体操着

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体操着(たいそうぎ)とは、日本で広義にはトレーニングウェアなど運動をする為の服装一般を指す言葉であるが、普通は学校教育における体育等の時間に着用される服装をさす。一般的には体育着(たいいくぎ)、体操服(たいそうふく)、体育服(たいいくふく)、運動着(うんどうぎ)、運動服(うんどうふく)とよばれることが多い。以下この項では主に学校(小学校中学校高等学校)の体操着について記す。

概要[編集]

日本の小中学校で一般的な体操シャツ。ブルマーについては、現在は体操着として採用されていない。
体操着は短パンのみ着用し上半身裸の例

体操着は普段着より身体の動かしやすさを重視して作られている。

多くの学校では体操着は基本的に次のセットで揃えられる

体操着セット
上着A 上着B(上着A着用時は中着)
トップス トレーニングシャツ 体操シャツ(学校によって半袖・長袖のどちら片方かまたは両方)
ボトムス トレーニングパンツ 体操パンツ(ハーフパンツクォーターパンツショートパンツ短パンなど)
ブルマーについては現在非採用

地域や学校によっては、気候的、もしくは精神論的な理由等から年中上着Bのみの姿で過ごさせる場合も有る。

学校によっては、体操着またはラインや名前の刺繍や校章の色を変えて学年を区別していたり、ジャージ上下のみ学校指定で、体操シャツ・ハーフパンツは色だけ指定しているところもある。

体操着と共に着用する下着インナーウェア)はTPOに応じて着用する必要があり、スポーツ体育授業など運動時はスポーツブラ(スポーツブラは形状・材質が通常のブラジャーと異なり、運動時以外での着用は適さない[1])などのスポーツ用の下着またはそれに準ずる下着を着用、健康診断受診時は下着着用に制限がある[2]。小学校5年生女子の体育授業で体操着の下にをかいてそのままにしていると風邪を引くと言う理由で下着・ブラジャー着用を禁止して問題になったことがあった[3] [注 1]

男子は学校によって組体操騎馬戦棒倒しなどの実施時や男女ともに健康診断の一部検診項目などでは、体操着はボトムスのみ着用して上半身は下着姿またはの場合がある[2]

マニア向けに大人用の体操服も売られている。

体操シャツ[編集]

体操シャツには長袖半袖があり、首周りのタイプは、クルーネック(丸首)、ファスナータイプ(襟付きでタートルネックにもなる)、ハーフジップ、Vネック、セーラーズニット、ヨークシャツ、デンマーク型シャツなどがある。

色は一色、または白を基調として、首周りや袖口などをスクールカラーや学年色(主にエンジ水色など)としたり、袖や胸にスクールカラーや学年色のラインを入れることが多い。

ハーフジップ等の襟付タイプの体操服は、前開き型のチャック付で、袖口、裾口がリブ(ニットの一種で繊維を編んだ伸縮性のある素材)という伸縮ゴムで絞っており、着用時に腕または手首、腰回りがリブによって締め付けられる感触が特徴のひとつといえる。体操服の袖口、裾口の口径が小さめまたはより絞っているタイプのものを着用したときは、腕または手首、腰回りがきつめに締め付けられて密着することもある。チャックを胸元から上までかけるとタートルネック状になる。袖や衿にライン等が入っているタイプが多く、学校によっては襟や衿にライン等が入っているタイプもある。裾は絞ってあるタイプと絞っていないタイプがある。袖口は絞ってあるものが大半である。

バレーシャツと呼ばれるクルーネック(丸首)タイプの体操服もあり、衿口、袖口、裾口がリブ(ニットの一種で繊維を編んだ伸縮性のある素材)という伸縮ゴムで絞っており、着用時に首や腕または手首、腰回りがリブによって締め付けられる感触が特徴のひとつといえる [注 2]。体操服の衿口、袖口、裾口の口径が小さめまたはより絞っているタイプのものを着用したときは、首や腕または手首、腰回りがきつめに締め付けられたり、首廻りがハイネックになって密着することもある。

しかし、学校体操着の体操シャツも現在新しく制定した学校などは、袖口や裾の絞りもなく、完全なTシャツ型で素材も従来の綿の割合が多いものから、ポリエステル等化繊の割合が多くなっており、裏地がメッシュで吸汗速乾性が高くて軽薄な素材であるなど、従来の学校体操着というよりも、スポーツウェアーの流れを汲んでいるものが多く見られるようになった。

体操パンツ[編集]

体操パンツの種類に関しては、短パン、ちょうちんブルマー、スコートスポーマー、ショーツ型ブルマー、クォーターパンツなどの密着型体操着パンツ。現在、採用されているハーフパンツまで様々なものがあり、時代の流れで移り変わっている。中にはサイドラインが入っている物や、股下の前に校章または学校名などが入っている物もある。

体操パンツのに関しては地域や学校によって異なるが、例をいくつかあげると、戦後は男子がの短パン、女子は濃紺のちょうちんブルマー。また女子では濃紺のスコートを着用することもあった。ナイロン、ポリエステル製のバレーシャツ、ハーフジップの衿付体操服などの密着型体操着シャツやスポーマー、ブルマーなどの密着型体操着パンツが主流だった頃は、男子は白、女子は濃紺のまま定着しているところもあれば、地域や学校によってエンジ色緑色など学年カラーで統一していたケースもある。ハーフパンツ、クォーターパンツに移行してからは男女とも濃紺をはじめ青、などの色で統一しているケースもあれば、男女別に色指定をしているところもある。

短パン着用時、タイツニーソックスレギンス等の着用を脱いだり履いたりするのに時間がかかる・暑い・動きにくくなるという理由で禁止、代わりに長ズボン(トレーニングパンツ)を着用するようにしている学校が多いが、女子を中心に長ズボンはダサいという理由で穿きたがらない問題が生じている[4]

バレーシャツ、ハーフジップなどポリエステル製の密着型体操着シャツが導入されてからは、スポーマー、ブルマーなどポリエステル製の密着型体操着パンツが主流となったこともある。

スポーマーは、短パンとの差別化を図るためにつけられた名称であり、実際はナイロン、ポリエステル製の密着型体操着用半ズボンである。地域や学校によっては、体操着用半ズボンをスポーマーという名称で扱っていたところもある。

ブルマー[編集]

ブルマーに関しては、1970年代以降は従来のもんぺ・ちょうちん型からショーツのようなスタイルに変貌した。当時の人気スポーツであったバレーボールの影響から、スポーティーで格好よく、軽量で動きに対する追従性が良いと好意的に受け止められた。タイプは、腰ゴムと脚口ゴムが伸縮ゴム(腰回りが3段ゴムで脚口ゴムが1本だけの伸縮ゴム)で絞っているものがあれば、オペロンゴムで腰回りや脚の付け根を締め付けて腰全体を密着させるオペロンタイプもある。

制服の一部として、スカートの下に穿いている白無地のショーツの上からブルマーを着用するケースがある。

ゼッケン[編集]

児童・生徒の管理や運動中の事故対応等の目的のため、名前・クラス・出席番号などが記入された白布の名札を縫い付ける学校や服の生地に校名と氏名(または氏名のみ)の刺繍が入る学校がある。

前者の場合、体操シャツ、トレーニングシャツ、長袖ジャージは前部または前部後部両方に縫い付ける大きいゼッケンタイプと、左胸に縫い付ける小さいタイプがあり、ハーフパンツ、クォーターパンツ、トレーニングパンツ、短パン、スポーマー、ブルマーは右後ろ、右前、左前のいずれかに小さいタイプのものを縫い付ける。

ゼッケンは、学校指定の物を購入する場合と、各家庭で布を買い、学校から指定されたとおりの寸法で製作する場合がある。

後者の場合は、体操シャツ、トレーニングシャツ、長袖ジャージは左胸に、ハーフパンツ、トレーニングパンツ、短パン、ブルマーは左側に名前の刺繍が入ることが多い。

体操シャツやジャージの左胸に校章のプリントが入る学校も多く、学校によっては体操着・ジャージ本体の裏面や表面に校名などの文字(英字または漢字)のプリントや、文字を図案化した柄が入ることもある。現在は、生徒の安全確保のため、背中のゼッケンをなくす学校も多く、背中のゼッケンをなくした代わりに、学校名等のバックプリントを施したり、体操着やジャージを新たに制定した時に、バックプリントを施す場合が多い。

なお、児童生徒の誘拐事件防止、プライバシーの保護などを理由に、ゼッケンそのものをつけさせなかったり、背中のゼッケンを廃止し正面だけにする、大きめのゼッケンを小型の名札にするよう、あるいは完全な縫い付けではなく、スナップ等で脱着できるようにし、体育の授業や学校内では、ゼッケンを装着し、下校時には取り外すなど、指導する学校も見られるようになっている。

着用[編集]

着替え方[編集]

着替えの手間を省略するケースは、家庭で体操着を着用した上で登校する。就学時間中ずっと体操着姿のまま過ごす場合や、家に帰っても就学時間中に着用した体操着姿のまますごす場合や学校制服や自由服の中に体操着を着用しておき、授業時に学校制服や自由着を脱いで体操着姿になる場合などもある。

学校の教室更衣室などで着替えるケースでは、学校・学年などによって男女同室で着替える場合と男女別室で着替える場合がある。体操着を着替える際に下着姿が露出する場合があり[5]、下着が濡れたり汚れたりしたために乾いた下着に着替える場合や、普段着用の下着とスポーツ用の下着との着替えもなども伴う場合もあり、下着の着替え時にプライベートゾーンが露出する場合もある。スクール水着着替えと同様、バスタオルラップタオル用いて下着姿・プライベートゾーンを他人に見られないように着替える場合もある。

小学校1年生では体育の授業の一環として体操着への着替え方や着替えたあとの学校制服や自由服の片付けなどを指導する場合もある[6]

体育授業以外での着用[編集]

体育の授業以外でも、体を動きやすくするために掃除活動、ボランティア活動、部活遠足健康診断学習発表会など学校活動時や、地域のマラソン大会盆踊り大会、テレビの視聴者参加型番組等で着用することもある。また、映画やドラマ、グラビア等の撮影でも着用することもあり、学校卒業後も体操着一式を廃棄しないで保管したり、何らかの事情で着用することもある。

上記の理由で、体操シャツ、体操パンツだけでなく、紅白帽子鉢巻手拭い水泳帽子などの被り物、ハイソックス上履きまたは運動靴などの靴下や履き物、軍手手袋マスク競泳ゴーグルなどの装身具チョッキ法被など半袖体操着シャツの上に着用する上着やスクールセーターカーディガンなど長袖体操着シャツの上に着用する上着まで体操着一式として使用するケースもある。

従来、登下校及び授業において学校制服の着用が義務付けられていた学校でも、熱中症対策やクールビズ対応等のため、登下校や体育以外の授業中にも任意で体操着の着用が認められるようになっている。さらに、登校後には、必ず体操着に着替えるよう着用を強制している学校もある(千葉県一部地域の中学校など)。その場合、登校後に体操着に着替え、1日の学校生活を過ごし、下校時に学校制服に着替えて下校。また、学校によっては、式典のみ学校制服を着用し、通常日課時は体操着での登下校を認めている学校もある。

掃除、ボランティア作業等[編集]

学校で掃除を行う際、体操着に着替えてから頭に手拭いまたは三角巾、紅白帽子を被って行うことがある。

着衣水泳、臨海学校等[編集]

小学校を中心に着衣水泳が行われるようになったことから、学校によっては体操着を着衣泳着として使用しているところもある。

戦後の主な歴史[編集]

1960年代前半までは、男子は白綿のランニングシャツに白のブロード地の短パン、女子は白綿のブロード地の開襟シャツに紺サージのちょうちんブルマーだった。

1960年代後半には、男子は白のメリヤス地のトレーニングシャツに白サージの短パン、女子は白のメリヤス地のトレーニンクシャツに紺サージの半ズボン型ショートパンツとなった。この頃には既に「学校体育振興会」のマークがつけられていることが多かった。

1970年代初めには、男女とも白のメリヤス地に青や紺のラインの入ったトレーニングシャツ、当時「サッカーパンツ」「カラーパンツ」と呼ばれていた紺や青のナイロン製のトランクスタイプの短パン、そして女子用として紺ニット生地ショーツ型ブルマーが一般的になり、それぞれに「振」という学校体育振興会のマークがつけられていた。後にナイロン、ポリエステル生地でつくられた「バレーシャツ」という袖口、裾口、首廻り口が伸縮ゴムで絞った密着型体操服が登場。長袖、半袖の二種類があり、それが採用されたところでは、男子はスポーマーというナイロン、ポリエステル生地でつくられた密着型短パン、女子はナイロン、ポリエステル生地でつくられたショーツ型ブルマーという密着型パンツ。ハイソックス、上履きまたは運動靴をはじめ、紅白帽子または手拭い、水泳帽子と水中メガネ等も併せ水陸両用の体操服として使用されたところもある。

1980年代末にそれまで男子用(一部女子用)に普及していたナイロン製の短パンから、当時「バレーパンツ」と呼ばれた紺のコットン合繊の短パンに取って代わられるようになり、1990年代に入るとブルマーに対する批判が高まったのを受け、女子もブルマーから「バレーパンツ」へと移行する。そして1990年代中ごろにニット生地の「クオーターパンツ」「ハーフパンツ」が考案され、全国に普及した。

日本国外の例[編集]

欧米では体育の授業の際は各自で運動しやすい服装や靴を自由に着用するのがほとんどであり、日本のような体操着の着用強制を人権侵害と捉える人もいる。

韓国では多くの小・中・高校で体操着を定めている。小学校では青や水色を基調としている場合が多い。中学校・高校では、冬季はジャージや丸首のトレーナーを着用し、夏季は日本と同じ白地の半袖体操着も見られる。体操着は「体育服」と呼ぶが、学校の体操着だけでなく、成人が着用するジャージやトレーニングウェアなども「体育服」と呼ぶことがある。

中国の中学校・高校では、登下校時や体育を含むすべての授業で「校服」と呼ばれるジャージ上下を着用している(学校制服#中華人民共和国も参照)。

日本人学校(小・中学校)では現地、海外の児童、生徒も日本の児童、生徒と同じ体操着を着用するだけでなく、体育帽子まで被らせているところもある[7]

おもなメーカー・ブランド[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 日本の小学校は年齢主義によって運営されているため、小学校5年生では10歳または11歳の者が多く、思春期初来・初経の平均年齢から大部分の者は思春期に入りブラジャーの着用が必要なタナー段階II以降の者である。
  2. ^ 中には、は絞ってあるタイプと絞っていないタイプがあり、衿口、袖口だけが絞ってあるタイプもある。

出典[編集]

  1. ^ 恥ずかしがる娘もOK 「友ブラ」で思春期の胸をケア”. NIKKEY STYLE (2019年11月21日). 2020年5月3日閲覧。
  2. ^ a b 健康診断受診時は健康診断#受診時の注意を参照
  3. ^ “小5女子に体操着の下の肌着・ブラ禁止 汗で風邪引くと禁じる小学校の校則が物議「性的虐待では」”. BIGLOBEニュース編集部. (2018年5月18日). https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0518/blnews_180518_3785777464.html 2018年5月23日閲覧。 
  4. ^ “体育の授業の長ズボンを履きたくない子ども。タイツを履かせたいけれど学校に言うのはダメ?”. ママスタセレクト. (2019年11月20日). https://select.mamastar.jp/346404 2019年11月20日閲覧。 
  5. ^ 体育やクラブ活動の着替えの際に他人の下着を見る割合が85%と多い スポーツするときのバストの悩みって|小学生・中学生女の子下着の悩み解決|ガールズばでなび
  6. ^ イラストで学ぶシリーズ 体操服に着替えよう
  7. ^ 1989年4月23日付の読売新聞、首都圏教育の記事「先生不足に悩む日本人学校」より

関連項目[編集]