叡山駅 (江若鉄道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
叡山駅
えいざん
EIZAN
滋賀 (3.1km)
(1.0km) 日吉
所在地 滋賀県大津市下阪本
所属事業者 江若鉄道
所属路線 江若鉄道線
キロ程 6.6km(浜大津起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
開業年月日 1921年(大正10年)3月15日
廃止年月日 1969年(昭和44年)11月1日
テンプレートを表示

叡山駅(えいざんえき)は、かつて滋賀県大津市下阪本[1]にあった江若鉄道廃駅)。

歴史[編集]

叡山駅は1921年(大正10年)、江若鉄道の開業に合わせて開設された駅である[1]。当時開通したのは三井寺から叡山までの6.0キロメートルのみで[2]、当駅が路線の終点だった[1]。路線開業の翌日からは比叡山延暦寺で開祖最澄の1100年大遠忌が開催されていて、叡山までの開業はこの大遠忌へ向かう参詣客輸送に間に合わせるためであった[1][3][6]。路線は2年後の1923年(大正12年)に叡山から先、雄琴まで延伸する[2][5]

線内では日吉駅と並び比叡山参詣の玄関口を担う駅であった[7]。江若鉄道は1969年(昭和44年)10月31日をもって営業を終了し[8]、当駅も翌11月1日に廃止されている[9]

駅構造[編集]

叡山駅線路配置図

滋賀
voie bifbd voie voie voie voie voie courbebd 0 0 0 0
0 0 Dvoie 0 quai quai quai 0 Dvoie 0 0 0
0 0 0 Dbifd voie voie voie voie voie bifhg bifbg voie
0 0 0 0 courbehg voie voie voie voie bifhd butoird 0
0 0 0 0 0 0 BV 0 0 0 0 0

日吉
凡例
出典:[12]

叡山駅は旅客と貨物の取り扱いを行う一般駅[13]、構内にはホーム側線が設けられていた[12][14]列車交換が可能な停車場であり[13]、ホームは2本の線路の間に置かれ、両側に線路が接する島式ホームが1面のみ[14][15]。ホームには木が生えていた[16]

広い構内を有する駅にはこのほかに貨物用のホームや材木の集積場[16]駅本屋[12]があった。

利用状況[編集]

開業から数年間の年間乗降客数・貨物取扱量の状況は以下の通り。

年間の旅客および貨物の取扱量
旅客 貨物 出典
乗車 降車 発送 到着
1921年 135,746人 113,179人 26トン 53トン [17]
1922年 153,066人 132,418人 297トン 1,421トン [18]
1923年 132,537人 118,054人 633トン 1,473トン [19]
1924年 105,838人 70,508人 487トン 241トン [20]
1931年 62,599人 61,475人 598トン 1,915トン [21]
1934年 50,939人 50,274人 346トン 1,554トン [22]
1935年 54,186人 53,039人 423トン 1,272トン [23]
1936年 53,875人 53,051人 317トン 1,029トン [24]

駅周辺[編集]

駅があった場所は下阪本4丁目交差点の南に当たる[1]。江若鉄道の廃線後に開通した湖西線国道161号西大津バイパスが通っていて、駅の痕跡は残されていない[1][25]

なお、湖西線にも当駅と同名の「叡山駅」が設けられた(1994年に比叡山坂本駅に改称[9])が、その位置は当駅ではなく隣の日吉駅に一致する[26]

隣の駅[編集]

江若鉄道
江若鉄道線
滋賀駅 - 叡山駅 - 日吉駅

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d e f 江若鉄道の思い出, p. 28.
  2. ^ a b 田中, 宇田 & 西藤 1998, p. 394.
  3. ^ レイル, p. 72.
  4. ^ a b 田中, 宇田 & 西藤 1998, p. 395.
  5. ^ a b 寺田 2010, p. 9.
  6. ^ 延暦寺は江若鉄道の設立にあたり最高額の3500株を負担し[4]、同社の筆頭株主であった[5]。出資は大遠忌の参詣客輸送のため、鉄道敷設に協力したものとみられている[4]
  7. ^ 江若鉄道の思い出, p. 34.
  8. ^ 江若鉄道の思い出, p. 124.
  9. ^ a b c d e 今尾 2008, pp. 31–32.
  10. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1921年3月17日(国立国会図書館デジタル化資料)
  11. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1923年4月6日(国立国会図書館デジタル化資料)
  12. ^ a b c 竹内 1967.
  13. ^ a b 寺田 2010, p. 10.
  14. ^ a b 寺田 2010, p. 15.
  15. ^ レイル, p. 78.
  16. ^ a b レイル, p. 80.
  17. ^ 『滋賀県統計全書』大正10年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  18. ^ 『滋賀県統計全書』大正11年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  19. ^ 『滋賀県統計全書』大正12年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  20. ^ 『滋賀県統計全書』大正13年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  21. ^ 『滋賀県統計全書』昭和6年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  22. ^ 『滋賀県統計全書』昭和9年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  23. ^ 『滋賀県統計全書』昭和10年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  24. ^ 『滋賀県統計全書』昭和11年版(国立国会図書館デジタル化資料)
  25. ^ 寺田 2010, p. 24.
  26. ^ 江若鉄道の思い出, p. 35.

参考文献[編集]

  • 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』9 関西2、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790027-2。
  • 大津市歴史博物館 編『江若鉄道の思い出 ありし日の沿線風景』サンライズ出版、2015年。ISBN 978-4-88325-554-2。
  • 竹内龍三「私鉄車両めぐり(70) 江若鉄道」『鉄道ピクトリアル』第17巻第1号(通巻192号)、鉄道図書刊行会、1967年1月、 70-77頁、 ISSN 0040-4047(再録:『私鉄車両めぐり 関西』鉄道図書刊行会〈鉄道ピクトリアル別冊 鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション 19〉、2010年、102-114頁。全国書誌番号:21848519
  • 田中真人、宇田正、西藤二郎「第16章 琵琶湖の首飾り―江若鉄道・湖西線」『京都滋賀 鉄道の歴史』京都新聞社、1998年。ISBN 4-7638-0445-6。
  • 寺田裕一『新 消えた轍 ―ローカル私鉄廃線跡探訪―』8 近畿、ネコ・パブリッシング〈NEKO MOOK〉、2010年。ISBN 978-4-7770-1075-2。
  • 「江若鉄道 その車輛・列車・歴史・駅をめぐる」『レイル No.84』エリエイ/プレス・アイゼンバーン、2012年。ISBN 978-4-87112-484-3。