中国大使館都内一等地買収問題

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東京都港区

中国大使館都内一等地買収問題(ちゅうごくたいしかんとないいっとうちばいしゅうもんだい)とは、2011年平成23年)4月26日中華人民共和国政府が東京都港区南麻布地図)に国家公務員共済組合連合会が所有する5,677平方メートルの敷地を一般競争入札で落札したことに端を発した、一連の問題のこと[1][2][3]

現在、新潟市新潟中国総領事館の万代小学校跡地移転問題名古屋市名古屋中国総領事館の国家公務員宿舎跡地移転問題が同様に起きており[4]、これらの動きへの懸念・反発の声が出ている[4][5][6][7]

経過[編集]

2008年(平成20年)
  • 中国政府が大使館員の住宅用地として、中国大使館別館(地図)に隣接する当該敷地を取得したい旨を日本政府に打診する[8]
2011年(平成23年)

中国政府の主張と日本側の反応[編集]

中国政府は外務省に対し、老朽化して手狭になった中国大使公邸などの建設用地として取得すると説明している[3]

5月17日財務省は中国政府が用途を変更したとしても日本政府が検証することが出来ないことを日本の領土を守るため行動する議員連盟の緊急総会の場で表明した[9]

関係法令[編集]

外国政府に対する土地売却については、外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令によって、財務大臣の許可を得なければならないと定められている[12]。一方で、1952年(昭和27年)の大蔵省告示により中国は当該指定対象から外されている[12]

中国政府が2010年に施行した国防動員法在日中国人にも適用されることにつき、自民党衆議院議員・浜田和幸から中国政府による日本国内主要都市の用地買収問題について認識を問われた防衛大臣北澤俊美戦中の日本にも同様の法律があったので問題視しない旨の答弁を行っている[2]

批判[編集]

民主党衆議院議員・松原仁は、在中国日本大使館が中国国内の土地取得を認められていないことから相互主義になっていないと批判している[9]。また、自民党衆議院議員・新藤義孝は、中国が取得した土地の使途を日本側がチェックできないことはおかしいのではないかと疑問を呈している[9]

自民党の小野寺五典議員は、「日本側は都心の一等地をどんどん買われ、中国の日本大使館は借用ということであれば、いったい相互主義といえるのか。これは多くの日本人が感じる疑問であります」と衆議院外務委員会で指摘している[13]

櫻井よしこは、日本の在中国公館がすべて賃貸であるのに対して、中国公館は住民の強い反対運動で売却が阻止された新潟と名古屋を除いて土地も建物もすべて中国が取得しており、中国が取得した土地は固定資産税が無税とされていることから、相互主義とは名ばかりのものであり、実態は片務主義であると非難している[13]

日本国内の中国公館[編集]

名称 住所 管轄区域 土地の
保有形態
敷地面積
中国大使館 東京都港区元麻布3-4-33(地図 日本国(総領事館管轄区域以外) 所有 3333坪(11,000m2
駐大阪総領事館 大阪府大阪市西区靱本町3-9-2(地図 大阪府、京都府兵庫県奈良県和歌山県
滋賀県愛媛県高知県徳島県香川県
広島県島根県岡山県鳥取県
所有 364坪(1,200m2
(事務棟91坪、別館121坪、公邸・官舎152坪)
駐福岡総領事館 福岡県福岡市中央区地行浜1-3-3(地図 福岡県、山口県佐賀県大分県
熊本県鹿児島県宮崎県沖縄県
所有 1,515坪(5,000m2
駐札幌総領事館 北海道札幌市中央区南13条西23-5-1(地図 北海道、青森県秋田県岩手県 所有 1,515坪(5,000m2
駐長崎総領事館 長崎県長崎市橋口町10-35(地図 長崎県 所有 1,000坪(3,300m2
駐名古屋総領事館 愛知県名古屋市東区東桜2-8-37(地図 愛知県、岐阜県福井県
富山県石川県三重県
賃貸
駐新潟総領事館 新潟県新潟市中央区西大畑町5220-18(地図 新潟県、宮城県山形県福島県 賃貸

中国国内の日本公館[編集]

名称 住所 管轄区域 土地の
保有形態
敷地面積
日本大使館 北京市朝陽区建国門外日壇路7号 中華人民共和国(総領事館管轄区域以外) 賃貸
在重慶総領事館 重慶市渝中区鄒容路68号大都会商廈37F 重慶市四川省雲南省貴州省 賃貸
在広州総領事館 広州市環市東路368号花園大厦 広東省広西壮族自治区福建省海南省 賃貸
在上海総領事館 上海市万山路8号 上海市江蘇省浙江省安徽省 賃貸
在瀋陽総領事館 遼寧省瀋陽市和平区十四緯路50号 遼寧省吉林省黒龍江省 賃貸
在青島総領事館 青島市香港中路59号 青島国際金融中心45階 山東省 賃貸
在香港総領事館 香港中環康楽廣場8號交易廣場第一座46樓及47樓 香港特別行政区マカオ特別行政区 賃貸

脚注[編集]

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  1. ^ a b 浜田和幸 (2011年5月2日). “震災の陰で土地を買い漁る中国”. 浜田和幸. 2011年5月閲覧。
  2. ^ a b 【浜田和幸】中国大使館による都内土地買収問題[桜H23/5/16]”. 日本文化チャンネル桜 (2011年5月16日). 2011年5月閲覧。
  3. ^ a b c d 中国、都心の一等地落札 外相「適法」と容認”. 産経新聞 (2011年5月14日). 2011年5月閲覧。
  4. ^ a b 櫻井よしこ (2010年12月16日). “「今度は国有地、名古屋に中国の魔手」”. 週刊新潮』 2010年12月16日号. 櫻井よしこ. 2011年5月閲覧。
  5. ^ 櫻井よしこ (2010年11月11日). “「中国の狙う新潟での大中華街構想」”. 『週刊新潮』 2010年11月11日号. 櫻井よしこ. 2011年5月閲覧。
  6. ^ 【魔都見聞録】対馬を狙うのは韓国のみに非ず!(桜H22/10/25)”. 日本文化チャンネル桜 (2010年10月25日). 2011年5月閲覧。
  7. ^ 【梅原克彦&三井田孝欧】新潟中華街構想の行方 Part2(桜H22/11/2)”. 日本文化チャンネル桜 (2010年11月1日). 2010年12月17日閲覧。
  8. ^ 浜田和幸 (2011年5月17日). “外交防衛委員会での質疑”. 浜田和幸. 2011年5月閲覧。
  9. ^ a b c d e f g 中国大使館が都心一等地取得、規制求める声続出”. 産経新聞 (2011年5月17日). 2011年5月閲覧。
  10. ^ 中国が港区の一等地を落札 60億円で購入の狙いは何か”. J-CASTニュース (2011年5月8日). 2011年5月閲覧。
  11. ^ 【浜田和幸】5.16参院行政監視委員会、中国大使館土地買収問題[桜H23/5/17]”. 日本文化チャンネル桜 (2011年5月17日). 2011年5月閲覧。
  12. ^ a b 浜田和幸 (2011年5月13日). “中国大使館が都心一等地取得、規制求める声続出”. 浜田和幸. 2011年5月閲覧。 [信頼性要検証]
  13. ^ a b 櫻井よしこ (2011年5月28日). “「相互主義が成り立たない中国に国土を買われるままにしておくのか」”. 週刊新潮』 2011年5月28日号. 櫻井よしこ. 2011年6月閲覧。

関連項目[編集]