七国象棋

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七国象棋(しちこくしょうぎ、七国将棋とも)は、将棋類の一種であり、3人から7人で行なうボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。シャンチーの変種の一つ。司馬光の考案と伝えられる。中国の戦国時代を模しており、各国の将は戦国七雄の国名となっている。日本には江戸時代に伝わり、これを好んだ徳川家治の影響により短期間ながら流行した。

ルール[編集]

基本ルール[編集]

以下は7人で対局する場合。

  • 縦横19本の線の引かれた盤を用いる(碁盤と同じ)。駒はマスの中ではなく、囲碁のように線の交点に置かれる。
  • プレイヤーはの7国をそれぞれ受け持ち、この順(反時計回り)に、盤上にある自分の駒を1回ずつ動かす。
  • 駒は各国ごとに10種17枚持ち、それぞれ動きが決まっている。玉将に当たる駒(と呼ぶ)には国名が書いてある。
  • これらとは別にという駒を1枚、盤の中央に置く。これは動くことも取られることもなく、この駒の場所にはどの駒も進入することが出来ない(砲が飛び越えるのはよい)。
  • 自分の駒を動かすとき、動く先に行人以外の相手の駒があるとき、その駒を取ることが出来る。取られた駒は盤面から除去され、取った者のものとなる。(将棋と異なり、取った駒は再利用出来ない)
  • 将を取られた国は負けとなる。残った駒はその将を取ったプレイヤー((国名)、例えば秦の将を取れば秦棋という)の支配下に入り、以後そのプレイヤーが手番に動かすことが出来る。
  • 将以外の駒を10個取られた国は負けとなる。将を盤上から取り除き、ゲームから抜ける。残った駒はその後動かず、他の国にただ取られるに任せる。
  • 将を2枚、または駒を30枚取った者が勝者()となる。

3人から6人で対局する場合[編集]

余る国を同盟で結ぶ。(合従連衡という)

  • 6人の場合 - 秦が楚以外の国1つと同盟(1人で2国扱う)する。
  • 5人の場合 - さらに楚が秦連合以外の国1つと同盟する。
  • 4人の場合 - さらに斉が秦連合・楚連合以外の国1つと同盟する。(この場合は秦と斉、楚と斉は同盟しない)
  • 3人の場合 - さらに残りの1国と秦が同盟する。

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シャンチーと同様。国によって色分けする。秦は白、楚は紅、韓は朱、斉は青、魏は緑、趙は紫、燕は黒、周は黄。

初期配置図[編集]

七国象棋初期配置.png

将(秦、楚、韓、斉、魏、趙、燕)[編集]

前縦、横、前斜めに何路でも進める。駒を飛び越えることはできない。取られると負けとなる。

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斜めに何路でも進める。駒を飛び越えることはできない。

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縦横に何路でも進める。駒を飛び越えることはできない。

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縦横に1路進める。

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縦横に1路進み、斜めに3路進む。駒を飛び越えることはできない。すなわち◆の位置に他の駒があれば、その方向には進めない。

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縦横に何路でも進めるが、敵の駒を取るときは他の駒を一つ飛び越えなければならない。シャンチーの包と同じ。

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縦横斜めに5路まで進める。駒を飛び越えることはできない。

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斜めに1路進める。

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縦横斜めに4路まで進める。駒を飛び越えることはできない。

行人[編集]

縦横斜めに何路でも進める。駒を飛び越えることはできない。他の駒を取ることは出来ず、他の駒に取られることもない。障害物として使う。

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動かない。どの国の駒でもなく、取ることも出来ない。

歴史[編集]

沈津『欣賞編』(1513刊)辛集に収録している「古局象棋図」が七国象棋の初出である。その跋によると王逸民が開禧丙寅(1206年)に刊行したとある。王逸民は作者を司馬光と伝えているが、それが真実かどうかは明らかでない。中国にはほかに晁補之が「広象戯」というチャトランガ系の創作ゲームを作ったことが知られているが、盤が19×19で、駒が98枚だったことを除いて、その具体的ルールは伝わっていない。

日本では『象戯図式』に七国象棋を載せているほか、『温公七国象戯図国字解』(1777刊)のような専門書も作られた。

関連項目[編集]