モンスターハンター (映画)

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モンスターハンター
Monster Hunter
監督 ポール・W・S・アンダーソン
脚本 ポール・W・S・アンダーソン
原作モンスターハンター
by カプコン
製作 ジェレミー・ボルト
ポール・W・S・アンダーソン
デニス・ベラルディ
ロバート・クルツァー
マルティン・モスコヴィッツ
製作総指揮 エドワード・チェン
ハワード・チェン
ヒロ・マツオカ
出演者 ミラ・ジョヴォヴィッチ
トニー・ジャー
ティップ・"T. I."・ハリス
ミーガン・グッド
ディエゴ・ボネータ
ジョシュ・ヘルマン
ジン・アウヨン英語版
ロン・パールマン
音楽 ポール・ハスリンジャー
撮影 グレン・マクファーソン
編集 ドゥービー・ホワイト
製作会社 カプコン
コンスタンティン・フィルム
インパクト・ピクチャーズ
テンセント・ピクチャーズ
東宝
配給 アメリカ合衆国の旗 スクリーン・ジェムズ
日本の旗 東宝東和ピクチャーズ
公開 オランダの旗 2020年12月3日[1]
中華人民共和国の旗 2020年12月4日
アメリカ合衆国の旗 2020年12月18日
ドイツの旗 2021年1月28日
日本の旗 2021年3月26日
上映時間 104分
製作国 中華人民共和国の旗 中国
ドイツの旗 ドイツ
日本の旗 日本
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $60 million[2]
興行収入 $31.8 million[3]
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モンスターハンター』(原題:Monster Hunter)は、カプコン同名のゲームシリーズをもとに、ポール・W・S・アンダーソンが製作・脚本・監督を務めた2020年の映画。アンダーソンの妻であるミラ・ジョヴォヴィッチが監督と主演の関係で5度目の共演を果たし、トニー・ジャーティップ・"T. I."・ハリスミーガン・グッドディエゴ・ボネータジョシュ・ヘルマンジン・アウヨン英語版ロン・パールマンが出演している。

このゲームシリーズをベースにした映画化は、ポール・W・S・アンダーソンにより2012年から構想されていた。2018年10月にカプコンから正式に発表され、同月にコンスタンティン・フィルム社で制作が開始された。主要撮影は2018年10月5日に開始され、2018年12月19日に南アフリカのケープタウンで終了した。

2020年12月に全米で公開、日本では2021年3月26日に公開された。6,000万ドルの予算(マーケティング費用を含まず)に対して全世界で3,100万ドル(日本公開前)の興行収入という惨敗を喫し、評価は賛否両論で、アクションシーンや視覚効果については評価されたものの、脚本や演出、編集については批判されている[4]

ストーリー[編集]

人間が多種多様なモンスターと共存している新世界。強力な生物を狩るために訓練された戦士であるハンターは、角の生えた地底のモンスター、ディアブロスに船を襲われ、チームと離れ離れになってしまう。

現実の世界では、アメリカ陸軍のナタリー・アルテミス大尉と国連のセキュリティチームが、砂漠で行方不明になった兵士のチームを捜索していた。突然の嵐で新世界へのポータルに引きずり込まれた彼らは、探していた兵士たちの遺体と車を発見する。ディアブロスが彼らに近づくと、一行を観察していたハンターが警告信号を発射する。弾丸や手榴弾をものともせず、ディアブロスは隊員2名を攻撃して殺害した。

洞窟に身を隠した生存者たちは、ネルスキュラと呼ばれるモンスターの群れに襲われる。アルテミスは麻痺させる毒を注射され、他のメンバーが彼女を助けようとすると、さらにネルスキュラがやってきて彼らに群がる。ネルスキュラの巣で目を覚ましたアルテミスは、チームが死んでいたり、卵を産みつけられたりするのを見つけ、追いかけてきたネルスキュラの群れに火をつけて巣を脱出する。地上ではハンターと遭遇し、お互いに戦った後、協力することを快諾する。アルテミスは、ポータルが砂漠の向こうにある「スカイタワー」によって作られていることを知る。ハンターは、この塔にたどり着くためには、ディアブロスを殺さなければならないと言う。アルテミスはハンター独特の武器を使った戦い方を学び、ディアブロスをネルスキュラの毒で殺すための罠を仕掛けるのに協力する。攻撃は成功し、アルテミスがとどめを刺したが、ハンターは重傷を負ってしまった。その場しのぎの担架を作って、アルテミスは彼を担いで砂漠を横断する。

辿り着いたオアシスには、アプケロスと呼ばれる草食動物が生息していた。一緒に肉を食べていると、火を噴くワイバーン(リオレウス)が飛来し、アプケロスたちを暴走させたところで、アルテミスとハンターは大団長率いる一団に助けられるが、アルテミスは牢に入れられてしまう。なんとか脱出し、大団長に会うと、大団長は、スカイタワーは、世界を行き来する最初の文明が、モンスターを使って作ったものだと説明する。アルテミスは、故郷に帰るためにリオレウスを退治することに同意する。

続いて行われた戦闘で、アルテミスはポータルから落ち、自分の世界に戻る。しかし、ポータルの閉鎖が間に合わず、リオレウスが現れて大混乱に陥ってしまう。アルテミスは、ハンターがポータルを通り抜けて致命的な一撃を与えるまでの間、その動きを抑えることができた。残るチャンスもあったが、アルテミスは新世界に戻り、ハンターのもとに残ることを決める。ゴア・マガラが現れ、アルテミスに大団長が声をかけてきた。大団長は、ポータルが開いている限り、モンスターが地球に侵入してくる恐れがあると指摘する。アルテミスは、スカイタワーを破壊する方法を見つけることが最大の目的であると結論づけ、ハンター、大団長と共にゴア・マガラに戦いに挑む。

ポストクレジット後、アイルーが到着し、戦いに参加する。一方、タワーの上からマントをまとった謎の人物がその戦いを見守っているのだった。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替[5][6]

登場するモンスター[編集]

詳細は「モンスターハンターのモンスター一覧」を参照。

製作[編集]

2012年には、『バイオハザード』の監督であるポール・W・S・アンダーソンがゲーム『モンスターハンター』シリーズの映画化を監督すると噂されていた[9]。アンダーソンは、2008年頃に来日した際にこのゲームを発見してそのファンになり、映画化を「情熱的なプロジェクト」と考えていたと述べている[10][11]ほか、ゲームを紹介してから数年以内に映画化の権利を確保するためにカプコンと話し合いを始めたと述べている[12]

2016年9月に開催された東京ゲームショウで、カプコンのプロデューサーである辻本良三は、実写の『モンスターハンター』がハリウッドで製作中であることを明言した[13]。その数か月後、かつてゲーム『バイオハザード』の映画化に貢献したアンダーソンとプロデューサーのジェレミー・ボルトは、約5年の話し合いの末にカプコンから『モンスターハンター』の映画化の権利を獲得したことを明かしている。アンダーソンもボルトも映画のシリーズ化を期待しており、アンダーソンはシリーズの人気だけでなく「信じられないほど美しく、没入感のある世界を作り上げた」という理由に惹かれた旨を語っている。アンダーソンはすでに脚本を書き上げており、アメリカ人が『モンスターハンター』シリーズの舞台となるパラレルワールドに引きずり込まれてモンスターとの戦い方を学んだ後、モンスターが現実世界に戻ってきて攻撃を開始したときの状況、例えばロサンゼルス国際空港での最後のクライマックスの戦いなどに対処しなければならないという内容であった[14]。この段階では、現実世界のモンスターをファンタジー世界に追いやるヒーローとして、ルーカスという現実世界の若者が登場することがコンセプトになっていた。その後、脚本が発展していくにつれてハリウッドではこのジャンルが過度に使われるようになったため、アンダーソンはヤングアダルトという概念から離れ、代わりに『アバター』や『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の設定に基づいた脚本を執筆していった[15]

映画化は2018年5月に正式発表された[16]。アンダーソンによると、当時のシリーズ最新作『モンスターハンター:ワールド』の成功により、多くの配給会社が映画化の可能性を模索していたという。同作品は2018年初頭にカプコンが日本限定ではなく世界的なリリースを目指して開発し、多くの映画配給会社はアンダーソンが映画化の権利を獲得済みであることを知った[12]

公開[編集]

当初、2020年9月4日に日米同時公開を予定していた[17][18]が、新型コロナウイルス流行の影響でアメリカでの公開が2021年4月23日に延期になったことから日本での公開も延期となった[19]。その後、アメリカでの公開予定日は2020年12月18日に前倒しされ[20]、日本の公開予定日も2021年3月26日に決定している[21]

映画の中にアメリカの古い童謡で日本人や中国人に対する差別的な内容の“Chinese, Japanese, dirty knees”を指していると思われるセリフがあり、中国では2020年12月4日に上映が開始されたが、翌日の12月5日から公開中止となった[22]

この件に関してアンダーソン監督は謝罪し、全世界(公開中の国・地域および今後公開予定の国・地域含む)で問題のシーンをカットすることを表明している[23]

興行成績[編集]

2021年3月24日現在、『モンスターハンター』はアメリカとカナダで1490万ドル、その他の地域で1690万ドル、全世界合計で3180万ドルの興行収入を記録している[24]

脚注[編集]

  1. ^ Monster Hunter - 3 december in de bioscoop”. Universal Pictures International Netherlands. 2020年11月9日閲覧。
  2. ^ Kit, Borys (2018年9月25日). “T.I. Harris, Ron Perlman Joining Milla Jovovich in 'Monster Hunter' (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/ti-harris-ron-perlman-joining-monster-hunter-movie-1146178 2018年9月26日閲覧。 
  3. ^ Monster Hunter (2020)”. The Numbers. 2021年3月25日閲覧。
  4. ^ Monster Hunter: 10 Reasons Why The Movie Just Misses The Mark” (英語). ScreenRant (2021年2月9日). 2021年3月27日閲覧。
  5. ^ 【吹替声優決定】「日本語を一切話さない日本語吹き替え声優」に松坂桃李が初挑戦! 超豪華声優陣も一斉解禁!”. 映画『モンスターハンター』公式サイト. 2021年1月14日閲覧。
  6. ^ モンスターハンター”. ふきカエル大作戦!! (2021年3月26日). 2021年3月26日閲覧。
  7. ^ “山崎紘菜、実写『モンスターハンター』でハリウッドデビュー! ミラも「ゲームから飛び出してきたみたい」”. cinemacafe.net (イード). (2018年12月13日). https://www.cinemacafe.net/article/2018/12/13/59440.html 2021年3月5日閲覧。 
  8. ^ “山崎紘菜、実写映画「モンスターハンター」でハリウッドデビュー!”. 映画.com (エイガ・ドット・コム). (2018年12月13日). https://eiga.com/news/20181213/3/ 2019年11月5日閲覧。 
  9. ^ Paul W. S. Anderson to direct Capcom's 'Monster Hunter'?”. www.punchdrunkcritics.com. 2016年11月22日閲覧。
  10. ^ Topei, Fred (2018年11月12日). “‘Origin’ Director Paul W.S. Anderson on Fixing a Glaring Error in Sci-fi Spaceships and His Upcoming ‘Monster Hunter’ Movie [Interview]”. /Film. 2018年11月12日閲覧。
  11. ^ N'Duka, Amanda (2020年10月10日). “‘Monster Hunter’ Sneak Peek: Director Paul W.S. Anderson On Potential Franchise Vehicle – New York Comic Con”. Deadline Hollywood. 2020年10月11日閲覧。
  12. ^ a b Patches, Matt (2020年10月10日). “For Mortal Kombat and Resident Evil director Paul W.S. Anderson, it’s all been leading to Monster Hunter”. Polygon. 2020年10月11日閲覧。
  13. ^ Ashcroft, Brian (2016年9月15日). “Hollywood Is Making A Monster Hunter Movie”. Kotaku. 2016年11月22日閲覧。
  14. ^ Fleming, Jr., Mike (2016年11月21日). “As 'Resident Evil' Nears $1 Billion, Paul W.S. Anderson & Jeremy Bolt Set 'Monster Hunter': Q&A”. Deadline Hollywood. 2016年11月22日閲覧。
  15. ^ DeFreitas, Casey (2020年10月15日). “Almost All of the Monster Hunter Movie Takes Place in the Video Game World”. IGN. 2020年10月15日閲覧。
  16. ^ Hopewell, John (2018年5月11日). “Constantin Sets September Shoot for Paul W.S. Anderson's 'Monster Hunter'”. Variety. 2018年9月26日閲覧。
  17. ^ Pederson, Erik (2019年2月6日). “‘Monster Hunter’: Sony Sets Milla Jovovich Fantasy Actioner From ‘Resident Evil’ Team For 2020”. Deadline Hollywood. 2019年2月6日閲覧。
  18. ^ “ハリウッド版『モンスターハンター』9.4日米同時公開!”. シネマトゥデイ. (2020年2月29日). https://www.cinematoday.jp/news/N0114422 2020年2月29日閲覧。 
  19. ^ “ハリウッド版『モンスターハンター』日本公開も2021年に延期”. シネマトゥデイ. (2020年7月14日). https://www.cinematoday.jp/news/N0117332 2020年7月14日閲覧。 
  20. ^ ハリウッド版『モンスターハンター』米国公開が12月30日に前倒し決定(THE RIVER, 2020年10月6日)
  21. ^ 「モンスターハンター」公開は2021年3月26日、ディアブロス亜種捉えたポスター到着(映画ナタリー, 2020年10月29日)
  22. ^ 中国全国で映画『モンスターハンター』公開中止!原因は人種差別表現?” (日本語). IGN Japan (2020年12月5日). 2020年12月6日閲覧。
  23. ^ ハリウッド版『モンスターハンター』中国で批判殺到したセリフ、全世界でカットに 監督が謝罪”. シネマトゥデイ (2020年12月9日). 2020年12月29日閲覧。
  24. ^ Monster Hunter (2020) - Financial Information”. The Numbers. 2021年3月27日閲覧。