万創

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株式会社万創(ばんそう)はかつて存在した日本企業

概要[編集]

フジテレビ事業局から発売されていたウルトラシリーズなどの「とびだすえほん」が、放送局の出版事業を禁止するという当時の法律[1]に抵触したため、創設された企業である[2]

設立[編集]

フジテレビ時代に「とびだすえほん」の下請制作を請け負っていた小出信宏社の子会社として、1970年東京都中央区日本橋で山田高亘を社長として設立し[要出典]、「とびだすえほん」の出版・販売を引き継いだ[2]

成長期[編集]

フジテレビ時代からのヒット商品である「とびだすえほん」は幸運にも他社と競合しない商品で、万創は『仮面ライダー』や『帰ってきたウルトラマン』など当時の人気番組のスポンサーになる[2]。同社は独占的に商品化権を獲得することで、急速に成長した[2]

当初の独占的商品化権は、万創が手がけていた「とびだすえほん」や紙製玩具のみであったが、同社の強引な商品化戦略に危機感を持った他社も続々とキャラクター番組のスポンサーに参加することで、第二次怪獣ブームにおけるキャラクター番組の量産に拍車をかける[2]TBSの岡崎潔は業界の秩序を乱す同社に対し、スポンサーになっても新しい許諾を与えない方針を取った。しかし万創は岡崎を懐柔し、自社に呼び込むことによって障害を取り除く。

転換期[編集]

万創では競合他社への対抗策として、1972年からは文房具やプラモデルなどの生産・販売へと事業を拡大。同社が手がける番組は更に数を増し、番組提供費も増大してゆく。しかし、商品化に必要なパルプなどの原材料不足が1973年初頭から深刻化していたこともあって、同社の商品は粗悪品が増えていき、消費者からは苦情が寄せられるようになった。また「とびだすえほん」の価格をめぐる小売店との対立から、不買運動も勃発していた。

倒産[編集]

キャラクター番組の供給過剰状態に加えて、それまでの膨大な宣伝費や流通経費などの要因も重なった万創は、1973年6月19日に総額28億円の負債を抱えて倒産[2][3]。番組提供費は総売上の3割[4]にも達しており、同社が倒産直前まで提供スポンサーだった毎日放送の『ジャンボーグA』や、フジテレビの『ロボット刑事』などの番組にも、未払いのキャラクター使用料が負債として残った[5]。そのため連鎖倒産した親会社の小出信宏社[6]を含めた経営再建案として再びキャラクター使用の要請が各テレビ局にされたが、負債を理由に拒否したため再建には至らなかった。

なお、倒産後の1975年から1980年代に平仮名表記の「株式会社ばんそう」が「とびだすえほん」や「POPえほん」などの商品名で『UFOロボ グレンダイザー』『宇宙鉄人キョーダイン』『アクマイザー3』『大空魔竜ガイキング』『風船少女テンプルちゃん』などの絵本類を発売していたが、本社所在地が異なる。また、旧「万創」との法人としての連続性や人的関係などは不明である。

手薄になった紙製玩具に文具メーカーのセイカ(現・サンスター文具セイカレーベル)が進出する。同社の倒産はスポンサーに商品化権を与えることの危険性を示したが、テレビ局としては収益が上がることから、現在でも方針を改めていない。

脚注[編集]

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  1. ^ 現在は放送局が直接出版事業に携わることが可能となっている。フジテレビの番組関連書籍(ドラマのノベライズ他)などはフジテレビ出版(ESSEはフジテレビ本体)発行・扶桑社発売で発売されている。
  2. ^ a b c d e f 変身ヒーロー大全集 1995, pp. 130-133, 「概説 変身ブームの変遷」
  3. ^ 計画倒産の疑惑もある。[要出典]
  4. ^ 現在のバンダイですら1割程度。
  5. ^ 講談社の『円谷ヒーロー ウルトラマン全史』誌上で満田かずほが証言した「ミラーマン放映中の万創倒産事件」は『ジャンボーグA』の記憶違いで、万創が商品化権を独占したまま倒産した件について「あれには困りました」と述べている[要ページ番号]
  6. ^ 日本のキャラクタービジネスの先駆者的存在で大きな貢献実績があった。

参考文献[編集]

  • マーチャンダイジングライツレポート
  • テレビマガジン特別編集 変身ヒーロー大全集』講談社、1995年11月30日。ISBN 4-06-178419-6。