ヨークシャー・テリア
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別名 | ヨーキー(Yorkie) | |||||||||||||||||||||||||||
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保護 | ![]() | |||||||||||||||||||||||||||
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イヌ (Canis lupus familiaris) |
ヨークシャー・テリア(Yorkshire Terrier)は、小型の愛玩犬の一つ。しばしばヨーキーと呼ばれる。
犬種の歴史・概要[編集]
19世紀中ごろ、イギリスのヨークシャー地方の工業地帯の労働者の家屋を荒らすネズミを捕まえるために間接狩猟犬として作出された。1862年に「ブロークン・ヘアード・スコッチ・オア・ヨークシャー・テリア」と命名されたが長すぎたためヨークシャー・テリアと呼ばれるようになった。1886年にイギリスのケネルクラブで公認された比較的新しい犬種である。賢く勇猛だが一匹では寂しがる。1800年代後半にアメリカ初上陸する。かつてはオーストラリアン・テリアやオーストラリアン・シルキー・テリアと混同され、1932年にこれら3犬種の交配が禁止されるまで統一されたスタンダード種は確立されなかった。
ジャパンケネルクラブ (JKC) が公認する犬種の中ではチワワに次ぐ小型な犬種であり、成長しても2 - 3kg程度にしかならない個体が多い。本犬種はマンチェスター・テリア、スカイ・テリア、絶滅種であるクライズデール・テリア(ペイズリーテリア)、マルチーズなど様々な犬種を交配改良したもので、犬種の歴史が浅く血統が不安定、など種々の要因で、しばしば7キログラム (kg) 程度までの大きな個体もみられる。FCIで2kg未満と3.1kg以上は認可されない。平均身長28センチメートル (cm)で、尾は本来は長いが多くは生後間もなく3cm程度に断尾される。
幼い頃の体毛はブラック・タンだが、成長するにつれスチールブルーやゴールド、シルバーなど毛色が7回ほど変化すること、その美しい絹のような毛質から「動く宝石」とも称される。被毛が地面まで届くフルコートがスタンダードである。日常生活では、被毛の擦り切れを防止するために毛先を紙で包んでまとめるラッピングも多用され、ショーの出場などを意識しない家庭犬は短く刈り込んだサマーカットも多い。
JKCによる日本国内の登録件数調査で、1970年代から1位ではないが3 - 6位程度を維持する、流行の影響が少ない人気犬種である。
健康上の注意点[編集]
多くの小型犬に共通するが、膝蓋骨脱臼、水頭症、糖尿病、気管虚脱がよく見られる。求める際は、遺伝病の有無を血統で確認すると良い。先天的に骨が弱い個体が多く、特に下肢に畸形が見られる場合がある。虫歯、歯周病になりやすく口臭がある。
ギャラリー[編集]
19世紀末の画家ヘンリエッタ・ロナー=クニップの描いたヨークシャー・テリア