加賀一の宮駅
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加賀一の宮駅 | |
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![]() 駅舎(2009年8月) | |
かがいちのみや Kaga-ichinomiya | |
所在地 | 石川県白山市白山町レ60番1[1] |
所属事業者 | 北陸鉄道 |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 単式ホーム1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
67人/日 -2009年- |
開業年月日 | 1927年(昭和2年)6月12日 |
廃止年月日 | 2009年(平成21年)11月1日 * |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■石川線 |
キロ程 | 15.9km(野町起点) |
◄中鶴来 (1.3km) | |
所属路線 | 金名線 |
キロ程 | 0.0km(加賀一の宮起点) |
(2.7km) 手取中島► | |
備考 | * 金名線は1987年(昭和62年)4月29日廃止 |
加賀一の宮駅(かがいちのみやえき)は、石川県白山市白山町にあった北陸鉄道石川線の駅(廃駅)。
1987年以前は金名線の終着駅でもあった。廃駅後はバス停「一の宮」となっているが駅舎はそのまま残され[2]、2019年に改修を終え「旧加賀一の宮駅」として再利用されている[1][3]。
概要[編集]
毎年大晦日から元旦にかけて白山比咩神社の初詣に合わせた臨時列車を野町駅 - 加賀一の宮駅間で運行していた。
多くの参拝客が鉄道を利用し訪れ、このときは1年で一番駅が賑やかになっていた。2009年に鶴来駅以南が廃線となり、同時に廃駅となった。
2019年、旧加賀一の宮駅は石川県道302号手取川自転車道線(手取キャニオンロード)の休憩施設などとして、線路跡は手取キャニオンロードの一部として再活用されている[3]。
駅名は、白山比咩神社が加賀国白山七社の一宮であることに由来する[4]。かつて駅舎付近に神社が鎮座していたが、1481年(文明12年)にあった火事により現在地に遷座した。駅前、「一の宮」バス停には白山ろく方面バスのほとんどが停車する(一部経由しない便あり)。
歴史[編集]
- 1927年(昭和2年)6月12日 - 金名鉄道神社前駅として開業[3]。
- 1929年(昭和4年)3月11日 - 金沢電気軌道に譲渡。
- 1929年(昭和4年)9月14日 - 電化。
- 1937年(昭和12年)12月8日 - 加賀一の宮駅に改称。
- 1940年(昭和15年) - 白山比咩神社の表参道に駅舎を建設[3]。
- 1943年(昭和18年)10月13日 - 北陸鉄道設立に伴い同社石川線および金名線の駅となる。
- 1984年(昭和59年)12月12日 - 金名線が全線休止。
- 1987年(昭和62年)4月29日 - 金名線が廃止。
- 2008年(平成20年)10月23日 - 国土交通省北陸信越運輸局へ路線廃止を申請する[5]。
- 2009年(平成21年)11月1日 - 鶴来駅 - 当駅間(2.1km)が廃止され、廃駅となる。
- 2013年(平成25年)12月 - 北陸鉄道が白山市に旧駅舎を譲渡[3]。
- 2018年(平成30年) - 駅構内工事始まる。
- 2019年(令和元年)7月26日 - 旧駅舎が手取キャニオンロードの休憩施設などとして供用を開始[1][3]。
駅構造[編集]
1面1線の地上駅。かつては神社参拝客で賑わい自動券売機も備えられていたが末期は無人駅であった。無人化された後も窓口や券売機設置スペースは残されており、駅舎内床面に残る乗降客整理のための柵の跡など参宮駅としての名残が散見できた。2006年頃には地元のNPO法人が事務所を置き観光案内所業務を行っていたが、神社表参道に面した「おはぎや」へ移転している。
廃止前には夜間滞泊の設定はなく、列車は折り返しになっていた(朝の始発は回送列車の折り返し)。金名線があったころは2面2線で、日中の列車はすべてここで折り返していた。
駅舎は1940年に竣工[3]。白山神社総本社の門前駅であることから、唐破風[2]の車寄せが付く入母屋造りの瓦屋根や、木製の駅名看板など、純和風の風格のある造りが特徴だった。廃駅後は取り壊される予定だったが、この駅舎を惜しむ地域住民から反対運動が起こり、そのまま置かれることとなった。廃駅後白山市は登録有形文化財としての登録を目指す方針としていたが[2]、文化審議会は2020年7月17日、旧加賀一の宮駅を登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣の萩生田光一(答申時点)に答申した(答申での名称は「旧北陸鉄道石川線加賀一の宮駅舎」)[3][6][7]。今後、官報告示により登録される予定となっているが、これにより石川県内において鉄道駅が国の文化財に指定・登録される初めてのケースとなる。
ギャラリー[編集]
利用状況[編集]
「白山市統計書」によると、近年の1日平均乗降人員は以下の通りである[8][9][10]。
年度 | 1日平均 乗降人員 |
---|---|
2000年 | 49 |
2001年 | 64 |
2002年 | 71 |
2003年 | 95 |
2004年 | 105 |
2005年 | 79 |
2006年 | 79 |
2007年 | 96 |
2008年 | 100 |
2009年 | 67 |
駅周辺[編集]
- 白山比咩(しらやまひめ)神社
- 加賀国一宮。
- 道の駅しらやまさん
- 古宮公園 - ソメイヨシノ約50本があり地元の桜の名所となっている[11]。
- 手取川七ヶ用水の父・枝権兵衛の顕彰碑がある。また、枝権兵衛が掘った当時の取水口もこの付近にある。
- 船岡山城跡
- 石川県立白山青年の家
隣の駅[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c 旧加賀一の宮駅の供用開始について - 白山市
- ^ a b c “旧駅舎、登録文化財に 白山・加賀一の宮駅、市など”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2017年1月31日) 2019年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “旧加賀一の宮駅舎 国の有形文化財に 文化審答申”. 中日新聞Web. (2020年7月18日). オリジナルの2020年8月26日時点におけるアーカイブ。 2021年1月3日閲覧。
- ^ “鉄道の日記念 金名線サイクリング”. 白山手取川ジオパークスタッフブログ (2012年10月30日). 2019年5月3日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2021年1月3日閲覧。
- ^ “北陸鉄道、石川線鶴来(つるぎ)~加賀一の宮間の廃止を届け出”. マイナビニュース. (2008年10月31日) 2019年5月3日閲覧。
- ^ “登録有形文化財(建造物)の登録について” (プレスリリース), 文化庁, (2020年7月17日) 2020年7月24日閲覧。
- ^ “登録有形文化財 答申一覧 (PDF)”. 文化庁 (2020年7月17日). 2020年7月24日閲覧。
- ^ 平成17年度版白山市統計書 運輸・通信 石川線乗車人員(1日平均) (PDF) - 白山市情報統計課
- ^ 平成19年度版白山市統計書 運輸・通信 石川線乗降人員(1日平均) (PDF) - 白山市情報統計課
- ^ 平成23年度版白山市統計書 運輸・通信 石川線乗降人員(1日平均) (PDF) - 白山市情報統計課
- ^ “【石川】隠れた桜の名所 ぶらり途中下車 北鉄石川線”. 中日旅行ナビぶらっ人(中日新聞). (2009年4月12日) 2019年5月3日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- うらら白山人 旧加賀一の宮駅 - 白山市観光連盟
- 動画で見るニッポンみちしる 加賀一の宮駅 - NHKアーカイブス
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