動物

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動物界
生息年代: エディアカラ紀 - 現世
Animal diversity.png
各画像説明[注釈 1]
分類
ドメ
イン
: 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
Linnaeus, 1758

本文参照

動物(どうぶつ、: Animalia、単数: Animal)とは、

  1. 生物学において、動物とは生物の分類群の一つで、一般に運動能力と感覚を持つ多細胞生物である。なお「動物」という言葉がつく分類群として後生動物原生生物があるが、両者は進化的に別系統であり、本稿でいう「動物」は後生動物の方を指す。
  2. 日常語において、動物とは1.の意味の動物のうち、ヒト以外のもの[1]。特に哺乳類に属する生物を指す事が多い。

本項では1の意味を解説する。

概要[編集]

動物は、哺乳類爬虫類鳥類両生類魚類といった脊椎動物はもちろん、貝類昆虫サナダムシカイメンなど、幅広い種類の生物を含んだ分類群で、特徴として運動能力と感覚を持つ多細胞生物である事が挙げられる。

20世紀末の分子遺伝学の知見を踏まえると、生物は真正細菌古細菌真核生物の3つに分かれるが(3ドメイン説)、動物はそのうちの真核生物に属し、他に真核生物に属するものとしては植物菌類(キノコやカビ)、原生生物が挙げられる。

特徴[編集]

動物の多くは以下の特徴を持つ:

  • 多細胞性が著しく発達している(寄生性のものには例外もある)。
  • 卵子精子の二種類の異なる半数性の配偶子が受精することにより発生する倍数性の生物である。
  • 発生初期に細胞でできた中空の球状体である胞胚を形成する。
  • 体外から養分を摂取する従属栄養的な生物である。
  • 細胞壁が退化しており、細胞表面は細胞膜で形成されている。

起源[編集]

動物の起源については、従来、襟鞭毛虫類から進化したとするヘッケルの説と繊毛虫類から進化したとするハッジの説が対立していた。しかし分子遺伝学の成果によれば、18S rDNAに基づいた解析等により、動物は襟鞭毛虫類を姉妹群に持つ単系統な群であることが示されており、ヘッケルの説が有力とされている[2]。すなわち、単細胞生物の襟鞭毛虫が集まって多細胞化する事で海綿動物のような動物になっていったと考えられる[2]

動物の分類[編集]

下表は動物界を生物の分類の分類項目である「」に分類したものであり[3]、各動物門に属する生物はそれぞれの「門」独自の基本設計(ボディプラン)を共有している。

ただし、2018年現在、分子系統解析が進展中ということもあり、下表は今後も若干の修正が加えられていくものと思われる。

動物分類表[3]
上位分類

(前左右相称動物) 海綿動物門 カイメンwaspカイロウドウケツwasp
平板動物門 センモウヒラムシwasp
刺胞動物門 クラゲwaspサンゴwasp
有櫛動物門 クシクラゲwasp
直泳動物門 キリオキンクタwasp
菱形動物wasp
左右
相称
動物
冠輪
動物
扁平

動物

扁形動物プラナリアwaspキュウチュウwaspサナダムシwasp
顎口動物wasp
輪形動物門 ワムシwasp
鉤頭動物 wasp
微顎動物門  リムノグナシアwasp
腹毛動物門 イタチムシwasp、オビムシ
外肛動物門 チゴケムシwaspコケムシ
触手冠

動物

箒虫動物門 ホウキムシwasp
腕足動物門 ホオズキガイ、シャミセンガイwasp
担輪

動物

紐形動物門 ヒモムシwasp
軟体動物門 貝類waspイカwaspタコwasp
星口動物門 ホシムシwasp
ユムシ動物門 ユムシwasp
環形動物門 ミミズwaspゴカイwasp
内肛動物門 スズコケムシwasp
有輪動物門 シンビオン
脱皮
動物
線形

動物

線形動物門 回虫wasp
類線形動物門 ハリガネムシwasp
有棘

動物

動吻動物門 トゲカワ
胴甲動物門 コウラムシwasp
鰓曳動物門 エラヒキムシwasp
汎節足

動物

緩歩動物門 クマムシwasp
有爪動物門 カギムシwasp
節足動物門 昆虫類wasp甲殻類wasp
毛顎動物門 ヤムシwasp
新口

動物

棘皮動物門 ヒトデwaspクモヒトデwaspナマコwaspウニwasp
半索動物門 ギボシムシwasp、フサカツギ
脊索動物門 ホヤwaspナメクジウオwasp脊椎動物wasp
分類学の父として知られるカール・フォン・リンネ

なお、上述の分類において

  • 中生動物門は直泳動物門と菱形動物門に分けられている[3]。なお中生動物門は原生動物から後生動物に進化する過程であると過去には見られていたが、2010年現在では寄生生活により退化した後生動物であると見られている[4]
  • 有髭動物門は環形動物門に入れられている[3]
  • 舌形動物門は節足動物門に入れられている[3]
  • 珍渦虫は新口動物である事が判明したため、将来的には新口動物の門の一つになるであろう[5]
  • 左右相称動物は体腔の違いにより、旧口動物、新口動物に分けられていたが、1990年台の18S rRNA遺伝子の解析により、体腔の違いは進化とは関係ない事が判明したため、冠輪動物、脱皮動物、新口動物の3つにわけられた[6]
  • 扁形動物門は多系統である事、その中で無腸型類が左右相称動物で最も祖先的な事がわかりつつある[4]

各門のさらなる分類[編集]

冠輪動物[編集]

扁形動物[編集]

(stub)

触手冠動物[編集]

(stub)

担輪動物[編集]

(stub)

紐形動物門[編集]

約1200種。以下の2つに分類される[7]

  • 有針類:マダラヒモムシなど
  • 無針類:ミドリヒモムシなど
軟体動物門[編集]

約93195種。8つの網からなる。定説には達していないものの、8つの網は一般的には2つの亜門に分類される[8]

脱皮動物[編集]

線形動物[編集]

線形動物門[編集]

約15000種。以下の2つに分類される[9]

  • 双腺類:双腺(感覚器官のひとつ)を持つ。ほとんどは寄生生活を送る。自由生活する種のほとんどは陸上で生活[8]
  • 双器網:双腺を持たない。ほとんどの種が水中で自由生活[8]
類線形動物門[編集]

約320種。以下の2つに分類される[10]

  • ハリガネムシ目:寄生生活を送る。水生昆虫を中間宿主とし、カマキリなどを終宿主とする。
  • 遊線虫目:生活史の詳細は不明。

有棘動物[編集]

動吻動物門[編集]

動吻動物はトゲカワ類、キョクヒ虫とも呼ばれ、頚部のクラチラ膜の枚数などによってキクロラグ目とホマロラグ目に分類される[11]

胴甲動物門[編集]

約23種。日本からの正式な登録はシンカイシワコウラムシのみ[12]

鰓曳動物門[編集]

約16種。日本からはエラヒキムシとフタツエラヒキムシの2種のみ[13]

汎節足動物[編集]

緩歩動物門、有爪動物門、節足動物門からなる。

緩歩動物門[編集]

緩歩動物門に属する動物はクマムシとも呼ばれ、以下の3網に分類される[14]

  • 異クマムシ網:多くは海に住む
  • 中クマムシ網:オンセンクマムシ一種のみ
  • 真クマムシ網:陸上、淡水に生息するものがほとんど
有爪動物門[編集]

有爪動物門に属する動物はカギムシと呼ばれる。カンブリア紀に多様化したが、現生種は真有爪目のみ[15]

節足動物門[編集]

節足動物門は以下の4つに分類される[16]

これら4つの系統的な関係性は2010年現在まだ研究中[18]

新口動物[編集]

棘皮動物門[編集]

以下の5網に分類される[19]

  • ウミユリ網
  • ヒトデ網
  • クモヒトデ網
  • ナマコ網
  • ウニ網

これらのうちウミユリ網が最も祖先的だと考えられている[19]

半索動物門[編集]

以下の2つに分類される[20]

  • ギボシムシ網:数センチから2メートル程度の蠕虫状。砂泥中に住む[20]
  • フサカヅキ網:数ミリ程度の個体が群体を作り、棲管内に住む[20]

脊索動物門[編集]

以下の3つに分類される[21]

これらのうち頭索動物亜門が最も祖先的であり、尾索動物亜門と脊椎動物亜門が姉妹群をなす事が、ナメクジウオの全ゲノム解析により分かった[21]

化石動物についての動物門[編集]

化石動物について、上記の分類される現存動物門のいずれにも属さないとして、新たな動物門が提唱されることがある。これらについては、うたかたのごとく提唱されては消えていくものも少なくないが、主なもののみ挙げる。

絶滅した動物[編集]

参考文献[編集]

  • 白山義久編集;岩槻邦男・馬渡峻輔監修『無脊椎動物の多様性と系統』、(2000)、裳華房
  • 藤田敏彦 (2010/4/28). 動物の系統分類と進化. 新・生命科学シリーズ. 裳華房. ISBN 978-4785358426. 

脚注[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]