レキシントンの幽霊 (小説)

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レキシントンの幽霊」(レキシントンのゆうれい)は、村上春樹短編小説

概要[編集]

初出 群像』1996年10月号
単行本 レキシントンの幽霊』(文藝春秋、1996年11月号)

雑誌に掲載されたものはショート・バージョン。短編小説集『レキシントンの幽霊』(文藝春秋)にはロング・バージョンが収録された。

なお著者は本短編発表の10年前、『ハイファッション』1986年10月号に「チャールストンの幽霊」というエッセイを寄稿し、そこで次のように書いている(チャールストンサウスカロライナ州にある都市)。

「チャールストンの町で幽霊の出ない旧家をみつけるのは至難の業だ――とモノの本にある。」「僕の泊まった旅館にもちゃんと幽霊が出る。僕はあとになってそれを『チャールストンの幽霊』という本で知った。」[1]

『精選現代文』(大修館書店)、『新編現代文』(三省堂)、『高等学校現代文』(三省堂)、『精選 現代文B』(三省堂)などの国語教科書に採用された[2][3]

あらすじ[編集]

マサチューセッツ州ケンブリッジに2年ばかり住んでいたときに、「僕」は一人の建築士と知り合いになった。名前はかりにケイシーとしておく。ケイシーはボストン郊外のレキシントンの古い屋敷に、ジェレミーという名のピアノの調律師と一緒に暮らしていた。英語に翻訳された「僕」の短編小説を読んで、ケイシーは編集部を通して手紙を書いてきた。「僕」と会いたいとのことだった。普通そのようにして人に会うことはないのだが、ケイシーには会ってみてもいいと思った。彼に個人的関心を持った最大の理由は、彼が古いジャズ・レコードの見事なコレクションを所有しているというところにあった。

知り合って半年ばかりあとのこと、「僕」はケイシーの家の留守番を頼まれた。仕事の都合でどうしても1週間ほどロンドンに行かなくてはならないとのことだった。ジェレミーはウェスト・ヴァージニアに住んでいる母親の具合が悪く、そのため少し前からそちらに帰ってしまっていた。

留守番の初日。時計が11時をまわり、いつものようにだんだん眠くなってきたので、二階にある客用の寝室に入った。

深夜、1時15分に目が覚める。誰かが下にいる。廊下に出ると、音はもっとはっきり聞こえた。グラスがふれ合う、ちりんちりんというかろやかな音が響いた。たぶん踊っているものもいるのだろう。彼らはおそらく変な種類の人々ではあるまいと「僕」は推測し、階段を玄関ホールまで降りていった。

脚注[編集]

関連項目[編集]