| この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年12月) |
ローレンツ力(ローレンツりょく、英: Lorentz force)は、電磁場中で運動する荷電粒子が受ける力のことである。
名前はヘンドリック・ローレンツに由来する。
概要[編集]
電場
と磁束密度(磁場)
の空間中を運動する荷電粒子(位置
、速度
、電荷 q)に作用する電磁気的な力
は
である。この
をローレンツ力と言う。
× はクロス積である。
上式で右辺第一項は電場中で荷電粒子が受ける力でありクーロン力とも呼ばれる。
第二項はビオ=サバールの法則を一般化した形となっている。
ここで荷電粒子が加速度運動している(ローレンツ力によっても加速度運動となっている)とすると、その荷電粒子自身による電磁場の効果が存在するが、その影響はごく小さい場合が多いので通常は無視されるか、ごく小さなものとして扱われる。
と近似することができる。
荷電粒子の速度 v と磁場 B のクロス積 がローレンツ力 F であることは、フレミング左手の法則で向きを確認できる。
ローレンツ力と仕事[編集]
ローレンツ力のする仕事は
である。
ここで、磁場による力の項は、
であり、磁場は仕事をしない。ここで v = dr/dt を用いた。
電場による力の項は、
である。この電場による仕事量は、巨視的に見るとジュール熱に相当する。
磁場による力は速度と直交する方向に生じるので、運動の向きを変えるだけで粒子の運動エネルギーは変化しない。エネルギーの移動は電場により生じている。
ローレンツ力と電磁力[編集]
電荷 qi の時刻 t における位置を ri、速度を viとすると、電荷密度 ρ 、電流密度 j は、
と表すことができる。δ(x)はディラックのデルタ関数である。
ローレンツ力は多数の粒子系に対しては
となる。ここで、
として、和と積分を入れ替えると、
このようにミクロな粒子に作用する力(ローレンツ力)から、マクロな粒子系に作用する力(クーロン力及びアンペール力)が導かれた。
相対論的な表示[編集]
ローレンツ力を相対論的に記述すると
となる。
ここで z=(ct,r) は粒子の相対論的な位置、p=(E/c,p) は粒子の相対論的な運動量、ドットは運動のパラメータによる微分である。
F は電場と磁場を合わせた電磁テンソルで、具体的には
と表される。
位置の微分は非相対論的な速度 v によって
と表される。
従って、この式の空間成分は
となる。非相対論的な力 f は
となる。
ローレンツ力の向き[編集]
ローレンツ力:
の向きを示すフレミングの左手の法則がある。
また、右手の姿で示す方法もある。
関連項目[編集]