博多スターレーン
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博多スターレーン(はかたスターレーン)は、福岡県福岡市博多区博多駅東一丁目8番33号にあったボウリング場。「スターレーン」のブランド名でボウリング場を全国展開する株式会社イースタンスポーツが運営していた。
概要[編集]
1972年11月開業[1]。84レーンを有する西日本最大級のボウリング場であった[2]。JR博多駅筑紫口から徒歩4分と交通の便に優れていた。
ビル内にはアミューズメントスペースの他、イベントホールが併設されており、特にプロレスの興行が頻繁に行われていたことでも知られ、日本のプロレスにおける“西の聖地”とも呼ばれた[3]。全日本プロレスを離脱した三沢光晴などのプロレスリング・ノア勢が全日本プロレスの興行に最後に出場した会場でもある[4]。過去にはプロボクシング興行にも使用され、元世界チャンピオン越本隆志のデビュー戦もスターレーンのリングであった。
ボウリング場ビル内にあるため、非常に天井が低いのが特徴であるが、リング設置部分は、後に天井を刳り貫く工事が施工された。また、フロアレイアウトの変更も容易であった[4]。
2015年7月の豪雨で近くの御笠川の氾濫により浸水被害を受けたものの、それ以外は大きな休業もなく営業が続けられてきたが、2019年1月22日、施設の老朽化により同年3月31日をもって施設を閉鎖することを公表[1][5]、3月31日をもって閉館となった[2]。最終日はイベントホールでの展示会がキャンセルとなったことを受けて大日本プロレス・東京女子プロレス・DDTプロレスリングがプロレス興業を急遽企画。大日本は同日夜の名古屋大会(DIAMOND HALL)と、DDTは昼の福島大会(伊達市保原体育館)との変則ダブルヘッダーを設定したほか、最初で最後の博多スターレーン登場となった東京女子プロレスにはアジャ・コングが同マット初出場を果たすなど「一日3団体3興業」を敢行して幕を閉じた[3]。
閉館後、建物の解体工事が進められている。跡地にはNTT都市開発と大成建設の共同事業「(仮称)博多駅東一丁目開発計画」により、2022年6月の完成を目指して、博多駅周辺地区最大級の広場(公開空地)を有する地上10階建てのオフィスビルが建設されることになっており[6]、ボウリング場は入居しない見込み。
施設[編集]
脚注[編集]
- ^ a b “博多スターレーンビル閉店のお知らせ”. 博多スターレーン (2019年1月22日). 2019年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月3日閲覧。
- ^ a b “昭和、平成…愛された2施設に幕 九電記念体育館・博多スターレーン”. 西日本新聞. (2019年4月1日) 2019年4月20日閲覧。
- ^ a b “1日3興行開催の“心意気”を残して。西の聖地「博多スターレーン」閉館。”. Number WEB (2019年4月8日). 2019年4月20日閲覧。
- ^ a b 『想い出のプロレス会場物語』P36 - P37
- ^ “博多スターレーン3月末閉鎖 老朽化、再開発へ”. 西日本新聞 (2019年1月22日). 2019年1月22日閲覧。
- ^ “博多駅東一丁目敷地(旧博多スターレーン跡地)における開発計画概要について” (プレスリリース), NTT都市開発株式会社・大成建設株式会社, (2020年3月26日) 2020年4月2日閲覧。
参考文献[編集]
- 『想い出のプロレス会場物語』ベースボール・マガジン社、2016年。ISBN 9784583624372。