京阪7200系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京阪7200系電車
京阪7200系7202F(新塗色)
京阪7200系7202F(新塗色)
基本情報
運用者 京阪電気鉄道
製造所 川崎重工業兵庫工場
製造年 1995年
製造数 23両(2017年現在は21両)
主要諸元
編成 7両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1500V架線給電
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.3 km/h/s
編成定員 8連1,100人・7連960人
車両定員 先頭車130人・中間車140人
編成重量 8連時 221t
全長 先頭車 18,900 mm
中間車 18,700 mm
全幅 2,780 mm
全高 パンタ付き車 4,185 mm
その他車両 4,086 mm
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 200 kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式(KD506-B-M形)
歯車比 85:14 (6.07)
編成出力 8連 3,200 kW
7・5連 2,400 kW
制御方式 GTO素子VVVFインバータ制御
制御装置 東洋電機製造製 ATR-H4200-RG622B形 (4500V/3000A)
制動装置 回生ブレーキ優先全電気指令式電磁直通空気ブレーキ (HRDA-1)
保安装置 K-ATS(出町柳 - 淀間)
京阪型速度照査ATS
テンプレートを表示
7200系旧塗色(土居駅)

京阪7200系電車(けいはん7200けいでんしゃ)は、1995年平成7年)に登場した京阪電気鉄道通勤形電車

7000系に改良を加えた設計で、8両編成2本と7両編成1本が製造された。

投入の経緯[編集]

本系列は、輸送力増強のために[1]1995年2月に8両編成2本(16両)、同年12月に7両編成1本(7両)がそれぞれ川崎重工業兵庫工場で製造された。1989年に登場した7000系の設計をベースとして、前面や内装などに改良が加えられている。

1995年6月19日のダイヤ改正を前に同年5月1日から7201Fと7202Fが運用を開始し、続いて同年12月22日から7203Fが運用を開始した[2]

車体・機器[編集]

アルミニウム合金製の大型押し出し型材で製造された車体の外観は7000系を改良したもので、正面デザインは丸みを帯びたものとなって、後に製造された9000系10000系京津線用の800系にも受け継がれている。先頭車の客室部分と中間車の車体は7000系とほぼ同一である[3]

制御装置は東洋電機製造製の「ATR-H4200-RG622B」であり、7000系と同一のGTO素子(4500A/3000A)によるVVVFインバータ制御である。そして「回生ブレーキ優先全電気指令式電磁直通空気ブレーキ(HRDA-1)」が一層の省エネルギー化を図っている。

主電動機はかご形三相誘導電動機「TDK6151-A」で出力200kW、補助電源はGTOブースター式SIVの「SVH140-499A」で140KVAである。

パンタグラフは、京阪の標準と言える下枠交差型の「PT-4805-C-M」である。

台車電動車が7000系の改良型の「KW-77B」(川崎重工製)、付随車が同系列と同一の「FS-517C」(住友金属工業(現・新日鐵住金→日本製鉄)製)であるが、台車中心間距離は同系列より30cm長い12.6mとして、乗り心地の向上が図られている[3]

運転台マスコンは、ブレーキとマスコンが別々の横軸ツインレバー型を京阪の車両で初代3000系に続いて採用した(ただし、前者は定速度制御に対応していた関係で、ノッチ扱いに相違がある。)。最高速度は110km/h(設計上は120km/h)、起動加速度は2.8km/h/sである。また、本系列ではモニタ装置を運転台に設置した。このモニタ装置は本系列以降の新造車両にも採用されている。

内装[編集]

車内の座席はロングシートであるが、モケットの色は、長く続いていたグリーン系から変更されて、背ずりは青緑系、座面は青紫系の色となった[4]。床の色は赤御影石を模した模様入りとなった[3]。ドア上部には、停車駅をLEDランプで点灯させる地図式の案内表示器と蛍光表示管を用いた文字表示器が併設された。また、各車両の大阪方に車椅子スペースを設置し、全側窓にパワーウィンドウを導入するなど、新しい京阪を象徴するものとなっている。後の5000系の更新の際にも本系列の内装デザインが採用されている。さらに7000系で廃止されたつり革の跳ね上げ機構が本系列で復活した。なお、当系列より「発車時の戸閉予告ブザー」音が変更され、これは京阪線系統の当系列以降の新造車および更新車、更には中之島線開業後の京阪特急専用車にも採用されている。

2005年の車両点検の際には、日焼けなどにより、座席の汚れが非常に目立っていたため、座席が10000系で使用されている青色の生地へ交換されたほか、地図式LED停車駅案内表示は中之島線開通への対応のため同系全車一般的な3色LED表示器に変更されている。一般的な3色LEDではあるが、2器並列させ、左側は種別表示、右側は次駅案内と沿線でのイベントのお知らせなどを表示している。なお、取り外された旧盤面はファミリーレールフェアで販売された。

7202Fは、2013年11月の検査の際、座席が13000系と同様の柄のものに張り替えられている。また、10000系に編入された7201Fの7301号(後述)も同じく座席の張り替えを行った。

製造[編集]

京阪7200系 編成表(登場時)
 
8両編成
形式 7200形 7700形 7800形 7300形 7350形 7750形 7950形 7250形 竣工
区分 Mc T T M M T T Mc
車両番号
7201 7701 7801 7301 7351 7751 7951 7251 1995年2月
7202 7702 7802 7302 7352 7752 7952 7252 1995年3月
7両編成
形式 7200形 7700形 7900形 7350形 7750形 7850形 7250形 竣工
区分 Mc T T M T T Mc
車両番号
7203 7703 7903 7353 7753 7853 7253 1995年12月

7201Fと7202Fは4M4Tの8両編成、7203Fは3M4Tの7両編成で製造されたが、8両編成は中間の3両を抜いて5両編成でも運用できるように各種機器が配置されており[3]、5両編成で運用に入った実績もある(後述)。

車両の塗色・ラッピング[編集]

京阪7200系(2006年度のきかんしゃトーマスラッピング車) (2006年10月9日撮影)
京阪7200系(2006年度のきかんしゃトーマスラッピング車)
(2006年10月9日撮影)
京阪7200系(2008年度のきかんしゃトーマスラッピング車) (2008年7月21日撮影)
京阪7200系(2008年度のきかんしゃトーマスラッピング車)
(2008年7月21日撮影)

新塗色化[編集]

7201Fは2008年5月23日より新塗色で運用されている。変更時に車両番号のフォントの変更や京阪の新CIロゴへの交換が行われた。京阪線の塗色変更車はこの編成が最初の車両となった[5]。また7202Fも2009年10月27日より新塗色化された。 そして最後まで旧塗装で残っていた7203Fも、2011年10月21日に新塗装となり、7200系の旧塗装編成は消滅した[6]

ラッピング[編集]

7203Fが3度にわたりラッピング車両となっている。

最初のトーマスラッピング最終日には、支線向けラッピング車両となった10000系10003Fと共にラストラン記念運転が行われ、「特急」で運用されたりもした。

2度目のトーマスラッピングでは、デザインは最初のものが各車で同じだったのとは異なり、各車両ごとに異なる地色を使うと共に異なるメインキャラクターを配しており、出町柳方から順に黄緑/James、紫/Diesel、水色/Percy、マゼンタ/Lady、黄色/Gordon、青/Duck、オレンジ/Thomasとなっている。また、メインキャラクター以外の配置は各車両の左右側で異なり、車内の座席脇などにも他のキャラクターを配している。また、こちらも最終日にラストラン記念運転が行われたが、中之島駅では展示も行われた。

組成変更と10000系への編入[編集]

2015年2月に、7201Fの組成が変更されて、7203Fと同様の3M4Tの7両編成となった。中間車1両(7301)が抜かれるとともに、7951と7801の連結位置が入れ換えられて、7951は7901に、7801は7851に改番された[8]。2016年11月には7202Fも7両編成化され[9]、7200系の8両編成は消滅した。変更後の組成は次のとおりである[10]。また、この組成変更により、中間車を抜いて5両編成で運用することはできなくなった。

京阪7200系 7201F・7202F(組成変更後)
 
形式 7200形 7700形 7900形 7350形 7750形 7850形 7250形
区分 Mc T T M T T Mc
車両番号 7201 7701 7901 7351 7751 7851 7251
7202 7702 7902 7352 7752 7852 7252

7両編成化の際に編成から抜かれた7301は、2016年に10101に改番され、同じく9000系から抜かれた9601・9602とともに10000系の10001Fに組み込まれて、同編成は7両編成となった [11] 。7301号は電動車で、制御機器はGTOサイリスタ式のVVVFインバータであったが、10101号への改造時にIGBT素子に素子の変更が行われた。GTOサイリスタ素子からIGBT素子への変更は、これが京阪では初の事例となった。また、続いて7302も9000系から抜かれた9603・9604とともに10000系の10002Fに組み込まれている。

運用[編集]

本系列は快速特急及び特急以外の京阪線列車種別において使用されている。なお、8両編成は基本的には6000系および9000系と共通運用であった。

7201Fと7202Fは、7両編成化以前、中間車3両を抜いた5両での運転も可能で、「宇治快速」の他、1999年9月と2002年3月から4月に交野宇治両線で運用された実績がある。その後7202Fは2006年4月にも約6日間5両化され、本線及び交野線で運用された(ただし「K特急 おりひめ」と「準急 ひこぼし」には充当されず)。また、毎年8月10日に行われる宇治川花火大会輸送の5両編成確保のため、2006年と2009年は7201Fが、2007年と2008年は7202Fが5両で宇治線に入線した。

7両編成は、2016年3月19日のダイヤ改正以前は特急・快速急行運用に就くことはなかったが、このダイヤ改正からは一部の快速急行・通勤快急に使用されている。また2016年から2017年にかけて、8000系がプレミアムカー改造のため7両編成で運用されていた時期には、8000系の運用の状況によって8000系の代走で特急運用に入ることがあった。

その他[編集]

  • 京阪の新系列車両は兵庫県神戸市兵庫区川崎重工業兵庫工場で製造されるが、完成した7201Fと7202Fの輸送は、阪神・淡路大震災発生と重なり、最初の4両が寝屋川工場に搬入された時点で神戸からの陸上ルートが寸断された影響で、残りの12両は川崎重工業兵庫工場南端の兵庫運河に面した桟橋からに載せられ、泉大津港まで海上輸送された。このため、史上初の「海を渡った京阪電車」となった[12]
  • 2002年に転落防止幌の取り付けが行われており、7201Fは10月30日付、7202Fは11月15日付、7203Fは12月19日付で施工されている。
  • 2005年9月30日から12月4日にひらかたパークで開催された「ひらかた大菊人形第94回大会」に合わせて特製ヘッドマークを取り付ける機会があることを見込んでいたため、期間中はPiTaPaのヘッドマークが外されていた。
  • 2009年9月12日には、淀駅付近高架切り替え工事に伴う試運転の一番列車を、5両化された7201Fが務めた。
  • 2011年2月15日現在、同系第3編成運転台に、K-ATS表示器が設置され、営業列車において三段で「京阪」の文字を表示している。
  • 2015年に全編成の前照灯がLED式のものに交換された。
  • 京阪の車両では、本系列から車内に取り付けられている製造メーカーの銘板が「Kawasaki」ロゴ(本来は川崎重工製の二輪車向けのロゴ)に変更された。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 京阪電気鉄道(株)鉄道事業部技術課「車両総説」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 52頁
  2. ^ 「京阪電気鉄道 現有車両車歴表」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年、286 - 287頁
  3. ^ a b c d 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 259頁
  4. ^ 『私鉄車両年鑑2013』、イカロス出版、2013年、79頁
  5. ^ 5月23日(金)、新カラーデザイン車両を初めて営業運転します (PDF) 」 京阪電気鉄道 2008年5月21日
  6. ^ 「京阪7200系の新塗装化が完了」 - 交友社鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2011年10月21日発信
  7. ^ 「京阪電車シール&スタンプラリー'08」を開催 -7月19日(土)からはラッピング電車も運転- (PDF) 」 京阪電気鉄道 2008年6月19日
  8. ^ 京阪7200系7201編成の組成が変更される」交友社「railf.jp」2015年2月12日
  9. ^ 鉄道ピクトリアル2017年2月号103頁「Topic Photos」より
  10. ^ ジェー・アール・アール 『私鉄車両編成表2017』 交通新聞社、2017年、136頁。
  11. ^ 京阪10000系10001編成が7連化されて試運転 鉄道ファン(交友社)railf.jp
  12. ^ 出典は保育社「カラーブックス 日本の私鉄 京阪」より