ロクスバラ公爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロクスバラ公爵
Coat of arms of the duke of Roxburghe.png
Quarterly, 1st and 4th grandquarters: quarterly, 1st and 4th, Vert on a Chevron between three Unicorns' Heads erased Argent armed and maned Or as many Mullets Sable (Ker); 2nd and 3rd, Gules three Mascles Or (Weepont); 2nd and 3rd grandquarters: Argent three Stars of five points Azure (Innes).
創設時期 1707年
創設者 アン女王
貴族 スコットランド貴族
初代 ジョン・カー
現所有者 ガイ・イニス=カー英語版
相続人 ボーモント=セスフォード侯爵チャールズ・イニス=カー
相続資格 1st Duke's heirs of entail, male or female, descended from the body of the 1st Earl of Roxburghe
(初代ロクスバラ伯の直系限嗣相続人)
付随称号 ボーモント=セスフォード侯
ロクスバラ伯
ケルソー伯
イニス伯
ブロックスマス子爵
ロクスバラ卿
セスフォード=ケイバータウンのカー卿
第10代ロクスバラ公爵ガイ・デイヴィッド・イニス=カー

ロクスバラ公爵英語: Duke of Roxburghe [ˈrɒksbərə])は、イギリスの公爵位。スコットランド貴族。1707年にボーモント=セスフォード侯爵位(Marquess of Bowmont and Cessford)とともに創設され、第5代ロクスバラ伯爵ジョン・カーが初代公爵となった。 爵位名はスコットランドの国境に位置するロクスバラにちなむ。

歴史[編集]

カー家はスコットランド国境に程近いセスフォード地方を領してきた一族である。その子孫であるロバート・カーは1600年にロクスバラ卿に叙されて、彼がロクスバラ公爵家の祖となった。ロクスバラ卿はついで1616年にロクスバラ伯爵、セスフォード=ケイバータウンのカー卿の爵位を与えられた。当初はいずれの爵位も初代伯の直系男子を相続人とするものであったが、初代伯が息子に先立たれたため、1646年に爵位に特別承継を付与した。その内容は、彼の娘の子(つまり孫の)サー・ウィリアム・ドラモンドとその子孫、ウィリアムの姉の男系子孫及び初代伯の次男の孫娘の男系子孫、さらには彼自身の兄弟にまで継承を認める念の入れようであった。

予想通り初代伯の孫ウィリアムが特別規定に基づき、伯爵位を襲ったあとはウィリアムの系統で爵位の継承が続いた。彼のひ孫にあたる第5代ロクスバラ伯爵はスコットランド国務大臣を務めて合同法成立に尽力した功績を認められ、1707年にロクスバラ公爵(Duke of Roxburghe)に叙された。(なおスコットランド貴族の創設はロクスバラ公爵で最後となった)

第2代ロクスバラ公爵は初代公の一人息子である。彼は1722年5月24日グレートブリテン貴族としてヨーク州ウェイクフィールドのカー伯爵及びカー男爵(Earl Ker,Baron Ker of Wakefield in the County of York)に叙された。その後は2代公の長男である3代公ジョンが公爵位を承継した。3代公はジョージ3世の治世下、寝室官長英語版やロクスバラ州長官職を歴任した。3代公は未婚であり子がいなかったため、前述のウェイクフィールドのカー伯爵及びカー男爵の両爵位は廃絶した。

第4代公爵位は、2代公の三男の子である第7代ベレンデン卿ウィリアム・ベレンデン=カーが承継した。その後4代公が男子なく没した際、継承権を証明できるものが誰もいなかったため1805年から1812年まで爵位は保留されていた。この時点で初代伯の直系継承者が絶えており、また2代伯の女系継承者は貴族院により拒否されたため、(継承権者が一本化されたことにより)初代ロクスバラ伯の三女の子孫にあたる第6代イニス准男爵ジェームズ・イニス-カーが1812年に公爵位を継承した。そのため本来ロクスバラ公爵家はイニス氏族の氏族長の家柄であるが、上記の継承によりイニス=カー姓を名乗っている理由から氏族長としては認められていない。
また1837年には6代公が連合王国貴族としてイニス伯爵(Earl of Innes)に叙されたため、これ以降ロクスバラ公爵家は1999年の貴族院改革まで自動的に貴族院に籍を置くことができた。

その孫である8代公ヘンリー・ジョン・イニス=カーは軍人として第一次世界大戦に従軍したのち、ニューヨークの不動産王オグデン・ゴレットの娘マリー・ゴレットと結婚し、9代公爵となる長男を授かった。その9代公の系統で現在に至っている。

現当主の保有爵位[編集]

現当主である第10代ロクスバラ公爵ガイ・イニス=カーは以下の爵位を保持している。

  • ロクスバラ公爵 (Duke of Roxburghe、1707年創設)
  • ボーモント=セスフォード侯爵(Marquess of Bowmont and Cessford、1707年創設)
  • ロクスバラ伯爵(Earl of Roxburghe、1616年創設)
  • ケルソー伯爵(Earl of Kelso、1707年創設)
  • イニス伯爵(Earl of Innes,1837年創設)
  • ブロックスマス子爵(Vicount Broxmouth,1707年創設)
  • ロクスバラ卿(Lord Roxburghe,1600年創設)
  • セスフォード、ケイバ―タウンのカー卿(Lord Ker of Cessford and Cavertoun、1616年創設)

このうち、「イニス伯爵」のみ連合王国貴族であり、他はすべてスコットランド貴族である。

一覧[編集]

ロクスバラ伯(1616年)[編集]

ロクスバラ公(1707年)[編集]

  • ジョン・カー (初代ロクスバラ公爵)(1680年頃 - 1741年)
  • ロバート・カー (第2代ロクスバラ公爵)(1709年頃 - 1755年)
  • ジョン・カー (第3代ロクスバラ公爵)(1740年 - 1804年)
  • ウィリアム・ベレンデン=カー (第4代ロクスバラ公爵)(1728年 - 1805年)
  • ジェームズ・イネス=カー (第5代ロクスバラ公爵)(1736年 - 1823年)
  • ジェームズ・イネス=カー (第6代ロクスバラ公爵)(1816年 - 1879年)
  • ジェームズ・イネス=カー (第7代ロクスバラ公爵)(1839年 - 1892年)
  • ヘンリー・イネス=カー (第8代ロクスバラ公爵)(1876年 - 1932年)
  • ジョージ・イネス=カー (第9代ロクスバラ公爵)(1913年 - 1974年)
  • ガイ・イネス=カー (第10代ロクスバラ公爵)(1954年 - )
    • 推定相続人:チャールズ・イネス=カー(1981年 - )

参考文献[編集]

  • Wikisource-logo.svg Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Roxburghe, Earls and Dukes of" . Encyclopædia Britannica (in English). 23 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 789.