ワレリー・ゲラシモフ

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ワレリー・ゲラシモフ
Вале́рий Васи́льевич Гера́симов
Valery Gerasimov official photo version 2017-07-11.jpg
生誕 1955年9月8日
タタールASSR、カザン
所属組織 ロシア連邦軍
軍歴 1976年–現在
最終階級 RAF A F9GenArmy after2013.png 上級大将[1]
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ワレリー・ワシリエヴィチ・ゲラシモフロシア語: Вале́рий Васи́льевич Гера́симов; IPA: [vɐˈlʲerʲɪj vɐˈsʲilʲɪvʲɪtɕ gʲɪˈrasʲɪməf] 1955年9月8日 - )はロシアの軍人で、ロシア連邦軍参謀総長兼第一国防次官[2][3][4]

ゲラシモフは戦略家で「ゲラシモフ・ドクトリン」を提唱したとされている。これは戦略的目標を達成するために、軍事的、技術的、情報的、外交的、経済的、文化的、その他の戦術を組み合わせるものである。[5]しかしこれは後に、最初に論文を書いたマーク・ガレオッティによって撤回されており、その教義は存在しないと主張している。[6][7]


経歴[編集]

タタールASSRカザンで生まれ、1973年にカザン・スヴォーロフ軍事学校を卒業。 1977年にカザン高等戦車指揮学校を卒業。 1987年にマリノフスキー軍事機甲アカデミーを卒業。1997年にはロシア軍参謀本部軍事アカデミーを卒業。[4]

カザン高等戦車指揮学校を卒業した後、ゲラシモフは極東軍管区の大隊に所属する、機械化歩兵小隊の指揮官となった。後に彼は戦車連隊、のち沿バルト軍管区の自動車化狙撃師団の参謀長を務めた。[4]1993年から1995年まで彼は沿バルト軍管区第144親衛自動車化狙撃師団の司令官であり、その後北西部の部隊で勤務した[4][8]

彼が参謀本部軍事アカデミーを卒業した後、第二次チェチェン戦争の期間中に、モスクワ軍管区の副軍司令官、のち北カフカス軍管区第58軍の指揮官を務めた[4]。またユーリ・ブダノフの逮捕に貢献したことでジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤから賞賛された[3][4]

彼は2006年にレニングラード軍管区の司令官、2009年にはモスクワ軍管区の司令官、2010年12月23日に参謀本部副長[4]、2012年4月には中央軍管区の司令官を務めた。

モスクワの「勝利の日」パレードを先導するゲラシモフ(2011年5月9日)

彼はモスクワでの「勝利の日」のパレードを2009年-2012年の間4回指揮した。[3]

参謀総長への任官[編集]

2012年11月6日に国防相のアナトーリー・セルジュコフが解任された後、ゲラシモフは参謀総長に任命された[9]。以前の参謀総長のニコライ・マカロフはセルジュコフに近いと見られており、新しい国防相セルゲイ・ショイグによって解任される可能性が高いと評論家は見ていた。マカロフは辞任したと報じられたが、彼はプーチン大統領によって正式に解雇された。また第一国防次官だったアレクサンドル・スコホルコフは解任され、後任は西部軍管区の司令官だったアルカディ・バキン大将が務めた。航空宇宙防衛軍司令官だったオレグ・オスタペンコ大将も国防次官に昇進した。ゲラシモフは2014年には事実上ロシア軍最高階級の上級大将に昇格した[2][9][10][11][12]。2016年9月15日、彼とトルコ軍参謀総長のフュシアカールは、アンカラ軍本部でシリアの将来に関する会議を行った。

2017年3月6日、シリア北部での活動についての会議にて。ゲラシモフ(右)、 ジョセフ・ダンフォード (左)、 フュシ・アカール (中央)。

制裁[編集]

2014年4月に、ゲラシモフは「ウクライナの領土の完全性、主権および独立を損なうまたは脅迫する行動に関して」というEUの制裁対象リストに追加された[13]。2014年5月、カナダリヒテンシュタインスイス は、ウクライナに介入したこと、ロシア軍をウクライナ国境付近に展開したことへの責任、またそれらの行為によるウクライナとの緊張の高まりを緩和しなかったことを理由として、ゲラシモフを制裁リストに追加したという[14]。2014年9月にオーストラリアは、ゲラシモフをウクライナに関連する制裁措置のリストに加えた[14]

私生活[編集]

既婚者であり、息子が1人いる[15]

脚注[編集]

  1. ^ Presidential Decree of 20 February 2013 No. 151 "On conferring military rank of senior officers of the armed forces” (Russian). Kremlin.ru (2013年2月21日). 2013年2月24日閲覧。
  2. ^ a b New appointments at Defence Ministry”. Kremlin.ru (2012年11月9日). 2012年11月9日閲覧。
  3. ^ a b c Profile: Russia's new military chief Valery Gerasimov”. BBC News (2012年11月9日). 2012年11月9日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g Valeriy Gerasimov”. Russian Ministry of Defence. 2012年11月9日閲覧。
  5. ^ The 'Gerasimov Doctrine' and Russian Non-Linear War | King's College London” (英語). kcl.rl.talis.com. 2018年3月6日閲覧。
  6. ^ Galeotti, Mark (2018). “The mythical 'Gerasimov Doctrine' and the language of threat”. Critical Studies on Security: 1. doi:10.1080/21624887.2018.1441623. 
  7. ^ I'm Sorry for Creating the ‘Gerasimov Doctrine’” (英語). Foreign Policy. 2018年3月6日閲覧。
  8. ^ http://smolensk-i.ru/authority/komandir-smolenskoy-divizii-vozglavil-genshtab-armii-rossii_9527
  9. ^ a b Big army reshuffle: Head of the General Staff replaced”. RT (2012年11月9日). 2012年11月11日閲覧。
  10. ^ Gorenburg, Dmitry (2012年11月6日). “The firing of Anatoly Serdyukov”. Russian Military Reform. 2012年11月11日閲覧。
  11. ^ Personnel changes at Defence Ministry”. Kremlin.ru. 2012年11月11日閲覧。
  12. ^ Putin Appoints New Chief of General Staff”. RIA Novosti (2012年11月9日). 2012年11月11日閲覧。
  13. ^ COUNCIL IMPLEMENTING REGULATION (EU) No 433/2014 of 28 April 2014 implementing Regulation (EU) No 269/2014 concerning restrictive measures in respect of actions undermining or threatening the territorial integrity, sovereignty and independence of Ukraine
  14. ^ a b Bryan Cave Side by Side List of Ukraine Related Sanctions”. Bryan Cave. 2018年7月25日閲覧。
  15. ^ Valery Vasilevich Gerasimov(ru:Валерий Васильевич Герасимов )” (Russian). Gazeta.ru. 2012年11月11日閲覧。