准教授

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准教授(じゅんきょうじゅ、: Associate Professor)は、日本高等教育機関教授に次ぐ教員の職階のこと、または、その職階にある者のこと。日本では2007年3月以前の助教授(じょきょうじゅ)に相当する[注釈 1]。現在は助教授の定めが無く、新設された助教(じょきょう、: Assistant Professor)とも異なる。

日本の准教授の概要[編集]

以前は、学校教育法58条7項が「助教授は、教授の職務を助ける。」としていたが実態に合わず、国際的通用性の点でも問題となっていた[2][3]

2007年(平成19年)4月1日施行の「学校教育法の一部を改正する法律」(平成17年法律第83号)は、

  1. 「Associate Professor」に相当する職階を「准教授」と定め、「助教授」を廃止した[4]
  2. 学校教育法92条7項で「准教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。」とした[5]
  3. 「助教」の職階を新設し、学校教育法92条8項で「助教は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。」とした[5]
  4. 助手」の職階は、学校教育法92条8項で「助手は、その所属する組織における教育研究の円滑な実施に必要な業務に従事する。」とした[5]

のように改正された[5][1][4]。また、附則では助教授の勤務年数は准教授の勤務年数に振り替えられるものとされている[1]

なお、日本の大学大学院では学科における研究室の構成を講座制と呼ぶ場合があり、教授・助教授・助手による研究室を小講座、教授や助教授が単独で研究室を運営する場合を大講座と呼んでいた[6]。2001年3月の科学技術基本計画では、教授から独立して助教授や助手が活躍できるように、位置付けについて見直されていた[2]

日本の准教授の要件[編集]

学校教育法(昭和22年法律第26号)[5]
第92条
7 准教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)[7]
(准教授の資格)
第15条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
  1. 前条各号[注釈 2]のいずれかに該当する者
  2. 大学において助教又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む)のある者
  3. 修士の学位又は学位規則第5条の2に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者
  4. 研究所、試験所、調査所等に在職し、研究上の業績を有する者
  5. 専攻分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者
専門職大学設置基準(平成二十九年文部科学省令第三十四号)[8]
(准教授の資格)
第36条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、専門職短期大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
  1. 前条各号[注釈 3]のいずれかに該当する者
  2. 大学、短期大学又は高等専門学校において助教又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む。)のある者
  3. 修士の学位又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者
  4. 特定の分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者
短期大学設置基準(昭和五十年文部省令第二十一号)[9]
(准教授の資格)
第24条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、短期大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
  1. 前条各号[注釈 4]のいずれかに該当する者
  2. 大学又は高等専門学校において助教又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む。)のある者
  3. 修士の学位又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者
  4. 特定の分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者
高等専門学校設置基準(昭和三十六年文部省令第二十三号)[10]
(准教授の資格)
第12条 准教授となることのできる者は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、高等専門学校における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者とする。
  1. 前条各号[注釈 5]のいずれかに該当する者
  2. 大学又は高等専門学校において助教又はこれに準ずる職員としての経歴(外国におけるこれらに相当する職員としての経歴を含む。)のある者
  3. 修士の学位又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者
  4. 特定の分野について、優れた知識及び経験を有すると認められる者
  5. 前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると文部科学大臣が認めた者

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 附則(平成一七年七月一五日法律第八三号)2条柱書においても、「この法律の規定による改正後の次に掲げる法律の規定の適用については、この法律の施行前における助教授としての在職は、准教授としての在職とみなす。」と規定されている[1]
  2. ^ 第14条の(教授の資格)[7]
  3. ^ 第35条の(教授の資格)[8]
  4. ^ 第23条の(教授の資格)[9]
  5. ^ 第11条の(教授の資格)[10]

出典[編集]

  1. ^ a b c 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)附則(平成一七年七月一五日法律第八三号)” (2018年6月1日公布(平成三十年法律第三十九号)改正). 2019年12月21日閲覧。 “2019年4月1日施行”
  2. ^ a b 助教授を准教授に 助手を「新職」として位置づけ”. 全私学新聞. 1963号 (2面). (2004年12月13日) 2019年12月21日閲覧。
  3. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説 准教授 じゅんきょうじゅ”. コトバンク. 2019年12月21日閲覧。
  4. ^ a b 学校教育法等の改正に伴い教員の職名が変更”. 大学からのお知らせ. 名古屋大学. (2007年4月2日) 2019年12月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十二条” (2018年6月1日公布(平成三十年法律第三十九号)改正). 2019年12月21日閲覧。 “2019年4月1日施行”
  6. ^ 今野浩『工学部ヒラノ助教授の敗戦 ―日本のソフトウェアはなぜ敗れたのか―』青土社、2012年、ISBN 9784791766888。
  7. ^ a b 大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)” (2018年6月29日公布(平成三十年文部科学省令第二十二号)改正). 2019年12月21日閲覧。 “2019年4月1日施行”
  8. ^ a b 専門職短期大学設置基準(平成二十九年文部科学省令第三十四号)” (2017年9月8日公布(平成二十九年文部科学省令第三十四号)改正). 2019年12月21日閲覧。 “2019年4月1日施行”
  9. ^ a b 短期大学設置基準(昭和五十年文部省令第二十一号)” (2018年1月26日公布(平成三十年文部科学省令第一号)改正). 2019年12月21日閲覧。 “2019年4月1日”
  10. ^ a b 高等専門学校設置基準(昭和三十六年文部省令第二十三号)” (2018年2月28日公布(平成三十年文部科学省令第三号)改正). 2019年12月21日閲覧。 “2018年4月1日施行”

関連項目[編集]

(法令)

(国会審議記録)