京阪13000系電車

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京阪13000系電車
本線特急で運用されたことがある13000系 (13024編成 2017年8月)
本線特急で運用されたことがある13000系
(13024編成 2017年8月)
基本情報
運用者 京阪電気鉄道
製造所 川崎重工業
製造年 2012年 -
製造数 77両(2018年6月現在)
運用開始 2012年4月14日
主要諸元
編成 4両(支線用)・7両・8両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1500V
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.3 km/h/s
編成定員 530人(4両)・941人(7両)・1078人(8両)
車両定員 先頭車128人・中間車137人
自重 26.0 - 36.5 t
編成重量 126.5 t
全長 先頭車 18,900 mm
中間車 18,700 mm
全幅 2,792 mm
全高 先頭車 4,195 mm
中間車 4,116 mm
車体 アルミニウム合金
台車 電動車:川崎重工業KW-77D 軸梁式ダイレクトマウント式空気ばね台車
付随車:住友金属工業FS577 モノリンク式ダイレクトマウント空気ばね台車
主電動機 かご形三相誘導電動機
TDK6151-C
主電動機出力 200 kW
歯車比 6.07
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
保安装置 K-ATS(出町柳 - 枚方市間・宇治線・交野線)
京阪型速度照査ATS
備考 軌条塗油装置(曲線検知、シーケンサ制御・13501号車のみ)・ホーム検知装置・運転状況記憶装置・自動放送装置・転落防止放送装置を搭載
4両編成は都市型ワンマン運転に対応
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京阪13000系電車(けいはん13000けいでんしゃ)は、2012年平成24年)から京阪電気鉄道が導入している通勤形電車[1]

2012年宇治線を中心に運用する4両編成5本が導入された。2014年には4両編成の追加投入に加えて、京阪本線鴨東線中之島線で運用する、20番台の車両番号を付された7両編成も導入された。本記事では、出町柳方先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として表記する。

投入の経緯[編集]

宇治線を走る13001F (4両編成)
宇治線を走る13001F
(4両編成)

本系列は、2200系2600系0番台の代替を目的に、2012年から川崎重工業で製造、投入されている[1]2002年および2006年に導入された10000系ならびに2008年に導入された2代目3000系をベースに開発された。京阪電鉄で導入される新造車は2代目3000系以来、4年ぶりとなる。

アルミ合金製の車体とVVVFインバータ制御の採用により、2600系との比較で約35%消費電力削減が、また、2600系20両を代替することにより、運転用全体で約1%消費電力の削減が実現する見込みである(20両で年間約60万CO2排出を削減)。

2012年3月12日から14日にかけて寝屋川車庫に13001Fが搬入され[2][3]、3月26日より試運転が実施された[4]4月14日中之島駅宇治行臨時列車で営業運転を開始した[5][6]ワンマン運転にも対応しており、交野線においては運用開始当初よりワンマン運転を実施[7]し、宇治線でも2013年6月1日よりワンマン運転が開始された[8]。同年7月までに、13005Fまでの4両編成5本が落成した[9]

2013年度以降も旧型車両の置き換えとして増備されることとなって[10]、2014年3月には第6編成目となる13006F(4両編成)が落成し、4月には20番台の車両番号を付された本線用の7両編成の13021Fが寝屋川車庫に搬入され[11]、試運転の後、同年5月末より京阪本線中之島線鴨東線で営業運転を開始した[12]。続いて、同年7月末には13022Fも導入された[13]。13006Fおよび13021F以降の2次車からは前照灯および室内照明灯にLEDを採用し、更なる消費電力削減を図っている[14]

2016年7月に、4両編成では第7編成目(7両編成を含めると第9編成目)となる3次車の13007Fが製造された。ドアの開閉の音がより静かになり、LED式室内照明灯の形式変更、座席下の機器改良がされた。続いて、同年8月には本線用の7両編成では第3編成目となる13023F、同年9月には7両編成では第4編成目となる13024Fが竣工している[15]。さらに、同年度中に7両編成では第5編成目となる13025Fも竣工している[16]

2018年4月22日より13026Fの営業運転が開始され、5月28日より13027Fの営業運転も開始された。この2編成の製造は2018年6月15日に京阪が発表した2018年度鉄道事業設備投資計画に含まれている[17]

車体[編集]

車体は大型中空押出材によるセミダブルスキン構体を採用したアルミ合金製で、一部摩擦攪拌接合を用いた箇所がある。台車はダイレクトマウント式空気バネ台車を採用している。また、前面強度の向上やオフセット衝突への対策など、車体強度の向上も行われている[1]

外観は、2代目3000系で採用された「風流の今様」のデザインコンセプトを継承する。また、京阪電鉄の一般車として、初めて製造当初から新塗装(シティ・コミューター、)で登場している[注 1]

エクステリアデザインとして、「風流の今様」を具現化するモチーフとしての「スラッシュ・ムーン」という円弧形状に加え、コーナーにエッジを持たせた「ウェッジシェイプ」というテーマを導入し、通勤車らしい軽快感を演出する[1]

13000系は2600系の代替車両としての位置付けもあってか柔軟な組成変更に対応できる構造となっている。第1 - 第7編成は他の編成と併結可能な仕様となっており、奇数編成の淀屋橋方先頭車と偶数編成の出町柳方先頭車は車体正面裾部とスカートに切り欠きがあるほか、併結時に先頭部に幌座・幌を取り付けることで車内の通り抜けも可能となる[18]

内装[編集]

インテリアデザインには、外観との調和を考慮して「京都らしさ」をイメージした墨色を取り入れ[19]、京都の石畳をイメージした床面のほか、つり革ストラップ、座席の背ずり、袖仕切りを墨色、つり革の握りと座布団を萌黄色とし、背ずりの円弧模様や袖仕切りの縁に橙色を配し、アクセントとしている。座席構造はロングシートで、1人あたりの座席幅470mmのバケットシートが採用されている[1]

自動音量調整機能つき自動放送装置を搭載しており、臨時特急(2017年春の行楽期)・通勤快急・快速急行運用においては日本語英語アナウンスによる情報提供を実施する。また、バリアフリー対応として車椅子スペース転落防止外ほろ誘導鈴、扉開閉予告灯が設置され、荷棚の高さは従来車両よりも20mm低い1,750mm、優先座席部は従来より50mm低い1,720mmとしている。さらに、京阪の車両では初めて弱視利用者向けに配慮して客用扉の端部と出入口の足元にオレンジ色のラインが配されている[19]。なお、客室照明蛍光灯カバーが10000系10004F以降同様に省略されている。

安全性向上のため、万一の事故時や急ブレーキ時に、乗客同士や車内設備との衝突で怪我をすることを防ぐよう、握り棒手摺)の増設と座席端部の袖仕切が大型化されている[1]

サービス向上として、除湿機能を備えた全自動空調装置LCD車内案内表示器も設置[注 2]される[1]。また、腰掛は足元の空間を広げるために京阪では初めて片持ち式を採用した。車端部のみは情報関係などの機器を収納するため、従来の脚台式となっている。

車内妻面に掲出される車両番号・落成年次・製造メーカー(川崎重工業の英語略称「Kawasaki」)・禁煙ピクトグラムは、2代目3000系や8000系更新車と同様、すべて1枚のシールにまとめている。ただし、号車番号は省略されている。

2014年に製造された13006編成・13021編成以降は従来の戸閉予告ブザーに加えて、2打式ドアチャイム(JR西日本の通勤・近郊・特急形電車と同一の音)が追加[14]、室内灯はすべて蛍光灯型LED照明に変更され、その消費電力は従来の半分以下に削減されている[20]

機器[編集]

台車は、電動車には川崎重工製、付随車には住友金属工業(現・新日鐵住金→日本製鉄)製の空気ばね台車が採用されている。

制御装置には、2代目3000系車両と同型の2レベルVVVFインバータ(IGBT素子)装置が採用されている。

パンタグラフは下枠交差式パンタグラフを採用している。これは廃車発生品を流用しているが、架線との摩擦摺動により発生する走行騒音を低減させるため、CFRP製のパンホーンを新たに搭載している。

自動列車停止装置(ATS)については、京阪は2020年度末までに現行の京阪型速度照査ATSから多情報連続制御式ATS「K-ATS」に更新する予定のため、ATS車載器は、現行型の機能も備えた新型の装置が搭載されている[21]

2017年度現在、13000系は1次車を含む全ての編成でヘッドライトのLED化が行われている[注 3]。京阪では、他にも7200系と9000系の全編成や、その他形式の一部で、ヘッドライトのLED化改造が施工されている。

運用[編集]

暫定的に8両貫通編成になった13024F
一時的に前面に幌を付けて営業運転に就いた13053号車

2012年4月14日に第1編成(13001F)が運用開始し、同年7月13日には4両編成5本がそろい、2600系4両編成は宇治線の定期運用から離脱した[22]

2013年6月1日から宇治線でワンマン運転が開始されたことにより、13000系は10000系と共通運用となったため、交野線に入線する機会も増えている。支線運用時は種別及び行先は自動更新される。

2014年3月末より2次車の13006Fが運用を開始し、更に同年5月30日より本線用の13021F(7両編成)が運用を開始した。7両編成は全編成が中間車3両を外した4両編成で運用可能であり、またそれを考慮して本線用でありながらワンマン運転機能を有していることから、2015年7月23日には13021Fが宇治線で、翌24日には交野線で0番台と同様の4両編成として運用された[23]

なお、2600系2623F(4両編成)が2015年7月をもって廃車となり、4両編成は基本的に10000系と13000系の2形式に統一された。4両編成の予備車が少ないため、検査などで車両が不足する場合は13000系の本線用7両編成から一時的に中間車を外した4両編成で運用される。

7両編成のため原則特急運用に充当されることはないが、2017年頃から行楽シーズンの臨時列車で7両編成の臨時特急が運転されることがあり、この臨時特急には本系列が積極的に充当されている。また8000系が2016年から2017年にかけてプレミアムカー改造のため7両編成で運用されていた時期には、8000系の運用の状況によって7両編成が定期運用の特急に代走で運用されることがあった。

2017年7月18日には、車両検査の都合上、13025Fが4両編成化されると同時に、13024Fが13025Fから外された中間車の13775号車を組み込み、本系列としては初めて8両貫通編成となって、翌日から運用についた[24]。8月13日に一旦7両編成に戻されたが、同月21日に再び13775号車を組み込み本系列2度目の貫通8両編成となった。9月中旬には7両編成に戻された。

2018年1月29日には、4両編成になっていた13022Fの中間車の13772号車を組み込んで、13023Fが本系列では3度目の貫通8両編成になった。ただし、9月には組み込まれる中間車が13772号車から再び4両編成となった13025Fの中間車である13775号車に変更された(同時に4両編成だった13022Fは7両編成に戻された)。

同年4月9日には4両編成となった13025Fの中間車の13775号車を組み込んで13024Fが再び貫通8両編成になった。本系列では4度目。なお、この組成は翌日で終了した。

同年11月4日には約9ヶ月に渡り貫通8両編成だった13023Fが7両編成に戻され、13022Fにそれまで13023Fの中間車だった13775号車を入れ替わる形で組み込み、本系列では5度目の貫通8両編成となった。現在も運用中である。

8両編成となった13000系は6000系などと共通運用するため、日中時間帯以外の特急や深夜急行など7両編成では見られない種別での運用も見られる。

尚、試運転時に13002Fと13003Fとの4両編成を2本繋いだ8両編成を組成したことがある。

組成表[編集]

2018年4月1日現在[25]。13026F、13027Fは同日時点では未竣工。

4両編成
← 出町柳・私市・宇治
淀屋橋・中之島 →
形式 13000形 13500形 13650形 13050形 竣工
区分 Mc T T Mc
車両番号 13001 13501 13651 13051 2012年3月
13002 13502 13652 13052 2012年5月
13003 13503 13653 13053 2012年6月
13004 13504 13654 13054 2012年6月
13005 13505 13655 13055 2012年7月
13006 13506 13656 13056 2014年3月
13007 13507 13657 13057 2016年7月
7両編成
← 出町柳・私市・宇治
淀屋橋・中之島 →
形式 13000形 13500形 13700形 13100形 13550形 13750形 13050形 竣工
区分 Mc T T M T T Mc
車両番号 13021 13521 13721 13171 13571 13771 13071 2014年4月
13022 13522 13722 13172 13572 13772 13072 2014年7月
13023 13523 13723 13173 13573 13773 13073 2016年7月
13024 13524 13724 13174 13574 13774 13074 2016年9月
13025 13525 13725 13175 13575 13775 13075 2017年3月
13026 13526 13726 13176 13576 13776 13076 2018年4月
13027 13527 13727 13177 13577 13777 13077 2018年5月

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2代目3000系(と白)は現在は主に特急快速急行など優等列車を重点に運用されているため、純然たる一般車としては当系列が初となる。
  2. ^ 京阪の車両では2代目3000系、8000系に続き3系列目の設置となる。
  3. ^ 13021Fについては前照灯が電球で試運転されていたことがある。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 環境への配慮、バリアフリー対応、安全性向上を高次元で実現した新型通勤車 新型車両13000系20両を新造します。 (PDF, 88.6 KiB) - 京阪電気鉄道 2011年12月12日
  2. ^ 京阪13000系が寝屋川車庫に搬入される」交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2012年3月13日
  3. ^ 京阪13000系第1編成の搬入が終了」交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2012年3月15日
  4. ^ 京阪13000系が試運転」交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2012年3月27日
  5. ^ 京阪電車13000系デビュー! オープニングイベントを開催”. 京阪電気鉄道. 2012年4月14日閲覧。
  6. ^ 「京阪13000系が営業運転を開始」 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2012年4月14日
  7. ^ 「京阪13000系,交野線で営業運転開始」交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2012年6月10日
  8. ^ 京阪宇治線でワンマン運転開始 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2013年6月1日
  9. ^ ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表2016』交通新聞社、2016年、137頁。
  10. ^ 平成25年度 鉄道設備投資計画について 〜安全性、利便性向上などに総額約73億円を投資〜 (PDF)”. 京阪電気鉄道 (2013年6月28日). 2017年8月8日閲覧。
  11. ^ 株)エリエイ 月刊「とれいん」2014年5月号145頁投稿記事『13000系増備車登場』より
  12. ^ 京阪13000系が本線での営業運転を開始 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2014年5月30日、6月30日閲覧。
  13. ^ 【京阪】13022Fが試運転」ネコ・パブリッシング「RMニュース」2014年8月4日
  14. ^ a b 環境への配慮、バリアフリー対応、安全性向上を高次元で実現した通勤車 13000系車両がいよいよ本線で営業運転を開始! (PDF)”. 京阪電気鉄道 (2014年5月28日). 2017年8月8日閲覧。
  15. ^ 「私鉄車両のうごき」『鉄道ダイヤ情報』2017年1月号 No.393、交通新聞社、2016年、126頁。
  16. ^ 京阪13000系13025編成が試運転」交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2017年3月30日閲覧。
  17. ^ 2018年度 鉄道事業設備投資計画 (PDF)
  18. ^ 清水祥史 『京阪電車』 JTBパブリッシング、2017年、144頁。
  19. ^ a b 京阪電鉄が新型車両導入へ - MSN産経ニュース 2011年12月12日
  20. ^ 出典・京阪電鉄駅置広報誌「K PRESS」2014年7月号16面『くらしのなかの京阪』
  21. ^ 出典:鉄道ファン2012年6月号 新車ガイド3「京阪電気鉄道13000系」より
  22. ^ 株)エリエイ 月刊「とれいん」2012年9月号143頁投稿記事『2600系が宇治線から引退』より
  23. ^ 株)エリエイ 月刊「とれいん」2014年9月号147頁投稿記事『13000系が4両編成で運転』より
  24. ^ 京阪13000系13024編成が8連に」交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース、2017年7月20日閲覧。
  25. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2018』交通新聞社、2018年、139頁。

参考文献[編集]

  • 京阪電気鉄道(株)車両部技術課「京阪電気鉄道13000系電車」、『鉄道ジャーナル』2012年5月号(通巻547号)、鉄道ジャーナル社、 pp. 90 - 92。
  • 『鉄道ファン』
    • 2012年6月号(通巻614号)「新車ガイド3」京阪電気鉄道13000系電車。
    • 2016年11月号(通巻667号) 私鉄通勤形電車シリーズ化と個性、pp.44 - 45。

関連項目[編集]