メイツ星人

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メイツ星人(メイツせいじん)は、『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンメビウス』に登場する架空の異星人。別名は宇宙調査員。英字表記はALIEN MEITS[1]またはMATES[2]

『帰ってきたウルトラマン』に登場するメイツ星人[編集]

帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」に登場。

メイツ星から地球の風土・気候の調査にやってきた宇宙人。地球人の姿になって金山十郎かなやまじゅうろうという偽名を使い、天涯孤独となっていた少年・佐久間良と暮らすが、それがもとで良自身が宇宙人ではないかという噂が立ち始める。武器は手から発する念動力[4][2]で、劇中では不良学生を浮遊させるほか、良に襲いかかった不良学生たちが連れてきた犬を目の前で爆殺する。巨大魚怪獣ムルチをも地底に沈める力を持ち、自分の宇宙船も地中に隠していた。しかし、汚れた地球の大気に身体を蝕まれて衰弱した結果、自らの宇宙船を掘り返すこともできずに故郷へ帰れなくなる。最後は、宇宙人であることを敵視して暴徒と化した市民から良を救うために自らの正体を告白し、暴徒に加わっていた警官に射殺される。その直後、ムルチの封印が解けて川崎市街地の破壊へつながる。

  • 演:植村謙二郎(金山十郎)
  • 頭部マスクはゼラン星人の流用。ゼラン星人をデザインした米谷佳晃は、ゼラン星人のマスクがメイツ星人に流用された件については現場処理によるものであり、メイツ星人としてのデザインは存在しないと推測している[7]
  • 本話の内容は関東大震災の際に起きた朝鮮人の虐殺がヒントになっており、脚本を執筆した上原正三は同じく迫害を受けていた琉球人として他人事と思えなかったことを述べている[8]。「金山」という姓は在日コリアンに多いものを名乗らせたもので、また佐久間少年は北海道江差出身のアイヌという裏設定があることを上原が語っている[9]。監督を務めた東條昭平は、脚本から返還前の沖縄の人々の心情がひしひしと伝わってきて、それを大切にしようと思ったと述べている[10]
  • 差別人権問題を扱った本話はウルトラシリーズの中でも陰惨なエピソードとして有名であり、同作の脚本を手がけた上原によると当時は「局内から『これは放送してはいけないんじゃないか』という声もあった」という[11][12]。また、内容の陰惨さから放送局側が受け取りを拒否し、制作側が編集をやり直したという[13]。予告では良の前を少女が泣きながら走るシーンや、街に出た彼に人々が石を投げるシーンがあるが、前述の理由から本編ではカットされている。
  • 金山が住むバラックは、河原に実在していたものをほぼそのまま使用している[14]
  • 脚本では、市民の前に現れる際は宇宙人の姿であった[6]。また当初の撮影では、金山は竹槍で刺されて殺害されるという展開であったが、TBS側からの要請を受け警官が銃を撃つシーンが追加された[15][10]。東條は、金山が殺害される場面について憎しみの象徴としての残虐性を狙っていたことで竹槍による殺害を考えていたと述べている。また、劇中で雨の中のシーンとなったのは東條の意向ではなく、撮影中に偶然雨が降ってきたからである[16]

メイツ星人ビオ[編集]

ウルトラマンメビウス』第32話「怪獣使いの遺産」に登場。

  • 体長:2.1メートル[17]
  • 体重:68キログラム[17]
  • 出身地:メイツ星[18]

GUYSのドキュメントMATにデータが記録されているメイツ星人の息子で、地球人と和平を結ぶ使者として円盤に乗ってやってきた宇宙人。父を殺された恨みから深く地球人を憎んでいる。

ウルトラマンメビウス / ミライに「地球とメイツ星の問題に干渉しないで欲しい」と語り、平和的解決のための話し合いを行おうとするが、ミライの身を案じて早まったリュウに腕を撃たれ、地球人に対する憎しみを再燃させる。かつての賠償として、「地球の陸地の20%をメイツ星に譲渡しなければ攻撃を行う」と一方的に交渉を迫るが当然受け入れられず、回答を待とうとさえせずに宇宙船とゾアムルチによる攻撃を開始する。やがて、ビオの父と共に生活した佐久間少年とかつて出会っていたという、コノミの勤めていた保育園の園長による説得と、その教えを受けた子供たちが見せた優しさに思いとどまるが憎しみ自体は消せず、自らの憎しみに忠実に暴れるゾアムルチを倒すことをメビウスに嘆願する。ゾアムルチが倒された後、自分の行動を悔い改めたリュウとミライに見守られながら地球を去る。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d 白書 1982, p. 173, 「帰ってきたウルトラマン 怪獣リスト」
  2. ^ a b c d e 画報 上巻 2002, p. 107
  3. ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 38, 「帰ってきたウルトラマン 全怪獣」
  4. ^ a b c d 大辞典 2001, p. 323
  5. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 51
  6. ^ a b c d キャラクター大全 2015, pp. 82-83, 「EPISODE-33 怪獣使いと少年」
  7. ^ 米谷佳晃『華麗なる円谷特撮デザインの世界 ミラーマン☆ジャンボーグA 米谷佳晃デザインワークス 1971〜1973』講談社、2014年4月14日、41頁。ISBN 978-4-06-364953-6。
  8. ^ キャラクター大全 2015, p. 138, 「帰ってきたウルトラマン証言集2 上原正三」.
  9. ^ “ウルトラマン屈指の異色作 沖縄出身脚本家・上原正三さんが挑んだタブー”. 沖縄タイムス+. (2016年3月27日). https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/26034?page=3 
  10. ^ a b 「スーパー戦隊制作の裏舞台 東條昭平」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1988 超獣戦隊ライブマン講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年4月10日、33頁。ISBN 978-4-06-509615-4。
  11. ^ 「TV Bros」平成15年3月1日号12ページ
  12. ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 上原正三」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1975 秘密戦隊ゴレンジャー』講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年3月24日、31頁。ISBN 978-4-06-509616-1。
  13. ^ キャラクター大全 2015, p. 131, 「新たなるウルトラマンの創造 6・名作、問題作の数々」.
  14. ^ アーカイブ・ドキュメント 2007, p. 79, 「ウルトラマンメビウス白書 八木毅
  15. ^ 大全 2003, p. 297, 「第5章 戦いの記録 監督・チーフ助監督 東條昭平
  16. ^ 白石雅彦、萩野友大『帰ってきたウルトラマン大全』双葉社、2003年1月15日、297頁。ISBN 978-4575294941。
  17. ^ a b hicbc.com:ウルトラマンメビウス 怪獣図鑑”. CBC. 2017年1月25日閲覧。
  18. ^ 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 338
  19. ^ アーカイブ・ドキュメント 2007, p. 61.

参考文献[編集]

  • ファンタスティックコレクション朝日ソノラマ
    • 『不滅のヒーローウルトラマン白書』朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日、初版。雑誌コード:67897-80。
    • ウルトラマンメビウス アーカイブ・ドキュメント』宇宙船編集部 編、円谷プロダクション 監修、朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクションNo.∞〉、2007年6月30日。ISBN 978-4-257-03745-3。
  • てれびくんデラックス愛蔵版シリーズ(小学館
    • 『ウルトラ怪獣大全集』小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984年9月10日。ISBN 4-09-101411-9。
    • 『ウルトラマンメビウス超全集』小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2007年5月22日。ISBN 978-4-09-105113-4。
  • 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8。
  • 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』上巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9。
  • 『帰ってきたウルトラマン大全』白石雅彦、萩野友大 編著、双葉社、2003年1月15日。ISBN 978-4575294941。
  • 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』円谷プロダクション監修、小学館、2013年3月11日。ISBN 9784096820742。
  • 『キャラクター大全 帰ってきたウルトラマン パーフェクトファイル』講談社 編、講談社〈キャラクター大全〉、2015年10月15日。ISBN 978-4-06-219562-1。

関連項目[編集]