モーターヘッド

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モーターヘッド
Motorhead-03.jpg
カナダエドモントン公演(2005年5月)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランドロンドン
ジャンル
活動期間 1975年 - 2015年
レーベル
公式サイト The Official Motörhead Website
旧メンバー
バンドのロゴ

モーターヘッド (英語: Motörhead) は、イングランドロックバンド

同国のミュージシャン レミー・キルミスターを中心に、同氏が亡くなるまで40年間活動した。HR/HMが確立する過渡期において、特にスラッシュ/ハードコアの分野に大きな影響を与えた。バンド名の由来は「ホークウインド」の同名の曲から。世界での売り上げ枚数は1500万枚を超えている。[2]

バンドの音楽性[編集]

デビューから40年間一貫して、大音量かつハイスピードの爆走型ロックンロールをその音楽性の軸として活動しており、スラッシュメタルハードコア・パンクなどが出現する遥か以前から、それらの音楽性を包括するサウンドを展開してきた[3]

商業的にも音楽的にもカテゴライズの困難なロックバンドのひとつであり、時代に応じてハードコア・パンク、ヘヴィメタルと、複数のカテゴリに横断的に分類された経緯がある。

創設者であり、モーターヘッドのスタイルを作り上げてきた中心人物であるレミーは、一貫してロックンロール・バンドであると主張しており、1987年のアルバム『Rock 'n' Roll』も意識して付けたタイトルだと述べている。また、世間一般がモーターヘッドのサウンドを「ヘヴィメタル」「スピードメタル」などにカテゴライズすることを好ましく思っておらず、「ヘヴィメタルよりむしろパンクの方により親近感が湧く」「ダムドとは共通の美意識を持っているが、ブラック・サバスや、増してやジューダス・プリーストにはそんなもの感じない」とも述べている[4][5]

実際にレミーは、ラモーンズに曲を提供したり、ダムドとステージで共演している。ただし、ジャンルの垣根にこだわっている訳ではなく、オジー・オズボーンノー・モア・ティアーズ』でオジーやザック・ワイルドと曲を共作したり、HR/HM系アーティスト達との共演も多い。

バンド・ヒストリー[編集]

エディ・クラーク(G) フィル・テイラー(Ds) 1982年

一時期4人編成(ツイン・ギター)だった時期もあるが、活動期間の大部分でギター、ベース、ドラムのトリオ編成を貫いている。活動の全期間在籍しているのはリーダーのレミーのみであり、実質的にレミーのバンドである。

"ファスト"・エディ・クラーク(ギター)、フィルシー・"アニマル"・テイラー(ドラム)を擁した1970年代後半から1980年代初頭が最初の黄金期で、その極めて個性的な音楽性にもかかわらず、『エース・オブ・スペーズ』(Ace of Spades)をはじめいくつかのアルバム、シングルをイギリスのトップ40チャートに送り込んでいる。特に1981年にリリースしたライブ盤『ノー・スリープ・ティル・ハマースミス』(No Sleep 'til Hammersmith) はこの時代の金字塔である[6]

1982年に・エディ・クラークが脱退し、後任に元シン・リジィのブライアン・ロバートソンを迎えてアナザー・パーフェクト・デイ(Another Perfect Day) をリリースするが、メロディアスなフレーズを多用した作風は旧来のファンの失望を招く。レミーは素早くこの事態に対処し、ロバートソンに代えてフィル・キャンベル、ワーゼルを起用。バンド史上初の正式な4人編成となって、シングル「キルド・バイ・デス」(Killed By Death)、過去のベスト・トラックを収録したコンピレーション・アルバム『ノー・リモース』(No Remorse) をリリースして体制を立て直す。

1986年には、当時のマネージャーだったダグ・スミスが設立したレコード会社、GWRへ移籍し、『オーガズマトロン』( Orgasmatron)、翌1987年には『ロックンロール』(Rock 'n' Roll)を発表。この2作がアメリカでも高く評価されたコトに加え、マネージャーのダグ・スミスがGWRの相談役に就任した経緯もあり、GWRを離れ、バンドは活動拠点をアメリカのロサンゼルスへ移すコトを決意。同年レミーはロサンゼルスに移住、同時にエピック・レコーズ傘下の新たなレーベル、WTGへと移籍し、1991年には、WTGへ移籍しての第1作となる『1916』(1916)を発表する。

その後は、何度かメンバーチェンジを繰り返しながらも一貫して従来のモーターヘッド・サウンドを守り通し、1995年からは再びトリオ編成に戻った(ギターは1984年に加入したフィル・キャンベル、ドラムは1992年の『マーチ・オア・ダイ』(March ör Die) から参加するミッキー・ディー:元キング・ダイヤモンド、ドッケン)。このラインナップはグループ史上最も長く続いており、1970年代~1980年代の最初の黄金期を凌ぐ数の作品を発表し、精力的に活動を続けていた。

2015年11月11日、バンド初期の黄金時代を支えたフィル "アニマル" テイラーが死去[7]、同12月28日にはバンドの象徴であるリーダー、レミー・キルミスターが死去[8]。残されたメンバーは、ミッキー・ディーが代表しモーターヘッドの活動終了を宣言した[9]

2018年1月、旧メンバー "ファスト" エディ・クラークが死去。これによりNWOBHM時代の全盛期メンバーは全て他界した[10]

ギャラリー[編集]

バンド・マスコットキャラクター[編集]

ウォー・ピッグのイラスト&レミー (2015年6月)

正式なロゴは motörhead と語頭の m も含めてすべて黒い小文字で表記され、2つ目の oブルー・オイスター・カルト (Blue Öyster Cult) やモトリー・クルー (Mötley Crüe) が使用するようなウムラウトメタル・ウムラウト)が添えられる(バンド名の発音には影響しない)

デビュー以来彼らのアルバムジャケット等さまざまな場所に登場する、牙をむいた豚(ウォー・ピッグ)のキャラクターは、ホークウィンド時代からレミーと懇意だったデザイナー、ジョー・ペタグノがバンドのデビュー・アルバムのためにデザインしたものである[11][12]。オスの豚をベースにデザインされ、レミーのアイデアでヘルメット、チェーン、スパイクが加えられた。

このキャラクターは、アイアン・メイデンエディ・ザ・ヘッドと同じように、様々なアレンジを施されてアルバム・カバーに登場する。『オーヴァーキル』では、内部から強烈な光を発するイメージで描かれ、『ボマー』ではメンバー3人が搭乗した爆撃機のボディにペイントされている。『アイアン・フィスト』のジャケットはイラストではなく3次元の立体的な拳のオブジェクトを作成して撮影したものだが、指にはめてある4つの指輪のひとつがウォー・ピッグになっている。

WWEとの関わり[編集]

2001年1月、米国のプロレス団体WWE所属のトリプルHがファンであることから、彼の入場曲"The Game"を手掛けた。その後、新たに"King of Kings"、"Line in the Sand(トリプルHがリーダーを務めるユニットエボリューションの入場曲)"を手掛けており、ペイ・パー・ビューイベントレッスルマニアX-Sevenおよびレッスルマニア21に於いて入場曲を生演奏している。

メンバー[編集]

最終ラインナップ[編集]

旧メンバー[編集]

  • ラリー・ウォリス Larry Wallis - ギター (1975年 – 1976年)
  • ルーカス・フォックス Lucas Fox - ドラム (1975年)
  • フィルシー "アニマル" テイラー Phil "Philthy Animal" Taylor - ドラム (1975年 – 1984年、1987年 – 1992年) ♱RIP.2015
  • "ファスト" エディ・クラーク "Fast" Eddie Clarke - ギター (1976年 – 1982年) ♱RIP.2018 ※脱退後ファストウェイ結成
  • ブライアン・ロバートソン Brian "Robbo" Robertson - ギター (1982年 – 1983年) ※元シン・リジィ
  • ワーゼル Michael "Würzel" Burston - ギター (1984年 – 1995年)
  • ピート・ギル Pete Gill - ドラム (1984年 – 1987年) ※元サクソン

ラインナップの変遷[編集]

ベース、ヴォーカル ギター ドラム リリース作品
1 1975 レミー ラリー・ウォリス ルーカス・フォックス
  • 1979: On Parole: "Lost Johnny"
2 1975 フィル・テイラー
  • 1979: On Parole: "Lost Johnny" 以外
3 1976 ラリー・ウォリス
&
エディ・クラーク
クラークのオーディションのみ
4 1976-82 エディ・クラーク
  • 1977: Motörhead
  • 1979: Overkill
  • 1979: Bomber
  • 1980: The Golden Years (EP)
  • 1980: Ace of Spades
  • 1981: St. Valentine's Day Massacre (EP)
  • 1981: No Sleep 'til Hammersmith (live)
  • 1982: Iron Fist
  • 1982: Live in Toronto (video)
  • 1982: Stand by Your Man (EP)
5 1982-83 ブライアン・
ロバートソン
6 1984 フィル・キャンベル
&
ワーゼル
  • 1984: テレビ・シリーズ「ザ・ヤング・ワン」への出演
7 1984-87 ピート・ギル
  • 1984: No Remorse
  • 1985: The Birthday Party (video)
  • 1986: Orgasmatron
8 1987-92 フィル・テイラー
  • 1987: Rock 'n' Roll
  • 1988: Nö Sleep at All (live)
  • 1991: 1916
  • 1991: 1916 Live...Everything Louder than Everything Else (video)
  • 1992: March ör Die: "I Ain't No Nice Guy"
9 1992 トミー・
アルドリッジ
  • 1992: March ör Die
10 1992-95 ミッキー・ディー
  • 1992: March ör Die: "Hellraiser"
  • 1993: Bastards
  • 1995: Sacrifice
11 1995-2015 フィル・キャンベル
  • 1996: Overnight Sensation
  • 1998: Snake Bite Love
  • 1999: Everything Louder than Everyone Else (live)
  • 2000: We Are Motörhead
  • 2000: Live at Brixton Academy (live)
  • 2000: 25 & Alive Boneshaker (video)
  • 2002: Hammered
  • 2004: Inferno
  • 2004: Stage Fright (video)
  • 2006: Kiss of Death
  • 2007: Better Motörhead than Dead: Live at Hammersmith (live)
  • 2008: Motörizer
  • 2010: The World Is Yours
  • 2013: Aftershock
  • 2015: Bad Magic

ディスコグラフィ[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

  • On Parole(1975年)※発売は1979年
  • 『モーターヘッド』 - Motörhead(1977年)※UK43位 シルバー
  • 『オーヴァーキル』 - Overkill(1979年)※UK24位 シルバー
  • 『ボマー』 - Bomber(1979年)※UK12位 シルバー
  • 『エース・オブ・スペーズ』 - Ace of Spades(1980年)※UK4位 ゴールド
  • 『アイアン・フィスト』 Iron Fist(1982年)※UK6位 シルバー
  • アナザー・パーフェクト・デイ』 - Another Perfect Day(1983年)※UK20位、旧邦題『悪魔の化身』
  • 『オーガズマトロン』 - Orgasmatron(1986年)※UK21位
  • 『ロックンロール』 - Rock 'n' Roll(1987年)※UK24位
  • 『1916』 - 1916(1991年)※UK24位
  • 『マーチ・オア・ダイ』 - March or Die(1992年)※UK60位
  • 『バスターズ』 - Bastards(1993年
  • 『サクリファイス』 - Sacrifice(1994年
  • 『オーヴァーナイト・センセーション』 Overnight Sensation(1996年
  • 『スネイク・バイト・ラヴ』 - Snake Bite Love(1998年
  • 『ウィ・アー・モーターヘッド』 We Are Motorhead(2000年
  • 『ハマード』 - Hammered(2002年
  • 『インフェルノ』 - Inferno(2004年
  • 『キッス・オブ・デス』 - Kiss of Death(2006年
  • 『モータライザー』 - Motörizer(2008年
  • 『ザ・ワールド・イズ・ユアーズ』 - The Wörld Is Yours(2010年
  • Aftershock(2013年)※US22位
  • バッド・マジック』 - Bad Magic(2015年

ライブ・アルバム[編集]

  • 『ノー・スリープ・ティル・ハマースミス』 - No Sleep 'Til Hammersmith(1981年)※UK1位、旧邦題『極悪ライヴ』
  • 『ノー・スリープ・アット・オール』 - No Sleep at All(1988年
  • Everything Louder Than Everyone Else(1999年
  • Live at Brixton Academy the Complete Concert(2003年
  • 『ベター・モーターヘッド・ザン・デッド ライヴ・アット・ハマースミス』 - Better Motörhead than Dead: Live at Hammersmith(2007年


コンピレーション・アルバム[編集]

  • 『ノー・リモース』 - No Remorse(1984年
  • The Best of(2000年
  • The Chase Is Better Than the Catch(2000年)
  • Over the Top - The Rarities(2000年)
  • All the Aces(2001年

コラボレーション・アルバム[編集]

脚注リンク[編集]

  1. ^ a b c d e Erlewine, Stephen Thomas. “Motörhead | Biography & History”. AllMusic. All Media Group. 2020年12月15日閲覧。
  2. ^ https://www.forbes.com/sites/markbeech/2018/01/11/motorhead-sales-set-to-surge-as-guitarist-fast-eddie-clarke-dies-aged-67/amp/
  3. ^ An Interview with Lemmy Kilmister”. Classic Rock Revisited article. 2008年2月2日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2007年4月4日閲覧。
  4. ^ ただし、レミー自身はジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードを始めとする、同バンドのメンバーとも交流があった。
  5. ^ Motorhead Interview with Lemmy 6-20-2000 Ear Candy interview.”. 2007年5月6日閲覧。
  6. ^ LosingToday reviews”. LosingToday Magazine's review of BBC Live & In-Session. 2007年2月11日閲覧。
  7. ^ 元モーターヘッドのフィルシー“アニマル”テイラー、死去 BARKS 2015年11月13日 2017年6月23日 閲覧
  8. ^ “モーターヘッドのレミー、死去”. BARKS. (2015年12月29日). http://www.barks.jp/news/?id=1000122816 2015年12月29日閲覧。 
  9. ^ “モーターヘッドのドラマー、レミー死去に伴いモーターヘッドの終了を宣言”. amass. (2015年12月30日). http://amass.jp/67165/ 2015年12月30日閲覧。 
  10. ^ 元モーターヘッドの“ファスト”エディ・クラーク、死去”. BARKS (2018年1月12日). 2018年4月12日閲覧。
  11. ^ Interview with Motörhead Artist Joe Petagno”. Motörhead official site website. 2007年2月11日閲覧。[リンク切れ] Inspiration for War-Pig is also covered in the 'About Joe Petagno' interview section on Inferno 30th Anniversary edition bonus DVD, SPV69748.
  12. ^ ペタグノは30年以上の長きにわたってモーターヘッドの作品のためにデザインを続けてきたが、2007年、バンドのマネジメントへの不満を表明し、コンビを解消してしまった。

参考文献[編集]

  • Shaw, Harry (2002). Lemmy ... In his own words. Omnibus Press. ISBN 0-7119-9109-X 
  • Burridge, Alan (2012). Motorhead Live To Win. Cleopatra. ISBN 978-0-9636193-8-9 .

関連項目[編集]

  • ジョー・ペタグノ - イラストレーター。バンドマスコット「ウォー・ピッグ」の生みの親。