伊佐千尋

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伊佐 千尋(いさ ちひろ、1929年6月27日 - 2018年2月3日[1])は、日本のノンフィクション作家。画家・八島太郎の息子で、マコ岩松は異母弟。

東京都生まれ。沖縄県立二中(現沖縄県立那覇高等学校)卒業。1964年アメリカ施政権下の沖縄に実業家として在住中、現地人青年四人による米兵殺傷事件の陪審員となり、陪審は致死罪について無罪の評決をした。1977年、伊佐はノンフィクション『逆転』でこれを一種の冤罪事件として描き、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞、これを機に作家に転じた。

1978年、同作はNHKでドラマ化され、伊佐も自身の役で出演したが、青年のうち一人から、実名で描かれ前科を暴かれたとしてプライヴァシー侵害で提訴され、敗れた。現在の刊本は仮名になっている。(ノンフィクション「逆転」事件)。

1982年、「陪審裁判を考える会」を発足、陪審制度の導入を求めている。死刑廃止論者でもある。ゴルフに関する著書、翻訳も多い。

2018年2月3日午前3時10分、前立腺癌のため神奈川県横浜市中区の自宅で死去[1]。88歳没。

著書[編集]

  • 『逆転 アメリカ支配下・沖縄の陪審裁判』新潮社 1977 のち文庫、文春文庫岩波現代文庫
  • 『検屍 モンローのヘア』潮出版社 1981 のち文春文庫
  • 『炎上 沖縄コザ事件』潮出版社, 1981 のち文春文庫、「沖縄の怒り」と改題、改訂して文春文庫
  • 『司法の犯罪』文藝春秋 1983 のち文庫、新風舎文庫
  • 『法廷 弁護士たちの孤独な闘い』文藝春秋, 1986 のち文庫
  • 『フェアウェイのギャングたち』文藝春秋, 1987
  • 『衝突 成田空港東峰十字路事件』文藝春秋, 1988
  • 島田事件』潮出版社, 1989 のち新風舎文庫
  • 『勝つゴルフ ペイシェンスー攻め・守りの本質をトッププロが語る』ネスコ 1989
  • 『愛するがゆえに 阿部定の愛と性』文藝春秋, 1989 のち文庫、「阿部定事件」と改題、新風舎文庫
  • 『目撃証人』文藝春秋, 1990
  • 『舵のない船 布川事件の不正義』文藝春秋, 1993 現代人文社、2010 
  • 『男の気持ち 人生を楽しく送るための12章』文藝春秋, 1994
  • 『ゴルフの効用 人生をおいしくする究極のスパイス』広済堂出版 1995
  • 『チャコ物語 樋口久子プロのゴルフ人生』広済堂出版, 1996
  • 『名手たちの言葉』広済堂出版, 1996
  • 『邯鄲の夢 中国-詩と歴史の旅』文藝春秋, 1998
  • 『洛神の賦 三国志の世界を訪ねる旅』文藝春秋, 2001
  • 『裁判員制度は刑事裁判を変えるか 陪審制度を求める理由』現代人文社, 2006
  • 『オキナワと少年』講談社 2006
  • 『ゴルフ上手は、ことば上手。』ゴルフダイジェスト新書classic 2014

共著[編集]

  • 『病める裁判』渡部保夫共著 文藝春秋, 1989 「日本の刑事裁判」と改題、中公文庫
  • 『えん罪を生む裁判員制度 陪審裁判の復活に向けて』石松竹雄,土屋公献共編著. 現代人文社, 2007
  • 『裁判員拒否のすすめ あなたが「冤罪」に加担しないために』生田暉雄共編著. WAVE出版 2009
  • 『裁判員必携 批判と対応の視点から』石松竹雄共著. ちくま新書 2009

翻訳[編集]

  • リー・トレビノ『トレビノの破天荒ゴルフ人生』新潮文庫 1984
  • クラレンス・ノリス,シビル・D.ワシントン『最後の被告人 スコッツボロ事件』伊佐敦共訳 文藝春秋, 1990
  • ケネス・ブランチャード『1分間ゴルファー』飛鳥新社 1992
  • キップ・ピュータボー『The body swing 米国ゴルフアカデミーの最新ナチュラル・スウィング理論』日本文化出版, 1993

脚注[編集]

  1. ^ a b 作家の伊佐千尋さんが死去 冤罪事件や沖縄に関する著書”. 朝日新聞 (2018年2月7日). 2018年2月7日閲覧。