具雑煮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
姫松屋の具雑煮

具雑煮(ぐぞうに)は、長崎県島原地方の郷土料理

概要[編集]

島原藩領だった島原半島一帯で作られている郷土料理で、日常食ではないが家庭では正月はもちろんのこと、その他の祭礼ハレの日の食事に供される。

野菜鶏肉などの具を種類・量とも多く入れて煮込んだ雑煮である。

入れる具の種類などは家庭ごとの差が大きい家庭料理

観光客相手に外食の店舗でも供されており、これら観光客には、土鍋で煮込んで供する形式が多い。

平成19年には、農林水産省選定『農山漁村の郷土料理百選』に、卓袱(しっぽく)料理とともに選ばれている。

由来[編集]

島原の乱(1637年)後、ほぼ全滅に近かった無人状態の島原半島に、幕府の移民政策によって移住してきた小豆島系移民によって素麺と共に具雑煮の原型が伝えられる。

※小豆島からの移住者が、多数を占めていたため島原半島全体に広がり代々受け継がれて来たと思われる。

 当然ではあるが小豆島は、香川県では一般的なあん餅白味噌雑煮ではなく、醤油の街ならではの、すまし仕立ての雑煮が主である。

諸説あり、以下のような説もあるようである。

・伝説としては、島原の乱原城籠城軍がつくったものが起源[1]とするものがあるが、この籠城軍は皆殺しになっており後世に伝えることは不可能であり、史実性は薄い。

姫松屋(2014年)

・伝説[1]を元に、姫松屋初代糀屋喜衛ェ門が1813年に味付に趣向をこらして生み出したのが「具雑煮」のはじまりと主張するものもあるが定かではない[2]

使用する食材[編集]

姫松屋の具雑煮

丸餅は煮て使用し、汁はすまし仕立て、かつおだしと醤油を使う。鶏肉、高野豆腐、蒟蒻、里芋、白菜、椎茸、春菊、大根、ごぼう、人参、法蓮草、蒲鉾、丸餅などを使用する。

使う材料は、家庭によってまちまちだが、醤油と鶏肉とゴボウの風味が命である。

風味が損なわれるので、海鮮類はあまり具材として使われることはない。

※約400年の歴史の中、代々に渡って具材が増えてきているが、最後に加わった具材としては、白菜が一番新しく、明治8年に中国(清国)から渡来して以来、明治28年に品種改良の末に日本の地で初めて結球白菜が誕生し、大正中期から昭和初期にかけて鍋の具材とて普及したのを機に、具雑煮の食材のひとつとしても加わっている。

脚注[編集]

  1. ^ a b 島原温泉観光協会 島原の郷土料理
  2. ^ 姫松屋 具雑煮2010年1月1日閲覧。

参考文献[編集]

  • 豊田謙二監修 『九州宝御膳物語 おいしい郷土料理大事典』、西日本新聞社、2006年