勝田貴元

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勝田 貴元(かつた たかもと、1993年3月17日 - )は、愛知県出身のラリードライバー。 は7度の全日本ラリーチャンピオンの勝田範彦祖父は元WRCラリードライバーで、株式会社ラック創設者の勝田照夫。

経歴[編集]

勝田のドライバー人生はサーキットに始まる。2004年愛知県瀬戸市のカートショップぶるーとからレースデビューし、以降レーシングカートで数々の勝利を収めた。2007年には日本代表としてROTAX MAXのグランドファイナル(世界大会)に出場。ジュニアクラスで、日本人初のタイムトライアル、予選でポールポジションを獲得する。 同年のマカオカートGPでは、プレファイナルでトップ争い中に接触。決勝では最後尾から25台を抜き去り、YAMAHA CUP総合優勝を達成した。

2008年からはトヨタヤマハの育成スカラシップを獲得、契約を交わしてヤマハのワークスチームに加入する。ジュニアクラスから最高峰クラスへの3階級特進ながらもデビューラウンドで優勝。アジアパシフィック選手権でもトップ争いを演じ、日本人最高位の4位で終えた。全日本選手権では最終戦まで佐々木大樹と一騎討ちのチャンピオン争いをするも、接触リタイヤしランキングは4位に留まった。

翌年2009年には、全日本カート選手権瑞浪大会で2連勝。さらにFTRSを受講し、合格する。

2010年からは、トヨタ枠からFCJに参戦。デビュー2戦目で3位表彰台に上がる。

2011年には、FCJで全5勝をあげ、平川亮らを抑えてシリーズチャンピオンに輝いた後、トヨタの若手ドライバー育成プログラム「トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)」のドライバーに選ばれる。その支援の元でレース活動を行い、2012年には全日本F3選手権のNクラスで1勝しシリーズ3位となった。

2013年は、PETRONAS TEAM TOM’S から全日本F3 Cクラスに参戦。デビュー戦で勝利し、シリーズランキングは2位で終えた。2014年は第10、14戦にて勝利するも、シリーズ4位となった。

ラリードライバー[編集]

2017年ラリー・フィンランドにて、フィエスタR5をドライブする勝田

ラリーデビューは2012年の新城ラリーで、その後2013、2014年とトヨタ・86でスポット参戦を継続。2014年京都ではクラス2位、岐阜ではクラス優勝を飾った。

2015年2月に主戦場をフォーミュラカーからラリーへ移すことを表明[1]。TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムのドライバーに新井大輝足立さやかと共に選出され、ラリードライバーに転向する。コ・ドライバーはかつて新井敏弘奴田原文雄と組んだイギリス人のダニエル・バリットで、彼がエルフィン・エバンスと共にWRCに転向した2017年以降はマルコ・サルミネンに代わった。

勝田は同期の新井とともにフィンランドを中心に欧州にて実戦も含めたトレーニングを行った。また合間を縫って全日本ラリー選手権にも父の元コ・ドライバーである足立さやかと組んでスポット参戦、福島ではクラス2位、最終戦新城ラリーではJN5クラス優勝を収めた。

2016年は主にフィンランド国内ラリー選手権にて経験を積んでいった。今までのR4車両(スバル・インプレッサ)からR5車両(フォード・フィエスタ)へと変更し、ヨーロッパラリー選手権(ERC)第6戦ラリー・エストニア、そして世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・フィンランドWRC2クラスで世界選手権デビューした。

2017年はWRC2にも多く登場。WRC第2戦ラリー・スウェーデンのジャンピングスポットとして有名なコリンズ・クレストで、WRCクラスを含めて2番目に長い42mのビッグジャンプを見せ、観客を沸かせた。また、WRC第7戦ラリー・イタリア・サルディニアではWRC2クラス3位となり、自身初のWRC2クラスで表彰台を勝ち取った[2]

2018年も欧州国内選手権とWRC2に参戦。WRC2初戦の豪雪のラリー・スウェーデンでは序盤からトップタイムを連発。WRC2前年王者のポンタス・ティデマンドや若手有望株のヤリ・フッツネン、オーレ・クリスチャン・ベイビーといった北欧人ドライバーたちを打ち破り、日本人初のWRC2勝利を挙げた[3]。WRCのサポートカテゴリで優勝した日本人ドライバーは、2007年プロダクションカー世界ラリー選手権 (PWRC) ニュージーランドで優勝した新井敏弘以来となる[4]。またこの勝利は、WRC2トップコンテンダーのシュコダ・モータースポーツ勢を打ち破ってのものであったため、フィエスタR5を開発するMスポーツからも賛辞が送られた[5]

トヨタとTMRは2019年に勝田のみに育成リソースを注ぐことを決め、WRカーヤリスWRCでフィンランド国内選手権に2戦、WRC2にはフィエスタR5で12戦参戦することを発表した。またコ・ドライバーはWRCにデビューするサルミネンから、再びバリットへと交代した。3月のフィンランド国内選手権ではヤリスWRCでの実戦デビューを果たした。5月の初開催となったラリー・チリでは地元の強豪たちを抑え、2度目となるWRC2での優勝を達成。同月のフィンランド選手権では、同じWRカーヒュンダイ・i20クーペWRCのヤリ・フッツネン)を相手に競り合い勝ちを収めた。その後シーズン後半のプログラムを一部変更し、後半戦のラリー・ドイチェランドWRカーでのWRCデビューが決定した。トップカテゴリーに参戦する日本人は2006年ラリー・ジャパンでの新井敏弘以来13年振りとなる。WRC2でも未経験のドイツは、一時WRC2勢に埋もれるも経験を積むことを優先して丁寧な走りに徹し、総合10位で完走。デビュー戦で初ポイントを獲得した。

レース戦績[編集]

  • 2004年 - カートショップぶるーとにてカートに乗る(12歳)
  • 2005年
    • 瑞浪C.Cシリーズ SSクラス(シリーズ2位)
    • 瑞浪SLシリーズ TIA-Jrクラス(シリーズ2位)
    • 幸田SLシリーズ SSOクラス(シリーズ2位)
    • 全日本ジュニア選手権(参戦)
    • SL全国大会 (参戦)
  • 2006年
    • 瑞浪C.Cシリーズ SSクラス(シリーズチャンピオン)
    • ROTAX MAX シリーズ JrMAXクラス (シリーズ3位)
    • マカオカートGP JrMAXクラス (3位)
    • 瑞浪SLシリーズ SSクラス(シリーズ3位)
    • SL全国大会 SSクラス (5位)
    • 全日本ジュニアカート選手権(参戦)
  • 2007年
    • マカオカートGP YAMAHA CUP (総合優勝)
    • 全日本ジュニアカート選手権 (シリーズ2位)
    • 瑞浪SLシリーズ SSクラス (シリーズチャンピオン)
    • ROTAX MAX シリーズ JrMAXクラス(3位)
    • MAX世界大会 ドバイ JrMAXクラス(7位)
    • World cup FP-Jrクラス(2位)
  • 2008年
    • ヤマハワークスドライバー契約
    • 全日本カート選手権 KF1クラス(シリーズ4位)優勝1回デビューウィン
    • World cup アジアパシフィック選手権 KF2 (4位)
  • 2009年
    • 全日本カート選手権 KF1クラス(シリーズ3位)優勝2回
    • FTRS受講 合格
  • 2010年
  • 2011年 - Formula Challenge Japan(シリーズチャンピオン)優勝5回
  • 2012年 - トヨタ育成ドライバー契約 (TDP)
    • 全日本F3選手権 Nクラス(TOM'S SPIRIT #35 TDP SPIRIT F307/ダラーラF306 3S-GE)(シリーズ3位・1勝)
    • 全日本ラリー選手権 JN3クラス<Rd.9 スポット参戦>(GAZOO Racing #29 ラック86/トヨタ・86
  • 2013年
    • 全日本F3選手権 Cクラス(TOM'S #37 PETRONAS TEAM TOM'S F312/ダラーラF312 TAZ31)(シリーズ2位・2勝)
    • 全日本ラリー選手権 JN3クラス<Rd.9 スポット参戦>(GAZOO Racing #20 ラック86/トヨタ・86)
  • 2014年
    • 全日本F3選手権 Cクラス(TOM'S #1 PETRONAS TEAM TOM'S F312/ダラーラF312 TAZ31)(シリーズ4位・2勝)
    • 全日本ラリー選手権 JN5クラス<Rd.6,8~9>(ラック GR86/トヨタ・86)(シリーズ4位・1勝)
  • 2015年
    • 全日本ラリー選手権 JN6クラス<Rd.1~3> (ラックダンロップインプレッサ/スバル・インプレッサ)(シリーズ15位)
    • 全日本ラリー選手権 JN5クラス(<Rd.4>ラックダンロップ86/トヨタ・86→<Rd.5>TGR Vitz GRMN Turbo/トヨタ・ヴィッツ→<Rd.9>TOYOTA GAZOO Racing 86/トヨタ・86)(シリーズ7位・1勝)
  • 2016年
    • 全日本ラリー選手権 JN6クラス<Rd.8> (ラック DL ale WRX/スバル・WRX STI
    • 全日本ラリー選手権 JN5クラス<Rd.6> (SARD GT86 R3/トヨタ・86)
    • 全日本ラリー選手権 JN3クラス<Rd.9>(TGRVitzCVT/トヨタ・ヴィッツ)(シリーズ17位)

全日本フォーミュラ3選手権[編集]

チーム エンジン クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 順位 ポイント
2012年 TOM'S SPIRIT トヨタ N SUZ1
Ret
SUZ2
3
TRM1
3
TRM1
3
FSW1
4
FSW2
7
TRM1
3
TRM2
4
OKA1
4
OKA2
3
SUG1
4
SUG2
2
SUG3
1
FSW1
2
FSW2
7
3位 62
2013年 PETRONAS TEAM TOM'S SUZ1
1
SUZ2
2
TRM1
2
TRM2
2
TRM3
2
OKA1
Ret
OKA2
2
FSW1
1
FSW2
2
TRM1
6
TRM2
6
SUG1
Ret
SUG2
DNS
FSW1
3
FSW2
2
2位 80
2014年 SUZ1
3
SUZ2
2
TRM1
4
TRM2
3
TRM3
3
OKA1
4
OKA2
3
FSW1
6
FSW2
5
TRM1
1
TRM2
3
SUG1
2
SUG2
3
FSW1
1
FSW2
4
4位 80

WRC2[編集]

チーム マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 Pos. Points
2016 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE MEX ARG POR ITA POL FIN
12
GER AUS FRA ESP GBR - 0
2017 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE
9
MEX FRA ARG POR
14
ITA
3
POL FIN
Ret
GER ESP GBR AUS 18th 17
2018 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE
1
MEX FRA
8
ARG POR
13
ITA
Ret
FIN
Ret
GER TUR GBR ESP
12
AUS 14th 29
2019 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE
Ret
MEX FRA
4
ARG
5
CHL
1
POR ITA FIN GER TUR GBR ESP AUS 2nd* 47*

WRC[編集]

チーム マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 Pos. Points
2016 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE MEX ARG POR ITA POL FIN
27
GER AUS FRA ESP GBR - 0
2017 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE
22
MEX FRA ARG POR
36
ITA
14
POL FIN
Ret
GER ESP GBR AUS - 0
2018 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON SWE
12
MEX FRA
35
ARG POR
27
ITA
Ret
FIN
Ret
GER TUR GBR ESP
24
AUS - 0
2019 トミ・マキネン・レーシング フォード・フィエスタ R5 MON
13
SWE
Ret
MEX FRA
14
ARG
16
CHL
14
POR ITA FIN GER TUR GBR ESP AUS NC* 0*

エピソード[編集]

  • 全日本F3までサーキット活動をしていたため、サーキットドライバーの友人が多い。特に一つ年下の平川亮とは仲が良く、オートスポーツでは焼き肉屋での対談も組まれた。
  • ラリードライバーになってからも、TOYOTA GAZOO RacingのCMに俳優・佐藤健レーシングカートの講師として登場した[6]

脚注[編集]

関連項目[編集]