ルービックキューブ

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ルービックキューブ
考案者のエルノー・ルービック(2014年撮影)

ルービックキューブ: Rubik's Cube)はハンガリー建築学者ルビク・エルネー(エルノー・ルービック)が考案した立体パズル。ルービックキューブの愛好家は日本ではキュービスト: Rubik's cubist)、日本国外ではキューバー: Rubik's cuber)と呼ばれる。 なお「ルービックキューブ」はメガハウス登録商標であり、「Rubik's」はルービックス・ブランド社(イギリス)の登録商標である。

概要[編集]

各面は3×3=9個のの付いた正方形で構成されているが、立方体全体を見ると、頂点にあるコーナーキューブ8個、辺にあるエッジキューブ12個、各面の中央にあるセンターキューブ6個で構成されているのがわかる。

これらのキューブを、各列(行)ごとに自由に回転させることができる。回転に伴い、コーナーキューブやエッジキューブ(サブキューブとも言う)は場所が移動するが、センターキューブは回転するだけで移動しない所がポイントである。後に出た上位版のルービックリベンジでは各面が4×4に分割されておりセンターキューブ自体も他の面に移動できてしまうため、難易度は高くなる。オフィシャルのバリエーションでは他に、各面が5×5に分割されているプロフェッサーキューブや、2×2に分割されているポケットキューブがある。センターキューブに絵や文字が入り、向きや並び(リベンジ以上の場合)を揃える必要があるものもある。なお、センターキューブ、エッジキューブ、コーナーキューブはそれぞれ1面体、2面体、3面体と呼ばれることもある。

遊び方は、キューブを回して色をバラバラに崩し、それを再度揃えるだけというシンプルなもの。

分解した状態

ルービックキューブの世界標準配色は、を手前に見ると奥が黄色、そして側面が時計回りに橙色となっている。しかし、日本国内で正式にライセンスを受けて販売されているメガハウス製の旧品では、世界標準配色の黄と青が入れ替わっている、日本配色だった。なお、メガハウスから2013年に発売されたルービックキューブ ver2.0では配色が世界標準のものに是正されている[1]

ルービックキューブは基本的に分解可能であり、分解してからまた組み立てればパズルが苦手な人でも6面を完成させられる。最近では回転中の意図せぬ分解を防ぐ工夫がなされており、分解が非常に困難な物もある。

2000年代に入り、「魔方」や「マジックキューブ」などの名称を使用した中国メーカーによる商品が多数販売されている。

様々な種類[編集]

様々なルービックキューブ

このような機構のパズルの中には、上記のルービックリベンジ、プロフェッサーキューブ、ポケットキューブ、V-CUBE 6、V-CUBE 7等の立方体のバリエーション以外にも正四面体ピラミンクス正十二面体メガミンクス等もある。また、形状は立方体だが立方体の角が回転するスキューブなどもある。正八面体正二十面体のものもある。

正多面体以外の形状のものとしては、八角柱や立方八面体の形状のものもある。2006年に発表された「フロッピーキューブ」は、1×3×3 の直方体の形状をしている。この作品は国際パズルパーティーのコンペティションで入賞している。

また2×2の分割系ではキャラクターを模した物もあり、ハローキティを頭部と胴体部の間・全身の前後の間で分割している物や、ガンダムの頭部を分割した物などがある。

ルービックキューブに貯金箱の機能を備えた「ルービックキューブバンク」も登場している。なお、投入したコインの取り出しには、取り出し口のついた面のみを揃えればよい。

変則型として、2010年に「2×2×4ルービックタワー」、2019年に「ルービックフラット3×1」が発売。

2012年に回転を制限するブロックパーツがつけられる「ルービック キューブロックス」が発売。2016年にキューブが光る「ルービックスパーク」が発売。2019年には表面に凸凹の突起が付けられ触った感覚でも認識できる「白いルービックキューブ」が発売[2]

関連パズルゲームとして、2009年に球体の中のボールを移動させる「ルービック360」が発売。2010年にピースを組み合わせてルービックキューブの形を完成させる「ルービックキューブ立体パズル」が発売。2010年に9つのマス目の光を回転や移動させ完成させる「ルービックスライド」が発売。2011年に対戦スライドパズルゲーム「ルービックレース」が発売。2018年にパーツを組み合わせてピラミッドを作る「ルービックトライアミッド」が発売。2020年にルービックキューブ風の対戦三目並べゲーム「ルービックケージ」が発売。

歴史[編集]

ポリテクニカ社のマジック・キューブ。
アイデアル・トイ社のルービックキューブ。1980年、ハンガリー製

ルービックキューブは、ハンガリーの建築学者で、ブダペスト工科大学教授だったエルノー・ルービック1974年に考案した。ルービック社公式サイトの説明によれば、彼は3次元幾何学を説明するための「動くモデル」を求め、ドナウ川の流動を見て発明のヒントを得たという[3]。最初のキューブの原型は、木製の立方体であった(同サイトの“Rubik's history”で見られる)。ルービックは「マジック・キューブ」(魔法の立方体)という名前で特許を取得し、1977年にハンガリーの玩具製造会社「ポリテクニカ」から最初のキューブが発売される。その後、アメリカのメーカーであるアイデアル・トイ社が販売権を獲得し、マジック・キューブは発明者の名前を冠した「ルービックキューブ」の名前で世界的に発売された。

日本では1980年7月25日ツクダオリジナルから発売された。同年の6月には朝日新聞ですでにルービックキューブのことが数学者に注目されるパズルとして紹介されており、1980年から1981年には日本中でルービックキューブが大ブームとなった[4]。ツクダオリジナルの代表取締役だった和久井威によると、ニューヨークのトイショーで見て15万個の販売権を1億円で獲得した[5]伊勢丹新宿店のアダルトホビー部門の担当者からパズルゲーム商品の要望を聞いていたことが、その背景にあった[5]。価格を1480円で想定したところ、その担当者から「2000円ぐらいでも売れる」と言われて1980円にしたという[5]。朝日新聞の記事に対しては読者から「どこで売っているのか」という反響があり、最終的にツクダオリジナルに確認(発売日)の問い合わせがされてそれが記事となった[5]。この記事は、商品の関心を高める点で「効果的だった」と和久井は述べている[5]。和久井は年内に2度訪米して追加発注の交渉をおこなったという[5]。1981年2月には海賊版が出回る事態まで発生している。日本では、正規品だけでも発売から8か月の間に400万個以上という売り上げを記録した[3]

1981年1月31日には帝国ホテルで「第1回全日本キュービスト大会」が開催されて400人の参加者が集まった。6歳から68歳までと幅広い年齢層の愛好家が参加し、6面完成までの時間を競い合った。この大会での優勝記録は当時16歳の高校生が記録した2分37秒(3回の合計)となっている。優勝者には賞品として自動車が進呈された。

ツクダオリジナルでは1981年のゴールデンウィークに向けて30万個の追加発注をしたが、『機動戦士ガンダム』(ガンプラ)のブームが訪れたことで売れ行きは急減した[5]。残った大量の在庫は、翌年のツクダの福袋に入れたほか、少しずつ売れ続けたことで10年かけて処理できたという[5]。その後もルービックキューブは売れ続けており、世界ではこれまで約3億5000万個が販売されている[3]

日本では、6面完成をさせた者に対して認定証が贈られるシステムがある。もともとは発売元のツクダオリジナルが認定していたが、現在では親会社ツクダの経営不振のため、メガハウスが行っている。2005年9月までに2万人以上が認定されており、その中にはタレント萩本欽一も含まれる。

スピードキュービング[編集]

ルービックキューブを全面揃えるまでの時間の速さを競うことをスピードキュービング又はスピードキューブと呼ぶ。1回計測するだけでは誤差が大きい為、現在の公式戦の多くでは5回計測して、その中から最も速かった回と最も遅かった回を除外した3回の時間の平均を用いることが多い。公式戦では原則的に自分自身で持ち込んだキューブを使用する。乱数で表示されたものを運営側が混ぜ、見えないように箱やカップを被せて卓上に置かれる。競技者はキューブを取り出してから15秒間の観察時間が与えられる。

ルービックキューブの解法には、過去にルービックキューブに付属していた解法書の解法である、ツクダ式やCF(Corners First)などがあるが、スピードキュービングで用いられている最もポピュラーな解法はLBL(Layer By Layer)で、またの名をCFOP(Cross F2L OLL PLL )と呼ばれるものである。これは、基本的にキューブの各層を下から順に揃えていく方法である。解いている過程が分かりやすく、短時間で揃えることができる。早く揃えるにはキューブを素早く回さなければならない為、摩擦抵抗を調整する目的でシリコンスプレーやホワイトグリスをキューブ内部の摩擦面に塗布する人も多い。また、キューブを短時間で回転させるため、以下のように様々なテクニックが考案されている。混ざったキューブの状態を見て瞬時に判断する事や、このような動きをすることからパズルというよりはスポーツ競技と見られる側面も持ち合わせている。一方でルービックキューブは数学的にも興味深い対象であるにもかかわらず、早解きに関する部分のみが取り上げられることには批判もある。例えば芦ヶ原伸之も苦言を呈している[6]

回転記号

LBL法やCF法といった解法では大量のパターンを暗記しなければならないため、パターンを解説するために回転記号というものが使われている。キューブの6つの面を前面(Front)・背面(Back)・右面(Right)・左面(Left)・上面(Up)・下面(Down)と名づけ、それぞれの面を時計回りに90°回転させることをF・B・R・L・U・Dと書き表す。またそれぞれの面を反時計回りに90°回転させることをF'・B'・R'・L'・U'・D'、180°回転させることをF2・B2・R2・L2・U2・D2と書き表す。180°回転させる場合は時計回りでも反時計回りでも同じである。また、2層回転させる際はFw・Bw・Rw・Lw・Uw・Dwと記される。反時計回りは先程と同様「'」の記号を付けるだけ。中段の回転にはS・M・Eといった記号が用いられる。

トリガー
右手の人差し指でキューブの上段の右外隅を手前に引けば、上段を時計回りに回転させることができる。左手の人差し指を使えば反時計回りに回転させることができる。また薬指を使うと下段の回転にも使える。
プッシュ
右手の親指でキューブの上段の右内隅を奥に押せば、上段を反時計回りに回転させることができる。左手の親指を使えば時計回りに回転させることができる。
フィンガーショートカット(FSC)
トリガーやプッシュなどを組み合わせて複数の回転を瞬時に行う。

メガハウスからは「スピードキュービングキット」が発売された。キットには通常のルービックキューブのほかに、台座・ドライバー(プラスとマイナス各1本)・LBL式の攻略指南書・ワックスがセットになっている。キューブを分解してセンターキューブを外し、ドライバーでネジを回すことによって回転しやすさを調整することができる。

記録[編集]

詳細はルービックキューブの記録一覧を参照。

現在の3×3×3の世界記録は、単発3.47秒で杜宇生(中国)、平均5.53秒でフェリックス・ゼムデグス(オーストラリア)である。日本記録は単発4.80秒で洲鎌星、平均7.53秒で伏見有史である。

公式大会[編集]

公式大会の様子(ドイツアーヘン大会2010)
計測に使用するスタックタイマー

ルービックキューブの記録一覧世界ルービックキューブ選手権大会日本ルービックキューブ選手権大会も参考。

1981年、第1回全日本キュービスト大会が開催された。優勝は北島秀樹(当時高校生)で記録は46秒台[7][8]

1982年ハンガリーブダペストで第1回世界ルービックキューブ選手権大会が行われ、Minh Thaiが22秒95で優勝した[9][10]。その後、人気の低下もあって世界的な大会は開催されなかったが、2000年代に入り再び人気が拡大したことで2003年に第2回大会が行われた。これ以降は2年ごとに世界大会が開催されている。公式の競技ルールは世界キューブ協会(WCA)によって毎年アナウンスされる。WCAに認められる公式大会は世界中で行われており、日本では日本ルービックキューブ協会(JRCA)によって開催される。また、世界大会も2年に一度10月頃に行われており、世界中のキュービストが集まる。

公式種目と競技方法(「ー」印は非公式種目)
スタンダード 片手 最小手数 目隠し 複数目隠し
3x3x3 Cube ベスト、5回の平均 ベスト、5回の平均 最短手順数、3回の平均 ベスト、(3回の平均) 最多個数
2x2x2 Cube ベスト、5回の平均
4x4x4 Cube ベスト、5回の平均 ベスト、(3回の平均)
5x5x5 Cube ベスト、5回の平均 ベスト、(3回の平均)
6x6x6 Cube ベスト、3回の平均
7x7x7 Cube ベスト、3回の平均
Clock ベスト、5回の平均
Pyraminx ベスト、5回の平均
Megaminx ベスト、5回の平均
Square-1 ベスト、5回の平均
Skewb ベスト、5回の平均

ベストとは一定数計測した中で最も速い記録であり、3回の平均は3回計測した平均の記録である。5回の平均は、5回計測した中で最も速い記録と最も遅い記録を除いた3回の平均を競うものである。(3回の平均)とあるものは、順位を決定するのに用いるのは認められていないが、公式記録として集計される。

片手や目隠しでキューブを解く特殊な競技も行われている。これらは通常より離れ業的要素を強くした競技である。

目隠しで行う競技は、まずキューブの状態を「見て」記憶し、その後目隠しをしてこれを解くものである。見て記憶し始め、完全にパズルを解くまでの時間が競技者の記録となる。揃えるのに失敗したらその試技は失格となり記録は残らない。

また、2個以上のキューブの状態を同時に記憶し、目隠しをしたまま解く競技もある。この競技はタイムの他に揃えるのに成功した数および失敗した数も記録となり[11]、成功した数から失敗した数を引いた数が大きい方がタイムに関係なく上位となるため、タイムを競うというよりはキューブの個数を競う要素が強い。そのためこの競技は制限時間を設けることが義務付けられており、競技者がタイマーを止める前に制限時間に達した場合はその時点での成功数と失敗数および制限時間いっぱいのタイムが記録となる。なお、制限時間は申請した数が6個以下の場合は申請したキューブの数×10分だが、6個以上の場合は一律60分である[12]

最少手数競技のルールは独特である。競技者にはキューブを回すある手順を示した紙が渡される。そして、競技者は、60分の時間制限の中で、それを元に戻す手順のうち、できるだけ手数の少ないものを見付けるのである。競技者は、支給される紙、ペン、持参する3つのキューブ、および、枚数無制限のステッカーを使うことができる。

2012年12月末までルービックマジックとマスターマジックが公式競技として認定されていたが、2013年のルール改正により、非公式競技となった。また、2019年12月末まで3×3×3足が公式競技として認定されていたが、2020年のルール改正により、非公式競技となった。     

日本人選手[編集]

  • 1982年の第一回大会:上野健一が5位入賞[13]
  • 2003年:4×4部門と5×5部門で秋元正行が優勝。
  • 2005年:3×3部門で林祐樹が世界記録で優勝。
  • 2007年:10月5日 - 7日にハンガリーのブダペストで行われ、メインイベント(3x3x3 Cube 5回の平均)で優勝は中島悠、3位は郡司光貴だった[14][15]。また優勝賞金は5000ユーロだった。

パターンキューブ[編集]

ルービックキューブを使って各面に様々な模様をつくることをパターンキューブという。

各面にH、T、凹、+といった文字や記号の模様をつくったり、小さいキューブが大きいキューブの中に入っているような模様にしたりできる。 大きいキューブの中に2×2×2のキューブが入っているように見えるものを「キューブ・イン・キューブ」といい、1×1×1のキューブが入っているように見えるものを「ミニキューブ・イン・キューブ」という。 大きいキューブの中に2×2×2のキューブが入っていて、そのキューブの中に1×1×1のキューブが入っているように見える(三重構造になっている)のを「二つの輪」や「キューブ・イン・キューブ・イン・キューブ」などという。

他にも、各面の真ん中(センターキューブ)だけをかえたものを「ヘソ・キューブ」や「中抜き」、チェック柄にしたものを「チェッカー・キューブ」という。

特許[編集]

ルービックキューブの動作原理についての特許をエルノー・ルービック以外にも取得している人がいる。

ルービックが取得した特許は、

  • アメリカ合衆国特許第4,378,116号 "Spatial logical toy"(1983年3月29日、既に特許期間満了)
  • ハンガリー特許 HU170062 3x3x3型キューブ "Magic Cube"(1975年特許付与、既に特許期間満了)
  • その他、ハンガリー特許(1980年10月28日特許付与、既に特許期間満了)

アメリカではラリー・ニコルスが取得したのは、

であり、1986年、アイデアル・トイ社 Ideal Toy Company(アメリカでの発売元)に対する訴訟に勝訴している。

イギリスでは、Frank Fox が以下の特許を取得した。

  • UK patent 1344259 Spherical 3×3×3 型(1974年1月16日特許付与、既に特許期間満了)

日本では石毛照敏が特許を得た。これらは平成11年特許法改正により内外国公知(世界公知)が要求される前のため、上記のようなハンガリーや米国、英国での特許に関わらず、日本で公知となっていなかった本技術は特許性が認められた。

  • 特公昭55-003956 『回転式立体組合わせ玩具』(昭和52年3月29日出願、昭和55年1月28日公告、既に特許期間満了)
  • 特公昭55-008192 『サイコロ型回転式組合せ玩具』(昭和51年10月12日出願、昭和55年3月3日公告。既に特許期間満了)

商標[編集]

2011年11月11日、欧州裁判所が「形状に関する商標は無効である」との判決を出した[16]

数学的な考察[編集]

ルービックキューブは数学の一分野である群論と関連が深く、論文も発表されている。

配置の組み合わせの数[編集]

ルービックキューブをいったん分解して組み立てなおしたときに考えられる色の配置の総数を求めると、まずコーナーキューブの位置が8!通り、向きが38通り、エッジキューブの位置が12!通り、向きが212通り、これらを全てかけあわせて(8!×38)×(12!×212)通りとなる[17]。しかし、実際には完全に揃った状態のキューブに回転操作を施すだけではこれだけの組み合わせは実現できない。

  1. コーナーキューブとエッジキューブの順列の偶奇は一致する
  2. 全てのエッジキューブの位置が揃っている場合、向きが異なっているエッジキューブの個数は偶数個である
  3. 全てのコーナーキューブの位置が揃っている場合、時計回りに向きがずれているコーナーキューブの個数と反時計回りに向きがずれているコーナーキューブの個数は3を法として合同である[18]

以上の3つの条件から、完全に揃った状態のキューブに回転操作を施してできる組み合わせの総数は前述の値を(2×2×3)で割ったものとなる。

すなわち、このパズルで考えられる配置は (8!×38)×(12!×212)/(2×2×3) = 4,3252,0032,7448,9856,000通りである。

最少手数[編集]

「いかなる状態でも、最多でも○○手で各面が揃った状態に戻せる」という数のことを「神の数字(God's Number)」と呼ぶ。長い間研究対象とされてきたが、2010年7月、Morley Davidsonを中心とするグループの発表によって終止符が打たれた。

下限の歴史[編集]

ルービックキューブの最初の回し方は18通りであり、2手目以降は15通り(同じ面を続けて回さないため)である。このことから、n手目の可能な配置の上限は 18×15n-1通りである。(18+18×15+…+18×1515)<全配置<(18+18×15+…+18×1516) より、17手以上かかる配置が存在することが分かる。対面を回転させる手順は手順前後が可能であることを考慮すると、この下限は18手となる[19]

その後しばらくは手数の更新が無かったが、「スーパーフリップ」と呼ばれる配置(全てのエッジピースが正しい位置にありかつ反転しているような配置)からの復元は難しいと予想されていた。

1992年にディク・T・ウィンター(Dik T. Winter)は、スーパーフリップからの復元が20手でできることを確認した。1995年にマイケル・レイド(Michael Reid)は、この配置からの復元に20手かかることを示した(手順の一例:U R2 F B R B2 R U2 L B2 R U' D' R2 F R' L B2 U2 F2)。

半回転を2手として数えると、スーパーフリップは24手かかる。この手順は1995年にレイドによって発見され、ジェリー・ブライアン(Jerry Bryan)によって最小手数と証明された。1998年には、26手かかる配置が確認されている。

上限の歴史[編集]

神の数字の上限に対する最初期の成果として、モウエン・シスルスウェイト(Morwen Thistlethwaite)によるアルゴリズムがあげられる。これは、1981年にダグラス・ホフスタッターによってサイエンティフィック・アメリカン誌に発表された。このアルゴリズムによって、52手という上限が示されている。

1992年に Herbert Kociemba はシスルスウェイトのアルゴリズムを改良し、1995年にレイドはこのアルゴリズムを使用して29手という数字を示した。半回転を2手として数えると、42手になる。

2005年に Silviu Radu は、上限を28手(半回転を2手とすると40手)に下げた。翌2006年には、Radu 自身によってこの数値は27手(半回転を2手とすると35手)に改良されている。

2007年ノースイースタン大学の博士ジーン・コッパーマンらは、26手であると発表した。この時、全ての配置が26回の半回転で復元できる[要出典]ことも確認された。

2008年3月、スタンフォード大学で数学の研究助手を務めるトマス・ロキッキは、25手であることを示し[20]、さらに2008年4月には23手[21]、2008年8月には22手[22]にまで記録を縮めた。

2010年7月、Morley Davidsonを中心とするグループによって、20手であることが示された[23][24]。上述のスーパーフリップの件とあわせて、これが真の「神の数字」と証明されたことになる。余談だが、このグループのメンバーには上述のトマス・ロキッキも含まれている。

en:Optimal solutions for Rubik's Cubeも参照。

その他[編集]

モザイクアート[編集]

アーティストPete Fecteauによるモザイクアート「Dream Big」の制作風景

2010年7月15日に東京おもちゃショーでお披露目された、東京都町田市立山崎小学校の生徒約800人によってルービックキューブ9,071個で作り上げた全長11mのモザイクアートギネス世界記録に認定された[25]。これはこれまでのトロントのアーティスト5人が4,050個で作った「最後の晩餐」を上回る記録となった。

逸話[編集]

本製品の開発者のルビクは初来日当時、『超時空要塞マクロス』に登場するVF-1 バルキリーのアイテムの変形に河森正治立ち会いのもと挑みながら、脚部変形以降が出来ず頓挫したことがある。その為、当時バルキリーの売り文句の一つとして「ルービックキューブより難しいバルキリーの変形」とまで言われている。それほど、ルービックキューブが変形機構の精巧性の基準扱いされていた。

自動化[編集]

検知器やアプリケーションを利用して人の手を介さずに自動で揃える機構に以下のような物がある。

  • 蕪木孝が開発した、床を転がりながら自動で揃うキューブ[26][27]。これを発展させた、空中に浮き自動で揃うキューブ[28]
  • レゴブロック検知器を使用し自動で揃える物[29][30]
  • 0.38秒[31]。キューブの軸を固定し瞬時に揃える物[32]
  • 手に載せると自動で揃える片手型のロボット[33][34]
  • 一般でも購入できる市販のロボット「GAN ROBOT」[35][36]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 全商品を世界基準配色へ移行します
  2. ^ 視覚でも触覚でも楽しめる! 「ルービックキューブ ユニバーサルデザイン」発売決定
  3. ^ a b c 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p66
  4. ^ 日本の歴史 > 1980年代の出来事 > ルービックキューブ流行(1980年)
  5. ^ a b c d e f g h 「和久井威氏ロングインタビュー 第2回」『月刊トイジャーナル』2007年6月号、東京玩具人形協同組合、pp.74 - 76
  6. ^ 『全天候型 史上最強のパズルランド』 ベネッセコーポレーション、1995年 ISBN 4-8288-1755-7
  7. ^ 世界記録も誕生した「ルービックキューブ発売30周年記念 メガハウスカップ」
  8. ^ ルービックキューブの歴史
  9. ^ Rubik's Cube World Championship 1982
  10. ^ World Rubik's Cube Championship 1982
  11. ^ ただし成功した数が失敗した数以下の場合はその試技は失格となり記録は残らない
  12. ^ 当初は6個以上の場合でも申請したキューブの数×10分であったが、トップレベルの競技者が数十個単位で申請することにより無制限に制限時間が長くなり大会に支障をきたすということで制限時間に上限が設けられた。
  13. ^ ルービックキューブ世界大会で日本人16歳が優勝、小学生らも健闘。
  14. ^ 中島悠さんが、ルービックキューブ世界一
  15. ^ 共同通信社 (2007年10月8日). “16歳中島さん世界制すルービックキューブ大会”. MSN産経ニュース. 2008年2月17日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年4月2日閲覧。
  16. ^ ルービック・キューブ、裁判に負けて「商標が無効」に
  17. ^ 順列と重複順列を参照。センターキューブの位置は固定して考えている。これらも動かすとさらに24倍となる。
  18. ^ 「3を法として合同」とは、3で割ったときの余りが等しいこと。合同式を参照。
  19. ^ 「数学仕掛けのパズル&ゲーム」(ジョン・ホートン・コンウェイ他)P.73
  20. ^ Twenty-Five Moves Suffice for Rubik's Cube
  21. ^ Twenty-Three Moves Suffice | Domain of the Cube Forum
  22. ^ Twenty-Two Moves Suffice | Domain of the Cube Forum
  23. ^ “20手以内でそろうと証明=ルービックキューブ-コンピューターで解析・米独チーム” (日本語). 時事通信. (2010年8月15日). http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010081500082 2010年8月15日閲覧。 
  24. ^ God's Number is 20
  25. ^ <ルービックキューブ>9071個、11メートルの世界最大のモザイクアート、ギネス公認BIGLOBEニュース 2010年7月15日
  26. ^ 全自動ルービックキューブ Self Solving Rubik's Cube
  27. ^ MAKERS #34「Human Controller 蕪木孝」――「世界中の人を『ウオーッ!』と言わせるモノを作りたい」
  28. ^ 宙に浮いて自ら6面そろえる「全自動ルービックキューブ」。これぞハンズフリー
  29. ^ 高校生が作った自動ルービックキューブマシーンが凄い
  30. ^ レゴによるルービックキューブ自動解析機(LEGO Mindstorms)
  31. ^ 世界最速の0.38秒でルービックキューブを解くマシンが登場、世界記録を大幅に塗り替える様子がムービーで公開中
  32. ^ ルービックキューブを瞬時に解くロボット
  33. ^ ルービックキューブを片手で解くロボットハンドが登場。それでも「人間並みに器用」になる道のりは遠い
  34. ^ OpenAIの人間的なロボットは片手でルービックキューブを解く
  35. ^ GAN Robot vs GAN Robot 2.0 | Head to Head Race!
  36. ^ 【GAN ROBOT】全自動ルービックキューブマシン!勝負じゃ!【ルービックキューブ】

参考文献[編集]

  • 『頭を鍛えるルービックキューブ完全解析!』宝島社〈Tj mook〉、2005年10月。ISBN 978-4-7966-4923-0。
    • 『頭を鍛えるルービックキューブ完全解析!』宝島社〈TJ MOOK〉、2007年3月。ISBN 978-4-7966-5687-0。
  • 島内剛一『ルービック・キューブ免許皆伝』日本評論社、1981年3月。ISBN 978-4-535-78141-2。
    • 島内剛一『ルービック・キューブと数学パズル』日本評論社〈数学ひろば〉、2008年5月。ISBN 978-4-535-78537-3。 - 島内 (1981)の復刊。
  • ダグラス・ホフスタッター『メタマジック・ゲーム 科学と芸術のジグソーパズル』竹内郁雄・斉藤康己・片桐恭弘訳、白揚社、2005年10月、新装版。ISBN 978-4-8269-0126-0。
  • 百田郁夫『ルービックキューブ完全攻略公式ガイドブック 保存版』永岡書店、2007年9月。ISBN 978-4-522-48550-7。
    • 『ルービックキューブver.2.0 完全攻略 公式ガイドブック 保存版』日本ルービックキューブ協会 監修、永岡書店、2016年4月。ISBN 978-4-522-43424-6。

関連項目[編集]