三方五湖レインボーライン
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三方五湖レインボーライン(みかたごこレインボーライン)は、福井県三方郡美浜町笹田から同県三方上中郡若狭町海山に至る、延長11.24キロメートル (km) の有料道路(道路運送法上の一般自動車道)[1]である。正式名称は三方五湖有料道路(みかたごこゆうりょうどうろ)。福井県道路公社が管理しているが、運営は株式会社レインボーラインが行っている[2]。一般自動車道であるため料金徴収期限はないが、2022年(令和4年)9月30日に福井県道路公社が解散されることに伴い、道路管理を福井県に移管し無料開放される予定となっている[1]。
概要[編集]
1968年(昭和43年)に開通[3][4]。美浜町と若狭町にまたがり、若狭湾国定公園の観光名所であるリアス式海岸と、久々子湖・日向湖・三方湖・水月湖・菅湖からなる三方五湖を眼下に望み、梅丈岳(ばいじょうだけ)の山麓まで行くことができる観光道路である[5][6]。梅丈岳山頂へはリフト、またはケーブルカーを利用する[注釈 1]。若狭湾屈指の景勝地として知られる[6]。
路線状況[編集]
冬季閉鎖はなく通年営業を行っている[7][8]。季節によって営業時間帯は変化し、10月から4月までが8時から18時、5・6月から7月20までおよび9月は7時30分から18時30分まで、7月21日から8月は19時まで営業しており[注釈 2]、夜間の営業時間外は閉鎖するため通行できない[9]。通行できる車両は自動車とオートバイのみで、50 cc以下の原付バイクや自転車は通行不可である[7][6]。走破する路線バスの設定はない。途中にある第1駐車場にはレストハウスが併設されており、休憩を兼ねて食事もすることができる[7][8]。
通行料金[編集]
通常、1回あたり下記の通行料金が設定されている。なお、通行料には後述の山頂公園の入園料は含まれていない。毎年4月に開催される「三方五湖春まつり」の期間中は通行料金が半額になる(2020年の春まつりは新型コロナウイルスの感染拡大のため中止、減額措置の実施も中止)[10][11]。三方五湖有料道路全線のうち、日向料金所以東にあたる美浜町笹田から日向料金所までが無料開放区間である。
- 普通車(軽自動車・小型自動車・普通自動車):1,040円
- バス型自動車(定員29人以下、マイクロバス):2,620円
- 大型バス自動車(定員30人以上、大型車):4,260円
- 大型貨物自動車(積載5t以下):4,260円
- 自動二輪車:740円
利用状況[編集]
2018年度(平成30年度)の通行台数は以下のとおり[12]。
- 普通自動車:51,475台
- バス型自動車(マイクロバス):245台
- バス型自動車・大型自動車:1,698台
- 二輪自動車:10,537台
地理[編集]
リアス式海岸の若狭湾と、久々子湖、日向湖、三方湖、水月湖、菅湖の五つの湖が点在する三方五湖を一望にして走ることが出来る[7][8]。三方五湖はすべてつながっており、水質が湖ごとに淡水と海水の混じり度合いが異なることから、湖面の青色が微妙に違うところが見所である[6]。山岳道路のように急勾配とカーブの連続で、三方五湖と若狭湾に挟まれた緑豊かな丘陵地帯を登って行く[5]。途中の第1駐車場からは山頂公園まで上がれるリフトがあり、360度パノラマで若狭湾や三方五湖を展望できる[7][8]。日向湖至近に位置する日向料金所(美浜町側)へは若狭梅街道が、海山料金所(若狭町側)へは国道162号がそれぞれ至近である。最寄りのICは舞鶴若狭自動車道の若狭三方ICで、第1駐車場のところまでの距離は約10 kmである[7][8]。
通過する自治体[編集]
- 福井県
- 三方郡美浜町 - 三方上中郡若狭町
交差する道路[編集]
- 福井県道214号日向郷市線(美浜町笹田)
- 福井県道244号三方五湖公園線(若狭町気山)
- 福井県道216号常神三方線(若狭町海山)
沿線[編集]
山頂公園[編集]
梅丈岳山頂には展望台があるレインボーライン山頂公園があり、三方五湖レーンボーライン沿いの駐車場から山頂公園展望台へはリフトおよびケーブルカーが通じている[4]。山頂公園への入園には通行料のほかに入園料が別途必要。山頂公園展望台から若狭湾の雄大な展望を見ることができるほか、美浜町出身の歌手五木ひろし「ふるさと」の歌碑があり、歌も流れる仕掛けになっている[4]。2018年から、通行台数の増加と北陸新幹線の敦賀駅延伸開業による観光客数の増加を目指した[3]リニューアルを実施し、新たに足湯や三方五湖を眺められるテラスを設置した[4][13]。
また、山頂公園が「恋人の聖地」に認定されており[4]、2019年にはクールジャパンアワードも受賞している[4]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b “レインボーライン、22年10月から無料 公社解散で県道移管”. 中日新聞Web. (2020年9月17日). オリジナルの2020年9月19日時点におけるアーカイブ。 2021年2月11日閲覧。
- ^ “三方五湖レインボーライン山頂公園改修着々 福井県、足湯にカフェも”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(福井新聞). (2019年8月29日) 2021年2月11日閲覧。
- ^ a b 地域再生計画 三方五湖に浮かぶ天空テラス整備計画~自然・人・文化をつなぐ天空の架け橋~ (PDF) - 内閣府地方創生推進事務局
- ^ a b c d e f “レインボーライン山頂公園を徹底ガイド! 三方五湖と日本海を望める「天空の楽園」でした♡”. ふーぽ (2019年7月5日). 2021年2月11日閲覧。
- ^ a b 須藤英一 2013, pp. 116–117.
- ^ a b c d 中村淳一編 2018, pp. 82–83.
- ^ a b c d e f 小川、栗栖、田宮 2016, p. 87.
- ^ a b c d e 中村純一編 2017, p. 87.
- ^ “三方五湖レインボーライン (11.2 km)”. 福井県の有料道路ご案内(福井県道路公社ホームページ). 福井県道路公社. 2019年7月8日閲覧。
- ^ “三方五湖の春楽しんで 美浜、若狭町30、31日まつり”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(福井新聞). (2019年3月12日) 2021年2月11日閲覧。
- ^ “五湖の安全と発展祈り かわらけ投げ 福井・美浜、若狭”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(福井新聞). (2020年4月13日) 2021年2月11日閲覧。
- ^ “平成30年 福井県統計年鑑 交通・通信 (PDF)”. 福井県地域戦略部統計情報課. 2021年2月11日閲覧。
- ^ “レインボーラインにカフェ登場 絶景のテラス席も”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(福井新聞). (2018年7月17日) 2021年2月11日閲覧。
参考文献[編集]
- 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹「三方五湖レインボーライン」『ニッポン絶景ロード100』中村純一 編、枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、87頁。ISBN 978-4-7779-3980-0。
- 須藤英一『新・日本百名道』大泉書店、2013年。ISBN 978-4-278-04113-2。
- 「三方五湖レインボーライン」『日本の絶景道100選』中村純一編、枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、87頁。ISBN 978-4-7779-4572-6。
- 『日本の絶景ロード100』中村淳一編、枻出版社、2018年4月20日。ISBN 978-4-7779-5088-1。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- レインボーライン公式サイト
- 三方五湖レインボーライン - 福井県道路公社
- レインボーライン山頂公園 - 恋人の聖地プロジェクト