原子心母

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原子心母
ピンク・フロイドスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル イギリスの旗ハーヴェスト
EMI(再発盤)
アメリカ合衆国の旗ハーヴェスト/キャピトル
キャピトル(再発盤)
プロデュース ピンク・フロイドアラン・パーソンズ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(英国・オフィシャルチャート)
  • 55位(米国・ビルボードチャート
  • 15位(日本・オリコンチャート
  • ゴールドディスク
  • 50万枚(米国・RIAA
  • ピンク・フロイド アルバム 年表
    ウマグマ
    (1969年)
    原子心母
    (1970年)
    ピンク・フロイドの道
    (1971年)
    テンプレートを表示

    原子心母』(げんししんぼ、原題:Atom Heart Mother)は、1970年に発表されたピンク・フロイドスタジオ・アルバムヒプノシスによるのジャケットも有名。

    概要[編集]

    ピンク・フロイドの本作は全英初登場1位[1]、全米55位を記録するなど各国でヒットした。それまでの彼らのアルバムは、どちらかと言うとアンダーグラウンドで難解な実験音楽的要素が強かったが本作では分かり易く聴きやすい内容になっている。このことがシド・バレット脱退後のバンドに初めて商業的、音楽的成功をもたらすことになる。

    ただしロジャーは後にこのアルバムを「フロイドの中で嫌いなアルバムの一つ」と述べている。「ロン・ギーシンイギリス前衛音楽家)とやったものは全て平凡で駄作。後の作品のステップでしかない」とも述べている[2][要ページ番号]

    表題曲「原子心母」はアナログA面を覆い尽くす23分を超える大作で、チェロブラス・バンドコーラス隊などを大胆に使った作品である。原題の「Atom Heart Mother」とは、心臓にペースメーカーを埋め込んで、生きながらえている妊婦のことを書いた新聞記事の見出しから取られたもの。制作はメンバー4人だけでなく、ロン・ギーシンが加わっている。

    アナログB面は、バンドの個人による書き下ろし曲と、メンバー全員の共作による曲が収録されている。ロジャー・ウォーターズ作「もしも」は、後の傑作『狂気』のコンセプトの原形と言える。ただし、この曲自体は繊細かつ内向的で、後の作品のような攻撃性、社会性、大仰さは見られない。「デブでよろよろの太陽」はデヴィッド・ギルモアによる作品で、ライブレパートリーになった曲である。「サマー'68」はリチャード・ライト作であり、3人による曲の中で一番ポップである。最終トラックの「アランのサイケデリック・ブレックファスト」はバンド全員による共作で、ミュージック・コンクレート作品。1970年12月、ライヴでも1度だけ演奏された。なお、題名に入っているアランとは、当時バンドのロード・マネージャーだったアラン・スタイルスの事で、メニューの声もスタイルスによる(スタイルスは『ウマグマ』の裏ジャケットに映っている人物のどちらか)[3][要ページ番号]

    邦題「原子心母」について[編集]

    邦題は、「Atom=原子」「heart=心」「Mother=母」と英語をそのまま直訳したものである。このタイトルをつけたのは、東芝音楽工業(現・EMIミュージック・ジャパン)の洋楽ディレクターだった石坂敬一である[4]

    収録曲[編集]

    1. 原子心母 - Atom Heart Mother (作曲:David Gilmour, Roger Waters, Richard Wright, Nick Mason & Ron Geesin)
      1. 父の叫び - Father's Shout
      2. ミルクたっぷりの乳房 - Breast Milky
      3. マザー・フォア - Mother Fore
      4. むかつくばかりのこやし - Funky Dung
      5. 喉に気をつけて - Mind Your Throats, Please
      6. 再現 - Remergence
    2. もしも - If (作詞・作曲:Roger Waters)
    3. サマー'68 - Summer '68 (作詞・作曲:Rick Wright)
    4. デブでよろよろの太陽 - Fat Old Sun (作詞・作曲:David Gilmour)
    5. アランのサイケデリック・ブレックファスト - Alan's Psychedelic Breakfast (作曲:David Gilmour, Roger Waters, Rick Wright & Nick Mason)
      1. ライズ・アンド・シャイン - Rise and Shine
      2. サニー・サイド・アップ - Sunny Side Up
      3. モーニング・グローリー - Morning Glory

    カバー・アート[編集]

    デザインはヒプノシスが担当。コンセプトは「サイケデリックではなく、ピンク・フロイド風でなく、でも、奇抜なもの」で、ヒプノシスストーム・ソーガソンが友人の写真家に相談したら、「牛ではどうか?」と言われたので、ロンドン北部へドライブに行って、最初にあった牧場で写真を撮った。 この牛は、アーサー・チョーク氏所有のルルベル3世。チョークはアルバムが大ヒットしたことを知り、ルルベルのギャラとして1,000ポンド(今のレートで130,000円)を要求したが、ピンク・フロイドのマネジャーに却下された。[5]

    再現[編集]

    2008年6月15日、デヴィッド・ギルモアは、ロンドンで行われた「原子心母」のオーケストラ・アレンジを務めた前衛音楽家ロン・ギーシン主催の、「Atom Heart Mother」と題されたコンサートに出演し、10名のブラス奏者、地元合唱団、チェロ奏者のキャロライン・デイル、イタリアのフロイドのコピーバンドのマン・フロイド、ギーシン、と共に「原子心母」を演奏した。

    脚注[編集]

    1. ^ 1970-10-24 Top 40 Official UK Albums Archive | Official Charts
    2. ^ ベース・マガジン (リットー・ミュージック) 2000年2月号. (2000-01-19). 
    3. ^ 立川, 直樹 (1978-04). ピンク・フロイド — 吹けよ風・呼べよ嵐. 新興楽譜出版社. 国立国会図書館書誌ID:000001370757 
    4. ^ ギター・マガジン編集部 (2006年10月11日). “邦題のオキテ その6”. ギター・マガジン・ブログ. リットーミュージック. 2013年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月13日閲覧。
    5. ^ Mind over Matter 4: The Images of Pink Floyd of Pink Floyd ストーム・ソーガソン