九品仏川

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九品仏川緑道の一部、自由が丘駅付近。

九品仏川(くほんぶつがわ)は、東京都を流れる二級河川。延長は2.61km[1]で、呑川水系の支流であり[2]玉川上水の品川分水の1つ[1]。現在は下水道幹線である[3]

地理[編集]

世田谷区奥沢浄真寺 (九品仏)付近を水源として、東急東横線自由が丘駅南口付近を通る。付近はマリクレール通りと称される商店街になっており、春には並木に花見客が賑わう。その後、住宅地を進み、東急大井町線緑が丘駅大岡山駅の中間付近(東京工業大学付近)で呑川に合流する。

九品仏川は全川が暗渠になっていて、緑道が設置されている(後述九品仏川緑道を参照)[4]。なお、九品仏川の上流部は、地形などから判断して、逆川を介し、谷沢川とつながっていたと推測されている(谷沢川の項目参照)が、分離の原因については諸説あるものの「決定的な実証に欠けるのは否めない」ともされる[5]

事故[編集]

呑川へ合流する旧河道はゆっくりと傾斜した谷底平野であり、泥炭を基層にもつ湿地がかつては水田として利用されていた。1960年 (昭和35年)、駅前の建設工事に伴う地下水の汲み上げにより、現場から 40m - 50m ほど離れた商店街の家々約30軒が不同沈下のため傾斜するという被害が出た。これらの家々は、かつて水田だったこの泥炭層を跨いで建っていた。原因は、工事での地下水汲み上げにより地下水面が地表下50cmから2mまで低下して泥炭層が収縮し、武蔵野台と九品仏川谷の境界付近の泥炭層を跨いだ土地が不同沈下を起こして傾斜したためと判明した。泥炭層上や武蔵野台地上の建物は不同沈下とならず被害はなかった。この事故では原因が特定できたため、工事を発注した銀行側から補償が行われた。[6]

九品仏川緑道の一部、正面建物はトレインチ

九品仏川緑道[編集]

九品仏川緑道1974年に九品仏川を暗渠化してつくられた、道幅約13メートル、長さ約1657メートルの緑道である[4] [7] 。 マリクレール通りとは一部で並行して走る [8]

中央の緑地帯と両側には衣料品店などが立ち並ぶ、この地区では唯一の「大規模な遊歩道」で、車両の通行は少なく歩行者の多い散策向けの街路である[4]が、「放置自転車の問題が深刻」という指摘もある[9]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 渡部 1989, p. 87
  2. ^ 別紙 (PDF)”. 世田谷区. 2013年4月14日閲覧。
  3. ^ 河川の整備”. 東京都建設局. 2014年5月18日閲覧。
  4. ^ a b c 小林 2004, p. 8
  5. ^ 河川環境管理財団 (1986), “2.3 谷沢川の付替え”, 多摩川誌 (財団法人河川環境管理財団), http://www.keihin.ktr.mlit.go.jp/tama/04siraberu/tama_tosyo/tamagawashi/parts/text/032230.htm 
  6. ^ 貝塚爽平 『東京の自然史』 講談社学術文庫、2011年、97-99頁。ISBN 978-4-06-292082-7。
  7. ^ 自由が丘・田園調布”. 三菱UFJ不動産販売. 2013年4月15日閲覧。 “1974(昭和49)年に九品仏川にふたがけしてできた緑道”
  8. ^ 自由が丘駅周辺地区:地区及び経路図 (PDF)”. 目黒区. 2013年4月15日閲覧。
  9. ^ 小林 2004, p. 12

参考文献[編集]

参考サイト[編集]

  • 多摩川誌”. 財団法人河川環境管理財団. 2013年4月14日閲覧。

関連項目[編集]