余正麒
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余正麒 八段 | |
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名前 | 余正麒 |
生年月日 | 1995年6月19日(25歳) |
プロ入り年 | 2009年 |
出身地 | 台湾台北市北投区 |
所属 | 関西棋院 |
師匠 | 張呂祥 |
段位 | 八段 |
概要 | |
七大タイトル | |
王座 | 挑戦者(2016) |
十段 | 挑戦者(2017) |
余 正麒(よ せいき、1995年6月19日 - )は、台湾、日本の囲碁棋士。台湾台北市北投区出身。張呂祥六段門下、台湾棋院、関西棋院所属、八段。
主な実績に、第64期王座戦挑戦、第55期十段戦挑戦、最年少本因坊戦リーグ入り(当時)、関西棋院第一位決定戦4連覇(第61 - 64期)など。
経歴[編集]
囲碁愛好家の父に5歳になる前に囲碁を教えられ、 陳永奇の元で研鑽、2005年に台湾棋院職業棋士選抜戦で院生第一位で、台湾棋院の最年少記録の10歳3か月で入段を決める[1]。2008年二段昇段。 2009年、日本に渡航し、張呂祥六段門下で関西棋院に所属し、段位は初段となる[2]。
2013年、第61回NHK杯テレビ囲碁トーナメントに初出場、小林覚・張栩を破り、3回戦進出。第69期本因坊戦最終予選で潘善琪に勝りリーグ入り。これは最低段からのリーグ入り記録(三段)であり、18歳2か月での本因坊リーグ入りは井山裕太の20歳2か月の最年少記録を更新した[3]。規定により七段昇段。最低段の飛び付け昇段記録を更新(三段から)。2013年新人王戦準優勝、第39期天元戦本戦ベスト4。
2014年、前期本因坊リーグを3勝4敗で陥落したが翌第70期で即復帰。竜星戦準優勝、関西棋院第一位決定戦挑戦者決定戦進出、非公式戦の第1回ゆうちょ杯で優勝。
2015年、第53期十段戦本戦ベスト4、非公式戦の第6回おかげ杯で優勝。第63期王座戦では挑戦者決定戦に進出するも、井山裕太四冠に敗れる。LG杯世界棋王戦2回戦進出。
2016年、第54期十段戦本戦で挑戦者決定戦に進出するもまたも井山裕太六冠に敗れる。第64期王座戦で再び挑戦者決定戦に進出し、高尾紳路九段を破り挑戦者となる。しかし井山裕太七冠の前に0勝3敗で敗れる。また、中国囲棋丙級リーグに中日友好隊として出場し、5勝2敗の成績で優勝・乙級昇級に貢献した。
2017年、第55期十段戦の挑戦者となるが井山裕太6冠に1勝3敗で敗北。第43期棋聖戦Bリーグ1組を6勝1敗で1位になりAリーグ昇格・挑戦者決定トーナメント進出。2組1位の志田達哉七段に勝利するもCリーグ1位の本木克弥八段に敗れる[4]。第61期関西棋院第一位決定戦で結城聡第一位に挑戦し、2勝0敗でタイトル獲得。その後、2018年(第62期、挑戦者横田茂昭九段に2勝0敗)・2019年(第63期、挑戦者渡辺貢規三段に2勝0敗)・2020年(第64期、挑戦者村川大介九段に2勝0敗)と4連覇。
2021年、第68回NHK杯(2020年度)で初の決勝進出を果たすも、一力遼に敗れて準優勝。
記録[編集]
- 最低段からのリーグ入り(三段) - 三段から七段への飛び付け昇段は史上初
棋歴[編集]
獲得タイトル[編集]
- 関西棋院第一位決定戦 4期(第61 - 64期)
他の棋歴[編集]
国際棋戦
- LG杯世界棋王戦 ベスト8 2015年
- 農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 2017年 0-1(×申旻埈)
国内棋戦
- 王座戦 挑戦者(2016年・第64期)
- 十段戦 挑戦者(2017年・第55期)
- 新人王 準優勝(2013年・第38期)
- 竜星戦 準優勝(2014年・第23期)
- NHK杯 準優勝(2020年度・第68回)
- 関西棋院第一位決定戦 挑戦者決定戦進出(2014年・第58期)
- ゆうちょ杯囲碁ユース選手権(非公式戦) 優勝(2014年・第1回)
- おかげ杯(非公式戦) 優勝(2015年・第6回)
中国囲棋リーグ
- 2016年丙級(中日友好隊)5-2
- 2017年乙級(中日友好隊)5-3
昇段履歴[編集]
台湾棋院[編集]
関西棋院[編集]
受賞歴[編集]
関西棋院賞[編集]
- 最優秀棋士賞 4回(2015-2017、2020年・第43-45、48回)
- 利仙(敢闘)賞 1回(2018年・第46回)
- 道玄(殊勳)賞 2回(2013-2014年・第41-42回)
- 永井(将来性)賞 2回(2010、2012年・第38、40回)
- 吉田(交流)賞 6回(2015-2020年・第43-48回)
- 連勝賞 2回(2013年-19連勝、2020年-22連勝・第41、48回)
- 新人賞 1回(2011年・第39回)
年表[編集]
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棋聖 | 本因坊 | 名人 | 王座 | 十段 | 棋道賞 | 賞金対局料 | 備考 | |
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棋聖戦 1-3月 |
本因坊戦 5-7月 |
名人戦 9-11月 |
王座戦 10-12月 |
十段戦 3-4月 |
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2009 | ||||||||
2010 | ||||||||
2011 | ||||||||
2012 | ||||||||
2013 | 初リーグ入り | |||||||
2014 | 降格 | |||||||
2015 | C | 降格 | ||||||
2016 | B | 降格 | 初リーグ入り | 井山裕太 xxx |
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2017 | B | 降格 | 井山裕太 xxox |
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2018 | A | 降格 | ||||||
2019 | A | 降格 | ||||||
2020 | A | |||||||
2021 | S |
脚注[編集]
- ^ 台湾棋院 院生組職業徵選,余正麒出線
- ^ 台湾棋院で入段後、関西棋院で入段しなおした初のケースとなる。
- ^ 朝日新聞 余正麒三段リーグ入り 本因坊戦で最年少。なお、2017年に芝野虎丸が17歳9ヶ月で記録を更新している。
- ^ 第42期棋聖戦
外部リンク[編集]
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