ラオスの鉄道

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ラオス
Thanaleng Train Station Vientiane.jpg
ターナレーン駅
運営
主要事業者 タイ国有鉄道
統計
距離
総延長 3.5 km
複線距離 0 km
電化距離 0 km
貨物線 0 km
高速鉄道 0 km
軌間
主な軌間 1,000 mm (3 ft 3 38 in)
高速鉄道 0 km
1000mm 3.5 km
電化方式
主電化方式 全線非電化
設備
トンネル数 0
橋梁数 1
最長橋梁 タイ=ラオス友好橋
駅数 1
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ラオスの鉄道(ラオスのてつどう)は、2013年7月現在、タイのノーンカーイ駅(Nong Khai)から、1994年に完成した鉄道道路併用橋であるタイ=ラオス友好橋で両国を隔てるメコン川を渡り、ターナレーン駅(Ta Na Laeng)を結ぶ非電化単線路線軌間:1,000 mm)が唯一の路線である。ラオスの陸の孤島状態を解消し、タイとの鉄道と港のネットワークに接続させるため、タイのノーンカーイ駅を南に移設し、この新駅から分岐してターナレーンを結ぶ3.5kmの鉄道が計画された[1]2009年3月5日にターナレーン駅で開通式が行われ、ラオス独立後初めての鉄道が開業した[2][3]。なお、ターナレーン開業後は、首都のヴィエンチャン(Vientiane)までの延長が予定されていたが、ラオス・中国鉄道計画により棚上げとなった。

2013年9月からは第2フェーズとしてターナレーン駅周辺への倉庫、コンテナヤード、接続路線、コンクリート道路をタイのNEDAによる5.9億バーツの支援で建設されており、完成は2015年7月を計画している[4]

なお、利用者数は少なく2013年は32,000人、2014年は38,000人、うち80%が外国人と発表されている[5]

歴史[編集]

ラオスの初めての鉄道は、フランス植民地時代に、メコン川の激流地帯であるチャンパーサック県シーパンドンにて船舶による輸送の代わりに鉄道による輸送のため建設されたのが始まりである。当地域のコーン島・デット島を結ぶ6.5kmを鉄道で結ばれた[6]。本鉄道は第二次世界大戦後廃止され、その廃線後の遺構は残されている[7][8]。その後、ラオスには鉄道は存在しなかった。

1950年代、ラオスは、物資の輸送をより円滑にするためラオス・タイの国境であるメコン川を渡る橋(タイ=ラオス友好橋鉄道道路併用橋))の建設をタイに提案し、オーストラリアの援助で設計・建設された。1994年4月8日に橋は開通したが、橋の中央を走る鉄道(併用軌道)は未完成であった。1995年にラオス鉄道公社(Lao Railway Authority)が設立され、1997年にはタイのShaviriyaグループとの合弁事業の協定が結ばれた。この合弁事業は、本路線に関わる60年間の運営権の譲渡、資産開発および通信網の権利、18年間の運営利益に対する税制上の優遇を有していたが、1999年に破棄された[1]。1997年の経済危機が収束した2000年、タイから鉄道建設の着工が、ラオスの負担分のうちの1億9,700万バーツについて無償援助ということで提案された。建設工事は2008年以前に終了し、2009年2月20日に双方から伸びてきた線路の結合式典が、タイ=ラオス友好橋で挙行された。3月5日にターナレーン駅で開催された開通式には、ラオス代表してブンニャン・ウォーラチット副大統領が、タイ代表してシリントーン王女が出席した[3]

事業者[編集]

将来の延伸[編集]

ヴィエンチャンまでの延伸[編集]

ターナレーンまでの路線をラオスの首都ヴィエンチャンまで延伸する計画がある。2012年、タイ政府はその鉄道延長のため、ラオス政府を支援する16億バーツの予算を承認した[9]

タイ・ベトナムへの延伸[編集]

ラオスはタイ国境・サワンナケート (Savannakhetとベトナム国境のラオバオ英語版Lao Bảo / 牢堡)間を結ぶ全長220kmの鉄道建設・運営について、マレーシア企業のGiant Consolidatedと契約調印した。路線は複線電化で、プロジェクトの総額は50億ドル(約4000億円)で、2017年の開業を目指している[10]

中国への延伸[編集]

ラオス・中国鉄道(計画)
概要
駅数 31
運営
運営者 ラオス鉄道公社
路線諸元
路線総延長 421 km (262 mi)
軌間 1,435 mm (4 ft 8 12 in)
電化 全線電化
運行速度 160 km/h (99 mph)
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ラオスの首都ヴィエンチャンとボーテン(中国国境モーハン口岸)間を結ぶ鉄道が計画されている。新路線はヴィエンチャンと中国・雲南省のシーサンパンナ(西双版納)間、421kmを結び、軌間は標準軌で、76本のトンネルと154本の橋梁が建設され、旅客列車は最高速度160km/h貨物列車は120km/hで運転される計画である。バンビエンルアンパバーンなど7つの主要駅を含む20駅がまず設置され、その後も追加し、最終的には31駅となる予定である。

鉄道建設計画は当初、ラオスと中国の共同プロジェクトとして提案され、建設費は70億ドル、中国進出口銀行中国語版からのソフトローン(2%、30年間)と計画されていた[11][12]。2013年より、ラオス側による計画が進められ、2015年9月17日にラオスのソムサワート・レンサワット副首相が、資金面の問題が解決されたため2015年12月より着工予定と発表した[13]

隣接国との鉄道接続状況[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 松本尋夫、藤田崇義 『最新 世界の鉄道』 (社)海外鉄道技術協会、ぎょうせい、東京都、2005年7月1日。ISBN 978-4324076262。
  2. ^ ラオス鉄道開通、日本が物流拠点構想も”. NNA.ASIA(アジアの経済ビジネス情報) (2009年3月6日). 2013年7月30日閲覧。
  3. ^ a b 赤木攻 (2009年4月9日). “国境を越える「王室プロジェクト」”. NNA.ASIA(アジアの経済ビジネス情報). 2013年7月30日閲覧。
  4. ^ “鉄道が5ヶ月後からスタート”. パサソン社会経済紙. (2015年2月11日) 
  5. ^ “道乗客数”. パサソン社会経済紙. (2015年2月18日) 
  6. ^ コーン島の鉄道廃線跡めぐり”. 2013年7月30日閲覧。[出典無効]
  7. ^ ラオス政府観光局”. 2013年7月30日閲覧。
  8. ^ 日経 アジア 中国 オセアニア. “南ラオスの旅 メコン川の滝と四千の島 (pdf)”. 2013年7月30日閲覧。
  9. ^ タイ国政府観光庁 (2012年7月24日). “2年以内にタイ~ラオス鉄道が拡張”. 2013年7月30日閲覧。
  10. ^ RailPlanet (2012年11月14日). “ラオス、タイ国境〜ベトナム国境間に鉄道建設へ”. 2013年7月10日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年7月30日閲覧。
  11. ^ サンケイビズ (2013年5月31日). “高速鉄道の早期着工に意欲 ラオス-中国間で協議進む”. 2013年7月30日閲覧。
  12. ^ RailPlanet (2012年11月21日). “ラオス~中国間鉄道、来年着工か”. 2013年7月30日閲覧。[リンク切れ]
  13. ^ “中国 - ラオス鉄道は12月着工へ、「資金面の問題」解決”. newsclip.be. (2015年9月21日). http://www.newsclip.be/article/2015/09/21/26942.html 2015年9月27日閲覧。 

関連項目[編集]