八重子のハミング

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八重子のハミング
著者 陽信孝
発行日 2002年4月
発行元 小学館
ジャンル 回顧録ノンフィクション
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 222
公式サイト www.shogakukan.co.jp
コード ISBN 4093964114
ISBN 4094080414(文庫版
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八重子のハミング』(やえこのハミング)は、2002年4月に小学館から発売された陽信孝による書籍。2005年6月7日には文庫版が発売されている。

概要[編集]

著者の陽信孝(みなみ・のぶたか)は山口県萩市教育長も務めた元教諭で、現在は金谷天満宮の宮司を努めている[1][2]。著者自身が4度のがん手術を受けながらも、若年性アルツハイマー病を発症した妻を約12年間・4000日にわたり介護した様子を、彼が詠んだ約80首の短歌と共に綴ったもので、現代の『智恵子抄』とも評された[3][4][5][6][7][8]

あらすじ[編集]

1991年、中学校校長を務めていた信孝に胃癌が見つかる。元音楽教師だった妻の八重子は信孝を献身的に支えるが、その頃から何度も同じ行動を取る、怒りっぽくなるなど八重子の行動にも異変が生じる。八重子に下された診断は若年性アルツハイマー病への罹患だった。ここから、自らがんと闘いながら、徐々に記憶をなくし童女に帰る妻を介護する日々が始まった。

映画[編集]

八重子のハミング
監督 佐々部清
脚本 佐々部清
原作 陽信孝
製作 馬渕敦史
出演者 升毅高橋洋子
音楽 穴見めぐみ
主題歌 谷村新司
」「いい日旅立ち
撮影 早坂伸
編集 川瀬功
製作会社 Team「八重子のハミング」
(シネムーブ・北斗・オフィスen)
配給 アークエンタテインメント
公開 日本の旗 2017年5月6日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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八重子のハミング』(やえこのハミング)は2016年日本の映画。原作者の陽が萩ツインシネマの運営に関わっていた縁で親交があった佐々部清が映画化を熱望し、陽の同級生らで組織した製作支援萩実行委員会が資金を集めて[1]、ロケ地でもある地元の山口県内では劇場のブッキングも佐々部が自ら行い映画化を果たした[9]。また、佐々部は製作した経緯や理由について「10年くらい前に脚本を書いて、4年くらい映画会社を回ったが、結局ダメで、3年前から自分でやり始めた。老々介護の年齢が年々、あがっていく中、僕の母も認知症が始まった。こういう現実をちゃんと考えてもらわなければ、と思ったから。」と話している[9]升毅が芸能人生42年目にして映画初主演を務めた[10]。2016年10月29日より山口県で先行上映され[5]、2万5000人以上の動員数を記録した[7][8]2017年5月6日より全国公開され、小規模上映ながらもぴあの映画初日満足度ランキングで1位を獲得[11]。公開初日時点では上映館数8館だったが、その後は徐々に上映館数を伸ばし、2017年9月8日時点では当初の目標だった全国30館を大きく上回る88館に達し[9]、更に口コミで全国に評判が広がり2017年10月21日時点では上映館数累計103館にも及んだ[12]

あらすじ(映画)[編集]

石崎誠吾は自らも4度のガン手術を経験しながらも、若年性アルツハイマー病を患った元音楽教師の妻・八重子なき今、山口県のホールで開かれた講演会で介護問題について語る。夫婦ふたりに残された時間の中で、誠吾は八重子を支え続けた。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 脚本・監督 - 佐々部清
  • プロデューサー - 佐々部清、野村展代、西村祐一
  • 協力プロデューサー - 藤得悦
  • 音楽 - 穴見めぐみ
  • 撮影 - 早坂伸
  • 照明 - 田島慎
  • 録音 - 臼井勝
  • 製作 - Team「八重子のハミング」(シネムーブ・北斗・オフィスen)
  • 配給 - アークエンタテインメント

撮影地[編集]

  • 金谷天満宮(山口県萩市) - 誠吾と八重子の住まい
  • 椿群生林(山口県萩市) - かつての教え子・水本早紀と再開する椿のきれいな場所
  • 田床山(山口県萩市) - 「一番萩らしい景色じゃけぇ」の場所
  • 椿東小学校(山口県萩市) - 孫・誠一郎が通う小学校
  • 木間小学校(山口県萩市) - 若かりし頃の誠吾と八重子が教師をしていた学校
  • 藍場川(山口県萩市) - 誠吾と八重子が手を繋いで畔を歩く小川
  • 橋本橋(山口県萩市) - 誠吾と榎木がはしゃぐ橋
  • 喫茶プチハウス(山口県萩市) - 誠吾が同級生と集まる喫茶店
  • 荻典礼会館(山口県萩市) - 八重子の葬儀会場・外観
  • サンブリ荻(山口県萩市) - 誠吾が弁当を買うスーパー
  • 壇之浦パーキングエリア(山口県下関市) - 誠吾が見知らぬ女性に八重子のトイレの介助を頼んだ場所
  • ホテルブレス(山口県下関市) - 誠吾と八重子が入ったラブホテル
  • 長府製作所記念館「蛍遊苑」(山口県下関市) - 年老いた誠吾が講演をするホール
  • 周南典礼会館(山口県周南市) - 八重子の葬儀場・内部
  • 徳山医師会病院(山口県周南市) - 誠吾が入院する病院
  • ホテル楊貴館(山口県長門市) - 女将さんの優しさに触れた温泉宿
  • 元乃隅稲成神社(山口県長門市) - オープニングに“ふるさと”を歌いながら誠吾と八重子が歩く崖
  • アモーレヴォレサンマルコ(山口県北九州市) - 次女・百合子と小森の結婚式場
  • 風の丘公園(島根県石見空港そば) - 飛行機が見える公園

脚注[編集]

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  1. ^ a b 田中理知 (2016年2月20日). “萩の陽さん、介護体験を映画化へ 亡き妻、若年性アルツハイマー患う 同級生ら製作実行委設立”. 毎日新聞(山口版) (毎日新聞社). https://mainichi.jp/articles/20160220/ddl/k35/200/396000c 2017年11月25日閲覧。 
  2. ^ "陽信孝さん「短歌に託した妻への介護日記」". ラジオ深夜便. NHKラジオ. NHKラジオ第1放送. 2017年5月4日放送. 2017年11月25日閲覧。
  3. ^ “本の発売から15年を経て映画公開! 『八重子のハミング』は多くの人の心を揺さぶる感動作、5月6日より全国順次公開!!”. 小学館. (2017年5月2日). https://www.shogakukan.co.jp/news/156342 2017年11月3日閲覧。 
  4. ^ “佐々部清監督の思いが結実した「八重子のハミング」特報が完成!”. 映画ニュース (映画.com). (2016年6月4日). http://eiga.com/news/20160604/6/ 2017年11月3日閲覧。 
  5. ^ a b “夫婦愛が胸を打つ、佐々部清監督作予告完成 主題歌は谷村新司「いい日旅立ち」”. 映画ニュース (映画.com). (2016年9月4日). http://eiga.com/news/20160904/11/ 2017年11月3日閲覧。 
  6. ^ “「八重子のハミング」5月6日全国公開!夫婦愛感じる新場面写真公開”. 映画ニュース (映画.com). (2017年3月12日). http://eiga.com/news/20170312/10/ 2017年11月3日閲覧。 
  7. ^ a b “中村優一、佐々部清監督×主演・升毅による念願の出演作は「涙が止まらない」”. 映画ニュース (映画.com). (2017年4月19日). http://eiga.com/news/20170419/18/ 2017年11月3日閲覧。 
  8. ^ a b “升毅、長編初主演作のパートナー・高橋洋子への愛あふれる短歌を披露!”. 映画ニュース (映画.com). (2017年5月7日). http://eiga.com/news/20170507/1/ 2017年11月3日閲覧。 
  9. ^ a b c “「わさび」外山監督に、佐々部監督がエール「“何のために映画を撮るか”は高倉健からの宿題」”. 映画ニュース (映画.com). (2017年9月8日). http://eiga.com/news/20170507/1/ 2017年12月22日閲覧。 
  10. ^ “61歳・升毅、芸能生活42年で初主演に大喜び 座長の立場に「葛藤あった」”. 芸能ニュース (ORICON NEWS). (2017年4月19日). https://www.oricon.co.jp/news/2089427/full/ 2017年11月2日閲覧。 
  11. ^ “ぴあ映画初日満足度ランキング発表!第1位は『八重子のハミング』” (プレスリリース), ぴあ, (2017年5月8日), https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000497.000011710.html 2017年11月2日閲覧。 
  12. ^ “「八重子のハミング」異例8→103館ロングラン”. 映画ニュース (日刊スポーツ). (2017年10月22日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201710220000070.html 2017年11月2日閲覧。