六道の悪女たち

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六道の悪女たち
ジャンル 学園漫画
シチュエーション・コメディ
漫画
作者 中村勇志
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
発表号 2016年30号 -
発表期間 2016年6月23日 -
巻数 既刊15巻(2019年6月7日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

六道の悪女たち』(ろくどうのおんなたち)は、中村勇志による日本漫画。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)において、2016年30号(2016年6月23日発売)[1]から連載中。中村の初連載作品である[1]

ライターの秋山哲茂は本作を「王道の少年マンガ」と評している[2]。主人公が能力を使用して、女の子たちを侍らせるハーレム状態になるのでもなければ、強い女の子たちを能力で使役して自分をいじめていた不良から守ってもらったり、復讐する露悪的な作品でもないと指摘している[2]

コミックス1巻の発売に合わせて、書泉グランデ書泉ブックタワー芳林堂書店高田馬場店で本作のフェアが開催され、直筆イラスト色紙や複製原画が展示された[3]。コミックス2巻の発売に合わせて、2017年2月19日に紀伊國屋書店新宿本店でサイン会が開催される[4]。中村の初サイン会となった[4]

『週刊少年チャンピオン』2017年11号(2月9日発売)ではSUPER☆GiRLS渡邉幸愛内村莉彩が本作とコラボして「悪女」をイメージしたコスプレでのグラビアが掲載された[5][6]

あらすじ[編集]

不良だらけの亞森高校に通う六道桃助は、普通の学園生活を夢見る臆病な少年で、同じいじめられっ子友達の大佐課長とトイレでグチをこぼす日々を送っていた。そんなある日、六道の死んだ祖父から六道宛てに巻物が送られてくる。巻物が光り、六道の額に五芒星のマークを刻みつけると、六道は問答無用で「悪女」に愛される体質になってしまった。六道は校内外のさまざまな悪女、そして最強最悪とも呼ばれるスケバン向日葵乱奈に惚れられることになる。当初は乱奈を利用すれば平和な学園生活を送れるかもしれないと考えていた六道だったが、不良にボロボロにされても自分との約束を守る乱奈に「漢気」を感じ、自分も漢気を見せなければならないと決意する。

六道は、クラスの不良リーダー飯沼波瑠也とタイマンをして認められ、友人となる。その後、亞森高校を仕切る番長の幼田小百合、白バイ警官に扮して暴走族を狩る姫野莇美に好かれ、次々と騒動に巻きこまれるが、漢気を見せて騒動を解決すると共に周囲に受け入れられていく[7]

幼田の騒動にも莇美の騒動にも不良チーム「鬼島連合」が関与していた。六道たちが鬼島連合の報復を危惧する中、鬼島連合総長の松ヶ宮童子は幹部を引き連れて亞森高校の六道のクラスに転校してくる。彼らの真の目的は、かつて鬼島連合をたった1人で壊滅させた乱奈を手に入れることだった。乱奈は、暴力にしか生きる意味を見いだせない自分は六道のそばにいてはいけないと、一度は童子と共に去ろうとするが、六道は、悪い乱奈とも楽しい学園生活を送れるくらいに自分が強くなると涙ながらに宣言。乱奈は六道のそばに残ることを決め、鬼島連合は撤退する。

課長がある日突然学校に来なくなる。その理由は闇金融に追い込みをかけられ苦境に立たされた実家を助けるためであった。六道らは課長一家を助けるため、それぞれアルバイトを始める。闇金融を経営する悪女山吹ミナミは、術によって六道に惚れたことをきっかけに金よりも大事なものに気づき、闇金融を廃業して六道らの仲間となる。

クリスマス、乱奈との初デートの末に乱奈の実家を訪れた六道は、尋常ではない乱奈の生い立ちとその後の成長ぶりを知る。六道は、過去に唯一乱奈を大人しくさせた愚連無輪と呼ばれる悪い心を鎮める数珠を求め、飯沼・大佐・課長と共に刈茅山にある寺を目指すが遭難してしまう。彼らを助けたのは、目指す寺に住む鈴蘭と言う心優しい少女だったが、実は彼女は数珠の力で邪心を抑えられていた悪女であった。数珠が外れた鈴蘭は暴れ始めたが術によって六道に惚れる。六道は強くなるために鈴蘭に師事してカンフー修行を始め、飯沼・大佐・課長もそれに付き合う。六道との出会いによって変わった鈴蘭は悪女のまま下山することが許されるが、鈴蘭とともに修行していた仲間の1人タテシマの裏切りにより、寺で修行していた他の若者たちが悪人に戻ってしまう。なかなか帰ってこない六道を探して乱奈も刈茅山に到着し、六道と共にタテシマを追うが、鈴蘭は倒されており、乱奈は隙を突かれタテシマに愚連無輪を掛けられたとたんに無力化し崩れ落ちる。1人残された六道は難敵タテシマと必死に戦った末に辛勝し「自分が乱奈を守る」という誓いを果たす。

春休み、ミナミと鈴蘭は亞森高校に新入生として入学することが決まり、六道たちと再会する。

登場人物[編集]

主人公と仲間たち[編集]

六道ら男性の姓名は「桃太郎」に由来し、悪女たちの姓名は花に由来している[8]:そで

六道 桃助(ろくどう とうすけ)
主人公。小柄で冴えない風貌の少年。華やかな学園生活を望みながらも、臆病な性格から学園内の不良達のおもちゃとなっていた[1]。気は弱いが正直者で、芯には熱い心を持っている[2]。学内の不良については「漢気がどうのと言いながら弱い者いじめばかりする連中」と嫌悪感を覚えていたが、飯沼と親しくなったことでやや認識が変わりつつある。祖父から贈られた巻物によって、「悪女にモテモテになる」能力(術)を身につけ、乱奈をはじめとする様々な悪女に無条件に好かれるようになったが、本人はそれを積極的に利用するような考えはなく、むしろ彼女達がトラブルに巻きこまれたときには、守るために体を張ることもいとわない。六道以外で術の秘密を知るのは大佐・課長のみだったが、第104話で飯沼にも真実を明かした。
数々の抗争を仲間たちと乗り越えた結果、いつの間にか「亞森の裏番長」として認知されるようになる。乱奈と付き合う為に、肉体的に強くなりたいと言う願望を持ち始め、乱奈と飯沼に同時に師事した事があったが、心身ともに消耗しただけで効果はなかった。後に鈴蘭に師事し、カンフーを身に付けた末に、難敵であるタテシマに勝利し、成長を見せる。
向日葵 乱奈(ひまわり らんな)
街中の不良たちから恐れられる、最強のスケバン。「一人目」[9]:66の悪女にしてメインヒロイン
六道たちと同じクラスだが、入学以来一度も登校していなかった。へそを出したセーラー服、腰まで届く長い金髪とへそ下までずり下がった長いスカートに木刀を携え、大昔のスケバンそのままのスタイルが特徴。顔立ちは整っているが、眉毛がなく目つきが異常に鋭い。しかし六道の前ではすっかり険が取れ、可愛い素直な乙女になる。
「ムシャクシャした」という理由だけで十数人の不良を病院送りにするほどの狂暴な性格であり、数々の武勇伝を持つが、一方で六道との約束を守る「漢気」もあわせ持つ。また、意外にも、礼儀や言葉遣いに関しては人並みの感性を持っている。六道以外とはろくに会話もせず、関心も持たなかったが、鬼島連合との決戦を経て、それまでのかたくなな姿勢にわずかながらも変化が見られた。六道と出会ったことで幾分丸くなったとはいえ、時折見せる悪女としての力と纏った空気は健在である。その存在は恐怖の対象として知れ渡っているが、長い間1人で行動していたために、名前はあまり知られていない。
実家は「日回寺(ひまわりでら)」という寺だが、生まれて間もなくして「乱奈」と名前がつけられたまま寺の前に置き去りにされ、その寺の住職の夫婦に引き取られたという経緯がある。礼儀正しく育つものの、育ての親に対して一切笑顔を見せず、笑顔を見せるのは唯一暴力を振るっているときだけ、わずか5歳で不良グループのリーダーらしき男を完膚なきまでに袋叩きにするなど、当時から天性の異常な強さと狂暴さを見せていた。幼少期に一時期、悪い心を鎮める数珠「愚連無輪(ぐれむりん)」を身につけて大人しくなったが、1年で数珠が壊れ、元通りになってしまった。
現在でも愚連無輪をつけると抜け殻のような状態になり無力化してしまう。久々に身につけた数珠への拒否反応があまりにも強すぎたために、その後は数珠へのトラウマを持つようになった。
飯沼 波瑠也(いいぬま はるや)
六道のクラスをまとめている不良のリーダー。平服はスカジャンで、頭髪の右前半分を金髪に染めている。弱者を「ザコ」と見下しており、六道たちのこともいじめていた。喧嘩の腕前はかなりのものだが、いじめられた過去をバネに努力して強くなった描写がある。
タイマンを経て六道の根性を認め、その後は大佐や課長らも含め友人関係になる。以後しばしば彼らのために知恵を貸し体を張るが、自身は不良のままであることにはいささかの変化もない。秀麗なルックスもあって亞森の不良学生たちのリーダー格としてカリスマ性を発揮しているが、つばきが閉口するほどバイクのセンスは悪い。好物はラーメンで、時々六道らを誘って食べに行く。六道に術の秘密を打ち明けられたときには即座に信用し、以後理解を示している。
術をきっかけに勇敢になった六道に好意を持つようになった点から、「隠れヒロイン」と表現されることもある[10]:187
火野本 勝(ひのもと まさる)
通称大佐(たいさ)。六道のクラスメイトで友人。六道同様に不良のいじめ対象。常に迷彩柄の服にベレー帽をかぶったミリタリールックと、折り目正しい話し方が特徴。服装とは裏腹に真面目な常識人で洞察力も鋭く、桃助が身につけた「能力」の正体に最初に気づいたのも彼である。数々のトラブルを乗り越えた結果、精神的にたくましくなっている描写がある。
木嶋 耕太(きじま こうた)
通称課長(かちょう)。六道のクラスメイトで友人。六道同様に不良のいじめ対象。Yシャツに腕貫という、サラリーマンのような服装をしている。六道に輪を掛けて大人しい性格だが、他校の標的となって暴行を受けた際に、六道や大佐を巻き込まないよう敢えて助けを求めまいとするなど、芯の強さも持ちあわせている。また、大佐と同様、数々のトラブルを乗り越える中で精神的にたくましくなっている描写がある。実家は「木嶋製作所」という町工場。
椿(つばき)
六道と同じクラスの女子で、飯沼の彼女。ハート型の髪飾りをつけている。乱奈よりも先に六道の術にかかった悪女[11]。毒舌で六道たちへのいじめにも加担していたが、術にかかった後は良心が芽生え、男子トイレに立ち入ってまで六道にそれまでの愚行を謝罪し、以後は良き友人となる。術にこそかかってはいるが、飯沼との交際は支障なく続いている。「つっぴい」という愛称で読者モデルをしている。
幼田 小百合(おさなだ さゆり)
亞森高校のトップでもある女番長[12]。「二人目」[9]:198の悪女。後ろ髪を2つに束ねている。
実は2回留年しており六道たちと同じクラス。まるで小学生のような外見をしており、精神的にも幼いが、見た目に似合わぬ異常な腕力と打たれ強さを持つ。六道に出会うまでは、自分の気に入らない相手は即座に潰す非情さを持っていたが、自分を心から心配して「漢気」を見せた六道に感化され、更生してからは、身近にいる者は誰一人として見捨てずに守る「正義の番長」になることを宣言した。
姫野 莇美(ひめの あざみ)
白バイ警官に扮して暴走族狩りを行っているお嬢様[13]。「三人目」[14]:202の悪女。髪型はウェーブのかかったロングヘア。
亞森高校とは異なるお嬢様高校に在学中[15]。思慕の対象だった白バイ警官が、布留川のせいで再起不能の重傷を負ったことに憤り、布留川とその仲間たちを付け狙っていた。六道に助けられて布留川との勝負を制した後は復讐を諦め、布留川のチームを引き受けてリーダーとなる。チームが健全なバイクツーリング集団として不良行為をしないようにらみを利かせており、「暴走族」という言葉を聞いただけで表情を変える。
問題解決後もスピード狂であることは変わらず、「六道の専属運転手」を自称し、有事の際はバイクごと駆けつけてくる。
山吹 ミナミ(やまぶき ミナミ)
「闇金コウモリ」の異名を持つ、「10日で3割利息」の闇金融を営む少女。「四人目」[16]:186の悪女。関西弁を話す。
幼いころ、病気になっても医者にかかれなかった貧乏体験から極度の守銭奴となる。小柄で幼児体型であり髪型は外はねのボブ、口元からは2本の犬歯が覗いている。当初はコウモリ傘にコート姿だったが、六道に恋をしてからは、自身が可愛いと思うロリータ・ファッションを身に纏うようになった。
偶然に出会った六道に一目ぼれをしたために、六道がアルバイトをしているコンビニ(セコマート)に通いつめ、とうとう店の商品を全て買い占めたり、六道に金品を貢いだりするなど浪費を重ねるようになった。六道がアルバイトをしていたのは闇金融による厳しい取り立てで苦しんでいる課長一家を助けるためだと聞き、業者を撃退させるために色々と助言をするが、その悪徳闇金業者が自分だったと知り、六道への想いから自己嫌悪に陥ってしまう。その末に闇金融を廃業することを決意し、それまでに稼いだ金のすべてを仲間の仁に渡して、自身が高校に入学する費用を稼ぐため、六道と入れ替わる形で同じコンビニでアルバイトを始める。
のちに亞森高校に入学し、さっそく不良に絡まれているところをたまたま通りかかった鈴蘭に助けられる。
鈴蘭(リンラン)
山奥の寺に住み込み修行をする少女。「五人目」[17]:186の悪女。平服はチャイナ服で、長い黒髪を左右対称のお団子ヘアにまとめている。
カンフーの達人。もとは手がつけられない強さと狂暴な性格の持ち主で、道場破りを繰り返していたが、悪い心を鎮める数珠「愚連無輪(ぐれむりん)」を身につけて以来、すっかり大人しくなり、六道たちからは「天女様」と言われるほどに好感度が高い少女となっていた。
六道が数珠を求めて寺にやって来たことを知り、「私は更生した」と思いこんでいたこともあって、自分の数珠を六道に渡そうと自ら外したところ、一瞬で元の狂暴さが戻り、誰彼構わず暴力の餌食にし始める。しかし、術によって六道に惚れ、六道の頼みには悪態をつきながらも頬を赤らめて従うようになる。以後数珠をつけているときは天女ver(バージョン)、外したときは悪女verと周囲に呼び分けられている。
強くなるためにカンフーを学びたいと言う六道の師匠を買って出て本格的な特訓を行ったのち、六道と同じ学校に通いたいからと自ら数珠をつけることを望んだが、もう数珠は必要ないと掛軸に言われ、下山を認められた。しかしタテシマの裏切りにより他の仲間たちが数珠を外され悪人に戻ってしまい、逃走したタテシマを追いかけるが倒されてしまう。追いついた六道と戦うタテシマに「私の一番弟子はお前じゃなく六道」と言い切った。
ほどなく六道と同じ亞森高校に新入生として入学し、ミナミと同級生となる。なお高校生となっても、校内で平然と制服姿でタバコを吸う悪女ぶりは健在だが、入学早々着用義務のない制服を着て歩くほどに高校生活を心待ちにしている様子も見受けられる。

亞森高校[編集]

露草 水絵(つゆくさ みずえ)
六道と同じクラスの女子。悪女ではない。真面目な性格で学級委員長を務める。
元々優しく真面目な六道に好感を持っていたため、六道と周囲の急な変化に不審を抱いている。
黒方(くろかた)
幼田の舎弟だが、実際には彼女を不良の道へ引き込んだ元凶であり彼女を「俺の道具」と言い放つ。
かつては六道と同じように不良から虐げられており、クラスメイトだった幼田に救われた過去を持つが、その後は彼女の力を利用していた。
幼田を連れて「鬼島連合」に入ろうとしたが、最終的に幼田の意志を尊重し、一人で追手を食い止める。
木蓮 さとみ(もくれん さとみ)
一見すると眼鏡をかけた誠実な優等生だが、実は悪女[11]。術によって六道に好意を寄せ、ラブレターを送り告白するが、その直後に強盗及び傷害の疑いで警察に連行され、女子刑務所に服役することとなった。

鬼島連合[編集]

団体名は「鬼ヶ島」に由来し、幹部たちの姓名は古典に登場するに由来している[8]:そで

松ヶ宮 童子(まつがみや どうじ)
「鬼島連合」総長。2年前に乱奈に潰された「鬼島連合」を再結成させた。転校当初は温厚で礼儀正しい言動をとり、六道たちとも打ち解けるが、その一方で他人の心を読んで操る能力にたけており、一度は乱奈を篭絡することに成功した。最愛の人である六道を危険に巻きこむのは乱奈自身の存在であり、六道を狙う相手を一掃した後に六道の元を去ることこそが六道のためだと言われた乱奈は、六道への思いから童子の言いなりになってしまう。
自他ともに認める怖がりであり、乱奈のことは恐怖の対象である一方でその強さに執着している。とは言え自身の戦闘力は高く、童子1人に対し六道らが総がかりでも倒せず、むしろ六道らが押されるほどであった。しかし「自分が強くなって乱奈を守る」と言う六道の涙ながらの説得により、心変わりした乱奈が六道の元に戻ったために実質的に敗北し、失意に沈む。それでもなお自分に付き従う朱井や般東の言葉によってチームの頭としての自覚を取り戻し、彼らとともに亞森を去っていった。
椰子谷 唯(やしや ゆい)
「鬼島連合」ナンバー1。髪型はロングで通常は顔の右半分を隠している。巨乳であり、男をいたぶるときにはボンデージファッションを纏う。悪女[11]であり、術によって六道に好意を寄せるが、本質がドSであるため六道への破壊願望を併せ持つ。強い男が好きなため、椰子谷視点では六道が筋骨隆々の荒々しい男に見えている。六道との直接対決では、圧倒的な力の差により六道を瀕死状態にまで追いこんだが、六道の力を買いかぶりすぎ自問自答を繰り返した末に自滅し、校舎の窓から転落しそうになったところを六道に助けられ、恍惚状態に陥り戦闘不能となった。
朱井 公平(あかい こうへい)
「鬼島連合」ナンバー2。裏工作を得意とし、姑息な手段を多用する。頭を使った喧嘩の強さは般東を超えると椰子谷に評される。飯沼とのタイマンでは飯沼を圧倒する強さを見せていたが、強さと背中合わせの脆さを見抜かれ、最後はボロボロになった飯沼の捨て身の一撃により敗北した。
布留川 葵(ふるかわ あおい)
「鬼島連合」ナンバー3。バイクチームを率いる。平時は温厚だがバイクが絡むと人間が変わる。スリルを感じる手段として様々な危険走行にのめりこんでいたが、莇美を助けた白バイ警官に諭されたことで暴走行為から足を洗おうとしていた。だが最後と決めた「追いかけっこ」の最中に相手に重傷を負わせてしまったことで、宙ぶらりんのまま「自分を止めてくれる相手」を探しつつ惰性で暴走を続けていた。莇美との対決の際に割って入った六道に興味を抱き、六道を自分のバイクの後ろに乗せ、莇美と2対1のレース(鬼ごっこ)を行うが、六道と莇美の命がけの連携により敗北する。
その後は鬼島連合とは離れたところで生活しており、鬼島連合が亞森高校に乗り込んできたことなどはまったく知らなかった。バイクチームからも距離を置いているが、莇美との関係は改善し、時折ささいな用件で呼びつけられている。
般東 若之介(はんどう わかのすけ)
「鬼島連合」ナンバー4。メンバー随一の巨漢で、巨体に見合った怪力の持ち主。融通の利かない真面目な性格。「でかくて優しい」と幼田に気に入られていたが、結局戦うこととなった。戦いは双方が打撃を繰り出すたびに校舎が破壊されていく激闘の末にノーガードでの殴り合いとなり、最後は自身の渾身の一撃に耐えた幼田の一撃に沈み、幼田を「さすが番長だ」と認める。
菫 雷乃(すみれ らいの)
「鬼島連合」ナンバー5。対外的には風乃と双子で兄、その実は姉で、悪女[11]。男装をしている状態で六道に好意を寄せたため、「六道は悪男(あくだん)にもモテるようになったのではないか」と大佐に危惧された。
鬼島連合決起の際には、自分に真心をもって接してくれた六道が好きで裏切れないと宣言したために、長兄の天乃に暴行を受け監禁されたが、風乃と入れかわって脱出、六道を助けて天乃と戦う。天乃のまねをするのではなく自分という人間を天乃に認めてほしいという思いで天乃に勝利、別の高校で心を入れかえて楽しい学園生活を作りたいと六道に告げて去っていった。
菫 風乃(すみれ かぜの)
「鬼島連合」ナンバー5。対外的には雷乃と双子で妹となっているが、その実は弟で、女装をしている。所謂男の娘であるために六道の術は効かない。女装時の女らしい言葉遣いやふるまいはあくまで演技であり、素の言動には女らしさはない。
雷乃への思慕が強く、雷乃を惑わす存在である六道を「ド変態」と呼び目の敵にしていたが、ついには雷乃の心の変化を受け入れ、彼女の作戦に協力した。
菫 天乃(すみれ あまの)
雷乃、風乃の兄。雷乃、風乃は双子ではなく、天乃を含めて三つ子である。3人の中では最も凶暴であり、メイクのしかたや喧嘩を2人に教え、悪の道に引きこんだ張本人。常に下に見ていた雷乃に敗れ、童子とともに去っていった。

針蔵高校[編集]

岡森 譲也(おかもり じょうや)
針蔵高校の番長。いかついゴリラ顔で下唇にピアスをつけており、見た目は怖いが喧嘩は弱い。元々は凶暴かつ好戦的な性格で、鬼島連合が亞森へ転校してきたときに亞森の生徒を無差別に襲い、栓抜きで課長の指を折った。しかしそれが原因で鬼島連合の襲撃に遭い、成す術なく制圧されてしまった末に、すっかり臆病かつ心配性になってしまった。ビビりと揶揄されるほど慎重になったのは針蔵を守るためだと言い切る姿勢は、幼田には高く評価されている。一方で針蔵高校の不良たちには、喫煙を注意するなど生活態度への頻繁な干渉によりけむたがられている。針蔵が亞森の傘下に入る事も亞森と組む事もかたくなに拒んでおり、これだけは決して譲ろうとしない。
菫姉弟が変装させた六道たちを助っ人として連れてきた際に、女装した六道(桃子)に一目惚れして口説き始める。直後に雷乃が、「桃子は自分と付き合っている」と言いだしたために身を引くが、未練が残っている。クロムサムのリーダーの正体が、自分が尊敬してやまず、しかも自分を次の番長に指名した野玄雄一郎である事は、ずっと知らずにいた。
菫 雷乃(すみれ らいの)
#鬼島連合」参照。亞森高校を去った後、弟の風乃とともに、亞森と長年敵対関係にある針蔵高校に転校する。バレンタインデーにはひそかに六道にチョコを贈り、ホワイトデーで久々に六道の前に現れたときは女らしいボブヘアにスカート姿になっていたが、六道への想いはまったく変わっていなかった。
六道らを変装させ助っ人として針蔵に連れてきたとき、番長の岡森が女装した六道(桃子)に惚れてしまったため、とっさに「桃子(とうこ)は自分と付き合っていて、それが自分が男装する理由」と言ってしまう。その結果、再び男装で過ごす羽目になる。この時点で悪女ではなくなっており、試しに愚連無輪をつけた際には変化がなく、術とは無関係に六道に惚れていることが判明する。
菫 風乃(すみれ かぜの)
#鬼島連合」参照。亞森高校を去った後、女装をやめて雷乃とともに針蔵高校に転校。普通の学園生活を送っていたが、クロムサムの襲撃を受け続ける仲間たちの危機に際し、再び六道らの前に現れ協力を求める。ほどなく雷乃が六道を守るために男装に戻ったのを機に、女装を再開する。女装時には以前より髪が長くなり、雰囲気がやや大人びている。
六道を信用できる相手だと認めてはいるが、心の底では今でも六道をとんでもない変態と誤解しており、姉と本気で付き合い出すことに関しては反対している。

クロムサム[編集]

町の不良チームで、チーム名の意味は「染色体」。

野玄 雄一郎(やげん ゆういちろう)
不良グループ「クロムサム」のリーダー。鼻の下にひげを蓄えている。鍛えた肉体を持ち、チームのメンバーには「男の中の男」として畏敬の念を抱かれているが、実はドMであり、椰子谷に折檻されるのを期待して彼女の言いなりになっている。かつては針蔵高校のトップだったが、当時は自分一人で針蔵を守らねばならず、男らしさを演じ続ける事に疲れ、嫌気がさしていた。その様な状態で椰子谷に完膚なきまでに打ちのめされ、いたぶられた末に自らの弱さを認めさせられる事で精神的に解放される。クロムサムを結成したのは、松ヶ宮 童子と椰子谷の命令による物で、本人は気が進まなかった。今では母校の生徒らを襲うことに何の躊躇もない。時折椰子谷に反抗的な態度をとる理由は、彼女からのお仕置きを期待している為である。チームのメンバーらの評価とは裏腹に、本人は内心では「自分はもはや男ではない」と思っている。
椰子谷 唯(やしや ゆい)
#鬼島連合」参照。亞森を去った後はクロムサムの一員となったが、相変わらず強い男をつけ狙っては血祭りにあげることを繰り返しており、メインディッシュはあくまでも六道と決めている。六道を亞森と針蔵の両校を束ねる最強の番長にしてから自らの手にかけるため、クロムサムを率いて針蔵高校の生徒たちを襲うが、六道が出て来ないことにしびれを切らし、岡森の片思いの相手である桃子を拉致する。しかし桃子の正体が六道である事に気付かないまま術により惚れてしまい、桃子を溺愛し始める。

その他の登場人物[編集]

乱奈の関係者[編集]

乙姫 恵梨香(おとひめ えりか)
乱奈が所属していたレディースチーム「竜宮」の総長。元は不良だったが、悪女ではなく、六道の術も効いていない。喧嘩の実力は乱奈に匹敵し、ビンタひとつで男を吹っ飛ばすレベル。乱奈が現在愛用している木刀は乙姫が「友達の証」として譲ったもの。
「竜宮」は2年前に鬼島連合に目をつけられて度々襲撃を受け、一度は解散しかけたものの、乱奈が人知れず鬼島連合を壊滅させたことでチームは存続。その後はツーリングと女子会メインの真面目なチームとなり、消息が途絶えた乱奈とはしばらく会っていなかった。鬼島連合との抗争時に乱奈と再会、彼女に優しい心が芽生え始めていることを知り、六道たちが今まで通り楽しい学園生活を目指していけば乱奈はその「小さな光」をきっと見失わないと六道に告げる。
見た目は良いのでナンパされることもあるが、隠し切れないヤンキー気質のせいですぐに相手に逃げられてしまい、いつまで経っても彼氏ができない。乱奈と六道の初デートの際には、自ら乱奈をコーディネイトし送り出した。
乱奈の両親
「日回寺」の住職とその妻で、生まれて間もなくして寺の前に置き去りにされた乱奈の育ての親。
養父である住職は、生後2週間で立って歩き、1歳で仏に恐ろしい形相を剥きだしにする乱奈のことを何かと気味悪がり、なかなか娘と認めようとしないが、養母である妻は夫と対照的に乱奈のことを「乱ちゃん」と呼び、実の娘のように可愛がっている。

ミナミの関係者[編集]

仁(じん)
ミナミの仕事仲間。黒いジャケットを羽織った茶髪の青年。かつては「闇金ハンター」を名乗り、闇金融業者からの金品強奪を繰り返していたが、桜には通用せず捕まり、片耳を切り落とされてしまう。この結果として桜に法外な金利の借金を背負わされており、自身の解放がかかっていた木嶋製作所の取り立てに固執していた。
ミナミが闇金融を廃業すると決めたとき、金をすべて奪い、名残を連れ偶然にも乱奈が運転するタクシーを利用して逃走するが、最後は六道らに捕まってしまう。ミナミの言葉によって心を改めたのち、木嶋製作所への取り立て失敗やその際の騒動に対する落とし前として以後も桜のもとで働くことになるが、その事実をミナミには告げず、六道たちのもとへ向かうミナミを送りだす。
名残(なごり)
ミナミの仕事仲間。白のタンクトップに半ズボンといういでたちに常に裸足で、野生児のような風貌をした白髪の青年。ミナミのことを「ミーちゃん」と呼んでいる。ミナミに対する想いは強く、彼女が六道に一目惚れして鼻血を吹きだしてしまった際は六道に強烈な気迫を露にし、ミナミや仁に引きとめられていた。
仁を助けるため、自ら桜のもとで働くことを志願。仁とともにミナミを送りだすが、ミナミが去った後に泣き崩れた。
桜 沙知子(さくら さちこ)
ミナミたちの闇金融の金主。和服姿の女性で、上半身に桜の刺青をしている。冷酷非情で容赦がない。

刈茅山(かるかやさん)[編集]

掛軸(かけじく)
陰陽術を使う霊媒師。悪い心を鎮める数珠「愚連無輪(ぐれむりん)」を所持している。かつて幼い乱奈を数珠の力で更生させようとしたが、1年後に数珠が割れて失敗、自転車で引きずり回されたことで大きなトラウマを負い、以来ずっと乱奈を恐れ続けている。現在は刈茅山という山の寺で不良を更生させる活動をしており、鈴蘭、タテシマ、カケル、ラム、エリモの5人を預かっている。
六道との出会いをきっかけに変わった鈴蘭にはもう必要ないと判断し、彼女が身につけていた数珠を六道に渡した。
タテシマ
掛軸のもとで生活している若者の1人。カンフー服を着た青年。鈴蘭にカンフーを教わっており、擒拿術を操る。
誰よりも更生していたと思われたが、実は偽物の数珠をつけて暮らしており、鈴蘭から習ったカンフーの技と数珠を手に入れて裏社会に戻ることを目論んでいた。六道らが下山する前夜にとうとう本性を現し、鈴蘭・カケル・ラム・エリモらの数珠を奪い逃走する。
自分を追いかけてきた鈴蘭を苦戦しながらも倒し、直後に六道を連れて現れた乱奈も数珠をかけることによって無力化させるが、見くびっていた六道の必死の抵抗にあい、それまでのダメージの蓄積もあり敗北する。裏社会で成り上がる手段として取り組んでいたはずのカンフーに思い入れを見せており、最後は鈴蘭にカンフーの奥義「仲直りの握手」を教えられたうえで逃がされ、姿を消した。
カケル、ラム、エリモ
掛軸のもとで生活している若者たち。全員が元不良で数珠を身につけている。それぞれ鈴蘭にカンフーを教わっており、額にバンダナを巻いているカケルは猴拳、巨漢のラムは八極拳、絵を描くことが好きで一輪車に乗っている少女のエリモは太極拳を操る。
タテシマに数珠を奪われたことで、3人とも不良だったころの状態に戻ってしまう。暴食を続けて巨大化したラムは六道を探しに寺にやって来た乱奈に一蹴され、派手なヤマンバギャルの悪女[11]に戻ったエリモは自らの顔のみならず飯沼の顔もペイントしたが、術によって六道に惚れ込んだ上で六道らの説得により改心、暴走族「災幽鬼」の再結成を目論んでいたカケルは飯沼の捨て身の説得と奇襲により止められた。

その他[編集]

山田(やまだ)
鬼島連合のバイクチームの1人。莇美がリーダーとなった後もチームに所属し、莇美とともに六道たちに協力する。大佐とはバイク談義で意気投合し、のちにバイト仲間になった。

書誌情報[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c ヒロインは全員ヤンキー、主人公は気弱な男子の異色ラブコメが週チャンで”. ナタリー (2016年6月23日). 2017年3月9日閲覧。
  2. ^ a b c 秋山哲茂 (2016年12月3日). “『六道の悪女たち』 第1巻 中村勇志 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい!WEB. 2017年3月9日閲覧。
  3. ^ 気弱男子×ヤンキーたちの異色ラブコメ「六道の悪女たち」1巻発売、特典も”. ナタリー (2016年11月8日). 2017年3月9日閲覧。
  4. ^ a b 「六道の悪女たち」2巻記念、中村勇志の初サイン会が新宿で”. ナタリー (2017年1月20日). 2017年3月9日閲覧。
  5. ^ スパガ渡邉幸愛&内村莉彩が"悪女"に! ヒョウ&ゼブラ柄ビキニ姿を披露”. マイナビ (2017年2月10日). 2017年3月15日閲覧。
  6. ^ ケンタウロスとアイドル騎手が競馬界に嵐を巻き起こす新連載、週チャンで”. ナタリー (2017年2月9日). 2017年3月15日閲覧。
  7. ^ 秋山哲茂 (2017年8月5日). “『六道の悪女たち』 第5巻 中村勇志 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい!WEB. 2017年11月27日閲覧。
  8. ^ a b 六道の悪女たち 第11巻”. 秋田書店. 2019年5月29日閲覧。
  9. ^ a b 六道の悪女たち 第1巻”. 秋田書店. 2018年5月1日閲覧。
  10. ^ 六道の悪女たち 第7巻”. 秋田書店. 2019年4月27日閲覧。
  11. ^ a b c d e 「x人目」にはカウントされていない。
  12. ^ 悪い女だけにモテる気弱な男子を描く「六道の悪女たち」2巻発売、特典も”. ナタリー (2017年2月8日). 2017年3月9日閲覧。
  13. ^ 中村勇志「六道の悪女たち」3巻発売、「BEASTARS」とのコラボ企画も”. ナタリー (2017年4月7日). 2017年4月21日閲覧。
  14. ^ 六道の悪女たち 第2巻”. 秋田書店. 2018年5月1日閲覧。
  15. ^ 秋山哲茂 (2017年5月18日). “『六道の悪女たち』 第3巻 中村勇志 【日刊マンガガイド】”. このマンガがすごい!WEB. 2017年11月27日閲覧。
  16. ^ 六道の悪女たち 第9巻”. 秋田書店. 2019年4月6日閲覧。
  17. ^ 六道の悪女たち 第12巻”. 秋田書店. 2019年4月6日閲覧。