古都奈良の文化財

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世界遺産 古都奈良の文化財
日本
東大寺大仏殿
東大寺大仏殿
英名 Historic Monuments of Ancient Nara
仏名 Monuments historiques de l'ancienne Nara
登録区分 文化遺産
登録基準 (2),(3),(4),(6)
登録年 1998年
公式サイト 世界遺産センター(英語)
地図
古都奈良の文化財の位置
使用方法・表示

古都奈良の文化財(こと なら の ぶんかざい)とは、日本奈良県奈良市内にある8件の地域遺産(神社仏閣6〈神社1、仏閣5〉、史跡名勝1、天然記念物1)と緩衝地帯とで構成されるユネスコ世界遺産文化遺産[1]。総面積約31.18平方キロメートル[2][3]

1997年平成9年)の推薦を経て、1998年(平成10年)12月2日京都市で開催されたユネスコ世界遺産委員会で登録された。ユネスコ世界遺産として日本で9件目、文化遺産としては7件目である。

概要[編集]

特別天然記念物である春日山原始林は、そのままの評価であれば自然遺産であるべきところ、当物件ではどういうわけか文化遺産に区分されている[4]。その理由を春日大社境内と春日山原始林を一体と捉えたうえで登録されたからと説明する向きもある[5]が、しかしそのとおりであれば、広く謳われている「8件」という地域遺産の登録物件数が合わず、7件ということになる。

鉄道そのものが登録物件である場合以外では、ユネスコ世界遺産で唯一(※2019年時点)、登録区域内を鉄道が走る[6]平城宮跡を東西に横断する近鉄奈良線大和西大寺新大宮間)がそれで[6]、登録以前から営業しており(近畿日本鉄道の直系前身にあたる大阪電気軌道により1914年大正3年〉開通)[6]、それが登録の障害になるようなものでなかったことによる。もっとも、奈良県は近鉄奈良線の宮跡外への移設に向けて本格的検討を始めたことを2017年(平成29年)1月に発表した[6]

構成遺産[編集]

現在の構成遺産は、国宝建造物(★)があるか、特別史跡(■)に指定されているか、特別天然記念物(▲)であるものだけで構成されている。平城宮跡の一部は特別名勝にも指定されている。

現在は分離して宮内庁管理となっている正倉院(★)を含む。

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  • (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  • (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

具体的には、

  • (2) 古都奈良の文化財は日本建築と日本美術の進化のひときわ優れた証拠性を有しており、それらは中国と朝鮮との文化的つながりの結果であり後世の発展に重要な影響を与えることになった。
  • (3) 奈良の建築遺産は、奈良が首都であった時代に開花した日本文化の唯一の証左である。
  • (4) 奈良における皇室宮殿の配置と現存文化財の設計は、初期アジアの首都群の建築と都市設計に関するきわだった例である。
  • (6) 奈良の仏教寺院と神社は、ひときわ優れた形で宗教の連続的な力と影響を証明する。

脚注[編集]

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  1. ^ 古都奈良の文化財”. コトバンク. 2019年5月23日閲覧。
  2. ^ 古都奈良の文化財”. 講談社『世界遺産詳解』. コトバンク. 2019年5月23日閲覧。
  3. ^ 古都奈良の文化財”. 日外アソシエーツ『事典 日本の地域遺産』. コトバンク. 2019年5月23日閲覧。
  4. ^ 自然遺産に区分されている場合、当物件の区分は複合遺産でなければ道理に合わないが、そうはなっていない。
  5. ^ 奈良大和路の世界遺産 古都奈良の文化財”. なら旅ネット(奈良県観光公式ウェブサイト). 一般財団法人 奈良県ビジターズビューロー. 2019年5月23日閲覧。
  6. ^ a b c d 秋本敏行(※鉄道・自動車等の分野の写真家) (2017年3月7日). “世界遺産『平城宮跡』の中を通る鉄道線”. 鉄道旅のガイド. 鉄道旅のガイド. 2019年5月23日閲覧。