メシアニック・ジュダイズム

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メシアニック・ジュダイズム: Messianic Judaism)とは、異邦人キリスト教会がもたないユダヤ人の民族としての特徴を保持したまま、ギリシャ語イエス・キリストと呼ばれるヘブライ語のイエシュアを、救い主(メシア Mashiach)として認めるキリスト教信仰。ユダヤ人としてのアイデンティティーを保ちながら、イエシュア(イエス)をメシア(キリスト)として信じる人々のことをメシアニック・ジュー(Messianic Jew)と呼ぶ。

ユダヤ人であるが、旧約聖書ヘブライ語聖書)の成就であると信じて新約聖書を受け入れ、ユダヤ教の完成されたものがキリスト教であると信じるため、ユダヤ教の立場からは迫害されている。

初代教会[編集]

イェシュアや使徒たちはユダヤ人だった。

ユダヤ人メシアニックと異邦人キリスト教会[編集]

異邦人キリスト教会が多勢となり、ユダヤ人の民族としての特色の放棄を異邦人キリスト教会から要求されるようになり、ローマ・カトリックをはじめとする異邦人キリスト教会から迫害されるようになった。

メシアニック・ジュー[編集]

メシアニック・ジューがあらわれる以前にも、ユダヤ教からキリスト教に改宗するユダヤ人は存在したが、その場合、ユダヤ人としての民族的な特徴を保つことはゆるされず、文化も否定された。異邦人キリスト教会の会員となったユダヤ人であるマラーノとメシアニック・ジューの違いは、メシアニックがユダヤ人としての文化を放棄しない事である。迫害された歴史があるために、彼らはギリシャ語のヘブル・クリスチャンとは名乗らず、メシアニックジューを名乗る[1]

伝統的ユダヤ教において、イエス・キリストは長年に渡りユダヤ人を迫害してきたキリスト教徒が仰ぐ教祖である。また、ナザレのイエスを預言者の1人として認めたとしても、メシアや神の子であるキリストと捉えることはない。

ところがユダヤ人の中に、イェシュアはユダヤ人であり、ユダヤ人であると同時にイェシュアを救い主と信じ受け入れることはできるとして、ユダヤ人としての伝統やアイデンティティーを捨てないままにイェシュアを救い主とする信仰を持つ者が出てきた。こうした信仰は近年になって生まれたもので、それまではほとんど見られなかった。これらメシアニック・ジューと呼ばれる人たちが、イスラエルの中で特に若者を中心に5000人を超えるほど急速に増えてきているといわれている。メシアニック自身は自分たちをユダヤ人だと主張しているが、ラビの承認はなく、イスラエルのサイトではカルト的な新興宗教のカテゴリーに入れられている(一般的にイスラエル人の間では、イエスはユダヤ人とは思われていないという)。

以下が論拠とされる。

  • 初代のキリスト教徒はほとんどユダヤ人であり、彼らの宣教により多くの人々が信仰の道に入った。
  • イエスは旧約聖書を引用して教えを説いている。
  • イエス自身は「律法」(ユダヤ教では聖書をさす)を廃棄しにきたのではなくむしろそれを成就(完成)するために来た、と言われた。(マタイ5章17節)

「自分たちをユダヤ人だとするメシアニック・ジューの主張は矛盾していない。なぜなら彼らはイエスを旧約聖書に預言されていた救い主(キリスト)であると信じたのである」とメシアニック自身は主張している。

改宗ユダヤ人(マラーノ) 「参考資料」[編集]

キリスト教に改宗した者とイエスをキリスト(メシア)と信じるユダヤ人は分類上の差異があるが、参考資料として記す。

  • 15世紀、スペインの国土回復運動(レコンキスタ)が達成されると、ユダヤ人への迫害が行われ、キリスト教への改宗(改宗者をコンベルソという)、または国外追放(1492年)を強いられた。
  • 19世紀のメンデルスゾーンハイネは改宗したユダヤ人として知られる。

関連項目[編集]

サバティウス派(4世紀) Sabbatian - 復活祭過ぎ越しの祭りはユダヤ教徒・キリスト教徒によって同時に行われるべきであると主張。(シャブタイ派ではない)

脚注[編集]

  1. ^ ブラウンp.134

参考文献[編集]