京屋襟店

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京屋襟店
監督 田中栄三
脚本 田中栄三
原作 田中栄三
出演者 藤野秀夫
撮影 大洞元吾
製作会社 日活向島撮影所
配給 日本の旗 日活
公開 日本の旗 1922年12月30日
上映時間 約80分(8巻)
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

京屋襟店』(きょうやえりみせ)は、1922年(大正11年)に製作・公開された日本映画である。日活向島撮影所製作、田中栄三脚本・監督。モノクロサイレント。東京下町の老舗京屋が、主人と息子の放蕩で没落し、最後に火事で焼失するまでを、四季の移り変わりの中で描く[1][2]女形を起用した旧来の新派調映画ではあるが、その写実的手法で革新的映画の一つとも呼ばれ、最高傑作として評価された。現在、フィルムは現存していない。

日活向島撮影所最後の新派映画であり、日本映画全体からみても、女形出演の新派映画として最後の輝きを持った作品となった[3]。一部半玉役に女優が出演しているが、基本は女形による芝居となっており、その女形が持つ頽廃美を極度に発揮して[4]、下町情緒を耽美的にとらえた[5]

撮影所のグラスステージいっぱいに襟店のセットを一軒丸ごと構築し、カメラを引く場合はセットの壁を取り外して撮影された[6]。また、人工光線(ライト)を使って夜間撮影を行い、陰影のある美しい映像を作りだした。その舞台装置は亀原嘉明が務め、助監督には溝口健二がついている。

同年12月30日、正月映画として浅草オペラ館で封切られた。

キャスト[編集]

  • 京屋襟店の主人山田新七:藤野秀夫
  • その妻おあき / 旧役者市川米次:大井吉弥
  • その息子新之助:新井淳
  • その妹おさと:小栗武雄
  • 京屋の番頭源次郎:宮島啓夫
  • 京屋の中番頭梅吉:島田嘉七
  • 京屋の老中おきく:中村吉次
  • 京屋の小僧浜吉 / 小料理店青柳の娘おてる / 土工の六:木藤しげる
  • 京屋の小僧長太郎:吉田信太郎
  • 新橋芸者叶家の小直:東猛夫
  • 小直の女中おさだ / 土工の五:邦江弘久
  • 町内の遊び人勇さん:宮島健一
  • 町内の鳶の者金さん:小泉嘉輔
  • 踊の師匠藤間勘登女:五月操
  • 新橋の芸者小しづ:竹内達弥
  • 新橋の芸者花若 / 郵便を入れに来る女 / 看護婦:青柳武
  • 新橋の芸者小文:松本金五郎
  • 新橋の芸者ゆめ子:森清
  • 半玉きみ丸 / 辻売りの小娘 / 歌留多を取る近所の娘おきぬ:中村米子
  • 半玉しめ子 / 同娘おぬひ:杵屋せい子
  • 半玉豆子 / 同娘お梅:沢井すみ子
  • 踊の地を弾く女:杵屋吉次
  • 甲州の土工の親分岩山権蔵:山本嘉一
  • その親分大宮雷太:川上吾郎
  • 般若の虎という悪者:横山運平
  • 土工の一 / 火の番の老爺:高木桝次郎
  • 土工の二 / 雨の中の俥夫 / 鮎漁の船頭:戸田弁流
  • 土工の三 / 医師岡野周太郎:荒木忍
  • 土工の四 / 流しの按摩:竹川春芳

スタッフ[編集]

[編集]

  1. ^ 筈見恒夫著『映画五十年史』p.96
  2. ^ 飯島正著『日本映画史 上巻』p.45
  3. ^ 佐藤忠男著『増補版日本映画史1』
  4. ^ 田中純一郎著『日本映画発達史 I 活動写真時代』p.364-368
  5. ^ 新藤兼人著『ある映画監督 溝口健二と日本映画』p.107
  6. ^ 『溝口健二集成』p.153