中卒労働者から始める高校生活

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中卒労働者から始める高校生活
ジャンル ヒューマンドラマ(家族社会問題
学園青春)・恋愛
漫画
作者 佐々木ミノル
出版社 日本文芸社
掲載誌 コミックヘヴン
レーベル ニチブンコミックス
発表号 2号 -
巻数 既刊12巻(2019年5月29日現在)
アニメ
原作 佐々木ミノル
配信サイト アニメBeans
配信期間 2018年11月30日[1] - 2019年1月25日
話数 20
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画・アニメ

中卒労働者から始める高校生活』(ちゅうそつワーカーからはじめるこうこうせいかつ)は佐々木ミノルによる日本漫画作品。『コミックヘヴン』(日本文芸社)にて、2号より連載中。

ここでは、本作のスピンオフ作品である『お嬢さまから始める結婚生活』(おじょうさまからはじめるけっこんせいかつ)についても触れる。

概要[編集]

通信制高等学校に通う生徒たちの人生模様を描いた群像劇

通信制高等学校は特殊な制度の学校であり、「全日制高等学校に進学しなかった者」「全日制高等学校に合格できなかった者」「進学する気はなかったが仕方なく通っている者」「シングルマザー」「リタイア後のシニア」など、様々な生徒が集まる“人種のルツボ”でもある。作中のエピソードは、若いころに実際に通信制高等学校に通った作者[注 1]の実体験がベースとなっている。

なお、作中では触れられていないが、実際は通信制高等学校でも入学試験は課される。ただ、通信制の入学試験は落とすための試験ではなく受け入れるための試験であるため、試験内容は主に教師との面接や作文・軽い筆記テスト程度であり、合格率はかなり高めである[2]

単行本・電子書籍合わせて累計120万部を突破[3]、『次にくるマンガ大賞』「これから売れて欲しいマンガ」部門では第1回・第2回ともベスト10には入らなかったが連続でノミネートされた[4][5]。単行本では、毎巻巻末におまけで真彩を主人公にした『ブラコンの作り方』が掲載されている。

2018年9月27日、アニメ視聴アプリ「アニメBeans」にて配信予定であること、また本作の視聴者参加型オーディションがLINE LIVEで行われることが報じられ[6]、11月27日には、11月30日より配信開始と主要キャストが公表された[1]。11月30日より第1話から第10話の配信を開始、2019年1月25日にかけて20話が配信された(うち第6話以降はポイント課金による有料)。

2019年7月10日より、Webゴラク内の「Webコミックヘヴン」にて、スピンオフ作品『お嬢さまから始める新婚生活』が連載開始[7]

あらすじ[編集]

主人公の片桐真実は、物流会社に勤務する18歳の青年。母親は既に他界し、父親のは事件を起こし服役したため、世間体を気にしてそれまで住んでいた家を離れ、新たに親戚から借りた一軒家で3歳年下の妹・真彩と二人暮らししている[注 2]。亡くなった母親の生命保険金があったため、兄妹二人が暫く暮らしていけるだけの生活費はあるものの、真実は真彩の保護者代わりとして家計を支えるため、中卒後は高等学校へは進学せず就職した。そして働き始めて4年目の春、現場の指揮係を任されるほどになり、「学歴(がく)が無くても俺はやれる」と自信を持っていた真実だったが、社長の友人の息子である梶原優が職場に縁故入社してきたことから人生は変わる。内定していた指揮係への昇格は新入りながら大卒の梶原に任されたため無くなったうえ、梶原からは見下されたことから衝突するようになり、職場に居づらくなってしまう。

妹の真彩は、全日制高等学校の受験に失敗してしまったため、危うく中卒浪人になりかける。そんな折、真彩は中学の担任から通信制高等学校を勧められたことで、東々とうとう第一高等学校の通信制コースに進学する。一方、真実は真彩から「一緒に行こう」と誘われたものの、当初は進学に興味がなく断っていたが、自身を見下していた梶原(を含む差別していた周囲の人々)を見返すため、高卒・大卒の資格を得ようと真彩とともに東々高等学校に入学した。

東々第一高等学校での入学式当日、真実はお金持ちのお嬢様である逢澤莉央と出会う。当初は反発し合っていたが、お互いが相手の"素"の部分に気づいてからは次第に気に掛けるようになり、ある事件をきっかけに、2人は付き合うようになる。

時が過ぎて真実たちは、高校生活2年目を迎えた。春、シングルマザーの斉藤若葉を妊娠させた富田泰平が後輩として東々第一高等学校通信制コースに入学してくるなどのハプニングもあったが、皆それぞれが勉学に励み、学園祭、体育祭や生徒会活動などにも勤しみ、真実と莉央はより仲を深めていったのだった。そして、夏を迎えてから、莉央はファミレスでアルバイトを始めたが、そこに姿を消したはずの父親・真が配達ドライバーとして現れる。まさかの出来事をきっかけに、真実と莉央、二人の関係に微妙に変化が表れるようになる。

作中では、時に莉央が過去を振り返り、心の中で真実に語り掛けるなどの形で物語は進行する。

登場人物[編集]

年齢は、特記が無い限り、基本的に第1話の時点。

主人公とその親族[編集]

片桐 真実(かたぎり まこと)
- 増田俊樹[1]
本作の主人公。11月生まれ[8]の18歳。真彩の兄。職場では倉庫での荷物の仕分け作業[9]を行っている。職場での呼び名は「まこ」。中学時代は成績優秀だったが、母親が他界し、父親は逮捕され服役してしまったことで、家計を助けるため高等学校への進学を断念し、自宅近くの(株)瀬野物流[10]に就職する。職場の同僚達とも上手く付き合い、仕事も出来るが、卑屈で短気かつ粗暴な面があり、職場や学校の同級生らと諍いを起こすこともある。だが、根は優しい性格の持ち主で、他者への思いやり・常識的な感性を失っていないため、自身の心の闇に苦悩している。
就職してからは高等学校に通うつもりはなかったが、職場で大卒の梶原から見下されたあげく差別による職場いじめモラハラ)を受けたことを機に、高卒・大卒の資格を取るため一念発起し、真彩とともに東々第一高等学校の通信制コースに24年度生として入学した。入学式初日に(偶然とは言え)莉央のパンチラを拝んでしまったことで、莉央とは当初激しく反発し合うが、わだかまりが解けたことでお互い付き合うようになる。高等学校では2年目で生徒会総務に選任される。酒も飲める20歳になったが下戸である[11]
幼いころは自転車を修理してくれるなどした父親のことは大好きだった。だが、その父親が逮捕され服役してからは「早く死んでほしい」という願望を持つほど激しく憎んでいる。叔父に父親の近況を問い合わせたときも、父親のことを「あいつ」呼ばわりしたあげく死人扱いしている。莉央には嫌われたくない気持ちもあり、亡くなった母親のことは話しても、父親のことは一切話さず交際を続けてきたが、ついに莉央に父親の存在を知られてしまう。それをきっかけに自分の将来を含む全てに絶望してしまい、莉央には別れ話を切り出すようになったり(別れることは莉央の猛反対もあり思い留まった)、周囲に対して心を閉ざしたようにふさぎ込んでしまう。
片桐 真彩(かたぎり まあや)
声 - 青山吉能[1]
真実の妹。15歳。明るく天真爛漫な性格で、様々な年齢の同級生達ともすぐに仲良くなれるなど社交的なタイプ。極度の天然だが、莉央が(付き合い出す前の)真実を気に掛けていたことや、新が莉央をずっと好きだったことを見抜くなど、鋭い面もある。また、いわゆる「お兄ちゃん子」で、父親が逮捕され服役したことには悲観せず、今の家に引っ越しする際にも真実に明るく語り掛けたり、また自身のために高等学校進学を断念した真実を気遣って一緒に通信制高等学校に通うことを勧めるなど、兄思いな面を見せている。
ただ、兄とは正反対に勉強は大の苦手で、合格するだろうと思われた全日制の高等学校の受験に失敗してしまう。中学校の担任(真彩曰く「エリつぃん」)から通信制のある東々第一高等学校の入学を勧められ、入学することになった。高等学校では2年目で一条新とともに生徒会編集委員になる[12]。普段は通学しない日はアルバイトをしている。
何かと新に気を掛けたりしている。五十嵐遼介から「一条、好きなの?」と聞かれても「わかんない…」と答えるなど自分の気持ちには自覚がないが、初めて名前で呼ばれて嬉しくなるなど態度には表れてきている。
片桐 真(かたぎり しん)
真実・真彩の父親。年齢は不明。実家は時計店だったが、自身に時計を直せるウデはなかったようで、跡は継がなかった[13]。顔の雰囲気は真実に似ており、髭を生やしている。ほぼ無口で、無気力な言動を取る。若い頃は口髭はなかったが他人と目を合わすことができない対人恐怖症で多くの人と関わることが苦手で、また無口というほどではなくとも口下手でありゆっくりと喋っていた。
真実が中学生(真彩が小学生)の時、勤務先での横領が発覚し逮捕・起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受ける。だが、その執行猶予期間中に傷害事件を起こして再び逮捕されたため執行猶予が取り消され、刑務所収監され服役する。本人が語るには、既に2年前(時系列から見て真実が17歳、真彩が14歳のとき)には出所してしたが、出所後も子供たちの前には姿を現さず音信不通となっていた(義兄に言われるまで忘れていた)。出所後はアパートで一人暮らしをしているが、室内はゴミ屋敷同然となっている。
真実からは「息子である自分(および母・妹)の人生を狂わせた張本人」「早く死んでほしい人間」として激しく憎まれている。真実と真彩が高校生活1年目の冬、突然真実の職場を訪れ息子の前に現れたが、真実からは死人扱い・吐瀉するほど激しく拒絶され、真実の職場の社長からも「今まで何してたんだ」と強い口調で諭された上に殴られたことで、再び姿を消す。後に運送会社に就職したためドライバーとなり、莉央や中島あかり岬太一がバイトするファミレスにも配達で顔を出すようになり、莉央とも会話を交わすようになる。だが、真実・莉央とファミレスで対面した際には、真実からは「犯罪者」と罵声を浴びせられてしまう。
その後、子供たちに宛てて手紙を出す。真彩はそれを読んで強く父親に会いたいと願うようになるが、真実が猛反対したため暫く叶わなかったものの、真実が周囲の意見を聞いて態度を軟化したことで、特に真彩とは5年ぶりに再会を果たす[14]
真実・真彩の母親
名前は不明。既に故人で、真実・真彩の回想の中のみで登場する。真実が小学5年生・真彩が小学2年生のころはまだ存命であり[13]、そのあと病没。
真実・真彩の叔父
名前は不明。真の義兄であり、片桐一家とは直接の血縁関係はないものの、母親が亡くなり父親との接触を断っている真実・真彩の保護者代わりとなっているほか、真の出所後は知人の運送会社を紹介し就職する際に保証人となるなど、片桐一家全員の面倒を見続けている。

東々第一高等学校関係者[編集]

逢澤 莉央(おうさわ りお)
声 - 山田麻莉奈[1]
真実・真彩が通う東々第一高等学校通信制コースの同級生で、富豪の令嬢。10月生まれ[8]で、真彩・新・遼介らと同じく15歳[15]。高校では2年目で生徒会生活委員となる[12]
小学生のころは非常に明るく冗談が大好きで、学校でも男子と相撲を取って投げ飛ばすほどであった(高校生になった今でも、口には出さないが力が強いことは自覚している[16])。ただ、家庭教師として現れた従兄のタクヤによるトラウマで次第に無口となり性格も暗くなっていったことで、級友も距離を置き始める。
タクヤから性的虐待を受け続けていたが、心の中では誰か助けてほしいと願いつつも口に出さぬまま殻にこもるようになり、そのまま中学校卒業を迎える。高等学校進学を控えて、終いには(事情を知らなかったとは言え)タクヤと仲良くするよう強要するなど何も分かってくれない母親に反発し、「(母親が進学を希望する)高等学校には行かない」と言い出してしまう。困りかねた父親から、せめて高卒の資格だけは取るよう諭されたため、東々第一高等学校の通信制コースに進学することを決意する。
入学当初は感情を押し殺して対外的にはクールに振る舞っていたが、実は可愛いもの好きで、若葉の娘ひなぎくを見て内心ときめいていた。真実とは、東々第一高等学校での出会いの後、入学式で席が隣同士となったこともあり互いに嫌味を言い合い、衝突する。ただ、入学式のあと遼介らに絡まれていた真彩を体を張ってまでして守った真実の姿を見て心を動かされ、真実に対して、自分も助けてもらいたいと内心思うようになる。そして、夏休み中に自宅でタクヤと勉強していた最中、危うくタクヤに強姦されそうになったところで真実に助けられたことをきっかけに、一度は断った真実からの交際の申し込みを受け入れ、真実と付き合うようになる。その後、タクヤとの仲は良好になっている。一方、若葉も真実のことが好きであることを知っており、内心では若葉を警戒している。
タクヤから性的虐待を受けていたことで男性恐怖症にも陥っており、身内や昔から傍にいた新以外の男性は受け付けず、真実にも当初は触れることさえもできなかったが、付き合いを続けてその後は真実とはキスもするようになった。そして2年生の夏に生徒会の合宿交歓会に参加した時、「真実や真彩らは普段何かしら仕事をしているのに自分は何もしていない」とふと考え出したことをきっかけに、池衣駅前のファミレスにあったアルバイト募集の貼り紙を見て、そこでアルバイトを始めることを決意する。だが、そのアルバイト先に配達しに現れるドライバーこそが真実らの父親である真であり、その存在を初めて知ることとなる。その後、真実から別れ話を切り出されるも、激しく拒絶する。
一条 新(いちじょう あらた)
声 - 伊東健人[1]
莉央と行動を共にしている男子生徒。真実の発言[17]から、真彩・莉央・遼介らと同い年の15歳。常に感情を押し殺しており、明るく笑っている姿は見せたことはなかったが、後に微笑んだ姿も見せるようになった[18]
両親は幼いころに離婚。ギャンブル好きで働かない父親に愛想を尽かして家を出た母親について行き、小学生のころから母親とともに莉央の自宅で暮らしている。母親は今も莉央の家で住み込みで家政婦として働いている。
口や態度には出さないが、内心は莉央のことを強く想っており、莉央の性格が暗くなっていったのはタクヤに原因があることを薄々感じ取っていた。また、莉央が通信制高等学校に通うことを決めた際には、その姿を見て自分も同じく通信制高等学校に通うことを決意する。高等学校では2年目で真彩とともに生徒会編集委員になる[12]
真実のことは当初から快くは思っておらず、年上なのに真実にタメ口で話しぶつかり合っていたが、「莉央にとって、今の自分に本当に必要な人は真実」だと気付いてからは一歩引いた立場におり、真実ともぶつからない程度で接している。
斉藤 若葉(さいとう わかば)
声 - 折井あゆみ[1]
真実らと同級生。20歳のシングルマザー[注 3]。きょうだいは兄と弟がいる[19]
普段はSEIBOデパートの売り場で店員のアルバイト(準社員)をしている。大口のお得意様がおり、営業成績は良い。本人は社員登用を希望しているが、高卒資格を取ることが社員登用の条件であるため、東々第一高等学校通信制コースに入学した。
元は東々第一高等学校とは別の全日制の高等学校に通っていたが、1年生の夏に泰平と情に流され一夜限りの肉体関係を持ったときに妊娠してしまう。泰平とは交際していたわけではなかったが、聴いていた音楽などを接点に親しい間柄となる。だが、泰平と当時付き合っていた彼女やその同級生らから別れるよう忠告されていたのに妊娠してしまったことで負い目を感じてしまい、両親や周囲の反対を押し切って高等学校を中退、そして自ら泰平の元から離れてしまった。ひなぎくを出産してから1年間は親戚の家に居候したが、その後は駅から離れた安アパートの2階でひなぎくと二人で暮らしている。実際は、父親や兄に時々ひなぎくの保育園への送迎を頼むこともあるなど身内と絶縁したわけではないのだが、妊娠が分かったときに「シングルマザー(が身内にいること)なんて恥ずかしい」と言った母親(声 - 木間萌[1])だけは許せず「一人で産む」と意地になり、その母親が身を案じて電話を掛けてきた際にも「誰とも関わらないようにしてやってる」と反抗的な態度を取るなど今も強いわだかまりがある。
何かと世話を焼く真実に好意を抱くようになり、キスをしたり、娘を職場の同僚に預けてまで映画館デートに誘ったりした。しかし、そのデートのあと勇気を出して告白しようとした寸前で、真実からは「ごめんな」と言われてしまう。真実が莉央と付き合い出してからは一歩引いた立場にいるが、それでも二人だけの時に真実とキスしたい衝動にかられたこともあるなど内心諦めきれていない面もある。
斉藤 ひなぎく(さいとう ひなぎく)
声 - 射場美波[1]
若葉の娘。4歳。父親は泰平で、泰平に対しては、実の父親だと分かった上でかは不明だが『あだ名』で「パパ」と呼んでいる。
母親である若葉が一人で頑張っている姿を常に見ているので、幼いながらも自分(および学校に居ついている野良犬)で弁当を買いに行くなど、とてもしっかりした面を見せる。
松井 善治(まつい ぜんじ)[注 4]
声 - 佐治和也[1]
真実らと同級生。76歳の男性。中学生の孫娘がいる。莉央と口喧嘩して気まずくなった真実や、真彩になかなか振り向いてもらえない遼介に対し、人生経験豊富な立場から優しくアドバイスする、良き仲間でもある。東々第一高等学校では2年目に生徒会長となる。
五十嵐 遼介(いがらし りょうすけ)
声 - 土田玲央[1]
入学式終了後、真彩に絡んできた男子生徒3人組の中の1人[注 5]。具体的な年齢に関する描写はないが、作中の描写から真彩・莉央・新らと同じく15歳。姉がいる[19]
未成年ながら喫煙する不良だが、根っからの不良というわけでなく、元はいじめられっ子の少年だった。小学生のころにいじめられっ子の味方をしたことで逆に自身もいじめられた経験から、「長いものに巻かれろ」な流れで悪友との付き合いから不良になってしまった。そして他の不良仲間について行く形で東々第一高等学校通信制コースに入学しただけであったので、当初は自身もいつ退学してもいいという感覚で通学していた。年上の松井に対しても、初めは鞄を持たせたりテストで代筆させるなど、パシリで使わせていた。
真彩に松井をパシリさせているところを咎められたことなどで、それからは真面目に授業を受けるようになる。次第にそんな真彩に好意を寄せるようになるが、真彩は気にも留めていない。
鈴本 健太(すずもと けんた)
真実や莉央らが住む、小泉支部に属する街の生徒たちを纏めるクラスメイト。真実らより1年早く入学した23年度生であり、先輩にあたる。東々第一高等学校では3年目に生徒会副会長になった。
皆からは「支部長」や「副会長」と呼ばれているが、初めて名前が分かったのは真実らが通学2年目の運動会[20]。年齢は20歳代後半(30手前)[21]。真実に対しては「片桐兄」、真彩に対しては「片桐妹」と呼んで区別している。
賃貸マンションで独り暮らしだが、部屋数が幾つかあるそこそこ広い物件に住んでいる。普段は会社員をしている。
とても明るい性格で、小泉地区の支部長として勉強会を取りまとめたりするなどリーダーシップを発揮している。だが、女性関係の話になると急にテンションが下がり暗くなる[注 6]
富田 泰平(とみた たいへい)
ひなぎくの父親であり、若葉を妊娠させた張本人。真実や若葉らから1年遅れて、東々第一高等学校の通信制コースに入学した25年度生。初登場時23歳。腹違いの弟・優平がいる。若葉の兄とは同級生で面識がある。喫煙者。年下だが先輩となる真実に対しては、一応は敬語を使うものの、「パイセン、しくよろ」と呼ぶなど軽い面がある。
元は若葉と同じ全日制の高等学校に通っており、若葉とはそこで知り合ったが、その時若葉が1年生で泰平が3年生だった。高校生のころには既に親元を離れて一人暮らしをしており、また病気の父親の医療費を稼ぐためあまり登校せずアルバイトばかりしていた。そして当時付き合っていた同級生の彼女に食事や部屋の掃除など身の回りの世話をしてもらっていたのだが、実際は一方的に惚れた彼女による押しかけ女房のような状態だったため彼女のことは本気で好きになっておらず、ふとしたきっかけで若葉とも深い仲になってしまう。そしてある夏の日の夜、若葉とは一度きりの肉体関係を持つが、その時妊娠させてしまったことをきっかけに、付き合っていた同級生の彼女にも別れ話を切り出して別れ、自身も若葉の後を追うようにその直後に高等学校を中退した。それからは、仕事をしつつ姿を消した若葉に会おうと若葉の兄に何回も接触を試みるが、その都度断られる。ただ、若葉が通信制高等学校に通っていることを若葉の兄がうっかり口にしてしまったことで、自身も通信制高等学校に進学することを決意する。そして、若葉が東々第一高等学校に入学した1年後、入学式の会場で、長らく音信不通となっていた若葉(とひなぎく)と偶然に再会することになる。その後若葉とは話し合いを持つことはできたが、ヨリを戻すことは断られている。

瀬野物流関係者[編集]

社長
声 - 土田玲央
本名不明。白髪の年配の男性。真実にとっては実の父親のような存在で、真に対しても、事前に連絡もなくいきなり職場にいる息子の前に現れた際に直接殴って諭した。
真実の家庭事情を理解した上で彼を採用した。仕事に対しても口調も厳しいが、真実のことは「まこ」と呼ぶなど可愛がっている。そして真実のことを認めているからこそ、真実が逮捕された時も解雇はせず、また「自分テメエ自分テメエを決めつけている」などと厳しい口調ながらも真実にアドバイスを送る。そしてその言葉は、真が目の前に現れてからの真実にとって、とても重たい言葉となっている。終いには、父親のことで仕事にまで影響が出ただけでなくヤケ気味となっていた真実を見かねて、直接手を出してしまう(但しそのあとのフォローもしっかりと行っている)。
梶原 優(かじわら[22] まさる)
声 - 工藤遼大[1]
真実が勤め出してから4年目の春に入社してきた大卒社員。社長の知り合いの息子。
大卒、縁故ということもあり、入社早々いきなり現場の指揮係となる。そのため、中卒の真実には初対面でタメ口を話すほど見下したあげく職場いじめ(モラハラ)を受けさせていた。父親と社長が知り合いというだけでコネで入社し、腰掛けのつもりでいた[9]ため、仕事に対して真摯に取り組む姿勢が見えない。すぐに辞めるだろうと思っていた社長の思惑通り、半年も経たずに退職した。

その他[編集]

中島 あかり(なかじま あかり)
18歳の女子大生。真実の中学校での同級生。
中学生のころは眼鏡・おかっぱ頭で地味な恰好、引っ込み思案な性格のため、友達がいなかった。でも、真実だけは優しく接してくれたことで、そのことに恩義を感じて真実に強い好意を抱いている。
後に父親が逮捕され急に引っ越してしまい音信不通となった真実を追いかけ続け、手がかりがなく3年が経過した後、ようやく真実が東々第一高等学校通信制コースに通学していることを掴む。真実の周りで、最初から真が受刑者であったことを知る数少ない人物。しかし、本人はそのことは全く気にしておらず、むしろ真実の身を案じていた。
真実が莉央と交際していることを知ってショックを受けるが、それでも何とか振り向いてもらおうと真実とLINEのアドレスを交換しメールを送るなど、彼へのアプローチを続けている。
莉央が申し込んだ、池衣駅前のファミレス「Donny's」でアルバイトをしている。先輩面して莉央には厳しく接するが、そういう自分も店長からケアレスミスを咎められている。
岸 タクヤ(きし タクヤ)
莉央の従兄。大学生。
家族(主に母親・冴子)に抑圧されて育った人物で、学業は優秀だが、ネガティブ思考・歪んだ性格の持ち主。莉央の家庭教師でもあるが、その立場を利用して、また莉央が無抵抗なのをいいことに、莉央の部屋で二人きりで勉強を教えながら、莉央の体を触るという性的虐待を行っていた。
冴子の勧めで夏休み中に百貨店で販売のアルバイトをするも、客への対応の悪さを上司から叱責され、しかも同僚から「見た目が性犯罪者のよう」と陰口を叩かれる。莉央との勉強中にそれを思い出したことで抑圧された怒りの感情・欲情が爆発、莉央を強姦する寸前までいってしまう。しかし、莉央の家を訪れていた真実にその現場を目撃されたことで、制裁を受ける[注 7]
真実から制裁を食らった後、警察に事情聴取のため任意同行された際も反発するなど、莉央に性的虐待を加えていたことに対しては反省の態度は見られなかったため、任意同行される直前に莉央にも制裁を食らった。後日、冴子とともに莉央の両親に謝罪に訪れた際も、正座はしていたが反省した態度は見せず、下を見つめたまま無言かつ不動のままであった。
岸 冴子(きし さえこ)
莉央の伯母(莉央の父親の姉)[注 8]。タクヤの母親。
タクヤが莉央を性的虐待していたことが発覚するまでは、莉央の母親とはとても仲が良かった。そのため、莉央の母親は莉央に対して平手打ちまでしてタクヤと仲良くするよう強要した。また、自身の教育がタクヤに悪影響をおよぼしたことにも気付いていない。
岬 太一(みさき たいち)
莉央、あかりと同じく、池衣駅前のファミレス「Donny's」でウェイターのアルバイトをしている男子大学生。母子家庭なうえに年の離れた弟と妹がおり、奨学生でもあるため生活費を稼ぐため合わせて3つのアルバイトを掛け持ちしているが、本人は至って明るくポジティブである。
アルバイトを始めた当初ミスを連発する莉央に対し、指導係のあかりは(過去のいきさつもあり)厳しく接する一方で、気に入ってやさしく励まして親切にアドバイスしたことで、莉央は少し心を動かされた。だが、実はあかりに好意を寄せている。

作中で登場する地名・施設[編集]

東々第一高等学校
真実・真彩・莉央・新・若葉・遼介などが通う高等学校。全日制だが通信制コースもある。通信制コースの生徒は基本的に通学の必要はなくレポート提出(郵送ないし持参)だが、通学しての授業(スクーリング)[注 9]もあり、授業は全日制コースの教室を使用して行っている。また、通信制コースの生徒には制服の着用義務はないため真実や若葉らは私服で通学しているが、真彩・莉央・新・遼介は制服で通学している。通信制コースでも全日制コース同様に期末考査・文化祭・体育祭・生徒会活動などがあり、また毎年夏には山能市の山能高等学校通信制コースの生徒会との合宿交歓会も行っている。
小泉支部
登場人物らの住むエリアを指して、東々第一高等学校では小泉支部と呼ぶ。真実・真彩・莉央・新らの自宅はここにある。作中で登場する鉄道にも『小泉駅』があり、この支部を代表する生徒(支部長)が鈴本健太。支部単位で、期末考査など試験前には入学年度は関係なく皆で集まって勉強会を開いたり、皆でプールに行ったり学園祭では演劇を披露したり飲食(小泉支部は豚汁)を提供したりするなど、結束力がある。
瀬野物流
真実の勤務先。東々第一高等学校における小泉支部に属するエリアにある。真実はここの倉庫で仕分け作業を行っている。社員の会話から、梶原のように大卒で就職してくる者は珍しい模様。
SEIBOデパート
若葉のアルバイト先。百貨店クラスの規模。
Donny's
莉央・あかり・岬がアルバイトしている、池衣駅前のファミリーレストラン。偶然にも、運送会社のドライバーとなった真も店に配達に伺っていたことで、莉央もその存在を知ることとなる。

お嬢さまから始める結婚生活[編集]

スピンオフ作品。

通信制高等学校で出逢った真実と莉央、二人はのち結婚し、夫婦となる。複雑な家庭環境のもと育った真実と、実家が資産家で裕福な家庭に育った莉央。生まれも育ちも違うし、嗜好も違う…そんな二人の結婚生活が描かれる。

書誌情報[編集]

  • 佐々木ミノル 『中卒労働者から始める高校生活』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、既刊12巻(2019年5月29日現在)
    1. 2013年5月29日発売、ISBN 978-4-537-13039-3
    2. 2014年1月29日発売、ISBN 978-4-537-13133-8
    3. 2014年9月29日発売、ISBN 978-4-537-13203-8
    4. 2015年5月29日発売、ISBN 978-4-537-13295-3
    5. 2015年11月28日発売、ISBN 978-4-537-13371-4
    6. 2016年5月28日発売、ISBN 978-4-537-13449-0
    7. 2016年11月28日発売、ISBN 978-4-537-13514-5
    8. 2017年5月29日発売、ISBN 978-4-537-13589-3
    9. 2017年11月29日発売、ISBN 978-4-537-13660-9
    10. 2018年5月28日発売、ISBN 978-4-537-13753-8
    11. 2018年11月29日発売、ISBN 978-4-537-13850-4
    12. 2019年5月29日発売、ISBN 978-4-537-13930-3

Webアニメ[編集]

アニメ視聴アプリ「アニメBeans」にて、2018年11月30日より配信開始[1]。これに合わせて本作の視聴者参加型オーディションがLINE LIVEで行われ[6]、主要キャストが決定したほか、得票数の多かった射場美波、工藤遼大、木間萌らの出演も決定した[1]

2018年11月30日に第1話から第10話までが配信され、以降は12月28日より2019年1月25日まで毎週金曜日に2話ずつ、合わせて20話が配信された。なお、第1話から第5話までは無料で視聴が可能だが、第6話以降は有料(ポイント制)となっている。

スタッフ[編集]

  • 原作 - 佐々木ミノル
  • 絵コンテ・演出 - 肉風
  • キャラクターデザイン - 春松
  • 撮影 - 高橋哲也
  • 録音調整 - 森田祐一
  • 編集 - 窪田工房
  • 動画、仕上げ - ロケットビジョン
  • 音響監督 - 佐藤当史
  • プロデューサー - 大久保圭
  • 制作 - TEAM meat gangster
  • 製作 - アニメビーンズ

各話リスト[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 女性。本名は非公開。既婚(作者本人のツイッターより)。
  2. ^ 親戚は住まいを提供してくれたが、「犯罪者の家族との同居は嫌」という理由で同居は拒まれたため、兄妹二人だけで生活している。
  3. ^ 戸籍上の結婚歴はない。
  4. ^ 単行本第3巻p.88で描かれている名札には『松井善』とある。
  5. ^ 五十嵐が後に語ったところによると、この時必要以上に絡んだのは他の男子生徒2人だったが、この2人は授業についていけず、入学早々に退学した。
  6. ^ 広い物件に一人で住んでいることに関係がある模様。
  7. ^ 真実は止めに入ろうとスマホを莉央の部屋の窓に投げつけガラスを割って窓越しに部屋へ侵入、タクヤに制裁(暴行)を食らわしたことで、警察に逮捕された。
  8. ^ 莉央の母親が「義姉さん」と呼んでいる。
  9. ^ 東々第一高等学校では通信制コースの授業は主に日曜日に行われているが、泰平は水曜日の授業の方に出席している。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 青春ラブコメ「中卒労働者から始める高校生活」タテアニメ化! 増田俊樹、青山吉能らが出演”. アニメ!アニメ!. iid (2018年11月27日). 2019年1月25日閲覧。
  2. ^ 通信制高校の入学試験はどんな試験?面接の内容や合格率は?”. 通信制高校の学校生活は? 卒業生が解説するブログ (2018年12月1日). 2018年12月25日閲覧。
  3. ^ 単行本第12巻帯
  4. ^ ダ・ヴィンチとniconicoが創設した新たなマンガ賞 「次にくるマンガ大賞」 -これから売れてほしいマンガ部門- ノミネート作品 (2015年8月7日閲覧)
  5. ^ 第2回 次にくるマンガ大賞 -コミックス部門- ノミネート作品 (2016年2月7日閲覧)
  6. ^ a b “中卒労働者から始める高校生活:「アニメビーンズ」でアニメ化 声優オーディションも”. まんたんウェブ. (2018年9月27日). https://mantan-web.jp/article/20180927dog00m200002000c.html 2018年9月27日閲覧。 
  7. ^ “「中卒労働者から始める高校生活」結婚した真実と莉央を描くスピンオフ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年7月10日). https://natalie.mu/comic/news/339235 2019年7月11日閲覧。 
  8. ^ a b 単行本第10巻p.99
  9. ^ a b 単行本第3巻p.22-23、社長の発言
  10. ^ 単行本第5巻p.111
  11. ^ 単行本第12巻、p.103
  12. ^ a b c 単行本第8巻p.75
  13. ^ a b 単行本第11巻第37話
  14. ^ 単行本第12巻、第40話「再会」
  15. ^ 単行本第9巻p.13(このときは16歳)
  16. ^ 単行本第10巻p.58
  17. ^ 単行本第2巻p.66
  18. ^ 単行本第8巻p.123
  19. ^ a b 単行本第6巻p.143
  20. ^ 単行本第10巻p.64
  21. ^ 単行本第8巻p.108
  22. ^ アニメ第4話