバーに登場。
- ・フィル:ミニオンズパラダイスの主役。背は標準で目は二つ、カールヘアのスパイク型ヘアスタイルのミニオン。
需要[編集]
映画『怪盗グルーの月泥棒』が上映されて以来、ミニオン人気は上がり続けている。ミニオンズはユニバーサルのテーマパークやNBCのプライムタイムテレビ番組、Xフィニティリモートコントロールを含むさまざまなコムキャスト/NBCユニバーサルの所有コンテンツにふだんから登場し、タイアッププロモーションを行っている[1]。
日本においても「カワイイ[12]」キャラクターと見なされ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどでも来場者から高い人気を誇っている[13]。2017年にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに「ミニオン・パーク」というエリアが設けられた[14]。
『ザ・シンプソンズ』の2014年10月19日のエピソード"Treehouse of Horror XXV"にはシンプソン一家のミニオンズ版が登場する。
2015年にイギリスのコーンウォールにある村、ミニオンズがユニバーサル・スタジオに料金を払ってミニオンズが登場する道路標識を作った。同年10月には、人々が車を止めて写真を撮るため安全性の問題があるということでこの標識は撤去されたが、村民は別の場所に標識を戻すよう運動している[15]。
2016年のエイプリルフールに、GoogleはGmailサービスの上にミニオンズのGIF画像とともに「マイクドロップ」のボタンを設置した[16][17]。しかしながらこの機能はすぐ反発を受けた。うっかり職探しの最中に画像を送ってしまい、仕事の選考で落ちたり、クビになることすらあったというような苦情が多くの人から寄せられた。Googleはこうした理由と、また通常のボタンを押しても画像が送られるバグにも言及して、間もなくこの機能を取り除いた[18][19][20]。
ミニオンズはシネマーク・シアターズ映画館チェーンの広告にも登場した。ミニオンたちが電球を換えようとするが、他のあるミニオンがそれをからかって笑っている間に換えの電球を落としてしまったため、他のミニオンたちはこの電球を壊してしまったミニオンをソケットに突っ込んで電球のかわりに光るようにするというものである[21]。この広告はシネマークが自社の3Dシステムが非常に明るいことを宣伝するために製作したものであった。当初このクリップは『怪盗グルーのミニオン危機一発』の前にのみ放映されていたが、のちに他の3D映画の前にも上映されるようになった。
漫画[編集]
- 『みらくるトリオ! ミニオンズ』 - 小泉作十作、『別冊コロコロコミック』(小学館)2016年12月号より連載中
テーマパーク[編集]
- 『ミニオン・ハチャメチャ・ライド』(en:Despicable Me Minion Mayhem) - ユニバーサル・スタジオ・フロリダ、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクション
脚注[編集]
- ^ a b Steel, Emily (2016年11月6日). “How Comcast and NBCUniversal Used Minions to Fuse an Empire”. The New York Times 2016年12月26日閲覧. "The Minions have also done their part for the company. They have bounced in to promote Comcast’s voice-controlled TV remote, NBC’s hit fall drama 'This Is Us,' and the theatrical release of the Universal Pictures animated musical comedy 'Sing.' Visitors to Universal theme parks can even become a Minion on a 3-D ride. For Comcast, the Minions have become the company's Mickey Mouse."
- ^ 小原篤 (2015年7月6日). “(小原篤のアニマゲ丼)KAWAII世界”. 朝日新聞デジタル. 2018年1月31日閲覧。
- ^ “Despicable Me 2 : Production Notes (PDF)”. Visualhollywood.com. 2016年5月5日閲覧。
- ^ “'Despicable Me 2' Minions: 5 Things to Know”. The Hollywood Reporter 2014年8月20日閲覧。
- ^ Racoma, Bernadine. “The Minions’ language is a combination of French, Spanish, English… and food references”. Day Translations 2017年6月22日閲覧。
- ^ Debruge, Peter (2015年6月11日). “Chris Meledandri on How the 'Minions' Came to Life”. Variety 2015年10月30日閲覧。
- ^ “Minions Review: Hurminemina Nomnururmin Mmmumorima (Translation: ‘It’s Pretty Good for What It Is’)”. Vulture (2015年7月10日). 2017年5月23日閲覧。 “A trio of Minions — Kevin, Stuart, and Bob (the Minions all have hilariously ordinary names,...)”
- ^ “Exclusive: The Synopsis for Minions”. ComingSoon.net. (2013年6月18日) 2013年6月18日閲覧。
- ^ “Desicable Me 2”. Happy Meal Toys Collection. (2013年6月19日) 2013年8月20日閲覧。
- ^ a b Standal, Jeanne (2013年6月28日). “Meet The Minions: DESPICABLE ME 2 Character Posters With Phil, Carl, Tim, Kevin & Stuart”. FilmoFilia 2013年8月20日閲覧。
- ^ “Despicable Me Minion Jorge Plush”. Universal Orlando. 2013年8月20日閲覧。
- ^ 「「カワイイ」謎の生物たち、主役に 映画「ミニオンズ」プロデューサー 」『朝日新聞』2015年8月8日夕刊p. 3。
- ^ 「USJ:ミニオン題材に新エリア 来年に開業へ」『毎日新聞』2016年6月21日大阪朝刊、p. 6。
- ^ 「ミニオン ビッグな集客 USJ」『読売新聞』2017年4月19日大阪夕刊、p. 11。
- ^ “Cornwall village Minions sign removed - BBC News”. Bbc.com. 2016年5月3日閲覧。
- ^ Steinbuch, Yaron (2016年4月1日). “Google’s April Fools’ Minions prank was so not funny | New York Post”. Nypost.com. 2016年5月3日閲覧。
- ^ Natt Garun. “Gmail's Mic Drop tool is the April Fools joke we wish was real”. The Next Web. 2018年1月31日閲覧。
- ^ Jon Russell. “Google reverses Gmail April 1 prank after users mistakently put GIFs into important emails”. TechCrunch. 2018年1月31日閲覧。
- ^ Victor-bogdan Anchidin. “Introducing Gmail Mic Drop”. Gmail Blog. 2018年1月31日閲覧。
- ^ ITmedia News (2016年4月2日). “Google、Gmailのエイプリルフールがしゃれにならず、取り下げて謝罪” (日本語). 2020年7月11日閲覧。
- ^ シネマークはYouTubeの公式アカウント https://www.youtube.com/watch?v=A4GM78ML8yY でこの広告を公開している。
外部リンク[編集]
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