ロスアトム

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モスクワのロスアトム本社(旧ロシア連邦原子力庁本庁舎)

ロスアトムロシア語: РосАтомラテン文字表記の例:Rosatom)は、ロシアの国営原子力企業。

ソ連崩壊後の1992年1月29日、旧ソ連の原子力・産業省が改組され、新たに原子力担当省庁として設立された、ロシア連邦原子力省Министе́рство по а́томной эне́ргии Росси́йской Федера́ции、略称:ミンアトム МинАтом)がロスアトムの起源である。

2004年3月9日に組織が再編され、ロシア連邦政府の中央省庁として、ロシア連邦原子力庁Федера́льное аге́нтство по а́томной эне́ргии、通称:ロスアトムРосАтом)となった。改組された原子力庁長官には、ボリス・エリツィン時代に首相を務めたセルゲイ・キリエンコが就任した。

2007年12月3日ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア原子力庁を国営原子力企業「ロスアトム」に改変する法案に署名した。代表取締役社長にはキリエンコ長官が就任した。

ロスアトムの傘下には、新たに民間原子力ホールディング企業として創設されたアトムエネルゴプロムをはじめ、ロシア国内の核兵器関連企業、研究機関、原子力保安機関がある。また、ロスアトムは、国際的な原子力の平和利用と核拡散防止体制の維持という点で対外的にロシアを代表しており、米国原子力規制委員会と同様の権限を有する。

ロシア国内の原子力発電所の建設・運営だけでなく、原発輸出も担う。ロスアトムが手掛ける原発案件は38基、交渉・検討中を含めると90基以上である(日本原子力産業協会による2017年時点集計)[1]

傘下企業のテフスナブエクスポルトを通じて、日本福島第一原子力発電所事故廃炉事業(炉心溶融で発生したデブリの分析など)にも協力している[2]

2018年5月18日、ロスアトム傘下のギドロプレス設計局液体金属冷却炉「SVBR-10」(熱出力43.3MW、電気出力12MW)をベースとした軍用船舶用原子炉の開発開始を2017年次公式報告書にて発表(新型液体金属冷却炉は次世代原子力潜水艦ハスキー級に搭載予定)[3]

2019年水上原子力発電所であるアカデミック・ロモノソフの運用を開始する予定[4]

2019年8月8日、アルハンゲリスク近くのロシア海軍実験場で起きた爆発事故で、従業員5人が死亡、3人が負傷したと同社が発表した。事故はミサイルのエンジン実験中に発生した[5]

その他、ロシア連邦の核燃料製造・供給企業「TVEL」[6]の電気化学プラントであるJSC(Joint Stock Company) “PA(Production Association) ECP(Electro Chemical Plant)”において、核燃料製造の際に使用する「超高純度フッ化水素酸」および「超高純度無水フッ化水素」を製造・販売している(鉄道輸送コンテナ1個分から注文可能)[7]

脚注・出典[編集]

関連項目[編集]