七つの仮面

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金田一耕助 > 七つの仮面

七つの仮面』(ななつのかめん)は、横溝正史の短編推理小説。『講談倶楽部』昭和31年(1956年)8月号(講談社)に掲載された。

金田一耕助シリーズ」の一つ。角川文庫『七つの仮面』 (ISBN 4-04-130466-0) に収録されている。

あらすじ[編集]

人はしばしば「私」のことを聖女と呼んでくれる。しかし「私」は夜の商売に身を落とし、荒んでしまった娼婦である。のみならず、両手を血に染めた殺人犯である。

といった一人称形式の文章で語られる。

主要な登場人物[編集]

  • 金田一耕助:私立探偵
  • 美沙:「私」。高級喫茶「ベラミ」のウェイトレス
  • 山内りん子:「私」の女学校時代の先輩
  • 江口万蔵:「ベラミ」の客。彫刻家
  • 中林良吉:「ベラミ」の客
  • 伊東慎策:「ベラミ」の客

解説[編集]

横溝が過去に手掛けた短編『聖女の首』のリメイク。『聖女の首』に金田一は登場せず、タイトルの由来となった彫刻も七つではなく五つで、謎解き要素はなかった。本作の謎解き要素が少なく、どちらかといえば怪談の色が強いのはこうした経緯によるもの。

本作は、全編を通して「私」こと美沙の手記の形を取っている。そのため、物語の大部分は美沙の視点による回想であり、金田一耕助の登場するシーンは終盤のごくわずかのみとなっている。同様の手法は『八つ墓村』をはじめ、『夜歩く』、『三つ首塔』などに見られる。