リンドン・B・ジョンソン (ミサイル駆逐艦)

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リンドン・B・ジョンソン
USS Lyndon B. Johnson (DDG 1002) artist's rendering - 120416-N-AL577-001.jpg
基本情報
建造所 バス鉄工所
運用者  アメリカ海軍
艦歴
発注 2011年9月15日
起工 2017年1月30日
進水 2018年12月9日
その後 建造中
要目
満載排水量 14,564 トン
全長 600 ft (182.9 m)
最大幅 80.7 ft (24.6 m)
吃水 27.6 ft (8.4 m)
機関 ロールス・ロイス マリン トレント ガスタービン 2基
出力 78 MW
推進器 スクリュープロペラ 2軸
最大速力 30.3 ノット (56.1 km/h)
乗員 士官、兵員 140名
兵装 62口径155mm単装砲 2門
30mm機関砲 2門
Mk 57 VLS(20セル) 4基
搭載機 SH-60 シーホーク 2機
またはMH-60R 1機+MQ-8 UAV 3機
レーダー AN/SPY-3 多機能レーダー 3基
AN/SPS-73 対水上/航海用 1基
ソナー AN/SQS-60 中周波式 1基
AN/SQS-61 高周波式 1基
AN/SQR-20 曳航式 1基
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USS リンドン・B・ジョンソン (DDG-1002、USS Lyndon B.Johnson) は、アメリカ海軍ズムウォルト級ミサイル駆逐艦の3番艦である。2011年9月15日にメイン州バスバス鉄工所との間で建造契約が締結された。この契約は2番艦のマイケル・モンスーアと合わせて総額18億26百万ドルに上るものであった[1][2]。レイ・メイバス海軍長官は2012年4月16日に本艦を第36代アメリカ合衆国大統領リンドン・ジョンソンにちなみ、リンドン・B・ジョンソンと命名すると発表した。ジョンソンは第二次世界大戦に海軍少佐として従軍して銀星章を受章し、最終階級は海軍予備役中佐であった[3]。本艦は合衆国大統領の名を持つ艦としては34隻目の艦である[4]

概要[編集]

リンドン・B・ジョンソンはズムウォルト級ミサイル駆逐艦である。ズムウォルト級は当初32隻の大量建造が予定されていたが、高コストなどのため最終的には3隻のみの建造に留められた[5]。対地攻撃および沿海域戦闘に主眼を置いた多用途艦として設計され[6]装甲艦を彷彿させるタンブルホーム船型を採用している[7]。2013年1月に海軍はデッキハウス (艦橋にあたる上部構造) について他の艦の複合材製に代えて鋼製としたオプションの公募入札を実施した[8]。これは複合材構造物のコスト超過に対応するための変更であったが、本級では重量制限が厳しいため他の部分での重量削減が必要になった[9]

2015年2月には海軍がリンドン・B・ジョンソンにレールガンを搭載する技術検討を始めたことを発表した。ズムウォルト級は従来の巡洋艦や駆逐艦を大きく超える80MWの電源容量があり、レールガンのような新技術の採用に適していると判断されたのである。リンドン・B・ジョンソンは同級の最終艦であるため搭載が具体化したが、前2艦は試験スケジュールの関係で具体化する可能性は低い。レールガンは2門の先進砲システムのうち1門を置き換えるものとみられている[10]。2016年3月時点ではレールガンを竣工時装備とするには建造が進みすぎている状態であるが、後日換装される可能性はある[11]

2015年9月には、米国防総省高官がリンドン・B・ジョンソンを完成させる前に資金拠出を取りやめることを検討していることが報じられた[12]。国防予算削減のための措置と考えられたが、建造中止は不可能な段階まで進んでおり、実際に建造中止しても中止費用と違約金の支払いのためにかえってコストがかさむ可能性があった[13]。2015年12月には、国防総省は建造続行を決断した[14]

本艦の先進砲システムは長射程対地攻撃弾 (LRLAP) の使用しか想定していないが、LRLAPの調達は2016年にキャンセルされ[15][16]、海軍はその代替案を持ち合わせていない状況であった[17]。このため、砲は現状利用できず、艦砲射撃による対地支援もできない。これを受けて海軍はズムウォルト級の位置付けを水上戦闘艦に改めざるを得なくなった[18]

リンドン・B・ジョンソンの起工式は2017年1月30日に挙行されたが、その時点で艦全体の半分以上の建造が終わっていた[19]

艦歴[編集]

2018年12月9日バス鉄工所にて進水した[20][21]

参考文献[編集]

  1. ^ Lyndon B Johnson (DDG 1002)”. Naval Vessel Register. Naval Vessel Register. Navy.mil (2012年12月12日). 2014年11月24日閲覧。
  2. ^ “DDG 1001 and DDG 1002 Ship Construction Contract Award Announced” (PDF) (プレスリリース), Naval Sea Systems Command, (2011年9月15日), オリジナルの2013年3月2日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20130302104930/http://www.navsea.navy.mil/PR2011/091511DDG.pdf 2012年4月18日閲覧。 
  3. ^ http://www.va.gov/health/newsfeatures/2015/february/list-of-presidents-who-were-veterans.asp
  4. ^ “Navy Names Zumwalt Class Destroyer USS Lyndon B. Johnson” (プレスリリース), Defense.gov, (2012年4月16日), http://www.defense.gov/releases/release.aspx?releaseid=15190 2012年4月20日閲覧。 
  5. ^ O'Rourke, Ronald (2012年2月3日). “Navy DDG-51 and DDG-1000 Destroyer Programs: Background and Issues for Congress (PDF)”. Congressional Research Service. Congressional Research Service. Federation of American Scientists. p. 42. 2012年4月20日閲覧。
  6. ^ “Work on new destroyer begins”. United Press International (UPI.com). (2012年4月11日). http://www.upi.com/Business_News/Security-Industry/2012/04/11/Work-on-new-destroyer-begins/UPI-75921334149778/ 2012年4月16日閲覧。 
  7. ^ DDG 1000 Zumwalt Class - Multimission Destroyer, United States of America”. Naval-technology.com. Net Resources International. 2012年4月18日閲覧。
  8. ^ Fabey, Michael (2013年1月25日). “U.S. Navy Seeks Alternate Deckhouse For DDG-1002”. Aerospace Daily & Defense Report. http://www.aviationweek.com/Article.aspx?id=/article-xml/asd_01_25_2013_p03-01-540970.xml 
  9. ^ Cavas, Christopher P. (2013年8月2日). “Navy Switches from Composite to Steel”. DefenseNews.com. 2015年9月15日閲覧。
  10. ^ LaGrone, Sam (2015年2月5日). “Navy Considering Railgun for Third Zumwalt Destroyer”. News.USNI.org. 2015年9月15日閲覧。
  11. ^ Admiral: Shipbuilders won't install railgun on new Navy destroyers - Navytimes, 22 March 2016
  12. ^ Capaccio, Anthony (2015年9月12日). “General Dynamics Destroyer Reviewed by U.S. for Cancellation”. Bloomberg News. https://www.bloomberg.com/news/articles/2015-09-14/general-dynamics-destroyer-reviewed-by-pentagon-for-cancellation 2015年9月15日閲覧。 
  13. ^ Cuts To Zumwalt Destroyer Won’t Save Much - Breakingdefense.com, 21 September 2015
  14. ^ Cavas, Christopher P. (2015年12月17日). “Pentagon Cuts LCS to 40 Ships, 1 Shipbuilder”. Militarytimes.com. 2016年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月17日閲覧。
  15. ^ New Warship’s Big Guns Have No Bullets - Defensenews.com, 6 November 2016
  16. ^ Navy Planning on Not Buying More LRLAP Rounds for Zumwalt Class - News.USNI.org, 7 November 2016
  17. ^ LaGrone, Sam (2018年1月11日). “No New Round Planned For Zumwalt Destroyer Gun System; Navy Monitoring Industry”. USNI News. U.S. Naval Institute. 2018年3月2日閲覧。
  18. ^ Eckstein, Megan (2017年12月4日). “New Requirements for DDG-1000 Focus on Surface Strike”. USNI News. U.S. Naval Institute. 2018年3月2日閲覧。
  19. ^ Bath Iron Works Lays Keel of DDG 1002”. Marine Link (2017年1月31日). 2017年2月1日閲覧。
  20. ^ “GD-BIW Launches Last Zumwalt-class Destroyer”. DEFENSE DIARY. (2018年12月10日). http://www.defensedaily.com/gd-biw-launches-last-zumwalt-class-destroyer/ 2018年12月11日閲覧。 
  21. ^ “Future USS Lyndon B. Johnson (DDG 1002) Launched at Bath Iron Works”. Naval Sea Systems Command. (2018年12月10日). https://www.navsea.navy.mil/Media/News/SavedNewsModule/Article/1708862/future-uss-lyndon-b-johnson-ddg-1002-launched-at-bath-iron-works/ 2018年12月11日閲覧。