ユキノビジン

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ユキノビジン
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1990年3月10日
死没 2016年7月22日(26歳没)
サクラユタカオー
ファティマ
母の父 ロイヤルスキー 
生国 日本の旗 日本北海道新冠町
生産 村田牧場
馬主 荒井幸勝
調教師 阿部時男(水沢
→久保田敏夫(美浦
競走成績
生涯成績 10戦6勝
地方競馬4戦3勝)
中央競馬6戦3勝)
獲得賞金 1億8460万7000円
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ユキノビジン日本競走馬公営岩手競馬から日本中央競馬会 (JRA) に移籍しクイーンステークス優勝、桜花賞優駿牝馬で2着になるなど活躍した。

戦績[編集]

※以降、馬齢はすべて旧表記(数え年)にて表記する。

岩手から中央に移籍した快速馬であるが、幼駒時代からその素質を見込まれ、もともとは初めから中央に入厩する予定だった。しかし受け入れ予定だった久保田厩舎の馬房に、入厩時期にたまたま空きがなく、一時的な措置での岩手所属となった。岩手時代には圧倒的なスピードを武器に4戦3勝の活躍。勝利したレースはいずれも圧勝で、3戦目に破った相手には後に岩手の強豪へと成長するトウホクグラスもいた。

4歳になり改めて中央に転厩。移籍初戦はクロッカスステークスだったが、中央に比べて実力が一段劣ると見られる地方出身、しかも前走南部駒賞は5着と敗れていたため、オッズは10頭立ての9番人気と非常に低いものだった。しかしレースでは持ち前のスピードを生かしてハナに立ち、そのままゴールまで一気に押し切るという快勝で、鮮烈な中央デビューを飾った。続く桜花賞優駿牝馬(オークス)では名牝ベガの前に連続して2着と敗れたものの、クロッカスステークスの勝利がフロックではなかったことを証明した。

秋にはクイーンステークスを制して重賞を初制覇。鞍上がそれまでの安田富男から岡部幸雄に乗り替わったエリザベス女王杯では直線半ばで失速し10着と大敗したものの、年末のターコイズステークスを1馬身半差で勝利し、エリザベス女王杯の勝ち馬ホクトベガに雪辱を果たした。

古馬になってからは、ターコイズステークス後は脚部に不安を抱えるようになりレースに出走できない日々が続いた。結局そのまま一度も出走することなく、5歳の9月に引退。繁殖入りとなった。

競走成績[編集]

年月日 開催場 レース名 人気 着順 距離 (m) タイム(上3F 着差 騎手 斤量 勝ち馬/(2着馬) 馬体重
1992 8. 9 盛岡 3歳新馬 1 1着 ダ850(稍) 53.0 (-) 5身 小野寺雅彦 53 (ミタカパッサー) 466
8. 31 盛岡 3歳G1 1 1着 ダ1420(良) 1:33.8 (-) 5身 菅原勲 53 (トウホクグラス) 466
9. 14 盛岡 ビギナーズC 1 1着 ダ1100(良) 1:09.5 (-) 3身 菅原勲 53 (サカモトルーキー) 465
10. 10 水沢 南部駒賞 2 5着 ダ1600(良) 1:46.5 (-) 0.6秒 小林俊彦 53 エビスサクラ 468
1993 2. 27 中山 クロッカスS OP 9 1着 芝1600(良) 1:34.9 (35.5) 3身 安田富男 53 (ビコーアルファー) 464
4. 11 阪神 桜花賞 GI 5 2着 芝1600(良) 1:37.2 (-) 0.0秒 安田富男 55 ベガ 460
5. 23 東京 優駿牝馬 GI 3 2着 芝2400(稍) 2:27.6 (35.6) 0.3秒 安田富男 55 ベガ 464
10. 3 中山 クイーンS GIII 1 1着 芝2000(良) 2:02.3 (35.6) 2身 安田富男 55 ホクトベガ 468
11. 14 京都 エリザベス女王杯 GI 3 10着 芝2400(良) 2:26.2 (37.0) 1.3秒 岡部幸雄 55 ホクトベガ 464
12. 18 中山 ターコイズS OP 1 1着 芝1800(良) 1:49.4 (34.4) 1身1/2 岡部幸雄 56.5 (アルファキュート) 468

人気[編集]

当時はまだ地方競馬出身のオグリキャップが巻き起こした一大競馬ブームの残光が根強かった時期だった。予定が狂った上での事とはいえ、岩手出身のユキノビジンはまずその経歴で人気を集め、やがてその実力に加え、父サクラユタカオー譲りの華やかな栗毛の馬体や丁寧に編み込まれたたてがみ、「ユキノビジン」といういかにも北国という響きの良い名前などが相俟って、人気馬が多かった1993年クラシック世代の中でも屈指の人気を誇るようになった。「朴訥なおじさん」という印象が強かった安田富男とのコンビも「中央のエリートに挑む田舎娘」というイメージを強調し人気に拍車をかけた。この人気を受けて優駿牝馬の後にはユキノビジンのぬいぐるみが発売されたが、発売当時はまだ重賞も勝っていなかった。G1未勝利馬はおろか重賞未勝利馬のぬいぐるみが作られることさえ、当時としては極めて異例の事だった。

繁殖成績[編集]

生年 馬名 毛色 戦績その他
初仔 1996年 カネツリーフ 栗毛 ノーザンテースト 4戦0勝
2番仔 1997年 ユキノクエーサー 栗毛 ジェネラス 地方44戦3勝
3番仔 1998年 ユキノアタック 栗毛 フォーティナイナー 地方41戦1勝
4番仔 1999年 ユキノチャーム 栗毛 ピルサドスキー 地方14戦1勝、繁殖牝馬
5番仔 2001年 ユキノアイテール 黒鹿毛 オース 6戦3勝(うち地方5戦3勝)
6番仔 2003年 ロイヤルヘイロー 栗毛 ブラックタキシード 不出走
7番仔 2004年 マルハチドーラン 黒鹿毛 ウイニングチケット 地方14戦1勝
8番仔 2005年 ローレルウェンス 鹿毛 コマンダーインチーフ 23戦0勝(うち地方8戦0勝)
9番仔 2006年 馬名未登録 黒鹿毛 マンハッタンカフェ 不出走
10番仔 2007年 フジノボーガン 鹿毛 コマンダーインチーフ 8戦0勝(うち地方5戦0勝)
11番仔 2008年 ハルジオン 栗毛 ティンバーカントリー 地方8戦0勝、繁殖牝馬
12番仔 2009年 コアンドル 黒鹿毛 リンカーン 地方19戦4勝、繁殖牝馬

産駒の多くは地方競馬で走っているが、まだこれといった活躍馬は出ていない。受胎率は良いものの爪が悪く、身重になると脚が痛くなるため、2010年で繁殖を引退し、その後は功労馬として村田牧場で過ごしていたが[1]、2016年7月22日、老衰によって26歳で死亡した[2]

血統表[編集]

ユキノビジン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 テスコボーイ系
[§ 2]

サクラユタカオー 1982
栗毛 北海道静内町
父の父
*テスコボーイ
Tesco Boy 1963
黒鹿毛 イギリス
Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Suncourt Hyperion
Inquisition
父の母
アンジェリカ 1970
黒鹿毛 北海道静内町
*ネヴァービート
Never Beat
Never Say Die
Bride Elect
スターハイネス *ユアハイネス
スターロツチ

ファティマ 1983
栗毛 北海道新冠町
*ロイヤルスキー
Royal Ski 1974
栗毛 アメリカ
Raja Baba Bold Ruler
Missy Baba
Coz o'Nijinsky Involvement
Gleam
母の母
ビューテイワン 1975
栃栗毛 北海道新冠町
*ダッパーダン
Dapper Dan
Ribot
So Chic
ミスジェーン *リンボー
ジェーン
母系(F-No.) エスサーディー系(FN:6-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah 4・5×5・5 [§ 4]
出典
  1. ^ [3]
  2. ^ [4]
  3. ^ [5][3]
  4. ^ [3]

出典[編集]

  1. ^ ユキノビジンを訪ねて〜村田牧場”. 競走馬ふるさと案内所 (2011年5月24日). 2011年7月19日閲覧。
  2. ^ 93年桜&樫2着のユキノビジン死す 26歳老衰”. 株式会社産経デジタル (2016年7月22日). 2016年7月25日閲覧。
  3. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ユキノビジン”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2016年7月18日閲覧。
  4. ^ ユキノビジンの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2016年7月18日閲覧。
  5. ^ a b 『優駿』1993年12月号、日本中央競馬会、147頁