レーティッシュ鉄道Ge4/4 III形電気機関車

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Ge4/4III 651号機、氷河急行塗装、ディセンティス/ミュンスター駅、2008年

レーティッシュ鉄道Ge4/4III形電気機関車(レーティッシュてつどうGe4/4IIIがたでんきかんしゃ)は、スイス最大級の私鉄であるレーティッシュ鉄道の本線系統で使用される山岳鉄道用電気機関車である。

概要[編集]

1999年に開通したフェライナ峠を越える全長19kmのフェライナトンネルを含む新線を通る列車フェリーの牽引および1997年のクール - アローザ線の電源方式の変更[1]に伴うGe4/4IIの同線への転用と、本線系統の急激な旅客および貨物輸送量の増加に伴う慢性的な機関車不足に対応するために1993-1994年1999年にそれぞれ9機と3機が製造された電気機関車で、スイス連邦鉄道(スイス国鉄)のRe460形機関車をベースに、1993-94年製造分は車体、機械部分、台車をSLM[2]、電機部分、主電動機をABB[3]が、1999年製造分はSLMとABBの後身であるAdtranz[4]が製造を担当しており、価格は1機約6,500,000スイス・フランである。

本機はVVVFインバータ制御により定格出力3200kW、牽引力200kNを発揮する強力機で、45パーミルで210tを50km/hで牽引可能な性能を持つとともに、操舵台車による高い曲線通過性能が特徴となっている。

それぞれの機番とSLM製番(641-649号機)、製造年、機体名(主に沿線の街の名称、各機体にエンブレムが設置される)は下記のとおりである。

1993、1994年に製造されたグループ

1999年に製造されたグループ


仕様[編集]

Ge4/4III 650号機、 貨物列車を牽引、ベーベル駅付近、2003年
Ge4/4III 650号機、ユネスコ広告塗装、サンモリッツ駅、2007年
Ge4/4 III 652号機、食堂車とパノラマ車を連結したレギオエクスプレス(快速列車)を牽引、プレダ-ベルギュン駅間、2010年

車体[編集]

  • 車体は鋼製で、正面はトンネル内での空気抵抗軽減を考慮した直線を基調の多面体形状、側面は平滑で上半分をわずかに絞られた形状としている。
  • 車体内の機械室中央通路式で、平面は車体中心を中心に点対称の機器配置となっている。機関車の通路右側の機器配置は前位側から主電動機冷却用送風機、主変換装置、主変換装置および主変圧器冷却油ラジエター用送風機、直流電源装置と蓄電池充電装置、電動空気圧縮機、主電動機冷却用送風機、空気ブレーキ装置、側面乗務員扉となっており、通路左側は側面乗務員扉、主電動機冷却用送風機、主制御装置や車両情報装置などの電子機器ラック、補機類、主変換装置および主変圧器冷却油ラジエター用送風機、主変換装置、主電動機冷却用送風機となっている。また、屋根上にはシングルアーム式の集電装置2基と真空遮断器、主開閉器避雷器が装備され、屋根肩部には空気取入口のルーバーが並んでいるが、この部分を含め屋根はほぼ全長にわたり取外しが可能な構造となっており、床下には車体中央部に主変圧器とその前後に冷却油用オイルポンプ、蓄電池、空気タンクが装備されている。
  • 運転室は長さ2000mmで、641-648号機は乗務員席肘掛前部に設けられたジョイスティック式のマスターコントローラーによりが運転操作を行う方式となっており、座席左側には力行および電気ブレーキと砂撒き装置を操作するジョイスティックと警笛、座席の向きの変更、保安装置用の押ボタンが、座席右側にはブレーキを操作するジョイスティックと、バックミラー、警笛用の押ボタンが装備されているほか、デスクタイプの運転台計器盤の右側に入換ブレーキ用のジョイスティックが装備されている。運転台計器盤は液晶ディスプレイ2基と表示灯類、スイッチ類を備えたグラスコックピット化されたものとなっており、液晶ディスプレイのうち1基は速度、圧力、電圧、牽引力などの機関車運行上のデータの表示を、もう1基はモニタ用で、機関車および列車の各種データを表示している。また、649-651号機はスイスやドイツで一般的な円形のハンドル式のマスターコントローラー、列車用ブレーキハンドルは縦軸式のブレーキハンドルによりが運転操作を行う旧来の方式に戻されているが、入換用ブレーキの操作器のみジョイスティック式となっている。また、運転台計器盤も液晶ディスプレイがモニタ用の1画面のみとなり、速度、電圧、電流等の針式の計器7基が設置されたL字配置のものとなっているほか、運転席右側にスイッチ盤が増設されている。運転室横の窓は引違式で、その前部には電動式のバックミラーが設置されているほか、乗務員乗降扉は機械室にのみ設置されており、運転室へは機械室より出入りする方式となっている。
  • 正面は非貫通で大型の曲面1枚ガラス窓のついた多面体スタイルで、上部中央と下部左右の3箇所に角型の前照灯・尾灯のユニットが設置されている。連結器はねじ式連結器で緩衝器が中央、フック・リングがその左右にあるタイプである。なお、フェライナトンネル用の機体は当初+GF+式自動連結器[5]となる予定であったため、20分程度で連結器の交換が可能な構造となっている。なお、実際には+GF+式連結器は列車フェリー用貨車間にのみ採用となり、機関車と貨車の機関車側端部はねじ式連結器となっている。また、車体の前面下部およびに大型のスノープラウが、台車前部に小型のスノープラウが設置されており、カーブの区間でも確実に除雪ができるようになっている。
  • 塗装
    • 基本的な塗装は車体は赤をベースに車体裾部がダークグレー、赤色との境界部分に銀帯で、側面の運転席側の運転室窓後部に機体名とエンブレムが、反対側にはレーティッシュ鉄道のロゴがつき、正面には機番のみが入り、他機種にあるレーティッシュ鉄道のエンブレムは設置されていない。また、屋根および屋根上機器が銀色、床下機器と台車はダークグレーである。
    • 全面および部分広告機として多くの機体に広告塗装がなされている。
    • レーティッシュ鉄道ではアルブラ線とベルニナ線とその沿線風景の世界遺産への登録活動の一環として、ABe4/4 51-56形51号機とともにGe4/4III形でも650号機を水色をベースにラントヴァッサー橋をデザインした広告塗装機としていたが、実際に2008年には「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」として世界遺産登録されている。

走行機器[編集]

  • 制御方式は主変換装置GTOサイリスタを使用したコンバータ・インバータ式で、GTOユニットはアルミ製の筐体にセットされている。1台の主変換装置で台車ごとの2台の主電動機を制御する方式としており、装置も一体化された2台のユニットを車体内に設置される。
  • 主変圧器はアルミ製の筺体にセットされて床下中央部に搭載され、出力および容量は走行用のA950V/2370kVAと列車暖房引通用のAC300V/410kVA、補助電源装置用のAC800V/200kVA、補機用のAC220V/46kVAおよびAC110V23kVAが用意されている。なお、主変換装置および主変圧器はいずれも油冷式で冷却用のオイルポンプとオイルクーラーを装備しており、冷却風は屋根上中央部の吸気口から吸入する。
  • ブレーキ装置は主変換装置による回生ブレーキのほか空気ブレーキ(機関車および列車フェリー用)、手ブレーキのほか、客車などの列車用に真空ブレーキ装置を装備する。
  • 主電動機は定格出力800kW、連続定格出力600kWのABB製Typ 6FRA 5248かご形三相誘導電動機 を4台搭載し、定格牽引力200kN、連続定格牽引力170kNの性能を発揮する。冷却はファンによる強制通風式で、冷却風は屋根肩部の吸気口から吸入する。
  • 台車は最小曲線半径100m、最急勾配45パーミル、最高速度120km/hに対応した軸距2400mm、車輪径1070mmのボルスタレス式台車で、輪軸が吊掛式に装荷された主電動機および駆動装置と一体となって曲線に合わせて転向する操舵台車として軌道への横圧を減らす構造となっており、さらに、台車内の前後の輪軸および主電動機、駆動装置はリンクで結合されており、変位を均等なものとしている。また、軸箱支持方式は軸梁式、牽引力伝達は1本リンク式で、枕ばね、軸ばねともにコイルばね、軸ばねにはオイルダンパを併設しているほか、減速比は1:6.136となっている。
  • 車両制御システムとして、スイス国鉄のRe460形と同じABB製のMICAS-S2を搭載しているが、このシステムは制御システム、モニタシステム、列車内データ伝送システム、機関車内データ伝送システムから構成されており、車両内の各機器を統合している。また、データ記録装置としてSécheron-Hasler[6]製のTeloc2200を搭載している。
  • そのほか、パンタグラフはABB製のシングルアーム式を2台搭載するほか、主変圧器のAC800V出力を使用する三相380V50kVA出力の補助電源装置を4台装備し、2台がそれぞれ主電動機送風機2台とオイルクーラー1台ずつを駆動、1台が電動空気圧縮機と電動真空ポンプを駆動、1台がオイルポンプ4台の駆動と蓄電池充電用となっている。なお、この補助電源装置は641-648号機がGTOサイリスタ駆動、649-651号機がIGBT駆動で、蓄電池は36V133Ahのニッケル・カドミウム蓄電池となっている。

改造[編集]

  • 2016-19年に1,000万スイス・フランをかけて今後20年間の運用を見越した更新改造が実施されることとなり、2016年12月12日に最初の機体となる644号機がロールアウトし、同年中に647号機が、翌2018年には641、643号機が改造されている。主な改造内容は以下の通りであり、主変圧器と主開閉器の整備はスイス国鉄のイヴェルドン工場で、その他の作業はラントクアルト工場で実施されている。
    • 客車の真空ブレーキから空気ブレーキ化に合わせて列車用の真空ブレーキ装置を空気/真空両用ブレーキに変更し、正面の電気連結器と連結ホースの配置を変更。これに合わせて電動空気圧縮機、電動真空ポンプとその制御装置を変更し、屋根上に電動空気圧縮機用の空気導入口を設置。
    • 新しい列車保安装置であるZSI127を搭載。
    • 車体および台車の補修と、輪軸と台車のオイルダンパの交換。電機品の整備。
    • 運転室前面および床面強化と運転席の交換。
    • 前照灯および尾灯を丸型のLEDのものに、汽笛を2段階のものに交換。
    • 正面下部中央にグラウビュンデン州の紋章を設置し、側面の機体名とエンブレムを運転室右側窓下に移設。車体広告のない機体は、塗装を従来のものをベースの側面のレーティッシュ鉄道のロゴを大きなものに変更。

主要諸元[編集]

  • 軌間:1000mm
  • 電気方式:AC11kV 16.7Hz 架空線式
  • 最大寸法:全長16000mm、全幅2800mm、全高3860mm(パンタグラフ折畳時)
  • 軸配置:Bo'Bo'
  • 軸距:2400mm
  • 台車中心間距離:9040mm
  • 自重:60.9t
  • 走行装置
    • 主制御装置:GTOサイリスタ使用のVVVFインバータ制御
    • 主電動機:Type 6FRA 5248かご形三相誘導電動機×4台(連続定格:出力600kW、電流266A、電圧1638V、最大出力:820kW)
    • 減速比:6.136
  • 牽引力
    • 牽引力:170kN(連続定格出力)、200kN(定格出力、於57.6km/h)いずれも力行・ブレーキとも
    • 牽引トン数:210t(45パーミル、50km/h)、300t(35パーミル、60km/h)、350t(15パーミル、78km/h)
  • 最高速度:100km/h
  • ブレーキ装置:回生ブレーキ、空気ブレーキ(機関車および列車フェリー用)、手ブレーキ、真空ブレーキ(列車用)
  • 機体広告は下表の通り

運行[編集]

  • レーティッシュ鉄道のAC11kV区間で使用されているが、Ge4/4I形およびGe4/4II形が専用で運用されるクール・アローザ線へは入線しない。
  • 旅客列車では主に単機で重量のある長編成の列車を中心に牽引しており、氷河急行ベルニナ急行にも使用されるほか、2004年からはBDt 1751-1758形部分低床式2等荷物制御客車を使用した"NEVA Retica"[7]と呼ばれるプッシュプル式シャトルトレインの牽引にも使用されるようになった。なお、従来長編成の旅客列車に使用されていたGe6/6II形は本機の運用開始に伴って貨物列車中心の運行へ移行している。
  • 貨物列車や混合列車の牽引にも主に単機で使用される。
  • フェライナトンネルを通る列車フェリーはフェライナ線のフェライナトンネル北側のクロスタース・ゼルフランガ駅からトンネルを通過して同線とエンガディン線の分岐点にあるサヤインス駅の間で運行されており、両駅とも自動車の乗降専用の積載線を持つ。列車フェリーは長大編成であることと、列車が全て空気ブレーキ付車両で組成されているため、牽引には本機が専用で使用され、基本的な編成はクロスタース・ゼルフランガ側からBDt 1741-1742形もしくはBDt 1731形制御客車1両[8]、Skl-tv 8421-8424形およびSkl-tv 8441-8444形屋根なし、車両積載ランプ付車各1両ずつ、Skl-tv 8461-8499形屋根付き車両積載車最大12両、Skl-tv 8451-8454形およびSkl-tv 8431-8434形屋根なし、車両積載ランプ付車各1両ずつ、サヤインス側編成端にGe4/4III形の18両で組成されたプッシュプル式のシャトルトレインで、編成長は約320mとなっている。
  • 列車フェリーの車両積載車のサイズが屋根つきの車両で全長19650mm、全幅3070mm、全高4670mmと大型のものとなっており、屋根つきの車両には全長18.5m、全幅2.5m、全高3.3m、総重量 18t以下の、屋根無しの車両ではホイールベース12.5m、全幅2.5m、全高4.0m、総重量28tまでの自動車を積載できるため、比較的大型のトラックやバスの輸送も可能となっており、最高速度も100km/hとされている。
  • 本機は2010年時点では3つのグループに分けて運用されており、氷河急行を含むアルブラ線の旅客列車牽引を中心とした運用、プレティガウ線およびダヴォス-フィリズール間でのBDt 1751-1758形制御客車を使用した"NEVA Retica"を牽引する運用、フェライナ線での列車フェリー牽引の運用が設定されている。例として2010年夏ダイヤ平日における運用を下表に示す。
  • 1990年代以降、スイスの各鉄道では低床式の客車や電車の導入により、バリアフリー化が推進されており、レーティッシュ鉄道においても2007年にバリアフリー化やサービス向上と運行の効率化を図るべく4ステップからなる長期更新計画が策定され、本線系統には2009-12年ABe8/12 3501-3515形およびABe4/16 3101-3105形電車(通称 「アレグラ」(Allegra))が導入されるとともに、クール - サンモリッツ間のアルブラ線には2016年より固定編成・部分低床式・展望室付のABi 5701-5706形客車(通称 「アルブラ」(Alvra))導入されている。これに伴い、本機は機関車兼用のABe8/12 3501-3515形とともにABi 5701-5706形客車によるアルブラ線の列車を牽引するようになったほか、BDt 1751-1758形制御客車を使用したプレティガウ線およびダヴォス-フィリズール間の列車およびプレティガウ線からフェライナトンネル経由でエンガディン線までの列車、フェライナ線の列車フェリーに使用されている。例として2019年夏ダイヤ平日における運用を下表に示す。

同形機[編集]

同形機としてモルジュ-ビエール-コソネイ地域交通[9]のGe4/4形とモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道[10]のGe4/4形が、準同形機としてアッペンツェル鉄道[11]のGe4/4形がある。

モルジュ-ビエール-コソネイ地域交通Ge4/4形[編集]

モルジュ-ビエール-コソネイ地域交通のGe4/4 22号機、ロールボックに積載した標準軌貨車による貨物列車を牽引
  • モルジュ-ビエール-コソネイ地域交通の前身であるビエール-アプル-モルジュ鉄道[12]1990年に発注したGe4/4形21-22号機は1993年に製造されたもので、電気方式がスイス国鉄と同じAC15kV16.7Hz、ブレーキ方式は列車用も空気ブレーキのみを装備である、ギヤ比が6.44で最高速度が75km/hである、連結器が+GF+式連結器と標準軌貨車牽引用のねじ式連結器の2種を装備しているなどの差異がある。
  • モルジュ-ビエール-コソネイ地域交通ではスイス国鉄に直通するロールボックに積載した標準軌の貨車による貨物列車およびビエールのスイス陸軍基地から有事の際に部隊を全国展開するための軍用列車を運行しており、本機はこれを牽引できるようレール面上1370mmの位置にスイス国鉄仕様のねじ式連結器とバッファが取付けられ、台枠もこの部分まで嵩上げされているほか、通常の旅客列車牽引にも使用されている。塗装は黄緑色をベースに白で帯とBAMのロゴが入っている。

モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道Ge4/4形[編集]

モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道のGe4/4 8001号機、更新改造後
  • モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道のGe4/4形8001-8004号機は1995年GDe4/4形電気機関車に続いて製造されたもので、電気方式がDC900Vであり、集電容量が3000Aに制限される関係で出力が2000kWとなっているほか、主変換装置のインバータ部が1基で主電動機1台を制御している、電磁吸着ブレーキを装備するなど一部機器類が異なり、ギヤ比はレーティッシュ鉄道の機体とおなじ6.136で最高速度はこのシリーズの機関車本来の性能である120km/hとされている。
  • 製造当時の計画では、将来のツヴァイジンメンからBLS AGインターラーケンまでの乗入れ[13]に備えてAC15kV16.7Hzとの2電源化が考慮されており、屋根上に交流用のパンタグラフおよび主開閉器の設置準備が、機器室内の主変換装置にコンバータ部の搭載準備がなされ、床下の主変圧器も筐体は搭載済みであるなどの交流機器の準備がされ、交流区間走行時にはレーティッシュ鉄道のGe4/4III形と同性能となる予定であった。
  • そのほか、ブレーキ装置に電磁吸着ブレーキが追加されている、直流用のパンタグラフを搭載、最高速度が120km/hであるなどの差異がある。また、ロールボック牽引用に台枠はモルジュ-ビエール-コソネイ地域交通の機体と同じく前部で嵩上げされているが、本機では専用のアダプターを使用しての牽引となるため、連結器は設置されていない。
  • Ge4/4 8001、8004号機は2017年に連結器や前照灯の交換、機器類の更新などの更新改造を実施している。なお、残るGe4/4 8002、8003号機はレーティッシュ鉄道に譲渡される予定となっている。

アッペンツェル鉄道Ge4/4形[編集]

アッペンツェル鉄道Ge4/4 1号機
  • アッペンツェル鉄道のGe4/4形1号機は1994年に製造された、レーティッシュ鉄道のGe4/4III形やモルジュ-ビエール-コソネイ地域交通のGe4/4形をベースに小型化した機体で、電機部分、主電動機はABBが、台車はSLMが同様に製造しているが、車体はシュタッドラー[14]が製造しており、形態は大きく異なる。
  • 車体は全長14850mmと短縮され、車体中央には幅1.2mの扉を持つ面積5m2荷物室が設置され、車体前後にはモルジュ-ビエール-コソネイ地域交通の機体と同じく+GF+式連結器とロールボック積載貨車の牽引用のスイス国鉄仕様のねじ式連結器とバッファが取付けられていたが、アッペンツェル鉄道でのロールボックの運用が終了したため、2010年にねじ式とバッファは撤去されている。
  • 台車はベースとなった機体と同一で、ギヤ比はモルジュ-ビエール-コソネイ地域交通の機体と同じ6.44となっているほか、電気方式は直流1500Vで、出力は設計上は1500kWが可能であるが1000kWに制限して使用され、37パーミルの勾配で200tを35-40km/hで牽引可能な性能を持つ。塗装は赤をベースに車体裾部と床下機器がダークグレー、屋根と屋根上機器がグレーであり、機体側面にABをデザインしたマークが入る。

参考文献[編集]

  • Nils Henn, Hans Furgler 『Das Baukonzept "Lokomotive 2000" auch auf Meterspur: Die Lokomotiven Ge 4/4 III 641-649 der Rhätische Bahn』 「Schweizer Eisenbahn-Revue (7-8/1994)」
  • Claude Jeanmaire 「 Die elektrischen und Dieseltriebfahrzeuge Schweizerischer Eisenbahn Rhätischen Bahn: Stammnetz - Triebfahrzeuge」 (Verlag Eisenbahn) ISBN 3-85649-219-4
  • Patrick Belloncle, Gian Brünger, Rolf Grossenbacher, Christian Müller 「Das grosse Buch der Rhätischen Bahn 1889 - 2001」 ISBN 3-9522494-0-8
  • Woifgang Finke, Hans Schweers 「Die Fahrzeuge der Rhätischen Bahn 1889-1998 band 3: Triebfahrzeuge」 (SCHWEERS + WALL) ISBN 3-89494-105-7
  • Hans-Bernhard Schönborn,Hans Furgler, Walter Frech 「Gebbirgslok Ge4/4 IIITechnik und Einsatz der modernsten Schweizer Schmalslok」 ISBN 3-7654-7123-2
  • Dvid Haydock, Peter Fox, Brian Garvin 「SWISS RAILWAYS」 (Platform 5) ISBN 1-872524-90-7
  • Hans-Bernhard Schönborn 「Schweizer Triebfahrzeuge」 (GeraMond) ISBN 3-7654-7176-3
  • Rhätische Bahn『Revision der Lokomotiven Ge 4/4III』「InfoRetica Nr. 4 / Dezember 2016」

脚注[編集]

  1. ^ DC2400Vから本線系統と同じAC11kV 16 2/3Hzに変更
  2. ^ Schweizerische Lokomotiv- und Maschinenfablik, Winterthur
  3. ^ Asea Brown Boveri AG, Baden
  4. ^ ABB Daimler Benz Transportation
  5. ^ Georg Fisher/Sechéron
  6. ^ Sécheron-Hasler AG
  7. ^ Neues Eisenbahn-Verkehrs-Angebot
  8. ^ 予備車としてBDt 1751-1758形制御客車のうち空気ブレーキ装置を搭載したBDt 1751号車が用意されている
  9. ^ Transports de la région Morges–Bière–Cossonay(MBC)
  10. ^ Montreux Oberland bernois(MOB)
  11. ^ Appenzeller Bahnen(AB)
  12. ^ Chemin de fer Bière-Apples-Morges(BAM)、2003年にモルジュ-ビエール-コソネイ地域交通へ改称
  13. ^ BLS AGの路線は1435mm軌間であるため1000mm軌間との三線軌条化がされる計画であったが、現在では軌間可変台車を使用した客車のみを直通させる計画が進んでおり、試作車が製造されている
  14. ^ Stadler AG

関連項目[編集]