三菱・FTO

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FTO(エフティーオー)は、三菱自動車工業が製造・販売していた2ドアのノッチバッククーペスペシャルティカー)である。

概要[編集]

キャッチコピーは、『この運動神経は、ただ者じゃない』。

三菱のホットモデルだったギャランクーペFTOの名称を継承した2ドアクーペであり、先行して登場していたGTOの弟分にあたる。当初は日本国内専用車だったが、2000年代以降は日本から並行輸出もされ、海外にも保有者が存在する。ミラージュと基本コンポーネンツを共用しており、駆動方式はFFのみである。モーターショーでAWD仕様も参考出品されたが、販売には至らなかった。当時の三菱車は直線基調のデザインが多かったが、本車種は曲線で構成されている。重いV6エンジンを搭載するために足回りは比較的硬めに設定されている。なお、2LのV6エンジンを搭載する車種は国産車では数少ない。[1]

初代(1994年-2000年)DE2/3A型[編集]

三菱・FTO
DE2/3A型
フロント
Mitsubishi FTO 1994 (13522345605).jpg
リア
Howth, Co. Dublin - Ireland (5898218075).jpg
販売期間 1994年10月 - 2000年9月[2]
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドアノッチバックスポーツクーペ
エンジン 6A12 MIVEC 1998cc V型6気筒 DOHC 24バルブ
6A12 1998cc V型6気筒 DOHC 24バルブ
4G93 1834cc 直列4気筒 SOHC 16バルブ
駆動方式 FF
最高出力 200PS(GP、GPX、GPVer.R)
180PS(GR)
125PS(GS)
最大トルク 20.4kgf·m(GP、GPX、GPVer.R)
19.5kgf·m(GR)
16.5kgf·m(GS)
変速機 5AT、4AT、5MT
サスペンション 前:マクファーソン式ストラット
後:マルチリンク式サスペンション
全長 4,365mm
全幅 1,735mm
全高 1,300mm
ホイールベース 2,510mm
車両重量

1,170kg(GPX5MTの場合)

1,210kg(GPX5ATの場合)
後継 無し
-自動車のスペック表-
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  • 1994年10月 発売。排気量2.0LのV6DOHC24バルブエンジンと1.8Lの直4SOHC16バルブエンジンを搭載。V6エンジンは170PS(マイナーチェンジ時に180PS)仕様とMIVECを採用した200PS仕様がラインアップされていた。またAT車には日本で初めてマニュアルモード(三菱ではスポーツモードと呼称)を搭載するINVECS-IIを採用した(当初は4段、マイナーチェンジ後は5段変速)。この年、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。その記念モデルとして、ダンデライオンイエローのボディカラーを設定したFTOが500台限定で発売された。
  • 他社同クラスの車種(日産・シルビアトヨタ・セリカホンダ・インテグラ等)ではMT車の販売比率が高かったが、FTOは広告などでAT車を中心とした販売戦略を採っており、同クラスの車種には設定のない4段/5段スポーツモード付きATを採用していたことなどから、当時のスペシャルティカーとしては珍しくMT車よりもAT車の比率が高かった。実際、中古車市場においてMT車は稀少である。
  • FF車ながら旋回性能が高く、また、当時の国産車の中でも比較的高いボディ剛性を確保している。元レーサーで評論家の桂伸一は「ドリフト競技でFF車部門があれば一番」とコメントしている。これらの理由からホンダから1995年インテグラタイプRが発売されるまでは、国産FF車で最速との呼び声も高かった。
  • 2000年7月 新しく採用される側面衝突安全基準に適合させると採算が取れないとして、GTOとともに生産終了[3]。以後、在庫のみの対応となる。
  • 2000年9月 販売終了。これにより日本市場における三菱車からGTOと共にスポーツクーペタイプの車種が完全消滅する形となったものの、既存のハイパフォーマンスコンパクトスポーツセダンであるランエボことランサーエボリューションVI(当時)が間接上の代替車種となった。

生産・販売[編集]

  • 生産工場は、三菱自動車工業水島製作所。
  • 総販売台数 3万8,028台
    • 1994年 - 7,035台
    • 1995年 - 2万773台
    • 1996年 - 5,536台
    • 1997年 - 2,433台
    • 1998年 - 1,286台
    • 1999年 - 680台
    • 2000年 - 285台

スペック[編集]

FTOは、前期型、中期型、後期型の3期に分類される。

主な変更点[編集]

前期→中期
  • GPとGR SPORTS PACKAGEが追加。
  • 運転席のSRSエアバッグが標準装備に。
  • キーレスエントリーシステムが変更となり、リモコンと鍵が一体型に変更。
中期→後期

前期型(1994-1995年)[編集]

ボディカラー
  • スティールシルバー・パッションレッド・インペリアルレッド
  • ピレネーブラック・ムーンライトブルー・スコーティアホワイト
グレード / 形式 / エンジン
  • GPX(E-DE3A) (6A12 MIVEC
  • GR (E-DE3A) (6A12)
  • GS (E-DE2A) (4G93)

中期型(1996年)[編集]

ボディカラー
  • スティールシルバー・パッションレッド・インペリアルレッド
  • ピレネーブラック・ムーンライトブルー・スコーティアホワイト
グレード / 形式 / エンジン
  • GPX(E-DE3A) (6A12 MIVEC)
  • GP (E-DE3A) (6A12 MIVEC)
  • GR SPORTS PACKAGE(E-DE3A) (6A12)
  • GR (E-DE3A) (6A12)
  • GS (E-DE2A) (4G93)

後期型(1997-2000年)[編集]

ボディカラー
  • シンフォニックシルバー・パッションレッド・ピレネーブラック
  • アイセルブルー・スコーティアホワイト・ティンバーグリーン
グレード / 形式 / エンジン
  • GPX(E-DE3A) (6A12 MIVEC)
  • GP VersionR (E-DE3A) (6A12 MIVEC)
  • GP VersionR Aero series(E-DE3A) (6A12 MIVEC) - 先行限定販売品
  • GX SPORTS PACKAGE (E-DE3A) (6A12)
  • GX SPORTS PACKAGE Aero series(E-DE3A)(6A12) - 先行限定販売品
  • GR (E-DE3A) (6A12)
  • GS (E-DE2A) (4G93)

FTO EV[編集]

三菱自動車は早い段階から電気自動車の開発に着手しており、その一環としてFTOをベースにした電気自動車FTO-EV1998年に製作された。この車はリチウムイオン二次電池によって最高出力70kWのモーターを駆動する。1回の充電で走れる距離は市街地であれば150km前後、最高速度は186km/hである[1]KAZが製作されるまで、ナンバープレートが付いて公道を走れる電気自動車としては最速であった。なお、FTO-EVの開発によって得られたデータは、後のMiEVシリーズに引き継がれた。

モータースポーツ[編集]

1998年1999年全日本GT選手権JGTC、現・SUPER GT)のGT300クラスにチーム・テイボン・ラリーアートより参戦、エンジンは4G63に換装していた。1998年度は中谷明彦原貴彦のコンビで年間総合5位、1999年度は中谷明彦とラルフ・ファーマンのコンビで年間総合6位。

この他にもジムカーナダートトライアル等の競技等で使用されることが多い。また、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのオープンクラス部門にエントリーしたFTOは、助手席にエンジンを置き、後ろに伸びたドライブシャフトでリアを駆動し、そこから再びディファレンシャルを介して前に折り返すかたちで伸ばされたドライブシャフトによってフロントを駆動するという、変則的4WDを採用した例がある。

車名の由来[編集]

Fresh Touring Originationの略。【言語】英語  「若々しいツーリングカーの創造」という意味。

脚注[編集]

  1. ^ 他にはマツダ・ミレーニアなど
  2. ^ FTO”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月31日). 2020年1月31日閲覧。
  3. ^ “スポーツカーは不必要、三菱『FTO』と『GTO』が揃って廃止”. Response. (株式会社イード). (2000年7月13日). http://response.jp/article/2000/07/13/3137.html 2016年4月11日閲覧。 

関連項目[編集]