ヤンソンの誘惑

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ヤンソン氏の誘惑(グラタン)
北欧のアンチョビ缶(Ansjovis)

ヤンソンの誘惑(ヤンソンのゆうわく、: Janssons frestelse, : Jansson's temptation)は、スウェーデンの伝統的家庭料理[1]ヤンソン氏の誘惑(ヤンソンしのゆうわく)またはヤンソンさんの誘惑(ヤンソンさんのゆうわく)とも呼ばれている。

料理名の由来について[編集]

スウェーデン人作家のGunnar Stigmarkは1989年に書いた"Så var det med Janssons frestelse"でヤンソンの誘惑の名づけ親は自身の母親であるとしている[要出典]。この料理は古くからストックホルムの裕福な家庭ではおもてなし料理として人気のメニューで、当時は単に"アンチョビとジャガイモのキャセロール"と呼ばれていたが、1929年の新年パーティーでこのキャセロール料理を作ったGunnarの母はちょっとした思いつきで、1928年公開のEdvin Adolphson主演ヒット映画"Janssons frestelse"にちなんでそう呼んだと記している。また、オペラ歌手Pelle Janzon (1844-1889)に由来しているとの説もあり、実際のところははっきりとはしていない。

日本における料理名の由来に対する信憑性[編集]

日本において「ヤンソン氏の誘惑」という料理名の由来は、「19世紀に実在したと言われる菜食主義エリク・ヤンソンという宗教家があまりにもおいしそうな見た目と匂いに勝てずついに口にしてしまった」と紹介される事が多い。

しかし宗教家エリク・ヤンソンはたしかに存在していたものの、スウェーデン語で記述された情報においてその人物と当料理「ヤンソンの誘惑」との関連を示唆する情報源は見つからないため、この由来に対する信憑性は低いものと思われる。

また、どのようなタイミングや経緯で日本でこのような独自の紹介がされるようになったかは定かでない。

材料[編集]

※3~4人前

  • じゃがいも 8個(大なら4個)
  • 玉ねぎ中1個
  • 北欧のアンチョビ(Ansjovis)125g 1缶
  • 生クリーム 200cc
  • バター 50g(適量)
  • パン粉 大さじ1(日本の物より細かいもの)

概要[編集]

グラタン料理の一種。スウェーデンではポピュラーな料理で、クリスマスの定番のご馳走でもある。じゃが芋を使ったポテトグラタンではあるが、通常のホワイトグラタンにあるようなベシャメルソースを作る必要もない。玉ねぎアンチョビを必ず使うのが特徴である。味の決め手となるのは塩辛さと甘みのある北欧のアンチョビ(ansjovis)である。北欧のアンチョビはイタリアンアンチョビと魚の種類も味も異なり、イタリアンアンチョビがイワシなのに対し、小さめのニシンの一種であるスプラットを使っている。味付けは塩だけではなく、各種スパイスと甘味料で風味をつけ、塩辛さと共に甘みもある。

調理方法[編集]

浅めのグラタン皿かベーキングプレートにバターを塗る。オーブンを200度から225度に予熱。玉ねぎを薄切り、じゃが芋をマッチ棒よりもやや太いくらいの大きさに細切りする。じゃが芋の半量、玉ねぎ、ちぎったアンチョビ、残りのじゃが芋と重ねる。生クリーム、アンチョビ缶の汁を上からかける。パン粉、バターの塊を散らし、オーブンで30分から45分、少し焦げ目が付くまで焼く。様子を見て水分が減りすぎている場合は、途中で生クリームか牛乳を足す。味付けはアンチョビのみだが、好みで塩コショウを足しても良い。

じゃが芋と玉ねぎをあらかじめ炒める場合もある。なお、北欧のアンチョビが手に入らない場合は、イタリアンアンチョビ50gを1缶から1缶半で代用できるが、風味は異なる。

脚注[編集]

  1. ^ 矢口岳、 早川るりこ『家庭で作れる 北欧料理 スウェーデンの家庭で毎日食べているおいしいレシピ』河出書房新社 2014年 P.14-15

関連項目[編集]