北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車

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北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車
天橋立駅にて「丹後の海」
天橋立駅にて「丹後の海」
基本情報
運用者 北近畿タンゴ鉄道所有
WILLER TRAINS(運用)
製造所 富士重工業
主要諸元
編成 KTR800(1,3,11,13,15)-800(2,4,12,14,16)
軌間 1,067 mm
最高速度 120 km/h
編成定員 100名
車両定員 MC1:51人 MC2:49人
自重 40.4t - 41.7t
全長 21,600 mm
全幅 2,915 mm
全高 4,000 mm
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付
FU51D
機関出力 330ps(SA6D125系) × 2 (一両あたり)
駆動方式 液体式
制動装置 電気指令式空気ブレーキ
(増圧機構付き)
保安装置 ATS-P3, SW
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北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車(きたきんきタンゴてつどうKTR8000がたきどうしゃ)は、1996年平成8年)に西日本旅客鉄道(JR西日本)のキハ58形の置き換えを目的として北近畿タンゴ鉄道が導入し、2015年(平成27年)4月1日からはWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)で使用されている特急形気動車(ディーゼル動車)である。2両編成5本(計10両)が製造された。

概要[編集]

タンゴディスカバリー」の愛称があり、2011年3月までは同名の特急列車に充当されていた。

製造当初は、福知山線系統で使用されていた。そのことから「エーデル丹後」の後継車として西日本旅客鉄道(JR西日本)の183系電車との併結装備を持つ8000番台(2編成。8001 - 8004。併結時は被牽引でブレーキのみ協調)、および併結装備を持たない8010番台(3編成。8011 - 8016)に大別される。電車と併結するために、連結器は電車と同様の密着連結器を用い、これは非併結仕様の8010番台も同じで、8000番台との連結も可能であるが、その他の北近畿タンゴ鉄道に所属する車両との連結は不可能である。

また、奇数番号車(Mc1) と偶数番号車(Mc2) の2両でユニットを組み、Mc1には運転室直後に側面に大窓を持つフリースペースの展望室、Mc2には後位にトイレと洗面所を持つ。座席はリクライニングシートで、定員はMc1が51人、Mc2が49人、1ユニットあたりの定員は100人で、シートピッチは1,050mmと広く取られている。複数ユニットを併結するため、前頭部は貫通構造となっているが、は通常両開き式のプラグドアによって隠されており連結時のみ引き出して使用する。JR西日本の新製した特急型電車の様に裾絞りが大きく取られているが振り子式車両ではない。

駆動用ディーゼルエンジンは『タンゴエクスプローラーKTR001形気動車と同様に、小松製作所製SA6D125系エンジン(DMF11HZ系、330PS/2,000rpm)を各車に2基ずつ搭載している。台車はJR東海のキハ85系気動車に類するFU51Dを履き、ヨーダンパ付のボルスタレス台車で、車体中央寄りの各1軸を駆動し両抱き式の踏面ブレーキを採用する。最高速度は120km/h

ブレーキは電気指令式になっているが、前述の8000番台(2編成。8001 - 8004)では電磁直通ブレーキを装備する183系電車との併結を行うためブレーキ指令の読替装置が搭載されている。この装置は併結運転を終了して以後は使用されていない。

警笛はAW-2型空気笛が装備されている。車内チャイム北海道旅客鉄道(JR北海道)の特急列車と同様のものであるが、編成によっては東日本旅客鉄道(JR東日本)の特急列車と同様の「春の歌」も加えて搭載されているものもある。

リニューアル前編成「タンゴディスカバリー」

転落防止幌は設置されていない。

リニューアル改造[編集]

インダストリアルデザイナー水戸岡鋭治によるデザインで、海の京都をイメージした「丹後の海」として、内外装のリニューアル改造が行われた[1]。内装は先行したあかまつ・あおまつ・くろまつと共通した木材を中心とした和風のデザインとなり、客室天井と壁はシラカバ、床はナラ、座席はカエデが使用されている。外装は藍色メタリックとなり、各所にロゴマークが配置されている[1]

1編成あたりの総工費は約8,000万円。最初にKTR8011-KTR8012がリニューアルされ2015年11月13日に宮津駅で出発式を行い、京都丹後鉄道線内の特急「たんごリレー」および普通・快速列車で運行を開始した。特急「はしだて」「まいづる」などJR西日本線内への乗り入れについては、当初調整中となっていたが11月21日より運用が開始された。続いてKTR8001-KTR8002がリニューアルされ、2015年12月26日に運行を開始した。なお2編成目は水戸岡の設計・デザインに、京都表具協同組合の全面協力を得て、自由席側に金箔の装飾品を設置するなど1編成目とは異なる工夫が施された。

その後、順次リニューアル改造が進み、最後に残ったKTR8015-8016が2017年5月6日を以って旧塗装での運行を終了[2]、現在では全車改造が完了している。

運用[編集]

臨時列車「タンゴ悠遊号」
(栗田駅)

2018年3月17日のダイヤ改正から次の列車で運用されている。

1996年の登場時は福知山線系統の特急「タンゴディスカバリー」として新大阪駅 - 久美浜駅間で運行され、新大阪駅 - 福知山駅間は特急「北近畿」の最後尾にニュートラル状態で連結・牽引、北近畿タンゴ鉄道線内は自走するというパターンだった。また「タンゴレインボー」という社線内急行列車も運行を開始し、本形式の非併結仕様車が充当されたが1999年10月2日のダイヤ改正をもって廃止された。

1999年(平成11年)10月2日の舞鶴線電化開業に伴うダイヤ改正で、京都発着の「タンゴエクスプローラー」と運転系統・使用車両(列車愛称)が入れ替えられ、KTR001形気動車が福知山線経由となった特急「タンゴエクスプローラー」として新大阪駅 - 久美浜駅間を単独で走るようになり、「タンゴディスカバリー」は京都発着・山陰本線経由の列車になり、本形式の前面貫通構造を活かして東舞鶴駅発着系統との分割併合運用を行なうようになった。

2005年(平成17年)のJR福知山線脱線事故により対策として設置されたATS-Pを、当時「タンゴエクスプローラー」で運用されていたKTR001形気動車は非搭載だったため、暫定的にATS-P・ATS-SW両方を搭載した本形式を使用して運行することになり、特急「タンゴエクスプローラー」(車輌側面に列車名をマグネットシール貼付にて表示)として再度福知山線経由の列車になったが、2007年(平成19年)3月18日ダイヤ改正で所定の運用に戻っている。またこの改正でデッキに設置されていた灰皿が撤去され全面禁煙となった。

2011年3月13日のダイヤ改正で、列車名としての「タンゴディスカバリー」の愛称は廃止され、同ダイヤ改正以降は車両はそのままに「まいづる」「はしだて」で運用されている[3]。同時に、2011年3月から北近畿タンゴ鉄道線内運転の連絡特急「たんごリレー」にも使用されている[4]

なお2012年10月20日にはジオパークディスカバリー運行実行委員会により企画された特別列車「ジオパークディスカバリー」として営業列車で天橋立駅 → 鳥取駅間(但し久美浜駅 → 城崎温泉駅は回送扱い)を運行したこともある。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 京都丹後鉄道「丹後の海」公開、KTR8000形が"水戸岡デザイン"に!”. マイナビニュース. マイナビ (2015年11月12日). 2015年11月14日閲覧。
  2. ^ 5月6日(土)で運行終了 タンゴディスカバリーの運行終了記念として「ありがとうタンゴディスカバリーイベント」を実施します - WILLER 2017年4月28日(2017年6月4日閲覧)
  3. ^ 平成23年春のダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年12月17日
  4. ^ KTR線内特急列車の愛称名決定」 - 北近畿タンゴ鉄道公式サイト 2010年12月20日