上尾道路

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一般国道
国道17号標識
上尾道路
国道17号バイパス
路線延長 20.1 km
開通年 2010年3月※一部区間のみ
起点 さいたま市西区宮前町
宮前IC
終点 鴻巣市箕田
箕田交差点
接続する
主な道路
(記法)
Japanese National Route Sign 0016.svg国道16号
C4 首都圏中央連絡自動車道
■テンプレート(■ノート ■使い方) PJ道路

上尾道路(あげおどうろ)は、埼玉県さいたま市西区から埼玉県鴻巣市に至る国道17号バイパス道路である。都市計画道路としては上尾バイパスの名称になっている。

さいたま市で新大宮バイパス、鴻巣市で熊谷バイパスと連結する。国道17号の交通渋滞を解消し、生活環境の改善を図ること等を目的として計画された道路である。中央部分には別途、高速道路の計画があり、新大宮バイパスの中央部分と合わせ、新大宮上尾道路として地域高規格道路の計画路線に指定されている(都市計画道路としての名前は高速埼玉中央道路)。

概要[編集]

起点はさいたま市西区宮前町の宮前インターチェンジ (IC)である。国道16号および新大宮バイパスと分岐後、国道17号本線のおよそ2 -4キロ (km)西側を並行し、さいたま市・上尾市を北上、桶川市大字川田谷で首都圏中央連絡自動車道(圏央道/一般国道468号)とジャンクション(桶川JCT(仮称)、専用部完成までは桶川北本インターチェンジとして供用)により接続する。更に北本市を北上し、終点の鴻巣市箕田交差点で国道17号本線および熊谷バイパスに接続する。

本計画は1969年昭和44年)の都市計画決定時(都市計画上の道路名は上尾バイパス)から存在する[1]1989年平成元年)に都市計画変更され、1990年(平成2年)に大宮市(当時)宮前町から桶川市川田谷の埼玉県道12号川越栗橋線の約8.9 kmが事業化。1995年(平成7年)に桶川ジャンクション(現桶川北本IC)までの約2.1 kmが事業化した。

整備計画によれば、地平に片側2車線の一般道路と、一般道路の上下線間に高架で片側2車線の自動車専用道路国道の両側に市民生活用のサービス道路と緑地帯を整備する事になっており、道路幅はおおむね50メートルを超える。市域の分断を避けるため、多数の交差点、歩道橋、横断地下道が計画された。2007年(平成19年)度の開通を目指し、桶川北本IC付近まで着工する予定になっていたが、後述のオオタカの問題が解決しなかった影響で工事が長引いた。

2010年(平成22年)3月27日に宮前ICから埼玉県道323号上尾環状線の間 (4.2 km)が、翌日の3月28日には桶川市内の埼玉県道12号川越栗橋線から桶川北本ICを経て埼玉県道57号さいたま鴻巣線の間 (2.1 km)が暫定開通した。2015年(平成27年)10月31日には圏央道桶川北本IC - 白岡菖蒲IC間の開通に合わせて4車線化された。2016年(平成28年)4月29日、埼玉県道12号川越栗橋線から埼玉県道323号上尾環状線の間 (4.7 km)が暫定2車線として開通し、新大宮バイパスから桶川北本ICまでが結ばれ、当初の事業化区間は完成した。

桶川北本ICから鴻巣市箕田交差点までは2011年(平成23年)に事業化された。

自動車専用道路首都高速埼玉大宮線を延長する形となり、2016年(平成28年)に事業化が発表された。事業主体は首都高速道路株式会社となる[2]

現在、2015年に4車線化された区間にはキロポストが設置されているが、全区間を通して国道標識は一切設置されていない。

路線データ[編集]

  • 起点:埼玉県さいたま市西区宮前町
  • 終点:埼玉県鴻巣市箕田
  • 全長:20.1 km
  • 道路幅員:57.0 m
自動車専用部
  • 規格:第1種第3級
  • 設計速度:80 km/h
  • 車線数:4車線
一般部
  • 規格:第4種第1級
  • 設計速度:60 km/h
  • 車線数:4車線

交通規制[編集]

  • 駐停車禁止(宮前IC - 川田谷中交差点)
  • 駐車禁止(川田谷(中)交差点 - 川田谷(市場)交差点)
  • 最高速度50 km/h、追い越しのための右側はみだし禁止(江川の橋(名称不明))

歴史[編集]

  • 1969年昭和44年)5月20日:都市計画決定。
  • 1989年平成元年)12月22日:都市計画変更。
  • 1990年(平成2年)度:大宮市宮前町 - 埼玉県道12号川越栗橋線 (約8.9 km)が事業化。
  • 1995年(平成7年)度:埼玉県道12号川越栗橋線 - 桶川市川田谷 (約2.1 km)が事業化。
  • 2002年(平成14年)2月:オオタカ問題により、上尾市以北での用地買収を停止。
  • 2002年(平成14年)度末:上尾市大字地頭方で初めて着工。
  • 2003年(平成15年)度末:さいたま市西区で着工。
  • 2004年(平成16年)8月21日:上尾市大字地頭方でサービス道路[3](約900 m)が開通。UDトラックス(旧:日産ディーゼル工業)本社工場外周道路に当たる(上り線は自動車道路一般部を暫定使用)[4]
  • 2005年(平成17年)3月26日:さいたま市西区大字西新井(花の丘公園通り以南)で国道の側道にあたるサービス道路(約300 m)が開通。同年度、宮前ICの増設を開始。
  • 2006年(平成18年)3月30日:さいたま市西区大字内野本郷でサービス道路(約500 m)、西新井(花の丘公園通り - 埼玉県道165号大谷本郷さいたま線)でサービス道路と自動車道路一般部(下り線のみ約300 m)が完成し、県道を改良した接続道路 (約200 m)と上記300 mを含む約1.3 kmの供用を開始。
  • 2007年(平成19年)3月:さいたま市西区大字内野本郷で自動車道路一般部(約500 m)が完成(未供用)。
  • 2007年(平成19年)度:オオタカ問題に関わらない範囲で、上尾市小敷谷以北及び埼玉県道12号川越栗橋線北側から首都圏中央連絡自動車道(圏央道)桶川北本ICにかけて用地取得を再開し、確保済みの部分から着工。
  • 2008年(平成20年)3月:さいたま市西区大字西新井で自動車道路一般部(約300 m)が完成(未供用)。上尾市大字堤崎で自動車道路一般部・サービス道路 (約350 m)が完成(歩道のみ供用)。上尾市大字壱丁目で自動車道路一般部・サービス道路(約400 m)が完成(歩道の一部のみ供用)。あわせて、「大谷北部第4土地区画整理事業」も2007年(平成19年)度より開始され、2009年(平成21年)3月に上尾市大字壱丁目で交差地下道が竣工した。
  • 2010年(平成22年)3月27日:宮前IC - 埼玉県道323号上尾環状線(小敷谷東交差点)間が暫定2車線で開通。なお、埼玉県道51号川越上尾線との交差部(壱丁目南交差点)は、当初立体交差の計画であった。
  • 2010年(平成22年)3月28日:埼玉県道12号川越栗橋線から埼玉県道57号さいたま鴻巣線間が暫定2車線で開通。
  • 2011年(平成23年)度:II期区間(桶川北本IC - 鴻巣市箕田)事業化。
  • 2015年(平成27年)10月31日:宮前IC - 埼玉県道323号上尾環状線間、埼玉県道12号川越栗橋線 - 埼玉県道57号さいたま鴻巣線間が4車線に拡幅[5]
  • 2016年(平成28年)4月29日:埼玉県道323号上尾環状線 - 埼玉県道12号川越栗橋線間が開通[6]。埼玉県道57号さいたま鴻巣線(小敷谷西交差点)以北は片側1車線の暫定開通。

オオタカ問題[編集]

上尾道路橋梁より望む江川沿いに広がる湿地。

1996年(平成8年)に、埼玉県生態保護協会が上尾市内のバイパス建設予定区間で、準絶滅危惧種であるオオタカの営巣を確認した。このため、国によって専門家らによる「埼玉圏央道オオタカ等保護対策検討委員会」が設置された。オオタカの営巣地は道路予定地から800 mほど離れているものの、捕食活動などの生活圏が予定地と重なっており、計画されていた高架構造の自動車専用道路がオオタカの生活の障害となる可能性が指摘された。

国と埼玉県の指針では、「営巣中心域に抵触する開発をする場合は影響を回避する」と定めており、このため、2002年(平成14年)2月から用地買収を自主的に停止していた。上尾道路予定地には、オオタカの他にも十数種類の絶滅危惧の希少動植物種が生息する湿地があるため[7]、時間をかけて対応策のとりまとめを行った。これにより江川を挟んだ上尾・桶川市境は、当初の盛り土による埋め立てから橋梁(2車線)へ変更された。

交通量[編集]

平日24時間交通量(平成27年度道路交通センサス)

II期区間[編集]

鴻巣市滝馬室地区の道路予定地にある基準点の一つ。場所

桶川北本IC以北は、事業化以前には、鴻巣市箕田交差点付近のみ鴻巣市の区画整理により用地が確保されたが、長く動きはなかった。

桶川北本ICの供用開始後、同ICの構造により車の流れが桶川市内に集中し渋滞の原因となっていたため、当該区間の2011年度新規事業化(及び事業化されているさいたま市・上尾市区間の早期開通)を求める要望を国土交通大臣に対して埼玉県知事上田清司(当時)が行い[8]2011年(平成23年)度に新規事業化され、測量及び地質調査が開始された。

整備計画では、埼玉県道57号さいたま鴻巣線の西側を並行し、高尾2丁目交差点や御成橋(東)交差点を交差し、鴻巣市立鴻巣西中学校東側の農地を通りつつ、鴻巣市立田間宮小学校の付近で北西から徐々に北向きへ方向を変える。JR高崎線を高架で越え、MEGAドン・キホーテ北鴻巣店の西側角をかすめて(予め角がカットされた状態で建設されている)、箕田交差点に至る事になっている[9]

II期区間の都市計画幅員は、I期区間(宮前IC - 桶川北本IC)と同様の57 m であるが、当初、事業化幅員はコスト縮減と事業の迅速化の観点から当初は地域高規格道路新大宮上尾道路を考慮から除外した23 mとする方針とした。しかし、将来改めて都市計画幅員まで拡幅事業化される形になると、用地買収が今回と将来の2段階になることから、土地所有者や沿道自治体から不満・不安・懸念の声が上がった。その為、再検討を行い、国道17号の地域高規格道路予定区間(新大宮上尾道路・熊谷渋川連絡道路)においては上尾道路II期区間以外の全区間(新大宮バイパス、上尾道路I期区間、熊谷バイパス、深谷バイパス)で当初より都市計画幅員で事業化されていることも踏まえて見直され、II期区間に関しても事業化幅員はI期区間と同様の57 mに訂正された[10]

現在、終点に近い鴻巣市箕田地内の高崎線との交差地点付近は着工済みとなっている。

道路施設[編集]

歩道橋[編集]

上尾道路の歩道橋の一つである「領家かっぱ橋」。名前は橋が架かる領家地区の河童伝説にちなむ。[11]

上尾道路は幅員が平均57 mであり、建設によって地域が東西に分断され、歩行者の通行の妨げとなる。このため、開通箇所には歩道橋(ほぼ自転車通行可能)が設置されているが、これらは主に小学生の通学に使用されることから、付近の小学生から公募した名称が付けられている[12]。歩道橋の橋名板は地元小学生の揮毫により製作された。

歩道橋名称(宮前インター方から北へ並べる)

  • さいたま工区
  • 上尾工区
    • 堤崎輝きの橋(上尾市立大谷小学校)
    • 地頭方夢の橋(上尾市立大谷小学校)
    • 小敷谷みらい橋(上尾市立平方北小学校)[13]
    • 畔吉ささら橋(上尾市立大石南小学校)[11]
    • 領家かっぱ橋(上尾市立大石南小学校)
  • 桶川工区
    • 松原ハートフル橋(桶川市立川田谷小学校
    • 狐塚こんこん橋(桶川市立川田谷小学校)
    • 前領家にこにこ橋(桶川市立川田谷小学校)[12]
    • 天沼はぐくみ橋(桶川市立川田谷小学校)

また地域分断を避けるため、信号機付きの交差点が300 - 600 mごとに設置されている。

地理[編集]

交差する主な道路・鉄道[編集]

交差する道路の特記がないものは市道・町道。背景色がである部分は完成していない。

交差する道路 交差点名 車線数
(供用/計画)
所在地
Japanese National Route Sign 0017.svg国道17号新大宮バイパス池袋 戸田方面
Japanese National Route Sign 0016.svg国道16号・Japanese National Route Sign 0017.svg国道17号(新大宮バイパス)
春日部方面
国道16号西大宮バイパス 宮前IC 4/4 さいたま市西区
(花の丘通り) 西新井
埼玉県道165号大谷本郷さいたま線 -
埼玉県道165号大谷本郷さいたま線 堤崎 上尾市
埼玉県道51号川越上尾線 壱丁目南
(市民体育館通り) 壱丁目北
埼玉県道323号上尾環状線 小敷谷東
埼玉県道57号さいたま鴻巣線 小敷谷西 2/4
埼玉県道12号川越栗橋線 川田谷(狐塚) 4/4 桶川市
C4 首都圏中央連絡自動車道 桶川北本IC
埼玉県道57号さいたま鴻巣線 - 川田谷(市場) 2/4
埼玉県道33号東松山桶川線 北本市
埼玉県道27号東松山鴻巣線 鴻巣市
埼玉県道365号鎌塚鴻巣線
JR高崎線
Japanese National Route Sign 0017.svg国道17号 箕田
Japanese National Route Sign 0017.svg国道17号(熊谷バイパス高崎 行田方面

沿線の主な施設[編集]

接続するバイパスの位置関係[編集]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 平成21年(2009年5月7日)大宮国道事務所 記者発表資料 (PDF)
  2. ^ 資料1 平成29年度予算に向けた新規事業採択時評価等(有料道路事業)について (PDF)”. 国土交通省道路局 (2016年12月16日). 2017年2月21日閲覧。
  3. ^ 「サービス道路」は、地元への見返りとして先行整備された側道である。ゆるやかな一方通行の蛇行した片側一車線道路で、交通量を抑え、周辺環境を配慮した作りとなっている。国道標識は設置されていない。工事中は一部、本線を暫定使用した区間もある。
  4. ^ 一般国道17号上尾道路(サービス道路)開通について 記者発表資料 (PDF)”. 国土交通省 関東地方整備局 大宮国道事務所. pp. 1-3 (2004年8月17日). 2016年6月16日閲覧。
  5. ^ 圏央道 桶川北本IC〜白岡菖蒲IC間が10月31日(土)15時に開通(第2報)NEXCO東日本 2015年10月19日配信
  6. ^ 国道17号 上尾道路(I期)の江川地区が開通します 〜宮前ICと圏央道(桶川北本IC)が上尾道路によりつながります〜 (PDF)”. 国土交通省関東地方整備局 大宮国道事務所 (2016年4月8日). 2016年4月8日閲覧。
  7. ^ 国道17号上尾道路が通過する湿地エリア(江川地区)の環境保全対策をとりまとめました (PDF)”. 国土交通省 関東地方整備局 大宮国道事務所. pp. 1-4 (2014年6月22日). 2016年6月21日閲覧。
  8. ^ http://prosv.pref.saitama.lg.jp/cgi-bin/scripts/news/news.cgi?mode=ref&yy=2010&mm=10&seq=55
  9. ^ 上尾道路予定地及び沿道の状況 (PDF)”. 国土交通省 関東地方整備局 大宮国道事務所. pp. 5-8. 2016年6月2日閲覧。
  10. ^ 一般国道17号 上尾道路(II期) (PDF)”. 国土交通省 関東地方整備局 大宮国道事務所. pp. 8-12 (2015年5月18日). 2016年6月21日閲覧。
  11. ^ a b 大石南小だより 8・9月号”. 上尾市(上尾市立大石南小学校). p. 2 (2015年8月25日). 2016年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月5日閲覧。
  12. ^ a b c 地域に親しまれる上尾道路を目指して (PDF) - 国土交通省関東地方整備局 大宮国道事務所、2016年4月29日閲覧。
  13. ^ 北小通信 学校便り11月号”. 上尾市(上尾市立平方北小学校). p. 4 (2015年11月4日). 2016年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月5日閲覧。

関連項目[編集]