九州新幹線
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![]() 「つばめ」「さくら」に使用される800系 | |||
基本情報 | |||
国 |
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所在地 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県 | ||
種類 | 高速鉄道(新幹線) | ||
起点 |
博多駅(鹿児島ルート) 武雄温泉駅(西九州ルート) | ||
終点 |
鹿児島中央駅(鹿児島ルート) 長崎駅(西九州ルート) | ||
駅数 |
12駅(鹿児島ルート) 5駅(西九州ルート・新線部分のみ) | ||
開業 |
2004年3月13日(鹿児島ルート) 2022年度(西九州ルート) | ||
全通 | 2011年3月12日(鹿児島ルート) | ||
所有者 | 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | ||
運営者 | 九州旅客鉄道(JR九州) | ||
使用車両 | 800系, N700系 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 |
鹿児島ルート:256.8 km 西九州ルート:66.0 km(新線部分のみ) | ||
営業キロ | 288.9 km(鹿児島ルート) | ||
軌間 | 1,435 mm | ||
電化方式 |
交流25,000 V・60Hz 架空電車線方式 | ||
最小曲線半径 | 4,000 m | ||
最高速度 | 260 km/h | ||
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九州新幹線(きゅうしゅうしんかんせん)は、整備新幹線計画の一つで、九州旅客鉄道(JR九州)の高速鉄道路線(新幹線)およびその列車である。鹿児島ルート(博多 - 鹿児島中央間)と西九州ルート(長崎ルート、博多 - 新鳥栖 - 長崎間)がある。鹿児島ルートは全線が開業しており、営業路線名として[1]や旅客案内上は単に「九州新幹線」と呼ばれる。
鹿児島ルートは、全区間を独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧日本鉄道建設公団)が建設し、JR九州がこれを借り受けて運営している。西九州ルートについても今のところ同方式が予定されている。
鹿児島ルート[編集]
鹿児島ルートは、博多 - 鹿児島中央間を結ぶ、新幹線規格(フル規格)の路線である。2004年に新八代 - 鹿児島中央間が開業しており、2011年3月12日には博多までの全線が開業した[2][3]。2021年3月12日には鹿児島ルートの全線開業10周年を迎える。
800系を使用した九州新幹線内の「つばめ」「さくら」のほか、新たに導入されたN700系7000・8000番台による「さくら」「みずほ」が山陽新幹線経由で新大阪駅まで乗り入れている[4]。
2019年3月16日改正時点では、「みずほ」は新大阪 - 鹿児島中央間を最速3時間41分、新大阪 - 熊本間を最速2時間57分で運転している。博多 - 熊本間は最速32分、博多 - 鹿児島中央間は最速で1時間16分である。
開業以来、東京駅に直通する営業列車が設定されていない[5]。東京駅からの列車は博多駅までの運転で九州新幹線には乗り入れない。鹿児島中央駅からの列車は新大阪駅までの運転で東海道新幹線には乗り入れない。
西九州ルート[編集]
西九州ルート(長崎ルート)は、博多 - 長崎間を結ぶ路線である。既に「九州新幹線」として営業運転されている鹿児島ルートと区別するため、便宜上長崎新幹線と呼称されることもある[6]。2008年に武雄温泉 - 諫早間が新幹線鉄道規格新線(スーパー特急方式)で着工されたが、2012年に諫早 - 長崎間が標準軌新線(フル規格)で着工され、武雄温泉 - 諫早間も標準軌新線で建設する方向となった。
フリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)での運行を予定していたが[7]、実用化は難航し[8]、2022年秋[9]に博多 - 武雄温泉間の在来線特急と、武雄温泉 - 長崎間の新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で暫定開業が予定されている[10]。フリーゲージトレインの導入を、2018年7月19日に正式に断念したと、与党検討委員会が表明している[11]。
2025年度に予定されていたフリーゲージトレインが導入されれば、鹿児島ルートと共用の新幹線、在来線、長崎ルート新幹線と、軌間の異なる3つの区間を通して運転することができるようになる[12]。山陽新幹線への乗り入れについては、長崎県は新大阪までの直通運転を目指しているものの、2008年に当時のJR西日本社長山崎正夫が、フリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れについて難色を示している[13]。
フリーゲージトレインの断念を受け、JR九州は2020年、武雄温泉 - 長崎間に投入する車両と運行する列車名について、それぞれ(FGTではなく通常タイプの車両の)N700S6両編成を投入し、愛称は「かもめ」として運行することを発表した[14]。またつづくリリースでは2022年秋に新幹線新駅2つ、在来線新駅2つと合わせて開業する予定であることも発表された[15]。
脚注[編集]
- ^ 『鉄道要覧』やJR九州公式サイトの交通・営業データ等に記載の路線名にはルート名が付いていない。
- ^ 九州新幹線が全線開通 1番列車が主要駅を出発 - 東京新聞、2011年3月12日
- ^ 九州新幹線が全線開通 震災に配慮し式典とりやめ - asahi.com(朝日新聞社)、2011年3月12日
- ^ N700系7000・8000番台は「つばめ」や九州新幹線内または新下関発着の「さくら」にも使用。
- ^ なお、大宮駅や上野駅以南延伸以前の東北・上越新幹線も同様であったため、そのような唯一の路線という訳ではない。
- ^ “こじれる長崎新幹線、実は佐賀県の“言い分”が正しい” (日本語). ITmedia ビジネスオンライン. 2020年4月19日閲覧。
- ^ 平成16年12月16日 整備新幹線の取扱いについて 政府・与党申合せ - 国土交通省
- ^ 九州新幹線長崎ルート フリーゲージ開発 また難航 新型台車にも不具合 開業に遅れる恐れ - 西日本新聞 2010年8月20日付
- ^ “九州新幹線(武雄温泉・長崎間)完成・開業時期の見通しについて” (PDF) (プレスリリース), 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 / 九州旅客鉄道, (2020年9月24日) 2020年9月26日閲覧。
- ^ “九州新幹線長崎ルート 「リレー方式」で開業合意”. 毎日新聞. (2016年3月29日) 2016年3月30日閲覧。
- ^ “長崎新幹線、フリーゲージを正式断念 フル規格かミニ新幹線で整備へ 与党検討委が表明”. 乗りものニュース 2018年7月22日閲覧。
- ^ 西九州ルートの概要 建設計画・ルート - 長崎県
- ^ 長崎新幹線「山陽との直通は困難」 JR西社長が見解 asahi.com 2008年12月8日
- ^ “九州新幹線(武雄温泉・長崎間)新幹線の名称と導入車両が決定!!”. JR九州. 2021年1月24日閲覧。
- ^ “九州新幹線(武雄温泉・長崎間)及び大村線新駅の駅名について”. JR九州. 2021年1月24日閲覧。
関連項目[編集]
- ドクタートレイン
- 祝!九州 - 鹿児島ルート全線開業時に制作されたCMの企画
- 日本の鉄道路線一覧
- (部分開業時における)九州新幹線と「リレーつばめ」、東海道・山陽新幹線との乗継ぎに係る特急料金について
- 山陽新幹線 - 博多南線
- 全国新幹線鉄道整備法
- 建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画 - 整備新幹線
- 軌間可変電車(フリーゲージトレイン)
- 鉄道と政治
外部リンク[編集]
- JR九州 九州新幹線
- JR九州 新幹線見学隊
- 九州新幹線「つばめ」 - ウェイバックマシン(2006年6月27日アーカイブ分)
- 『九州新幹線』 - コトバンク
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